ポルトガル、ガリシアとパリ、ケルン旅日記 :
   パリ、ケルン、ミュンスター

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December 24, 2008 (Wednesday)

Paris - France (パリ - フランス)

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ペール・ラシェーズ墓地
Cimetière du Père-Lachaise

7時30分起床。窓の外はまだ夜明け前だが、かすかに紫色に色づいた空は快晴のようだ。ユースホステル1階のカフェテリアで朝食を食べ、8時30分ごろ観光に出発。

ユースホステル前のヴィトルーヴ通り(ローマ帝国の建築家ウィトルヴィウスの名前をとっている)を市内中心方向へ向かって歩き、ペール・ラシェーズ墓地へ。先ほどまで晴れていたが、今はどんよりと鉛色の雲が空一面に広がっている。晴れていたら墓地の中にある偉人の墓を見てまわろうと思っていたが、取りやめ。墓地を斜めに横切り、近くにある地下鉄駅より地下鉄に乗る。天気が悪くても問題のないルーヴル美術館へ向かう。

Metro
Père Lachaise(09:20頃発)→ Opéra → Palais Royal - Musée du Louvre(09:35頃着)
Metro 3,7号線 運賃 一日乗車券 5.8ユーロ(719円)
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地下鉄ペール・ラシェーズ駅
Metro Père Lachaise

10年以上前にパリに始めて来たときには、地下鉄の車両のボロさはあまり気にならなかったが、今回は駅も車両もとんでもなくボロく感じる。新しそうな車両が走ってきたと思っても、車両に表示されている製造年は1995年。古い車両を今でも使い続けている旧共産圏でさえ、駅舎は小奇麗だったり芸術的だったりで、パリの地下鉄駅ほどの場末感は無い。こういうふうに感じたのは、昨日まで滞在していたポルトの地下鉄があまりにも最新式だったからだろうか…。駅や車両だけでなく、切符も非接触ICカードに統一されていた。

ルーヴル美術館横の駅で下車し、中庭のガラスのピラミッドの下にある入場口へ。いつもなら観光客の長い列ができている切符売り場は、今日はほとんど並んでいない。去年の冬、あまりにも長い列で入場を諦めたので、今回はユースホステルで入場券を購入してきた(9.0ユーロ, 1116円)。予想は外れたが、まあ損したわけではないよでよしとしよう。

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ルーヴル美術館、ミネルヴァ像
Musée du Louvre, Minerva

かつてレオナルド・ダ・ヴィンチ作のモナ・リザは、ドゥノン翼の長い通路に他の絵画と並べられて展示されていたが、今はモナリザ専用室のような所があてがわれて、頑丈なガラスケースに納められて展示されている。
団体観光客が集中する作品は今も昔も同じで、モナリザを含むイタリア絵画の部屋、ドラクロワの作品を含むフランス絵画の部屋、ミロのヴィーナスの部屋に客が集中している。

その団体客の中で、悪い意味で目立っていたのが日本人。数年前まで沢山見かけた韓国人団体客は、2007年の世界金融危機で国家経済だけでなく個人の経済環境もボロボロになったのか、一気に団体観光客の数も減ってしまったようだ。その日本人団体客の中でも、群を抜いてアホさ加減が斜め上を行っていたのが、どこかの短大か大学の研修旅行の学生。フィールドスタディという位置づけの1週間の旅行をすれば2単位くらいもらえるそうだ。

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ルーヴル美術館
Musée du Louvre

ミロのヴィーナスを見つけて『生(なま)ミロ』とか言ってキャッキャとはしゃいでいるのを聞いて、アホかこいつらはと思った(笑

人間観察はこれくらいにして、美術品観察に戻る。観光客がほとんど訪れない一画に、かつての王宮や国家元首の部屋に置かれていた調度品を展示している所がある。ナポレオンの玉座の間やダイニングルームを復元展示したものもあり、王族以上に絢爛豪華に陥ってしまった生活が垣間見れる。

昼頃になり、昼食を食べに行くことにする。市内中心部は観光客向けの店も多く、値段も高めなので、下町のマレシェ駅周辺に向かう。

Metro
Palais Royal - Musée du Louvre(11:45頃発)→ Nation → Maraîchers(12:15頃着)
Metro 1,9号線 運賃 一日乗車券 5.8ユーロ(719円)
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アヴァロン通り、地下鉄マレシェ駅付近
Rue d'Avron, Maraîchers

