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海外で携帯電話のSIMロック解除
Unlock SIM lock on abroad

アムステルダムでプリペイド携帯を買い、その場でSIM Free化

今回のミッション

現地の知人を利用しないのはもちろんのこと、一般的な観光客に期待できない高度な情報技術(?)の披露もダメなわけですね...

プリペイド携帯を安価に買える携帯電話ショップの探索

2004年12月某日

冬のアムステルダムの日没は意外に遅い。日没は16時30分頃。成田からの直行便でアムステルダムに着いたと仮定して、夕闇迫る17時頃行動開始。アムステルダム随一の繁華街 Kalverstraat (カルファー通り) と Heiligeweg (ハイリゲ通り) 周辺の携帯電話ショップへ。

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アムステルダム市街地 ー 1日目の行動地図

Vodafoneの店で売られているプリペイド携帯電話で最安値は、Nokia 3410 が 39.9EURだった。店員に説明を聞くと、SIMにチャージされるのは 5EUR、ユーザー登録を vodafone に送付すると銀行口座に 10EUR が入金されるとの事。
一般の旅行者には銀行振込は無縁だろうから、実質上 5EUR のみが通話料金としてチャージされる。店員は、「フランスに行くのなら、フランスで入手したほうが得だよ」と教えてくれる。

vodafoneなら → 購入金額 39.9EUR (通話料 5EUR + 本体 34.9EUR)

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クリスマスで賑わうカルファー通り

複数のオペレーターを扱う総合ショップThe Phone Houseへ。最安値は Orange の Nokia 3410だ。vodafoneよりカッコイイ色のカバーが付いて 29EUR。混雑している店内で店員に話を聞く。こちらはさらにややこしいシステムで、この場で 49EUR 払い、Orange に登録用紙を送ると 10EURバックされる。さらに店のキックバックの金として 10EUR を顧客の口座に振り込むというシステム。20EURのキックバックを想定した 29EUR。

Orangeなら → 購入金額 49EUR (通話料 0EUR + 本体 49EUR)

Telfortの店にも入ったが、こちらは韓国・中国メーカーの機種しかプリペイドとして展示されていない。マイナー機種を購入すると、『SIM Lock 解除』が出来ない可能性が高い。

SIM Lock 解除の情報収集

18時頃、ライツェ広場の中華料理店Dim Sum Courtへ。7.5EURで中華料理食べ放題という、オランダでは破格値の店だ。ムント塔近くのRokin通りにもこの店が増殖しているのを最近発見した。
話を元に戻す。『SIM Lock 解除』の情報集めには在住外国人の情報が結構役に立ったりする。とりあえず、華僑の人からの情報を得ようと思う。店員のお姉さんに 「SIM UNLOCKの店を知らないか」と尋ねてみる。お姉さんの答えは 「KPNで買った携帯は KPNのSIM、vodafone の携帯は vodafone のSIMしか使えないんでしょ? 他の会社のって使えるの?」と知らない様子。コックに上海語で聞いていたが、知らないと言っている。

オランダではSIM Free化というグレーゾーンの行為は一般人にはそれほど浸透していないのだろうか。

翌日

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アムステルダム市街地 ー 2日目の行動地図

9時頃、行動開始。宿泊しているフォンデル公園ユースホステルの受付のお姉さんに同じ質問をしてみる。「SIM Lock を解除する店を知らないか?」と。
受付のお姉さん 「SIM Lock を解除する店は知らないけど、携帯電話を買うならキンケル通り(Kinkerstraat)へ行ったほうがいいよ」と。
私 「繁華街、たとえばムント広場のあたりにもvodafoneThe Phone Houseとかあるけど、どう違うの?」と聞いてみる。
受付のお姉さん 「キンケル通りの方が安いよ。店で詳しい料金プランを聞いて選ぶといいよ」と。

なるほど、地価の高い繁華街はダメということなんでしょうか... とにかく、下町のキンケル通りに自転車で行くことにします。

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飾り窓の売春宿。これ以上中を写す勇気は無い

その前に、10時頃市役所へ。用事を済ませてから、北側にあるレンブラント美術館をチラッと見学してから飾り窓地区へ。思いっきり下町(?)の飾り窓もで情報収集をしようと思う。といっても、売春婦のお姉さんに聞くわけにも行かないので、自分の足で携帯電話関係の店が無いかしらみつぶしに歩こうと思う。
結果として、地元住民があまり近づかない地域だけあって、さすがに携帯電話関連の店というのは見つけられなかった。カフェやバー、アダルトビデオやグッズを扱う店などとともに、もちろん売春店が主要な店だ。午前中のため売春店は開業前で、ウインドウに赤紫の照明が灯っていても内部にはお姉さんは居ない場合がほとんどだ。話題が脱線したので、話を元に戻す。

