アメリカ古今首都旅日記 : ワシントンDC (Day 3)

June 09, 2017 (Friday)

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モーテルThe Inn of Rosslynの朝食

6時起床。天気は快晴。6時30分すぎ、モーテルの受付に朝食をもらいに行く。食堂となる部屋がないので、部屋に持ち帰って食べてくれという事なのだろう。

天気予報では今日の最高気温は昨日より4℃高くなって28℃。毎日4℃ずつ高くなっていく予報なので、屋外観光はなるべく早い日程に済ましておかないと、体力が持たなくなる。8時少し前、ナショナル・モールのポトマック川沿いにある屋外記念碑類を見に出かける。ロズリン駅前よりCirculatorバスに乗り、ジョージタウンに向かう。

Bus
Rosslyn Station(08:05発)→ L St NW & 24th St NW(08:19着)
circulator bus, 運賃 1$(110円)

Washington DC, USA (ワシントン DC)

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バスはロズリン駅前を出発すると、ポトマック川に架かるキー・ブリッジを渡る。ここから振り返るとロズリンの高層ビル群がきれいい見える。ジョージ・ワシントン大学の近くで下車し、大学構内の道路を通って、はるか南に見えているリンカーン記念堂に向けて1.5kmほど歩く。

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サーキュレーター・バス at L St NW & 24th St NW
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ジョージ・ワシントン大学のワシントン像

国務省の巨大なビル(トルーマン・ビル)があり、その角を左折。ナショナル・モールの公園に面した科学アカデミーの建物の前に物理学者アルバート・アインシュタインの坐像。この像を見に、学生の団体客が次々とやってきている。

科学アカデミーの東隣はFRB(連邦準備制度理事会)の建物。金融緩和などのニュースでは、この建物の画像が使われることが多い。

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アルベルト・アインシュタイン記念碑
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連邦準備制度理事会(FRB)
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ベトナム戦争戦没者慰霊碑
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ベトナム戦争戦没者慰霊碑の彫像
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リンカーン記念堂のリンカーン像
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リンカーン記念堂とレフレクティング・プール
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リンカーン記念堂

大通りを渡って、ナショナル・モールの公園に入る。学生の団体がいたる所に歩いている。まず見学したのが、ベトナム戦争戦没者慰霊碑。身長よりも高い黒い石版に、延々と戦死者の名前が刻まれている。アメリカは54万人の兵士を投入し、約6万人の死者・行方不明者を出したそうなので、この6万人余の名前がここに刻まれているのだろう。

遠くからも見える巨大なリンカーン記念堂へ。36本のドーリア式円柱で支えられたペリスタイルを周囲に配する、古代ギリシアの神殿を模した建物だ。内部には古代の神ではなく第16代大統領エイブラハム・リンカーンの巨大坐像がある。言葉のアクセントから中国本土から来たと思われる人たちが、楽しそうに「自由と民主主義の神」を参拝している。頭の中では「毛沢東同志のほうが偉大だ」とか「核心と位置付けられた習近平のほうが…」と思ってみて見てるのかもしれない。

リンカーン記念堂から第二次大戦記念碑の間に横たわるリフレクティング・プールの横を通りすぎて、朝鮮戦争戦没者慰霊碑へ。ここ20年のイスラム原理主義との戦いの慰霊碑があっても良さそうなものだが、アメリカが参戦した現代の戦争のうち、ベトナム戦争と朝鮮戦争が、巨大な慰霊碑を建てなければならないほど犠牲者が多かったのだろう。

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朝鮮戦争戦没者慰霊碑
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朝鮮戦争戦没者慰霊碑
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マーティン・ルーサー・キングJr記念碑
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フランクリン・D・ルーズベルト記念公園

さらに南に行くと、黒人の人権運動家マーティン・ルーサー・キング・ジュニア記念碑がある。そこから、タイダル・ベイスンというポトマック川の調整池沿いに歩いていく。池の周囲の遊歩道は水面すれすれなので、所々が水没している。5分ほど歩くとフランクリン・ルーズベルト記念公園に到着。迷路状に並べられた岩壁に、いろいろな名言が石刻されている。例えばこんな感じの言葉が…

The only thing we have to fear is fear itself. (恐れなければいけない唯一のものは、恐れそれ自体である)

さらに調整池の周囲の園路を南へ。ポトマック川からの水を導く水路に架かる橋の周辺には桜並木がある。この桜は20世紀初めに日本から移植したもので、「全米桜祭り」の会場にもなっている。

池の南端にはローマのパンテオンのようなジェファーソン記念館。内部には高さ5.8mもある巨大なトーマス・ジェファーソンの像が立っている。ローマ神殿風の建物に、まるで古代ローマのネロ帝のような巨大立像とくれば、過去の大統領を神格化して信仰の対象としているようにも見える。

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ジェファーソン記念館
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トーマス・ジェファーソン像

調整池の最南端までやって来た。ジョージ・ワシントン大学付近でバスを降りてから1時間30分ほど、およそ4.5kmほど歩いてきた。ここから再び北上して、ナショナル・モールのワシントン記念塔まで戻ることにする。

エジプトのオベリスクを巨大化したようなワシントン記念塔。エジプトで造られた本物のオベリスクの中で最大のものは、ローマのラテラノ聖堂の前に建つもので、高さ32mだ。それに対して、ワシントン記念塔は高さ169mもある。古代文化を馬鹿にしたというか、神をも恐れぬ大それた行いというか…。

