2013年 キプロス、イタリア、ポルトガル旅行記 :
  リスボン、ファロ、カスカイス

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December 24, 2013 (Tuesday)

Lisboa - Portugal (リスボン - ポルトガル)

早朝から、窓の外を風がうなりを上げて吹いているいる。まるで、台風が来た時のようだ。テレビのニュースでは、イギリスやフランスで大きな木が倒れて車に激突したり、橋が通行止めになったりしている映像を流している。いわゆる、クリスマスの嵐だ。この低気圧から延びる寒冷前線が、いまポルトガルの真ん中辺りを通過している。だから、これから向かうポルトガル最南端のファロの天気予報は曇りとなっているが、果たして当たるだろうか…。

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リスボン, 1月31日市場
Mercado 31 de Janeiro

昨晩、スーパーマーケットMinipreçoで購入したハムとバナナ、ミラノから持ってきたパンを部屋で食べて朝食。7時20分ごろホテルを出発。ホテルの1階にあるカフェが、クリスマスイブにもかかわらず営業している。昨日、スーパーマーケットの窓に貼り出されていた祝日期間の営業予定では、24日は18時までの営業、25日と1月1日が閉店となっていた。ホテルの下にある食堂には24日と25日が休みと張り出されている。24日の営業は、店によりけりというところだろうか。

どちらにしても、明日の25日は「すべての店が閉まっている」ものとして食料を準備しなければならない。

ホテルから地下鉄ピコアス駅方向へ歩く。駅に向かう途中の建物の壁に「1月31日市場」と大きく書かれた公設市場があり、こちらは早朝にもかかわらずすでに営業している。1月31日は16世紀末のポルトガル王エンリケ1世の誕生日から取ってきたのかな…。あるいは1891年に失敗に終わった共和主義者の反乱の日なのだろう。

急に吹き降りの雨が降ってきた。公設市場の近くのサルダーニャ駅に駆け込む。この付近は駅間が極端に短く、便利な場所だ。

Metro
Saldanha(07:44発)→ Oriente(08:00着)
Metro Linha Vermelha, 運賃 1.4ユーロ(198円)
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地下鉄 赤線 サルダーニャ駅
Metro (Linha Vermelha) Saldanha station

地下鉄に乗りオリエンテ駅で下車。エスカレーターを乗り継いで、すぐ上の階にある国鉄オリエンテ駅へ。出発案内には、8時24分発のファロ行きは8分遅れと出ている。暴風雨のポルトガル北部から来る列車なのに、8分遅れは「優秀」だ。よほど余裕を持ったダイヤを組んでいるのだろう。

Train
Lisboa, Oriente(08:32発)→ Faro(11:25着)
Alfa Pendular, 1等車 往復運賃 36ユーロ(5,076円)
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オリエンテ駅、アルファ・ペンドゥラール
Oriente Station, Alfa Pendular for Faro

ポルトガル国鉄が誇る高速列車「アルファ・ペンドゥラール」の切符は1か月ほど前にインターネットの割引価格で購入したので、2等車運賃よりはるかに安い。確か、2等車の通常運賃が片道22ユーロなので、1等車にグレードアップして片道18ユーロは格安だ。オリエンテ駅で列車を待っていた多くの人は2等車に乗り込んでゆき、1等車に乗り込んだのは10人程度か…。1等車の車内はガラガラだ。

飲み物と新聞・雑誌が無料配布され、無線LANも使い放題。ただし、携帯電話網が切れる山間部ではネット接続はもちろん途切れてしまうが…。 オリエンテ駅を出た列車は、リスボン市内のエントレカンポス駅に停車し、市街地の下を突き抜ける長いトンネルを抜けるとテージョ川に架かる巨大な吊り橋4月25日橋を渡る。その後、リスボン郊外の駅にいくつかに停まった後は、途中停車もなく一気にファロ近郊の駅まで2時間ほど走り続ける。車内の速度計では最高時速は215kmに達し、一応高速運転はしているようだ。それにしても、運行密度も低い路線なのだからもう少しスピード出ないものなのかねぇ…。

リスボンを出てしばらくすると雨はやみ、空もだんだん明るくなってくる。さすが、天気予報は正しかった。南に行くにつれ、車窓にはオレンジ畑が目立つようになる。ファロ駅にはほぼ定刻通りに到着。いつの間にか遅れを取り戻していたようだ。

Faro - Portugal (ファロ - ポルトガル)