駅周辺のアヴァロン通り沿いには中国人やインド人、その他エスニック系の店が軒を連ねている。とある中華料理屋に入り、8ユーロ(992円)の点心セットを食べる。値段が高く感じるのは、水が別料金で2.5ユーロもするため。欧州を旅行していると、飲み物無しで食事をすることに慣れてくるが、あまり節水し過ぎると脱水症状や腎臓結石を発生させたりすることもあるようだ。そういえば、アムステルダムにある中華料理の食べ放題の店は9ユーロなので、やはり8ユーロは割高だなぁ…。

12時を過ぎると、天気が回復して晴れてくる。BBCの天気予報では今日の天気は晴れだったので、晴れてもらわなくては困る。エッフェル塔からセーヌ川の白鳥島にかけての景色を撮影に出かける

Metro
Maraîchers(12:38発)→ Richelieu - Drouot → La Tour-Maubourg(13:05着)
Metro 9,8号線 運賃 一日乗車券 5.8ユーロ(719円)
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エッフェル塔
La tour Eiffel

アンヴァリッド(廃兵院)近くのラ・トゥール=モブール駅で下車し、少し歩くとエッフェル塔を望むシャン・ド・マルス公園に行き当たる。18世紀に隣接する陸軍士官学校の演習地として整備されたのが公園の始まりだ。万博会場やエッフェル塔建設(19世紀)のために作られた公園ではない。

エッフェル塔にあたる太陽の角度も写真撮影にはちょうどよい感じで、幸先よいスタートだ。ちぎれ雲が東から西へものすごい速さで流れている。偏西風と逆に流れているのは、低気圧か前線が通過したからなのだろう。雲は去っても湿度はかなり高いようで、遠くが水蒸気で霞んで見えている。塔の最上階(高さ273m)に登っても、それほど遠くまで見渡せるとは思えないが、沢山の観光客がエレベーターの前に行列を作っている。

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ビル・アケム橋と地下鉄6号線
Pont de Bir-Hakeim and Metro line 6

エッフェル塔の真下を通り過ぎて、セーヌ河岸に出る。対岸にはシャイヨ宮トロカデロ公園があり、間を流れるセーヌ川にはイエナ橋が架かっている。セーヌ川を挟んで巨大な塔と宮殿が向かい合う、パリを代表する景色だ。

セーヌ川沿いの岸壁を下流に向かって歩く。岸壁には貨物船が切れ目なく並んで停泊している。2階部分に地下鉄が走る鉄橋があり、セーヌ川の中洲の白鳥島へ降りる階段が鉄橋から伸びている。20世紀の初めに架けられた鉄橋(ビル・アケム橋)は、ロンメル将軍率いるドイツ軍をフランス軍が撃破した“ビル・アケムの戦い”に因んで名付けられたそうだ。それ以前は、この橋はパシー橋と呼ばれていたそうだ。

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白鳥島の自由の女神像
Liberté Statue at Île aux Cygnes

白鳥島に降りる。遊歩道1本分程度の幅しかない細い中洲だ。散歩やジョギングする人が時折すれ違うくらいで、島には特に何かがあるというわけではない。対岸にはラジオ・フランスの本社放送局の巨大な建物が見える。エッフェル塔などがある左岸側にはフロン・ド・セーヌの高層ビル群。そういう近代的な環境の中にある中洲の遊歩道にも、犬の糞が…。 踏んづけてしまった。

白鳥島の末端まで行くと、自由の女神像がある。ちょうどそれを見に来ていたアメリカ人から、自由の女神が手に持っている本のページに「アメリカの独立年(1776/07/04)と、フランスの革命年(1789/07/14)」が書かれていると教えてもらう。この女神は、ニューヨークのものが建てられた1886年の数年後に、そのレプリカとしてここに作られたそうだ。ニューヨークのものは高さ46mなのに対し、こちらは高さ22mと半分程度しかない。

自由の女神のすぐ横の階段を登ってグルネル橋を渡り、フロン・ド・セーヌ側の河岸へ。しばらく歩くと地下鉄シャルル・ミシェル駅のところまで来る。たまたまやって来た市役所行きのバスに乗り込む。

