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完全削除 Complete Delete for Windows |
ファイル復元ソフトの能書曰く「間違って削除したファイルを復活することができる」。 一見便利そうなこの言葉の裏側に、大きな危険が潜んでいます。 普通に削除しただけのファイルは、容易に復活できることもあります。
暗号化されていないWindowsのディスクは、たとえユーザのログオンパスワードが分からなくても、ディスクを取り出して解析されれば何の防御策もなく全データが取り出されてしまう可能性があります。このような場合、秘密にしておきたいデータを削除するときに、Windows標準の「削除」処理では不十分です。
このソフトウエアは、削除したファイルを復元ソフトなどを用いて復元しにくくする、セキュリティ確保ツールです。具体的には、ファイルを乱数や特定の文字を書きこんでデータを完全に破壊します。
目次 |
ファイルの完全削除を行おうと考える前に、添付ヘルプファイルおよび『完全削除の限界と対処法』を必ずお読みください。
拙作”完全削除”の機能設定を工夫することで、各国のセキュリティ基準をどの程度満たせる可能性があるか、表に取りまとめてみました
対応可否 | 規格名 | 制定日 | 上書き回数 | 上書きパターン | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
可 | 米国 NIST SP-800-88 [1] | 2006 | 1回 | 規定せず | |
否 | 米国 NSA/CSS Policy Manual 9-12 [2] | 2006 | - | 消磁または物理的破壊による | |
可 | 米国 NISP Operating Manual (DoD 5220.22-M)[3] | 2006 | 規定せず | ||
否 | 米国 国防総省 Unclassified Computer Hard Drive Disposition [4] | 2001 | 3回 | ある文字, その補数の文字, 任意文字 | |
否 | 米国 海軍 Staff Office Publication NAVSO P-5239-26[5] | 1993 | 3回 | ある文字, その補数の文字, 乱数文字 | ベリファイ必須 |
否 | 米国 空軍 System Security Instruction 5020 [6] | 1996 | 4回 | 0, 1, 任意文字 | ベリファイ必須 |
なお、ハードディスクの高密度化により、実際には1回の上書き処理で十分であるとアメリカ国立標準技術研究所(NIST)が2006年に発表したSpecial Publication 800-88の7ページで述べています。つまり、実際には1回の上書き処理で十分だということです。(フロッピーディスクなど、低密度な記憶媒体では、以前に定められている基準の通り3回上書き等が必要)
プログラムの初回起動時に、デスクトップ上にアイコンが作られます(マウスの右クリック メニューに入れることも可能)。完全削除したいファイルを、デスクトップ アイコンにドラッグ アンド ドロップするか、右クリック メニューの項目を選択することでファイルの完全削除処理を行うことが出来ます。
削除したいファイルを、デスクトップの「完全削除」にドラッグ アンド ドロップします
設定画面
なお、間違って必要なファイルまで削除してしまう事故を防ぐため、ディレクトリ(フォルダ)の完全削除には対応させていません。ファイルを一つずつ削除してください。
このプログラムは、ファイルの読み込みと書き込みが物理ディスク上の同一クラスタであると仮定して、削除処理(データの上書き処理)を行っています。簡単にいえば、ファイルを上書きしているだけです。
アメリカ国立標準技術研究所が2006年に出したレポートによれば、最近の高密度記録されているハードディスクでは削除回数(データの上書き回数)は1回でよいとされています。しかし、過去には複数回の上書き処理が推奨されていたこともあり、拙作”完全削除”では初期設定で複数回上書きするように設定されています(機能設定:基本設定で上書き方法の設定が可能)。
USBフラッシュメモリに小さなパーティション(数百メガバイト)を作成し、そこに削除したいファイルを通常の利用形態で置いてください。そして、拙作「完全削除」で削除してください。
その後、WindowsサポートツールのDiskProbe.exeまたはLinuxのddコマンド等でハードディスクの全クラスタを検索してください。この検索時の検索条件(検索文字列に日本語が使えるかどうかなど条件がある)にあった形のデータファイルを削除実験するのが楽かと思います。
拙作「完全削除」製作時には、このような削除実験を各種メディア、フォーマット形式、ファイルサイズで実験し一般的な利用形態では問題ないことを確認していますが、念のためユーザ側でも検証していただいたほうが安心してお使いいただけると思います。
簡易的に削除状態を確認するために、削除段階ごとにユーザの確認を求めるダイアログボックスを表示するモード(機能設定:表示モード設定で設定可能)に切り替えることが出来ます。「単にファイルを上書きしている」ことを確認するレベルでよいのであれば、この機能をお使いください。
次のような条件に合致する場合、完全削除されない可能性があります。技術的詳細は「完全削除の限界と対処法」を参照してください。
また、次の条件に合致するファイルは削除されず、エラーダイアログが表示されることもあります。
Windows 7でヘルプファイルが表示できない場合、ファイル エクスプローラでヘルプファイルを右クリックしてファイルのプロパティ画面を開き、セキュリティの「制限を解除する」ボタンを押すことで表示できるようになります。
技術的詳細は「完全削除の限界と対処法」に記載しましたが、次のような対処法を行うことで、仮に完全削除が出来ていない場合でもより安全性を高めることができます。
GNU GPL フリーソフトウエア http://www.opensource.jp/gpl/gpl.ja.html
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