サイレント・テロ

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目次

まことに小さな国が、衰退期を迎えようとしている

司馬遼太郎の長編歴史小説「坂の上の雲」は、封建の世から目覚めたばかりの日本が、登って行けばやがてはそこに手が届くと思い登って行った近代国家や列強というものを「坂の上の雲」に例えたものである。小説の書き出しは『まことに小さな国が、開花期をむかえようとしている』という印象的な言葉で、同名のNHKドラマでのオープニングが多くの人の脳裏に焼き付いているはずだ[1]

これに対して、現在の日本を『まことに小さな国が、衰退期を迎えようとしている』と表現したのは劇作家平田オリザ[2]だ。これから日本という国は、長期にわたる人口減少と経済縮小の坂道を下っていくことになるのは、多くの統計からの推察されているところだ。平田オリザは著書で次のように自覚を求めている

  • 日本は、もはや工業立国ではない
  • もはやこの国は成長せず、長い後退戦を戦っていかねばならない
  • 日本という国は、アジア唯一の先進国ではない

労働人口の7割が、サービス業や小売業などの第三次産業に従事している現在、日本が工業生産を中心とした成長社会(貿易立国・技術立国)に戻ることはありえないという。成熟と言えば聞こえはいいけれど、成長の止まった、長く緩やかな衰退の時間に耐えていかなければならない。そういうことを前提とするなら、個人の生き方も、国の政策も見直していかなければならない。大きな開発も、リニアモーターカーも、オリンピックも、本当に日本に必要なのかと。

オリンピック一つとっても、IOC委員への贈賄疑惑、エンブレムのコピペ問題、メインスタジアムの白紙撤回、都知事の不祥事、当初提示した予算が次々とオーバーして野放図となる有様は、もはや日本という国が「私達が知るかつての経済大国・技術大国」ではないことを如実に表しているのではないか。

もう、夢物語を信じるのやはめよう。肥大化した価値観、生き方をどうすべきかを示唆するのが、次に述べる「ミニマリスト」「サイレント・テロ」なのではないかと感じている。

ミニマリスト

物を持たず、必要最小限(ミニマム)な暮らしを送る生き方。かつてはシンプルライフと呼ばれていたことも。物を最小限にすることで、自由に使える時間が増えたことを実感する人が多いようだ[3]。「スーツケースに全所持品が収まる」ほど極限まで突き詰められる人はそうそういない。しかし、物に執着しなくなることで得られるものは時間だけではない。物を買うために費やしていた労力や金も不要となり、より多くの金を得ることが善であるという価値観すら怪しくなってくる。果たして現在の自分の価値観は何の意味があるのか、もう一度じっくり向き合うために、ミニマリストを実践してみよう。

ミニマリストの実践として次のような例がある[3]

  • 1年以上使っていない、再び入手できる物は不要
  • 本や書類は電子化してタブレット端末やパソコンで見る
  • 家具の見直しは本棚など収納家具から
  • 物を手放すとき、買うときは一気に進めず時間をかけて
  • ガラクタに見えても家族や同居人の物には手を出さない
  • 使った物は逐一しまい、見える所に置かない
  • 捨てることを目的にせず、自分の生活に必要かを考える

サイレント・テロ

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サイレント・テロとは、現在の社会状況、または自らの置かれた社会的状況に対して悲観的観測を抱きながら、それを「現実」として受け入れようとするときに起こる人々の行動。

その「悲観的状況こそが「現実」なのだ」と諦観する、一種の「絶対観」的な「現実肯定」に基づいて、「スロー消費」「非婚・晩婚化」「少子化」「NEET」「ひきこもり」「自殺」などのように、さまざまな社会活動——消費行動や人間関係、ひいては自らの生存そのものを消極化、縮小、または消滅させていくこと。

これらの消極的かつ間接的な暴力によって、意図するとせざるとにかかわらず、「見えない社会の空洞化」が引き起こされる。現在の社会に対する消極的抵抗、あるいは沈黙の異議申し立てであるといえる。[4]

また近年、年間1回だけ無駄な消費をしない日として世界各国で無買日運動も行われている。わたしたちのサイフとココロ、そして地球環境に優しい日を、年間1日から始めてみませんか。そしてその心がけを1週間、1ヶ月、1年と持続させることこそ、私たちの心の幸福と地球環境保護に大いに貢献することでしょう。

行動規範

具体的には、次のような行動規範であるといわれている[5]紙幣に価値などない出来る限り金を市場に回さないという言葉からは、経済学の知識の上に書かれたものであると思われます。


  • 病気にならない。少子高齢恐るに足らず。元気な老人を目指す。
  • 自宅の不動産価値は、全保有資産の半分以下に抑える。
  • 資産管理は世界的視点を忘れぬこと。 紙幣に価値などない。日本の10坪はアメリカの1000坪。
  • 贅沢をしない。見栄を張らない。出来る限り金を市場に回さない
  • 資本主義社会では広告まみれの世界。誘惑に負けるな。
  • 余分な消費を抑え、モノは長く大事に使う。
  • 借金はしない
  • なるべく実家で暮らす。そうでなければルームシェアなどをする。 不動産屋、大家、建設業界、銀行、家電業界等に余分な金を落とさない。
  • 人間を奴隷かモノの如く扱う、偽装工作をするなど、 モラルが著しく欠落している企業、団体等には金を落とさない。
  • 酒、タバコ、ギャンブルはやらない。
  • 金のかかる娯楽、趣味は持たない。
  • 勝ち組、異性に金を落とさない
  • 結婚はできればする。ただし結婚しても子供は作らない。
  • 友人は極力持たない。無駄な飲み会やコンパの誘いは浪費の元。
  • 冠婚葬祭に金をかけない。腐敗した宗教観に金をぼったくられるな。
  • 宗教は個人的な範疇ならば信仰して良いが、宗教団体には一切金を落とさない
  • テレビや大衆雑誌は見ない。新聞や本は立ち読みか図書館で済ます。
  • 常識や流行など、常にあらゆるものを疑う視点を持つ。
  • 社会の仕組みを勉強し、支配者層の思惑に乗らない。
  • あらゆる出来事に対して無関心、傍観者的立場を貫け。
  • 受け取る報酬以上の仕事はしない。 度を超えた真面目、努力、忍耐、従属、お人良しは美徳ではない。
  • 組織や個人に忠誠を誓わない。
  • 生活と人生を混同しない
  • 人に期待しない。世間に求めない。夢は見ない。希望は持たない。
  • 非金銭的、非物質的な幸福観を追求しろ

参考文献・引用

  1. 安倍首相 facebook 2013年7月9日の記事 https://ja-jp.facebook.com/abeshinzo/posts/378141425642640
  2. 下り坂をそろそろと下る (講談社現代新書)平田オリザ著 ISBN 978-4062883634
  3. 3.0 3.1 日本経済新聞 2016/4/13 「持たない生活の心得」 http://www.nikkei.com/article/DGXMZO99040900Q6A330C1I10000/
  4. はてなダイアリー 「サイレント・テロ」[1]より引用
  5. 2ちゃんねる掲示板より[2]
  • 消費しない若者「虾族」が出現。物価上昇で節約に走る上海消費市場 [3]
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