Bus
Charles Michels(14:50頃発)→ Sèvres - Babylone(15:18着)
Bus 70系統 運賃 一日乗車券 5.8ユーロ(719円)
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アンヴァリッドとファイヨル元帥像
Invalides and Fayolle statue

セーヌ川を渡ってしまう前の適当な場所で下車。バス停に掲示されている街路図では、モンパルナス駅とオルセー美術館の間辺りのようだ。アンヴァリッドの写真を撮影してから地下鉄に乗り、本日限り何度でも出入りできる入場券を持っているルーヴル美術館に戻る。

Metro
École Militaire(15:40頃発)→ Concorde(15:50着)
Metro 8号線 運賃 一日乗車券 5.8ユーロ(719円)
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オベリスクとクリスマス観覧車
Obélisque and La Grande Roue

1時間ほどルーヴル美術館を鑑賞。閉館時間が17時ということで、16時30分ごろから展示室が徐々に閉められてゆく。最後は、マルリーの中庭くらいしか見る所がなくなり、17時少し前に美術館を後にする。17時閉館なら、ぎりぎりまで中を見せてほしいものだが、職員が17時に帰宅するという事であればそれ以前に戸締りしてしまうのだろう。

凱旋門の方に向けて歩く。テュイルリー庭園を歩いて行くと、コンコルド広場のすぐ横に特設遊園地ができていて、真っ白にライトアップされた巨大な観覧車(Roue de Paris)が回っている。オレンジ色にライトアップされたオベリスク(クレオパトラの針)との対比がとてもお洒落な感じだ。

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シャンゼリゼ通り
Avenue des Champs-Élysées

コンコルド広場のひっきりなしに車が通過する横断歩道を渡り、シャンゼリゼ通りへ。緑地部分にクリスマスマーケットの屋台がずらっと並んでいる。グラン・パレ前を通り過ぎると緑地部分がなくなり、ビルに挟まれた幅70mの大通りとなり、1.3km向こうの凱旋門までノロノロ運転の車が数珠つなぎになっているのが見える。街路樹には白い電飾が取り付けられているが、車のヘッドライトとテールライトの光が明るすぎて、全く目立たないものになっている。南欧のきらびやかなクリスマス・イルミネーションに比べて地味でおとなしい印象を受ける。フランス人の考えるクリスマスの雰囲気は、こういう地味なものなのだろうか…。

凱旋門前まで行き、ジョルジュ・サンク駅より地下鉄に乗り、パリ市郊外にあるユースホステルを目指す。

Metro
George V(18:00頃発)→ Nation(18:35頃着)
Metro 1号線 運賃 一日乗車券 5.8ユーロ(719円)

乗車している列車はナシオン駅で運転打ち切りの車内放送が流れる。プラットホームに降り次の列車を待つが、来る列車は全てナシオン駅で運転打ち切りで回送車両となってしまう。同じように列車から追い出された周囲の乗客に聞いてみると、“クリスマスだから仕方ない”とのことだ。以前イタリアで、クリスマスの日に近郊列車が昼で全て運休してしまった時に郊外に置き去りにされたことがあるが、まさかフランスで同じ目に逢うとは…。

仕方なく、ナシオン広場からユースホステルまで2kmほど、夜道を歩いて帰る。

Hotel
Auberge de jeunesse Paris - Le d'Artagnan 431号室
22ユーロ(2800円)/1泊

December 25, 2008 (Thursday)

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ガンベッタ広場、20区役所
Place Gambetta, Mairie du 20e arrondissement

天気予報通り、外は快晴だ。ユースホステルで私が泊まっていた部屋は女性用区画の部屋のようで、そのフロアには“男性用トイレ”が存在していない。が、シャワールームに性別指定はないので特に困ることはない。同じフロアのどこかの部屋に泊まっている黒人のお姉さんが、まるでオペラ歌手のようにシャワーを浴びながら歌っている。昨日の晩もそうだったし、今朝もそうだった。シャワールームでの歌声はエコーが効いて、まるでコンサートホールで聞いているような感じになる。

インターネットで予約したドイツのケルン行き列車は、パリ北駅を11時55分に出発する。それまでの間、観光の時間をじゅうぶん取れるはずだ。早朝の散歩にパリ20区の区役所があるガンベッタ広場まで往復し、それからユースホステル1階のカフェテリアで朝食を食べる。区役所は青いLEDでクリスマス風に飾られていて、広場に面した花屋にはカラフルな贈り物用の花束を沢山飾っていた。