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ドン・フランシスコ・ゴメス広場のオベリスク
Praça Dom Francisco Gomes, obelisk

リスボンの南南東220km、スペインのセビーリャの西170kmに位置するファロ。ポルトガル南端のアルガルヴェ地方の中心都市で6万人が住んでいる。Wikipediaによれば、主要産業は観光業で、ポルトガルの中では1人あたりGDPはリスボンに次いで高いそうだ。

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日本料理屋 まごや(名古屋)
Japanese restaurant Magoya

列車を降り駅舎を出ると、目の前に広がるのはビルも繁華街も無い郊外の住宅街のような所だ。ファロ駅から更に先に延びるローカル鉄道の線路に沿った共和国通りを5分ほど歩いてゆくと、少しだけリゾートっぽい街並みになり、カフェやレストランが軒を連ねている。オフシーズンなので開いている店は半分も無い。「OSAKA」という看板を出した日本料理店がある。日本人が関与しない「似非」日本料理店の例にもれず、「火鍋」の提灯や「ドネルケバブ」や「ローストチキン」の立て看板が…。後で立ち寄る新市街の繁華街にも、火鍋の提灯を店先に吊り下げた「なごや」という日本料理店があり、わざわざ「Magoya」とふりがなが振られている。誰か間違い正してやれよ…。

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旧市街の城門(アルコ・ダ・ヴィラ)
Arco da Vila

さらに5分ほど歩くと、小さなオベリスクがあるドン・フランシスコ・ゴメス広場。すぐ脇にはヨットが係留されている船溜まりがあり、干潟からの強風が吹きつけてくる。できることなら海から1本中の道に入りたいところだ。広場南端の旧市街の城門(アルコ・ダ・ヴィラ)を通って、小ぢんまりした旧市街に入る。城壁に囲まれた旧市街は中央部が小高くなっていて、そこに大聖堂が建っている。古代ローマ時代にはフォルムが、ウマイヤ朝などイスラム時代にはモスクが、レコンキスタ後の13世紀になって今の大聖堂が建てられたそうだ。

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ファロ大聖堂、中央の身廊
Sé Catedral de Faro, nave

夏場には沢山の観光客で賑わうのだろうが、真冬の今は人っ子一人いない大聖堂前広場。海からの強風も旧市街の建物で遮られ、たわわに実をつけたオレンジの木だけが寂しく並んでいるだけだ。入場料3ユーロ(423円)払って大聖堂を見学する。入場料が要ると言われて、入らずに外から眺めている観光客が何組か居たが、ここまで来て3ユーロくらいケチってどうすんだと。内陣の壁や聖具室に上る階段の壁は、カラフルなアズレージョが貼り巡らされている。大地震で破壊されてしまったのか、大聖堂に置かれている彫像や工芸品は17世紀から18世紀頃のものだそうで、古代ローマ時代からの歴史がある街なのに古いものはあまり残っていないようだ。

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旧市街, 市庁舎通り
Rua do Municipio

大聖堂を見た後、旧市街の道をくまなく歩く。白い漆喰とオレンジ色の窓枠の家々が建ち並んでいるが、ところどころに崩れ落ちて放置された廃墟もある。城壁を出て干潟(ラグーン)を見に行く。170平方kmの自然保護区、フォルモーザ潟と一体の干潟で、見えないくらい向こうまで続いているのだろう。スペイン国境方面へ向かう2両編成のディーゼル列車がノロノロと城壁の外の単線の線路を走っていく。線路は国境のグアディアナ川を渡ることなく、河口の小さな港町で途切れているので、この路線でスペインに行くことは出来ない。

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潟(ラグーン)と旧市街
Lagoon and old town's wall

ファロ旧市街をかすめるように、easyJetの飛行機が着陸態勢で滑空してゆく。干潟の真ん中を埋め立てたファロ空港の滑走路から一直線に延びる誘導灯が一斉に点灯し、飛行機が滑りこんでいく。真夏には欧州各国からのリゾート客を大量に運んでくるのだろう。

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繁華街 サント・アントニオ通り
Rua de Santo António

イスラム時代に造られた旧市街の城壁の、来る時に通った門とは別の門(アルコ・ド・レポウゾ)を通り抜けて、隣接する新市街へ。新市街の中心部は赤絨毯の敷かれた歩行者天国になっていて、服飾店やレストランが軒を連ねている。数人の外国人観光客を見かけた以外、誰一人歩いていなかった旧市街と違い、新市街の繁華街には地元の人達が沢山歩いている。