11時頃、のんびりとキンケル通りへ向かう。ベールをかぶったイスラム系の女性や、眼光鋭いイスラム系男性が歩く一種独特の地域。もちろん西欧人も沢山歩いてはいるのだが、どうしても違和感のある外国人に目が行ってしまう。観光客とは無縁の地域で、すぐ近くにはテン・カテ露天市場も賑わっている。通り沿いに立ち並ぶ店は日用品を扱う店ばかりだ。その中に、携帯電話オペレーターのショップも何軒か見つかる。

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キンケル通り
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SIMロックを解除してくれた店

Kinkerstraat (キンケル通り) と直角に交わる Ten Katestraat (テン・カテ通り) には露天商が店を開いている。乾電池や簡単な家庭用電気部品(コンセント類や工具類)を扱う店もある。
この地域で見つけたのは、外国人(西欧人じゃない)がやっている携帯電話修理の店が2軒。そのうち、Kinkerstraat (キンケル通り) の方は、店頭に 『SIM LOCK』と書いた謎の看板が出ている。

店に入ってみる。中東風の男がショーケースの向こうに座っている。
私 「SIM Lock の掛かった携帯電話のロックを解除できるのか?」
店主 「出来る。どの携帯電話だ?」
私 「これから vodafone などのショップで Nokia の最安値のプリペイド携帯を買いに行こうと思う」
店主、ショーケースの中を指差して 「もしかして、このNokia 3410か? これは SIM Free だ。54EURでどうだ?」
私 「今回の私の目的は、Lock の掛かった携帯を解除することもあるからダメだ。解除代は幾らなんだ?」
店主 「10EUR」
私 「所要時間は?」
店主 「1分」

この店に決まりだ。店主にあとで戻ってくることを伝えた上で、今日は何時まで営業しているのか聞いておく。

プリペイド携帯電話購入

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vodafoneのプリペイド携帯

その足で、すぐ西側にあるvodafoneの店へ。プリペイド携帯のディスプレイは、機種・値段ともに繁華街の店と全く同じだ。Nokia 3410について店員に聞いてみると、25EURがSIMにチャージされるそうだ。

vodafoneなら → 購入金額 39.9EUR (通話料 25EUR + 本体 14.9EUR)

繁華街の店と支払い金額は同じだが、チャージされる通話料金が全く違う。ユースホステルのお姉さんが言っていた「比較して選ぶ」というのはこういう事だったのか。
即刻、その携帯電話を購入する。

店員は携帯電話のパッケージを店の置くから取り出してきて、PINとPUKを猛烈な勢いで入力しアクティベートしている。チャージ用 (Top Up 用) の機械で 20EUR のチケットを出し、これまた猛烈なスピードで認証コードを入力していく。

現金で 39.9EUR 支払い、パッケージを手に店を出る。身分証(パスポートやクレジットカード類)の提示は一切求められなかった。

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プリペイド携帯電話 Vodafone / Nokia 3410 の箱
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箱の中には、Nokiaの小箱とSIMカードの小冊子が
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SIMカードの小冊子の内容物は、SIMカード、
説明書、
初期TopUpのレシート (20EUR分)
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Nokia小箱の内容物は、携帯電話、充電器、

バッテリー、説明書(フランス語、オランダ語)

携帯電話の裏蓋をはずし、vodafone の SIM を取り出して、香港の SmarTone の SIM を差し込んでみる。電源を ON にすると、『SIM niet geldig』と表示され、SIM ロックが掛かっていることが分かる。(vodafoneの SIM を差し込むと、How Are You? と Nokia のスタートアップ画面が表示される)

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正規のSIMを入れている状態。
25EURチャージされている
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他社のSIMに挿し替えると...
SIM Lock 状態を示す起動画面

SIM Lock 解除

さっそく先ほどの SIM Lock を解除する店へ。店主に携帯を手渡し、ロック解除を要請する。店主は携帯電話の裏蓋をはずしSIM カードを取り出して、パソコンとの接続ケーブルを SIM スロットに強引に差し込む。
携帯電話の電源をONにして、ノートパソコンで携帯電話の Flash ROM を書き換えるソフトを用いて Lock ビットを外している。店主は念のために4回同じデータを上書きし、作業完了。

動作確認して欲しいと要求すると、KPNのSIMカードを挿入して別の電話から着信できることを実演してくれた。

料金を支払う前に自分自身でも動作確認したかったので、普段使っている SonyEricsson の T100 から SmarTone の SIMカードを抜き取って、Nokia 3410 に差し込む。ロック解除はうまくいったようで、Orange NL にローミング接続されている。

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SIMロックが解除された状態。
Orangeのネットワークに接続出来ている

現金で 10EUR 支払う。

参考までに店主に次のような質問をしてみた。
私 「たとえば、日本で売られている Nokia 6630 を持ってきたら SIM Lock を解除できるか?」
店主 「GSM の電話なら出来るはずだ」 と。

今回の成果

Nokia 3410 携帯電話本体価格 14.90 EUR (約2100円)
SIM Lock 解除手数料 10.00 EUR (約1400円)
合計価格 24.90 EUR (約3500円)