9時30分過ぎ、チェックアウト。ユースホステルから市内方向に坂道を下り、ピレネー通りにあるバス停から、サン・ラザール駅行きに乗る。地下鉄がダイレクトに走っていない経路なのでバスの需要が多いのか、10分ごとにバスが来るので便利だ。

Bus
Orteaux, Rue des Pyrénées(09:55頃発)→ Botzaris-Buttes Chaumont(10:05頃着)
Bus 26系統 Gare Saint-Lazare行き 運賃 1.6ユーロ(200円)
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ビュット・ショーモン公園
Parc des Buttes-Chaumont

バスが通りかかった小さな広場では、クリスマスの休日にも関わらず朝市が開かれている所がある。よく見ると中国人が沢山集まっているので、キリスト教の祝日は関係ないのだろう。道端で太極拳をしている人も居る。

ビュット・ショーモン公園前で下車。ここからなら北駅まで歩いてもそれほど遠くはない。この公園はナポレオン3世の時代にジョルジュ・オスマンパリ改造計画に伴って1867年に作られた、パリで5番目に大きな公園だ。かつての石膏採石場で、閉鎖後はごみ捨て場として異臭を放っていたこの場所に、人工的に山や谷といった山間部の風景をつくりだしている。公園の小高い丘の上に登ると、結構眺めが良い。

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スターリングラード攻防戦広場、ヴィレットのロタンダ
Place de la Bataille-de-Stalingrad

パリ北駅の方向を目指して住宅街の中の道を10分ほど歩いてゆくと、サン・マルタン運河の起点となるヴィレット閘門の横に出る。ここより北はヴィレット貯水池で、水路の幅が広くなっている。地下鉄2号線の高架があり、スターリングラード駅が水路の真上に作られている。

第二次大戦中のスターリングラード攻防戦でドイツ軍の猛攻に耐えたソ連の戦功を讃えて、その街の名前を駅名にしたのだろう。その後、ソ連が崩壊して民主国家になったため、スターリンやレーニンの名を冠した大都市は昔の名前に改名されてしまったため、今では存在しない街の名前を冠した地下鉄駅となってしまっている。いっそのこと、駅前にスターリン像でも建てて観光名所にしてしまうというのも良いかもしれないね。

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サン・マルタン運河、レコレ閘門
Canal Saint-Martin, Récollets Lock

ヴィレット貯水池沿いの倉庫や港湾事務所跡の建物には、お洒落な店が入居して新たな観光地になっている。日本でも港湾地区の赤レンガ倉庫を再開発して観光地にしているところもあるので、どこの国でも考えることは同じだ。

運河をバスティーユ広場方面へ歩く。全長4.5kmのサン・マルタン運河には5箇所に閘門があり、セーヌ川とヴィレット貯水池の間の水位差を吸収している。運河に船が通っている気配は殆ど無く、停泊しているゴミ運搬船を2隻見かけただけだ。19世紀初めに造られたこの運河、今でも使われているのだろうか…。それとも、単なる観光名所なのだろうか。昔の映画に興味がある人なら、レコレ閘門の横にある“北ホテル(Hôtel du Nord)”が有名なのだそうだが、今観光に来る人でどれくらいの人がこの映画を見たことがあるのだろうか…。

運河に面したヴィルマン軍病院の庭園を通り、パリ東駅前を通ってパリ北駅へ。列車の出発予定時刻の20分ほど前に駅に到着した。

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パリ北駅で出発を待つタリス
Gare de Paris-Nord, Thalys

駅コンコースにある巨大な出発案内表示には、20本の列車の行き先や出発時間と共にプラットホーム番号が表示されている。本来なら列車出発の10分くらい前にはプラットホーム番号が表示されるはずが、私が乗る予定のThalys 9429列車ケルン行きは出発数分前になってやっとプラットホーム番号が表示された。コンコースで心配そうに案内表示を見ていた乗客が、いっせいに列車に向かって足早に歩いてゆく。列車は10両編成のオーステンデ行きと、同じく10両編成のケルン行きが連結され、パリ北駅のプラットホームのほぼ先端まで使って停車している。

購入した切符には25号車と書かれているが、列車には25号車の表示は無く、どうも15号車の間違いのようだ。この程度のことでは誰も驚かないのも、何事も大雑把なフランス人らしい。それでも出発時間だけは正確で、11時55分きっかりに静かに北駅を出発した。