ワシントン記念塔は少し高くなった丘の上に建っているので、そこからリンカーン記念堂などがが見下ろせる。ちょうど中間あたりに第二次世界大戦記念碑がある。中央の噴水を囲んで楕円形状に56本の柱が立ち並び、南北には「太平洋」と「大西洋」と書かれた四面門が立っている。両方の海洋で戦い大量の犠牲者を出したのは、実質上アメリカだけだ。

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ワシントン記念塔
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第二次世界大戦記念碑
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ポトマック川の調整池
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ワシントン記念塔前よりリンカーン記念堂方向
Bus
NW Constitution Ave & NW 18th St(10:50発)→ SW Jefferson Dr & SW 7th St(10:59着)
circulator bus, 運賃 1$(110円)

ジョージ・ワシントン大学付近でバスを降りてから2時間ほど歩き続けて、かなり疲れた。ちょうどユニオン駅行きのCirculatorバスが来たので乗車する。5分ほど乗車し、でスミソニアン協会の本部前で下車。少し東へ歩くと、航空宇宙博物館がある。

博物館の入口は誰も並んでない。セキュリティチェックを受けて入場し、まず最初に1階の東端にある巨大なマクドナルドに昼食を食べに行く。クオーターパウンダー・チーズバーガーのミールメニューが9.12$(1,000円)。館内で海上自衛隊の夏制服を着た若い兵士をたくさん見かける。地元高校生の遠足に交じって、遠くの日本からも遠足…。ではなく、親善訪問なのだろう。ショップでぬいぐるみの土産を大人買いして、楽しそうだ。

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スミソニアン 航空宇宙博物館
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航空宇宙博物館内のマクドナルド

午後はゆっくりと航空宇宙博物館を見学。アメリカが国家の威信をかけて揃えたコレクションは、他では見たこともない壮大なものだ。マクドナルドを出たすぐ前の吹き抜けホールには、実物大のミサイルが何機も立ち並び、アポロ・ソユーズテスト計画でドッキング状態の宇宙船、ハッブル宇宙望遠鏡などが展示されている。

博物館の東半分の宇宙開発の展示では、このほかにボイジャー探査機ニュー・ホライズンズ探査機バイキング探査機のランダー(着陸モジュール)、キュリオシティ火星探査車などの実物大モックアップが展示されている。それぞれ、想像していたより大きかったり、想像通りだったりと、やはり実物大のものを見てみないとイメージは掴めないものだと感じた。

そのなかでもずば抜けて大きかったのがアポロ計画の着陸船と月探査車。やはり、人間を送り込むということは、これだけ大きな機体が必要なのだなと。入口ホールには、テレビ映画スタートレックの宇宙船エンタープライズ号(初代)の撮影用モデルが置かれている。これも国立博物館の展示物ですか…。

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アポロ・ソユーズテスト計画の実物大展示
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V-2ロケットとスカイラブ予備機
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アポロ計画の月面車
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KH-7偵察衛星
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火星探査機ローバー キュリオシティ
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ボイジャー探査機、ニューホライズンズ探査機

13時からアインシュタイン・プラネタリウム(入場料 9$)、14時05分からロッキードIMAXシアター(入場料6$)を鑑賞した後に、博物館の西半分の航空技術の歴史展示を見学。ライト兄弟が初めて飛ばしたライトフライヤー号やリンドバークが大西洋横断したスピリット・オブ・セントルイス号などの、航空史の始まりの名機から、第一次・第二次大戦の戦闘機など膨大な数が展示されている。

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スピリット・オブ・セントルイス号
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零式艦上戦闘機五二型 A6M5

ドイツやアメリカの著名な戦闘機に交じり日本の零戦が置かれている。日本の飛行機が世界の名機に混じって置かれているのは、やはり嬉しいことだ。しかし、超大国ソ連の航空機はひとつも見かけないのは収集が難しかったからだろうか。

5時間ほど航空宇宙博物館に滞在した後、夕食を食べるためユニオン駅に向かう。

Bus
SW Jefferson Dr & SW 7th St(16:15発)→ Union Station(16:31着)
circulator bus, 運賃 1$(110円)
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ジョージタウンでバスを乗り継ぐ

地下1階のフードコートには様々なファストフード店が軒を連ねているが、今回もごはんものメニューということで中国料理店で焼き飯と鶏唐揚げの定食(6.55$, 720円)を注文。日本風の唐揚げではなく、唐揚げにアメリカ人好みの甘ったるこいタレをぶっかけた「レモンチキン」と呼ばれるアメリカ風中華料理。中国なら排骨飯と呼ばれる種類のものだ。

食後、バスを乗り継いでロズリンのモーテルに戻る。地下鉄なら2.7ドルだが、サーキュレーター・バスなら乗継無料の1ドル。その代わり、渋滞にハマって猛烈に時間がかかる。

Bus
Union Station(17:15発)→ NW M St & NW Wisconsin Av(18:02着, 18:08発)→ Rosslyn Station(18:14着)
circulator bus, 運賃 1$(110円)

Arlington VA, USA (アーリントン)

ジョージタウンでバスを乗り換え、地下鉄ロズリン駅前で下車。レストランなどが並んでいるウイルソン大通りを西へ。日の入りは19時30分頃なので、おそくまで西日が当たっている歩道沿いのレストランやバーのテラスは、通勤帰りの人たちが立ち寄っていて繁盛している。セブンイレブンで2リットルのミネラル水(2.04$, 224円)を買いモーテルに戻る。

Hotel
The Inn of Rosslyn
Room 36, Queen Room 112.12$/1泊(12,333円)