JW_win JW CAD をとりあえず動かしてみる
(このページ内容の最終更新日:2004年10月)
フリーウエアのCADですが、本物のCADです。寸法指定で正確に描くことも出来ます。有料のCADを買う前に、このCADを使ってみましょう。DXFファイルを読み書きできますので、他のCADソフトとファイルを交換することも出来ます。
ツールバーの説明
ツールバーは「日本語の文字」ですので、あえて説明の必要はないと思います。
ファイルの読み込み、保存、クリップボード関連
[新規] NEW 画面をすべてクリアして、新規図面を開始します
[開く] OPEN 既存の DXF または JWW ファイルを開きます
[上書] SAVE 上書き保存
[保存] SAVE AS 新規ファイルに保存(表示されるダイアログで、新規・上書選択)
[切取] CUT 選択したオブジェクトのカット(切り取り)
[コピー] COPY 選択したオブジェクトをクリップボードへコピー
[貼付] PASTE クリップボードからペースト(貼付け)
作図(その1)
[/] LINE 線分を引きます。矢印線などもこのボタンから
[□] RECTANGLE 長方形・四角形
[○] CIRCLE 円・楕円
[文字] TEXT 文字を書く
作図(その2)
[ハッチ] 選択したオブジェクトをハッチング
オブジェクトの編集(その1)
[範囲] SELECT 範囲の選択
[複線] COPY LINE 線の複写
[伸縮] EXTEND 線分の延長・縮小
[面取] CHAMFER 面取り
[消去] DEL 選択したオブジェクトの消去、[DEL キー]とほぼ同じ
オブジェクトの編集(その2)
[属変] ATTRIBUTE オブジェクトの属性(色・太さ・レイヤ)の変更
現在のラインスタイル
線分・長方形などを描画する時のラインスタイル。
このボタンで選択したオブジェクトのラインスタイルを変更することはできない。
その他の設定類
[線長] このボタンを押してから線分を選択すると、長さが表示される
[2点長] このボタンを押してから、2点クリックすると、間隔がわかる
[間隔] このボタンを押してから、水平な2線を選択すると、間隔がわかる
レイヤー(上層)
レイヤー(下層)
レイヤーは16×16の256レイヤーある。
上層の[1],[2],...[F]の各レイヤーに、下層①,②,... がぶら下がっていると考える。2段の木構造。
設定 (作図中の機能によって、表示内容が自動的に切り替わる)
選んだ作図・編集メニューにあわせて、設定値を入力する画面がここに表示される。
いわゆる、ダイアログボックスの代わり
ステータスバー
左より、[用紙サイズ] [縮尺] [レイヤ] [角度] [表示倍率]
新規図面の作成
[新規]ボタンを押すか、「ファイル - 新規作成」を実行する。
AutoCAD のような、モデル空間とペーパー空間というものは存在しない。
現在画面に表示されている「モデル空間」1個だけである。
作図領域の決定
まず、縮尺を決める必要がある。(空間は無限ではなく、有限。現在画面に表示されている空間スペースしかないと考える)
画面に作図空間すべて表示するには、「マウスの左ボタンと右ボタンを同時に押して、右上にドラッグする」。今後、「両クリック」と表記する。
「両クリックで右上ドラッグ」でツールチップ「全体」が表示されるはず。そこでマウスボタンを離す。
作図の「□」ボタンを押して長方形を作図する。
左下をクリックすると、ステータスバーに「0,0」と座標が表示される。右上をクリックすると「419000,282000」と表示される。これが現在の作図限界。
縮尺はステータスバーの右のほうに「S=1/500」となっている。
ステータスバーの縮尺ボタン「S=1/500」(または「設定 - 縮尺」)を押して、縮尺設定ダイアログを表示させる。
「全レイヤグループの縮尺変更」をチェックして、所望の縮尺を入力する
先ほどのように長方形などを描画しながら、必要な作図限界となるように調整していく。