パリ北駅を出た列車は、しばらくすると高速専用軌道(LGV北線)に入り時速300kmで走りだす。畑や牧草地が広がる緩やかな丘陵地を、一直線に切り通した線路を走っているので、揺れもなく快適だ。日本の新幹線が騒音問題や線路のカーブによって、そこらじゅうで減速や増速を繰り返しているのと大きな違いだ。GPSの表示は安定して300km/hを示していて1時間ほどでベルギーに入る。13時20分ごろブリュッセル・ミディ駅に停車し、列車の後ろ半分のオーステンデ行きを切り離す。車内放送はフランス語、オランダ語、ドイツ語で行われているが、オランダ語圏のブリュッセル中央駅には停車しないようだ。

ベルギー国内も高速専用軌道(HSL)が既に完成しているようで、リエージュまではそれなりのスピードで走行している。リエージュを出発してドイツ国内に入ると時速100km程度の在来線運転になり、ようやくケルン中央駅に到着したのは15時45分。ベルギーを走っている時は、今にも雨が振りそうな曇り空だったが、ドイツに到着すると快晴だ。

Train
Paris, Gare du Nord(11:55発)→ Köln Hauptbahnhof(15:45頃着)
Thalys 9429 運賃 25ユーロ(3100円)

Köln - Germany (ケルン - ドイツ)

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ケルン大聖堂
Kölner Dom

ケルン中央駅を出て、目の前にそびえ立っているケルン大聖堂横のロンカリ広場で行われているクリスマス・マーケットを見物に行く。誰も人は歩いておらず、出店は解体撤去してトラックで持ち出しているところだ。昨日のクリスマス・イヴまでしか開催されていないようだ。1日遅かったか…。

Train
Köln Hauptbahnhof(16:35頃発)→ Köln Messe/Deutz(16:37頃着)
Train
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ホーエンツォレルン橋とケルン大聖堂
Hohenzollernbrücke and Kölner Dom

中央駅から1駅だけ列車に乗り、ライン川対岸の夜景撮影ポイントに向かう。ライン川に架かるホーエンツォレルン橋とケルン大聖堂が1枚の写真に収まる構図は、絵葉書やポスターなどいろいろな所に使われている。気温は4℃と少し寒いが、何人かのアマチュア・カメラマンが三脚を立てて撮影のタイミングを待っている。快晴の空の夕焼けとライトアップされた大聖堂を望む景色は、写真撮影が目的でなくてもじゅうぶん楽しめると思う。

撮影ポイントのすぐ近くにある、近代的なビルにあるユースホステルにチェックインする。ツインの部屋が1泊40ユーロと、都会のど真ん中にしてはお値打ち価格だ。夕食は中央駅構内にあるタイ料理のカフェテリアで。クリスマスなのでメニューの数が少なく、焼きそばのようなもの(4ユーロ, 496円)を食べる。

Hotel
City-Hostel Köln-Deutz
41.67ユーロ(5167円)/1泊

December 26, 2008 (Friday)

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ケルン・メッセ・ドイツ駅
Bahnhof Köln Messe/Deutz, train for Wuppertal

最低気温-4℃と寒い。快晴で放射冷却が起こったのだろう。パン、チーズ、ハム、ヨーグルトとシリアルしか存在しないYHの朝食を食べて、8時ごろチェックアウト。ちょうど日の出の時間のようで、東の空が赤くなってきている。

8時55分の普通列車に乗ってヴッパータールに向かう。車窓の景色を見ていると、線路の枕木や、物置などのトタン屋根が凍りついて白くなっている。牧草などの草も霜が降りたように真っ白になっている。途中、刃物で有名なゾーリンゲンに停車。自宅で使っているフォークやナイフがゾーリンゲンのヘンケルス製なので身近に感じる。駅は市街地中心から遥かに離れたところにあるので、ちょっと寂れた感じがする。

Train
Köln Messe/Deutz(08:55発)→ Wuppertal Hauptbahnhof(09:37着)
Train RB 48 運賃 ノルトライン・ヴェストファーレン州一日券 25.5ユーロ(3162円)

Wuppertal - Germany (ヴッパータール - ドイツ)

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ヴッパータール空中鉄道
Wuppertal Schwebebahn

