2007年 バルカン半島南部旅日記 写真集 その1

黒海に面したブルガリアのネセバルから、アドリア海(イオニア海)に面したアルバニアのサランダまでの旅の写真

ギリシアのケルキラ島以降の写真は、「その2」に掲載してます

つい10年前まで鎖国をしていたアルバニアに行きました。 日本の外務省は、アルバニア全土に「1段階目:注意しろ」の警告情報を、ティラナより北の地域を「2段階目:渡航の是非を検討しろ」の警告情報を出していたりします。
多数の国のガイドブックを出している「地球の歩き方」もアルバニアについては「ヨーロッパ編」ですら掲載していない。

大手の出版社がガイドブックを発行するために調査員を現地に派遣するときに、何かあった場合の責任問題を問われるのがいやなんでしょうね。

マケドニア、アルバニアともに外務省曰く 「1段階目:注意しろ」 地域ではあるけれども、特に危険そうな事態を見かけることはなかった。他のヨーロッパ諸国のように団体観光客や飲んだくれの若者旅行者がたむろしているようなこともなく、「一種の旅情」を味わうには良い場所かもしれない。

ただし、アルバニアに入る人は、交通機関が全く整備されていないことをお忘れなく。
たとえば、ティラナからジロカストラまで直線距離にして200km程度のところでも、未舗装のでこぼこ道などを「脳みそまでひっくり返るくらいの揺れ」のミニバスに乗って6時間とかいうのが当たり前の世界。長距離バスの時刻表は無い... とロンプラにさえ書かれる始末。
ただ、観光客が行きそうな場所には1日1便はミニバスなり、普通のバスが走っているらしいです。夜行は無く、昼間だけです。なんといっても、私がアルバニア滞在中に幹線道路に「立体交差、橋」や「トンネル」なんて見かけませんでしたし、山間部の道路の大半に「照明やガードレール」なんて存在していませんでした。

つい最近イランで日本人観光客が誘拐されましたが、イランも危険情報では「1段階目~2段階目」です。危険情報が出ていると言うことは、日本政府は何の責任も持たないと言うことです。このページを見て、「普通の観光地みたいじゃん」ということで安易に渡航して危険な目にあっても、私は責任を持ちませんよ...

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България / Bulgaria (ブルガリア)

София / Sofia (ソフィア)

この街に来るのは、2003年以来2回目。中央駅の横にガラス張りの新しいバスターミナルが出来ていたり、中央駅から市内中心部のスヴェタ・ネデリャ教会へ続いているマリア・ルイサ大通り沿いに沢山の商店が出来ていたりした。

EUに加盟してからインフレが進んでいると言われるが、それでも物価は安いと感じる。特に、タクシー料金は他の国に比べてダントツに安い。ソフィア空港から中央駅まで11km乗って、9レバ(約770円)。

たとえば東京のタクシー運賃で計算すると、初乗(2km)660円+距離加算80円×9000m/274m=3,290円 となる。ブルガリアのそれは、東京の4分の1以下。

ソフィアからブルガスまで2等寝台車に乗ったときの運賃(寝台料金込み)はたったの23レバ(約1960円)。
同じくらいの距離(約350km)を東京から岐阜まで寝台急行銀河のB寝台を利用した場合は13,860円、ドイツのハノーバーからマンハイムまで2等 sleeprette(一番安いの)を利用した場合は103EUR(約16,900円)と、これらと比べればブルガリアの鉄道運賃はメチャクチャ安い。

その代わり安宿の選択肢があまり無かったり、安宿自体が無いという場所も多く、旅行代金が格安ですむかと言われればそうでもなかった。

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Храм-Паметник АлександЪр Невски
Aleksander Nevski Church
アレクサンドル・ネフスキー聖堂
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flags
立ち並ぶ五色の旗。旧共産党本部前
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antik flea market
蚤の市(アレクサンドル・ネフスキー聖堂の前の広場にて)

Велико Търново / Veliko Tarnovo (ヴェリコ・タルノヴォ)

ブルガリアでは有名な観光地らしい。蛇行して流れるヤントラ川に沿って旧市街やツァレヴェッツ要塞が築かれている。観光案内所で紹介してもらった貸しアパート(この写真の中央あたりの家)に1泊30レバ(約2600円)で泊まった。昼間は乾燥して暑い天気も、早朝は露が降り結構寒かった。

ちなみに、大相撲の琴欧州関の出身地でもあるようだ。

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old town beside Yantra river
ヤントラ川沿いの旧市街
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Царевец
Tsarevets Fortress
ツァレヴェッツ要塞 : ローマ帝国時代の5世紀~12世紀に掛けて築かれた要塞

Бургас / Burgas (ブルガス)

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Черно Море
Black Sea, at Primorski park
黒海を望むプリモルスキー公園の高台

Несебър / Nesebar (ネセバル)

黒海に突き出した半島に築かれた町。ギリシアの殖民都市以来の長い歴史があるらしいが、現在では観光地としての旧市街と、夏のリゾート地(ビーチ)として有名。
半島の旧市街には、たくさんのビザンチン様式の教会がある。