昼食は、駅の近くにあった日本料理屋「OSAKA」の並びにあるカフェテリア入る。入り口の黒板に「今日のメニュー」とあるので、安易にそれを注文。出てきたのはイカのフライをコリアンダー・ライスに盛りつけたものだ。確かに、黒板には「Calamares」と書いてある。たしか、ギリシャでいかのフライを食べた時も「カラマリ」と言っていたので、ラテン語かギリシア語起源の単語なのだろうか。グラスワインや食後のコーヒーも付いて6.5ユーロ(916円)。

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カルメル会修道院
Igreja do Carmo

食後、新市街をぶらっと歩く。まるで大聖堂と見間違うくらい立派なカルメル会修道院(カルモ教会)の辺りまで行って、再び繁華街に引き返す。まだ開いているスーパーマーケットで水やパン、ハムをまとめ買いして駅へ。リスボンに戻ってからでは、クリスマス休暇でスーパーは閉店しているだろうから、念の為ここで買い出しておくのが得策だろう。

Train
Faro(15:05発)→ Lisboa, Oriente(18:15着)
Alfa Pendular, 1等車 往復運賃 36ユーロ(5,076円)

ファロ滞在3時間30分、再び高速列車でリスボンにとんぼ返り。ファロを出てしばらくすると、車窓は雨となる。列車の車内に表示された気温は車内が20℃、車外が18℃~19℃と一定している。雨が降っても、寒くなっているというわけでもない。リスボンに近づくと、土砂降りの雨で市街地の夜景も霞んでいる。オリエンテ駅で列車の扉が開くと、屋根がある駅なのに雨が車内に吹き込んでくる。まさしく豪雨だ。

Lisboa - Portugal (リスボン - ポルトガル)

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バスコ・ダ・ガマ ショッピングセンター
Centro Comercial Vasco da Gama

オリエンテ駅に隣接するバスコ・ダ・ガマ ショッピングモールへ。地下の巨大なスーパーマーケットは、予想通り18時に閉店していた。それ以外の店は営業しているのに…。2階にあるフードコートで夕食。ローストポークに、焼き飯、レタスのサラダ、飲み物で6.75ユーロ(951円)。フードコートの一角では、子供たちがクリスマスパーティーをやっているようで、大きな歓声があがっていた。

Metro
Oriente(19:01発)→ Saldanha → Picoas(19:18着)
Metro Linha Vermelha - Amarela, 運賃 1.4ユーロ(198円)

地下鉄は、昨日の同時刻より遥かに空いている。クリスマスイブには出歩く人も少ないのだろう。ピコアス駅で下車し外に出ると、雨は小降りになっているが風が強い。傘が壊れそうなので、傘をささずに小走りでホテルまで帰る。昨晩も同じような時間にこの道を歩いたが、今日は営業している店は皆無だ。カフェや大衆食堂、その他衣料品店なども1軒も営業していない。

ホテルに戻りテレビをつけると、ポルトガルの中部の街コインブラで洪水らしい。浸水した店がモップで水をかき出している。去年のイギリス旅行といい、今年のポルトガル旅行も「天気が激悪」だ。まあ、前回ポルトガルに来た時は天気が良かったので、仕方ないか…。

Hotel
Pensão Residencial João XXI, 207号室
23ユーロ(3266円)

December 25, 2013 (Wednesday)

Lisboa - Portugal (リスボン - ポルトガル)

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ジョアン·デ·サルダーニャ像
Duque Saldanha statue

クリスマス。ほとんどの店が閉店し、交通機関も「特別に」減便して運行される日。さらに追い打ちをかけるように、公務員のストライキがクリスマス休暇期間にあわせて実施されているとのこと。確かに、ごみ収集のストで、道にあるごみ箱があふれかえっているし、今朝はホテルの前にあるバス停に停車するバスの音を全く聞かない。テレビでは、昨日の18時からバス全線でスト突入というようなことを言っていたが…。

外は、時折どしゃ降りの雨が降る不安定な天気。10時少し前、雨が止んだので出かける。「1月31日公設市場」の横を通り、サルダーニャ広場へ。19世紀のポルトガルの首相サルダーニャの像がある。そこからまっすぐ北に延びる大通り、共和国通りのずっと向うに国鉄のエントレカンポス駅が見える。その駅の方へ目指していくが、少し寄り道して右の(西の)ほうへ。

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アントニオ・ジョセ・デ・アルメイダ像
António José de Almeida statue