列車はゾーリンゲンを出てすぐに、ヴッパー川沿いに敷設されたモノレール「ヴッパータール空中鉄道」と並行して走る。9時40分少し前、ヴッパータール中央駅に到着。駅に隣接して国道7号線の高架があり、高架下に駅コンコースが延びていて地下街のようになっている。その地下街を抜けると目の前にヴッパータール空中鉄道の駅がある。

このモノレールは世界で初めて商業運転を始めたもので、1901年に開通したランゲン式懸垂モノレールだ。日本でよく見かける懸垂式モノレールはゴムタイヤの車輪だが、ここの車両は一般の列車と同じく鉄の車輪を使っている。暫く見ていると、向こうからオモチャのような2両編成の列車が猛スピードでやって来て、けたたましい音を響かせながら高架駅に滑りこんでいった。見ているだけではなく、やはり乗ってみないと話しにならないので、目的は無いが隣駅まで乗車してみる。

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ヴッパータール空中鉄道 中央駅
Schwebebahn Hauptbahnhof

起動からぶら下がっている車両は、人間が乗降するだけで左右にぶらぶらと揺れる。遊園地の乗り物の出来損ないですか…。車内を人が移動するだけで車両が微妙に左右に揺れるのだから、“やじろべえ”のようにバランスを取って軌道からぶら下がっているだけなのだろうか。列車は急加速で駅を離れ、車体をきしませながら川の上の軌道を走ってゆく。遊園地のアトラクションに金を払って乗るくらいなら、こちらのほうが断然スリルがあって面白い。

Train
Wuppertal Hauptbahnhof(09:51発)→ Kluse/Schauspielhaus(09:53着)
Schwebebahn, line 6 運賃 ノルトライン・ヴェストファーレン州一日券 25.5ユーロ(3162円)
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旧エルベルフェルド市庁舎
Elberfelder Rathaus

遊園地のアトラクションのようなモノレールも楽しんだので、次は旧市街の観光に出かける。旧市街中心部の歩行者天国となっている所は、店も全て閉まっていて、歩く人も無くゴーストタウン状態。旧エルベルフェルド市庁舎前の広場は、クリスマス・マーケットの会場となっているが、仮設店舗はベニヤ板で目張りされて撤去を待つばかりの状態だ。正面から見ると歴史的建造物に見える旧市庁舎も、横に回りこんでみると“市庁舎ショッピングモール”になっていて、貸テナントビルになっている。確かに、市役所のような富を生み出さないものよりも、ショッピングセンターにしてしまったほうが土地の利用方法としては効率が良いのだろう。

それ以外に特に見所があるような町ではないが、世界的に有名な19世紀の社会主義者エンゲルスの生まれた町でもある。『共産党宣言』の共同著作者であるマルクスとセットで覚えている人も多いだろう。そのエンゲルスの生家は中央駅から3kmほど離れたモノレールのアドラー・ブリュッケ駅前にあるそうだ。

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Alte Freiheit (platz)

旧市街の中心の市庁舎広場を通り過ぎ、さらに北へ行くとアパートが建ち並ぶ住宅街だ。とある教会の前にCafe AQUAという店がある。水は売り物じゃないだろう。日本や中国なら無料だしね…。

中央駅に戻り、ミュンスター行きの列車を待つ。10時56分発の快速列車は20分遅れと出発案内板に表示されている。1本前のインターシティがまだ表示されているだけでなく、そのもう一つ前の列車まで表示が消えていない。列車によって遅れの時間もバラバラのようだ。駅の放送では、ケルンとゾーリンゲン駅の間で事故か何かが発生したらしく、“次の列車はゾーリンゲンに行き先変更します”と盛んに注意を促している。車両の方向幕は“ケルン中央駅行き”のままのため、ドイツ語の放送を聞き取れない客が居ることは想定外なのだろう。この町に外国人観光客が来ることは、かなり珍しいこのなのだろうか。

Train
Wuppertal Hauptbahnhof(11:20頃発)→ Münster Hauptbahnhof(12:45頃着)
Train RE 7, Rheine行き 運賃 ノルトライン・ヴェストファーレン州一日券 25.5ユーロ(3162円)

Münster - Germany (ミュンスター - ドイツ)

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プリンツィパルマルクトとランベルティ教会
Prinzipalmarkt and St. Lamberti