ブルガスから1時間に1本走っているバスで30分程度。2本に1本の割合で新市街のほうに行ってしまうようで、私は新市街で降ろされたので旧市街まで20分くらい歩くことになった。

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wodden house, at old town
旧市街の木造の家

Македонија / Macedonia (マケドニア)

Охрид / Ohrid (オフリド)

ブルガリアのソフィアからマケドニアへ1日3本の直通バスが出ている。そのうち1本がオフリドまで行く。他の旅行者に聞いたところ、首都のスコピエにはあまり見るものが無いようなので、スコピエを通過して直接オフリドまでやってきた。
バスは19時にソフィア中央駅前を出て、23時前に国境通過。国境では乗客全員が降ろされて、荷物を全て持って寒い屋外に並ばされた。最近の西欧ではあまり見かけない国境検査...
24時過ぎにスコピエに停車して、終点のオフリドには午前3時半ごろ到着。

バスを降りたところで客引き(こんな早朝に客引きがいることに感動...)に捕まって、プライベートルームに宿泊できることになった。1泊20EUR(約3280円)とべらぼうに高いが、朝4時に他をあたるというわけにも行かないし...

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Свети Jован Канео
Sveti Jovan at Kaneo and Lake Ohrid, 13th century church
オフリド湖に面した崖の上にある聖カネヨ聖堂

湖に面した崖の上に建てられた小さな教会。13世紀に建てられたという。マケドニアの観光案内の写真でよく使われる場所だ。

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old town port
旧市街の港

Св. Наум / Sveti Naum (スベティ・ネウム)

オフリドからアルバニアへ抜ける国境は、オフリド湖の南回りと北回りの2つの方法があるようだ。スベティ・ネウム教会を見るなら南回りが便利だが、国境前後の公共交通が存在しない。北回りは国境手前のストゥルガからティラナへの直通バスがあるようだ。

私は、オフリドを6:10発のバスに乗りスベティ・ネウムへ行き、日の出を待って教会を見学。 7:45にスベティ・ネウムを出発し、徒歩で4kmほど離れたアルバニアとの国境へ。国境通過は8:25ごろ。マケドニア側、アルバニア側双方の国境検査場とも、ほとんど検査らしい検査も受けずに通過。ブルガリアからマケドニアへの国境通過がそれぞれの検査場で30分以上掛かっていたのとは大違い。

アルバニア入国税は、検査場で1EUR(ユーロのコインが無いと、お釣が無いようだ)を払って入国。

アルバニアの検査場を出たすぐ前にタクシーが2台停まっており、それに乗って最も近い町のポグラデツまで。運賃は5EUR(約820円)だった。

オフリドのプライベートルームで出会った日本人男性は、同じ日に北回りの国境通過をした。彼と私の行動時刻をまとめると

南回り : オフリド 6:10 → 6:45 スベティ・ネウム 7:45 → 8:20 国境 8:30 → 8:45 ポグラデツ 9:10 → 12:20 ティラナ
北回り : オフリド 10:00 → 10:30 ストゥルガ 11:00 → 11:30 国境 13:00 → 17:00 ティラナ  (話を聴いた上での推測)

どちらで行っても、6~7時間くらいといったところだろうか。

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Свети Наум
Sveti Neum Church
スベティ・ネウム教会

10世紀に、聖人ネウムによって建てられた教会。オフリド湖の南端付近、アルバニアとの国境まで1kmほどのところにあります。

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junction point for Sveti Neum and Albanian boarder
アルバニア国境への分岐点

スベティ・ネウムから歩いてアルバニア国境へ抜けるには、このポイントまで戻り、左方向へ。このポイントからマケドニアの国境ゲートまで約2kmと、少し先の標識に書かれている。

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real boarder of Macedonia and Albania
マケドニアとアルバニアの国境(中央の標識のすぐ下の道路の舗装の切れ目が実際の国境線)

本当は、写真撮影禁止の場所らしいですが、このポイントのみ双方の国の国境警備詰め所からの死角です。

Albania (アルバニア)

Tirana (ティラナ)

第一印象は、埃っぽい街。実際に街を歩いてみても、埃っぽいと言う感覚は増す一方。乗用車はほとんどが中古のベンツばかりだったりする。歩道は至る所で段差が出来ていたり、マンホールの蓋が消失していたりと、かなりスリリング。停電がしょっちゅうあるようで、商店の前にはガソリンで動く発電機が1軒に1台必ず付いていたりする。

でも、交通信号には発電機が付いていないので、停電した途端に車が大渋滞。警官が手信号で交通整理している場合じゃないだろと...

水道もしょっちゅう断水するようで、私が泊まったゲストハウスで水が出たのは、夕方の19時ごろから21時ごろ、早朝だけだった。だから、どこの家でも貯水タンクを屋根の上に乗っけていたりする。
街の中心を流れるラナ川は下水そのものが流れるどぶ川で、とても首都とは思えないような汚さ。

街には観光ポイントなどがあまり無く、乗り合いタクシーを乗り継ぐために1泊だけした。6人部屋のドミトリーで1200レク(約1500円)。水は使えないし、蚊がいっぱい居るたりして、とんでもない印象しか持たない街だった...