「Casa Da Moeda」(お金の家=造幣局)と書かれた小ぢんまりした建物がある。誰も乗っていないパトカーが玄関の前に駐車されているだけで、特にこれといった警備もされていない雰囲気。その向うに、巨人と小人のオッサンの像がラウンドアバウトの真ん中に立っている。小さいほうの人物像にはポルトガル第6代大統領「アントニオ・ジョゼ・アルメイダ」と表示されているが、大きいほうは誰なんだろう…。この辺りはポルトガル大学の高等工科学校などがある学生街だが、クリスマスなのでもちろん学生を見かけることもない。

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ポルトガル貯蓄銀行 本店
Caixa Geral De Depósitos

北のほうを眺めると、これまた変わった巨大な建物。明らかに、外敵から中身を守っているといった感じの建物で、ぐるっとまわりこんでみると、カイハ・ゲラフ・デポジトというポルトガル最大の銀行の本社の建物だ。財政赤字で国がぶっ潰れそうで、守るべき資金も「すっからかん」なのに、この無駄に豪勢な建物は空気読め無さ過ぎる…。

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カンポ・ペケーノ闘牛場
Praça de Touros do Campo Pequeno

斜め向かいには、レンガ造りのカンポ・ペケーノ闘牛場がある。なんとなくアラブ風のデザインだ。19世紀末に建てられた建物が、2006年に改築されたものだそうで、闘牛以外にコンサートなども行えるという。闘牛だけでは儲からないんでしょうね。

闘牛場前を通り過ぎると、すぐに国鉄エントレカンポス駅。昨日の大雨で雨漏りしたのか、高架下のコンコースに大きな水たまりがある。国鉄駅から地下鉄駅までは500mほど離れているが、双方の間は水平エスカレーターのある地下道で結ばれている。昨日、この駅の乗り継ぎが屋外で雨にぬれるかもしれないと思ったので、遠いオリエンテ駅まで乗り継ぎに行ったが、この駅でもよかったわけだ。

Metro
Entre Campos(10:55発)→ Rato(11:05着)
Metro Linha Amarela, 運賃 1日券 6ユーロ(846円)
Metro
Rato(11:17発)→ Picoas(11:22着)
Metro Linha Amarela, 運賃 1日券 6ユーロ(846円)
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カンポ・ペケーノ駅、「リスボンの女」彫刻
Metro Campo Pequeno station, ”Mulheres de Lisboa”

地下鉄の1日券を買う。昨日使い終わったICカードに1日券も書き込めるようで、カード本体の料金を少しだけ節約できた。地下鉄Amarela線(黄色線)に乗り、ホテルの近くのピコアス駅を通り過ぎて、終点のラト駅まで乗る。駅を出るとバス停のある広場があるだけで、小雨も降り出したので再び地下鉄に乗りピコアス駅まで戻って、歩いてホテルに戻る。ホテルのあるゴメス・フレイレはバスの乗り継ぎポイントのような場所で、大衆レストランやカフェが何軒か固まってある。しかし、今日はクリスマスのため中国料理店を除いてすべて閉店している。

キリスト教徒ではない中国人は、クリスマスは関係ないのだろう。その中華料理店に入って昼食を食べる。鶏肉と野菜の炒め物に、小さい焼き飯、ミネラル水で6.5ユーロ(916円)。日本国内の中華料理店で出される昼定食と似たような価格だが、西欧では安い部類に入ると思う。近隣のポルトガル人も、今日はこの店しか開いていないので、この店に集中してやって来ているようだ。

外は急にどしゃ降りの雨が降ったと思ったら、急に青空が広がったりと不安定な天気。雨が止んだ瞬間に地下鉄アンジョス駅まで行き、そこから終点のカイス・ド・ソドレ駅へ。国鉄に乗り換えて、カスカイスを目指す。

Metro
Anjos → Cais do Sodré(13:01着)
Metro Linha Verde, 運賃 1日券 6ユーロ(846円)
Train
Cais do Sodré(13:20発)→ Cascais(14:05着)
Linha de Cascais, 運賃 2.15ユーロ(303円)

国鉄も地下鉄と同じデザインのICカードを使っている。地下鉄で買ったほうには1日乗車券を書き込んでいるので、カスカイスまでの切符を追加して書き込むことは出来ない。1枚のICカードには、1種類の切符しか入らないということらしい。もう一枚ICカードを買って、カスカイス往復分の切符2枚を書き込む。

Cascais - Portugal (カスカイス - ポルトガル)