25分ほど遅れてヴッパータールを出発した列車は、全く遅れを取り戻すこと無くミュンスター駅に到着。柔らかな日差しと車内の暖かさで、うとうとと眠り込んでしまい、ミュンスター駅到着寸前に偶然目覚めて下車することが出来た。

地球の歩き方とLonely Planetをコピーしたものを持ってきたが、それほど人気がある町ではないのか双方とも1ページだけの記事だ。どちらにも小さく地図が掲載されているが、駅前から眺めた市内の様子とはかなり違いがあるような気がする。さて、どちらに行けば旧市街の観光地に行くことができるのか…。とにかく、駅から出ていくが歩いていく方向についていってみることにする。

クリスマス休暇で誰も出歩いていないからなのか、駅付近の近代的な市街地は人影も動く車もほとんど見かけない。200mほど駅を背に真っ直ぐ西へ行くと、旧市街の城壁跡に造られた“菩提樹の並木道”(プロムナード)と交差する。かつてハンザ同盟都市として栄えたが、今は人口30万人弱の中堅都市だ。

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旧市庁舎
Historisches Rathaus

旧市街に入ると、観光客向けの標識もそこかしこに立てられていて、ガイドブックの地図がなくても迷うことはない。旧市街中心部は歩行者天国になっているようで、旧市庁舎や美しい教会が立ち並んでいるプリンツィパル・マルクト通りは、まるでイタリアのようにポルティコがある建物が軒を連ねている。

旧市庁舎には、17世紀の三十年戦争の講和条約であるヴェストファーレン条約が締結された部屋があり、平日であれば公開されているようだ。この条約はハプスブルク家の敗北に伴いプロテスタントがその地位を正式に認められると共に、オランダはスペインからの独立を、フランスはアルザス・ロレーヌ地方の領有を認められたりした。ドイツにとっては、神聖ローマ帝国という統一権力が否定され、意思統一のしづらい領邦国家の緩やかな連合体に成り下がってしまうという結果になってしまった。

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大聖堂
St.-Paulus-Dom

その旧市街中心のお店は、ほぼすべてがクリスマス休暇で閉店中。家電量販店のサターンだけが営業しているが、店内にお客さんはほとんど来ておらず開店休業状態だ。日本なら正月に開いているデパートや家電量販店は大混雑するのだが…。
管弦楽の生演奏をする数人のグループが、市役所の近くで演奏している。歴史的街並みとクラッシック音楽、それに氷点下のピンと張り詰めた空気。これはこれで、得難い貴重な体験だ。

現在は大学となっている、かつてのミュンスター城の方向へ歩いてゆくと、大聖堂に行き当たる。クリスマス礼拝があるのか、数台の自動車から人が降りて教会の中に吸い込まれていくのが見えた。大聖堂前の広場からは、旧市街にいろいろな形の教会の尖塔が突き出しているのが見える。この街は、立派な教会が沢山ある街なのでしょう。なかなか見所の多い、写真の被写体の多い街なのだが、ガイドブックでの記述は1ページのみ。それほど見所が多くないケルンに数ページも割いているのと比べれば、とても不公平感がある。

Train
Münster Hauptbahnhof(14:34発)→ Köln Hauptbahnhof(16:35頃着)
Train RE 7, Krefeld行き 運賃 ノルトライン・ヴェストファーレン州一日券 25.5ユーロ(3162円)

Köln - Germany (ケルン - ドイツ)

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Hohe Straße

ケルンには日没直後に到着。本当はミュンスターに宿泊する予定だったが、予定が変わって戻ってきてしまった。とりあえず、もう一度ユースホステルに向かい部屋が空いているか聞いてみる。1階にある、ツアーバスの運転手やガイドが宿泊するための個室なら、1部屋だけ空いているそうだ。他に当てがあるわけでもないので、その部屋で妥協することにする。値段は、なぜか上階の普通の部屋とほぼ同じ。その上、セントラルヒーティングの暖房の吹き出し口が壊れていて、部屋が極寒の寒さだ…。

夕食は、クリスマス休暇で今日もほとんど選択肢はなく、昨日と同じく中央駅のタイ料理カフェテリア。牛肉と野菜の炒め物と、トムヤムクン(8.5ユーロ, 1054円)。

Hotel
City-Hostel Köln-Deutz
43ユーロ(5332円)/1泊