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big mosaic mural on National Museum of History, it shows Albanian victorious history from
歴史博物館正面の壁に、古代ギリシア時代から第二次大戦までのアルバニアの栄光の歴史をたたえるモザイク
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strange coloring apartment
妙な色使いのアパート
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Yahoo! Fastfood

おそらく、この国では商標権と言う意識はないのでしょう...

Gjirokastra (ジロカストラ)

ティラナから乗り合いタクシーで6時間。約200kmの道のりの前半は平地、後半は山岳地帯。道路はかろうじて舗装されているが穴だらけの状態。その舗装も工事か何かで引き剥がされて、砂利道状態のところがかなりある。
トンネルも橋も立体交差も無く、ひたすら山肌を縫うように登ったり降りたりするでこぼこ道に、地元の人も気分が悪くなり嘔吐していた。

乗り合いタクシーの運賃は1000レク(約1300円)。

ティラナからジロカストラへは修行のような自動車旅行が待っているが、ジロカストラからギリシア国境へは綺麗に舗装された一直線の道が通じている。この町はギリシアから観光に来るのが正しいのかもしれない...。

1500m~2000mの山脈に挟まれた谷底にあるジロカストラの町は、南北に走る幹線道路沿いに新市街があり、そこから100mくらい坂を登ったところに旧市街と城砦がある。延々と岩山が続くこの地に、ティラナとさほど変わらないような商店が建ち並んでいる新市街の存在には驚かされた。(もっと田舎町だと思っていた)

新市街から旧市街までのタクシー運賃は200レク(約260円)。この町で宿泊したホテルは、空調とテレビ付きツインの部屋で2000レク(約2600円)。もちろん、いつでも水は使えたし、電気も使えた。
ギリシア人の観光客が来る観光地なので、さすがに水道と電気だけは止めないようにがんばっているのだろう。 (観光シーズンは終わったらしく、私が行ったときには誰も観光客を見かけなかったが...)

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old town and castle on the hill
旧市街の町並みと、丘の上の巨大な城
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old town, 19th-century house
旧市街
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old town, view from castle
城から見下ろした旧市街と、ドリノス峡谷を挟んだ向こうの山脈
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メタボ     働け、怠けるな...

何の店なんでしょうか

Saranda (サランダ)

ギリシアのケルキラ島(コルフ島)が目の前に見えるリゾート地。ココがアルバニアであることを忘れるような風景が広がっている。宿泊費も食事代も安く、こんな観光地がまだ残っていたのかと...
私が行ったときは観光シーズンが終わっていたため、観光客は「ほぼ皆無」の状態。ギリシアやイタリアが夏のバカンスシーズン以外でも観光客が沢山居るのとは大違い。

海岸沿いにはリゾート風ホテルが建ち並び、おそらくそのどれもが1泊1000レク(約1300 円)程度だと思われる。海岸沿いの食堂でチキンのグリル(1/2匹分)を食べても350レク(約460円)、レストランで肉料理を頼んでも1000円程度。

携帯電話は、ギリシアとアルバニアの両方の基地局に接続できたりするので、GPRSでのインターネット接続が出来ないアルバニアで、ギリシアの基地局に接続できるのはありがたかった。

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Saranda Bay from Hotel balcony
ホテルのバルコニーから見たサランダ湾

アルバニア唯一の(西洋風)リゾート地...
10月はシーズンオフのため、この写真を写したホテルの部屋(ツイン)は1泊1300円ほどです

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Saranda city, view from the ferry to Kerkira
ギリシアのケルキラ島へ向かう定期船から見た、だんだん遠ざかるサランダの街

国際連絡船は、ギリシアまで1時間30分(運賃17.5ユーロ)掛かります

Butrini (ブトリーニ)

サランダからギリシア国境方向へバスで20分程度行ったところにある、ローマ帝国時代からの遺跡。ギリシア国内でこれだけの遺跡が存在すれば、沢山の団体ツアー客が来るはずだが、この遺跡には誰も客が居なかった...

誰も居ない中で2時間、じっくりと遺跡を楽しむことが出来た。

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Greek Theatre
ギリシア時代の円形劇場

紀元前3世紀ごろのものらしいです。BBCの歴史番組では、「発掘や修復が進んでいない、未整備の遺跡」と言っていましたが、案外観光用に整備されていました。観光客は皆無でしたが...

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6th-century basilica
6世紀ごろの聖堂跡
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A Canon aims at Greek Corfu island, Acropolis of archeological site
アクロポリスの上にある大砲がギリシアのコルフ島方向を狙っている

海峡の向こうに見える高い山のある島(ギリシア領)まで、たったの5kmほどしかありません。
1990年代まで鎖国を続けた要塞国家だけはあります...

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ferry from Greece to Italy pass through between Albania and Greece
アルバニアとギリシアの間の海峡を、ギリシアからイタリア行きのフェリーが横切っていく。アルバニアに寄港することは無い...
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ブトリーニ遺跡入り口近くの渡し舟(?)

ワイヤーを張って、それを引っ張って台船を動かしていました。