なお、「S=1/1」として作図限界を求めると A1 横サイズの「841,594」であった。一応情報まで... (用紙サイズは「設定 - 用紙サイズ」で設定できる)
縮尺 1/100 で A1 用紙に描く場合のサンプル A1-Sample.lzhをダウンロードできます。
レイヤの概念
レイヤは256個あるが、管理方法が独特。
レイヤツールバーが2種類ある。ひとつは[1],[2],[3],...,[E],[F] と四角で囲まれたもの。もうひとつは①,②,③,.... と丸で囲まれたもの。
□のレイヤは、レイヤグループで配下に○のレイヤを16個(1~F)持っている。
初期状態では[1]と①が選択された状態だが、これは[1]レイヤグループの①レイヤが選択された状態と言う意味。
現在描画対象のカレントレイヤは、「くぼんだボタン」として表示されている。
カレントレイヤ(作図対象のレイヤ)の切り替え
レイヤのボタンを「右クリック」してカレントレイヤを切り替えることができる
レイヤの表示・非表示の切り替え
カレントレイヤ以外は、非表示にできる。レイヤのボタンを「左クリック」してボタン番号を消してしまえば非表示(編集も不可)となる。
レイヤの有効・無効の切り替え
カレントレイヤ以外を編集不可にするには、レイヤのボタンを「左クリック」してボタンを囲む「□○」を消して番号だけにする。画面上のオブジェクトは「グレー表示」となり、表示はしているが編集はできない状態になる。
レイヤのデータ有無
レイヤボタンの左上に紫の線が入っているのが、データ有りのレイヤ
レイヤ別のプレビュー
カレントレイヤ(くぼんでいるレイヤボタン)を「右クリック」すると、レイヤ別のプレビューが表示される。「左クリック」すると該当レイヤのオブジェクトが画面上でフラッシュ(紫色で表示)される。
AutoCADには無い便利な機能。
視点の移動・拡大縮小
図面全体を表示 : 「両クリック」で右上ドラッグ
縮小 : 「両クリック」で左上ドラッグ
拡大 : 「両クリック」で右下ドラッグ。ドラッグした長方形領域を拡大できる
視点の移動(スクロール) : 新しい表示中心点を「両クリック」する
なお、「設定 - 基本設定」の設定ダイアログで「基本(2)」の設定項目に「矢印キーでスクロール。PgUp,PgDn で拡大縮小できるチェックボックス」がある。標準では OFF です。
ラインスタイル、フォントスタイル、寸法スタイル
ラインスタイル
ラインスタイルボタンをクリックするか「設定 - 線属性」で開く線属性メニューでラインスタイルを設定できる。
なお、プリンタに白黒印刷する場合は、「線の色」は「線の太さ」に読み替えられる。「水色」がもっとも細い線で、下に行くほど太い線となる。
フォントスタイル
作図ツールバーの[文字]を押して文字描画モードに入り、画面上部の設定ツールバーに表示される文字スタイルボタン(「[4] W=4 H=4 D=0.5(2)」と表示されているボタン)を押してスタイルを変更する。
寸法スタイル
「設定 - 寸法設定」で表示されるダイアログで設定する。
フォントスタイルで用いている「スタイル番号(文字種類)」で文字の大きさを指定するので、あらかじめ「フォントスタイル」で必要なフォントを定義しておくこと。
線、四角、円、文字を描く
作図ツールバーの「/]、[□]、[○]、[文字]のボタンを押して描く。
それぞれのモードで設定できるオプションが設定ツールバーに表示されるので、必要なら設定する。
既存のオブジェクトへのスナップ(吸い付き)は、「右クリック」で行える。
左クリックはスナップ無し、右クリックはスナップあり。
なお、寸法線は[/]ボタンを押して線分描画の設定ツールバーの右端のほうに「←→」「寸法値」という設定項目があるので、ここで設定する。
(例)長さと角度を指定した直線を引く
作図ツールバーの「/]を押すと、上記のような設定ツールバーが表示される。「傾き」と「寸法」を入力する。
図のように、始点を左クリック(①)すると、自動的に角度と長さが条件に一致する仮線が表示される。所望の線が表示されたら、左クリック(③)する。