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カスカイス港に避難し停泊する船
Cascais harbour

20分に1本走っている列車に乗る。列車は大西洋に面した海岸沿いを西へ。強い風に吹き流されている雲の隙間から、時折強烈な日差しが差し込んで、荒い波を立てる海からの光の反射がまるで夏を思わせるような強烈さだ。45分ほどで終点のカスカイス駅に到着。カスカイスはリスボンの西25kmにある人口20万人のリゾート地で、古くからの漁村でもある。クリスマス休暇で人通りも疎らな繁華街を下ってゆくと、小さい船溜まりがあり、ヨットではなく漁船がたくさん停泊している。岸壁や桟橋には、プラスチック製のタコ壺がうず高く積まれている。そういえば、南欧はタコを食べるんだったかな。

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セイシャス宮殿 (会議場)
Palácio Seixas (Messe de Cascais)

サンタ・カタリーナ砦の跡地に1920年に建てられた、中世の城を模したセイシャス宮殿(Palácio Seixas)が港の傍らに建っている。まるで、「これがカスカイス城ですよ」とアピールしているかのような「偽の城」で、現在はポルトガル海軍の迎賓施設(レストランや会議場)の建物らしい。本物のカスカイス城は船溜まりを挟んだ対岸にあり、こちらは15世紀に建てられた砦の壁だけが残っていて、敷地内はホテルなどの商業施設になってしまっている。

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カルロス1世像
Carlos I statue

大西洋側からリスボンに攻め入るには、ちょうどカスカイス沖を通過しなければいけないため、カスカイスの砦は活躍したのだろうと思うが、Wikipediaによれば16世紀のスペインによる攻撃には全く耐えられなかったそうだ。頑強そうなのは見かけだけですか…。城の傍らには19世紀末のポルトガル国王 カルロス1世像がある。海に向かって双眼鏡を握りしめている像は、珍しいデザインだ。

Train
Cascais(15:03発)→ Cais do Sodré(15:45着)
Linha de Cascais, 運賃 2.15ユーロ(303円)
BUS
Cais do Sodré(15:46着) → Gomes Freire(13:01着)
BUS, Line 760, 運賃 1日券 6ユーロ(846円)

Lisboa - Portugal (リスボン - ポルトガル)

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アウグスタ門と屋台
Rua Augusta Arch at Praça do Comércio

再び国鉄に乗り、カイス・ド・ソドレ駅で下車。たまたま駅前にやってきた760系統のバスに乗り、ホテルの前まで一気に戻る。昼に入った中華料理屋に入り、今度は夕食。牛肉と野菜のいためもの、半分チャーハン、ヨーグルトドリンクで7.35ユーロ(1036円)。

夕方になり、天気が急速によくなってきて、かなり青空が見えている。夜景撮影のため、再びバスに乗りコメルシオ広場へ。以前来た時には、きれいな色の光で広場を囲む役所の建物が照らされていたが、今日は音楽に合わせて映像を建物に映すプロジェクションマッピングをやるようだ。中央のアウグスタ通り門に「サーカス de LUZ 12月14日~25日」という映像が大きく映し出されている。広場にたくさんの人が集まってきて、ショーの始まりを待っている。

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コメルシオ広場のプロジェクションマッピング
Praça do Comércio

18時、今まで流れていた音楽が急に切り替わり、ダイナミックな映像が映し出される。アウグスタ門に投影されていた「サーカス」の宣伝は、他の場所で行われているサーカスのことではなくて、この建物にアニメのサーカスを映し出すショーをするという事だったのだ。たしかに、この方法なら広場に集まるたくさんの人が同時にサーカスを見ることができて、クリスマスの催しとしてはなかなか考えられている。ショーは20分ほど続き、見物客の大きな拍手で終了した。

イルミネーションも今日のクリスマスで終了するので、ちょうど良いタイミングで来ることができた。「アウグスタ通り門」を通り抜け、目抜き通りのアウグスタ通りのイルミネーションを見つつ、地下鉄の駅へ。イタリアでも感じたが、以前に比べてクリスマスのイルミネーションが「しょぼく」なっている。やはり、経済危機が影響しているのだろうか。

Metro
Baixa-Chiado(18:40頃発)→ Marquês de Pombal → Picoas(18:50頃着)
Metro Linha Azul → Linha Amarela, 運賃 1日券 6ユーロ(846円)
Hotel
Pensão Residencial João XXI, 207号室
23ユーロ(3266円)