オブジェクトの選択
選択は「編集ツールバー」の[範囲]で行う。
[範囲]を押すと領域選択モードとなる。
①マウスで2点をクリックし、作られた長方形が選択領域となる
②選択領域に囲まれた長方形(②)が選択され、紫色になっている
③直線を左クリックして選択した。紫色になっている。
白く表示されいてる円は選択されていない。
マウスで長方形領域を示す2点を左クリックすることで、文字以外のオブジェクトを選択できる。
文字を含むすべてのオブジェクトをを選択するには、選択終了(2回目)のクリックを「右クリック」とする。
領域選択が終わると、個別選択モードに自動的になっている。
追加選択したい(または選択解除したい)オブジェクトを左クリック(文字は右クリック)すると選択・解除できる。
キャンセル (操作の中止)
選んだメニューが間違っていた場合や選択を途中で止めたい場合は、他のボタンを1回押す。
最も影響の少ない[範囲]ボタンを押すのが混乱を招かずによい。
[ESC キー]は「Undo」の意味合いもあるので、連打するとせっかく描画したオブジェクトがUndoで消去されることもある。
AutoCADとは違い、ESC連打はしないこと。
コピー・移動
「編集ツールバー」の[複写]、[移動]でコピーと移動ができる。
対象オブジェクトを選択してからでも、ボタンを押してから選択してもよい。
(例)指定距離移動
移動元のオブジェクト(ここでは直線)を選択(①)
編集ツールバーの[移動]を押して表示される下記の設定ツールバーに移動距離を入力。
移動距離を入力すると、仮位置が赤く表示される(②)
この位置でよければ、[マウスを左クリック]して確定する
移動先のオブジェクトは選択状態に置かれるので、他のツールバーを押すなどして選択を解除する
伸縮
「編集ツールバー」の[伸縮]ボタンで、伸縮も切断も行える。
(例)線の延長
既存線まで延長するには、
「編集ツールバー」の[伸縮]を押して、伸ばしたい直線を左クリック(①)。
基準となる直線(ここまで伸ばしたい)を越えた向こう側まで一旦延長する。基準線の向こう側を左クリック(②)。
線分が交差する形となる。
交差点を右クリック(③)。右クリックは既存のポイントにスナップする設定なので、交差点近くで右クリックするだけで、正確に交差点を特定できる。
一部分だけの選択
オブジェクトすべてではなく、一部分だけを強制選択することができる。
「編集ツールバー」の[選択]を押して、表示される設定ツールバーの「切取り選択」をチックする。
領域を選択(かどの2点で左クリック)すると、下図左のような状態となる。赤の選択範囲を示す領域のみが選択されている。
ここで、ためしに[DELETE キー]を押すと、選択範囲のみが消去される。(右図)
→
属性の変更・レイヤ間の移動
属性を変更したい・レイヤを移動したいオブジェクトを選択して、設定ツールバーの[属性変更]ボタンを押すと各種属性変更のダイアログが表示される。
印刷
メインツールバーの[印刷]ボタンを押すと、Windows 標準の印刷ダイアログが表示される。
プリンタとプリンタの設定を行ったら「OK」を押す。
※ 重要 : ここでいきなり印刷は始まらない
すべてのオブジェクトが白線で描かれ、画面中央に赤の長方形が描かれる。
赤の長方形が「印刷範囲 = ビューポート」を示している。
※ 重要 : 最終設定が終わるまで描画領域をクリックするな!
用紙の向きがおかしい場合は、設定ツールバーの[90°回転]ボタンを押す。縦横が入れ替わるはず。
ビューポートの大きさが小さすぎたり、大きすぎたりする場合は、設定ツールバーの[100% (A4→A4)...]の拡大縮小ドロップダウンリストで大きさを調整する。(任意の縮尺率も可能)
ビューポートの位置がおかしい場合は、設定ツールバーの[範囲変更]ボタンを押すとビューポートをマウスで移動できるようになる。所望の位置までビューポートを移動して、左クリック。
印刷開始は、画面を1回左クリックするか、設定ツールバーの[印刷]ボタンを押す。