2012年 スコットランド、イングランド、トルコ旅行記 :
        タインマウス、ヨーク、スキップトン、リーズ

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September 25, 2012 (Tuesday)

Newcastle upon Tyne - England, UK (ニューカッスル・アポン・タイン - イングランド)

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大雨を伝えるBBCの天気予報
BBC NEWS, weather forecast of heavy rain

夜中から大雨。窓に雨粒が当たって、風も相当吹いている。BBCニュースによれば最大風速60マイル/時(約27m/秒)と台風並み。腕時計ProTrekの気圧計は959hPaを表示していて、低気圧の中心付近に居るようだ。イギリス北・中部の170箇所で洪水が発生しているとのことで、いろいろな場所から洪水の様子を中継している。ただし、雨が降っているのはイギリス北半分だけでロンドン付近など南部は快晴の模様。案外ブリテン島は大きい。

7時30分、ホステルの1階にあるバーで朝食。パンとシリアルだけという質素なものだが無料だから仕方ない。大雨でなければスーパーに何か買い出しに行くのだが。8時30分、荷物をホステルに預けてチェックアウト。荷物預け料金として1ポンド(126円)取られるが、中央駅の荷物預かり所は5ポンドなので、こちらの方が得だ。

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メトロ タインマウス駅
Tynemouth Metro station

市街地中心の地下鉄モニュメント駅へ。タイン川が北海に流れ込む河口にあるタインマウス城を見に行こうと思う。券売機でタインマウス駅までの運賃を調べると片道3.1ポンド(A+B+Cゾーン)。一日乗車券が4.2ポンド(530円)なので、1往復すれば一日券のほうが安いという不思議な価格設定だ。プラットホームで列車を待っていると、行き先案内に「遅延しています」と表示されている。大雨で地下鉄も遅れるのだろうか...。

平日朝は5分〜10分に1本程度の列車があるはずだが、今日は15分に1本程度まで間引き運転しているようだ。乗り込んだ列車の車内はがらがら。2駅目からは地上の線路を走る単なる郊外電車だ。20分ほどでタインマウス駅に到着。1882年に建てられたというガラス張りの天井を持つ駅舎は、英国の建築遺産に指定されているそうだ。

Metro
Newcastle, Monument(9:02発)→ Tynemouth(9:26着)
Metro Yellow Line, 一日乗車券運賃 4.2 GBP(530円)

Tynemouth - England, UK (タインマウス - イングランド)

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コリングウッド提督記念碑とタインマウス城
Collingwood Monument and Tynemouth Castle

駅を出ると、ちょうど雨が弱くなっている。"駅前通り"なのか"城前通り"のどちらの意味か知らないが、Front Streetという通りを5分ほど歩くと、北海に面した小高い丘の上のタインマウス城・修道院に突き当たる。城の公開時間は10時からということなので、待っている間に河口にあるカスバート・コリングウッド提督記念碑を見に行く。19世紀初めのナポレオン戦争で英国が世界の海の制海権を握るに至った功績で、ネルソン提督と並ぶヒーローのはずだが、こちらの名前は今まで聞いたことも無かった。記念像の周囲の芝生は、犬の散歩に来た人がドッグランを楽しむところのようだ。

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タインマウス城・修道院のゲートハウス
Tynemouth Castle and Priory Gatehouse

10時、タインマウス城・修道院へ。入場料4.2ポンド(530円)払う。入場券売り場がある14世紀に建てられたゲートハウスを抜けると、北海に突き出た高台の上に11世紀から16世紀にかけて修道院だった建物の廃墟が広がっている。

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タインマウス城・修道院の教会と墓地
Tynemouth Castle and Priory, Church and graveyard

修道院の裏手にある芝生の平地には、大量の墓石が地面に突き刺さっている。

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タインマウス沿岸要塞、6インチ沿岸砲
Tynemouth Coastal Battery, 6 inch narval gun

16世紀以降はタイン川河口の沿岸要塞として使われていたようで、北海を望む断崖の上には1956年まで使われていたMark XXIII 6インチ沿岸砲が1門残されている。ほぼ無傷で残っている地下の弾薬庫も見学可能だ。

Metro
Tynemouth(10:55発)→ Newcastle, Monument(11:15着)
Metro Yellow Line, 一日乗車券運賃 4.2 GBP(530円)

Newcastle upon Tyne - England, UK (ニューカッスル・アポン・タイン - イングランド)

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タイン川に架かるスイング橋とタイン橋
Swing Bridge and Tyne Bridge

11時少し前、再び地下鉄に乗りモニュメント駅で下車。ホテルで荷物をピックアップし駅へ向かう。

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ニューカッスル駅、代行輸送バスを待つ行列
Bustitution queue at Newcastle railway station

駅に入ると、出発案内モニターの前に大量の人があふれている。表示をよく見るとキャンセルされた列車が何本もある。私が乗ろうとしているロンドン行きの列車も、案内表示ではキャンセルになっていた。鉄道会社の係員に聞いてみたところ、代行輸送するから行列に並べとのこと。1時間ほど並んで代行バスに乗車。列車を待っていた客のほとんどはロンドン キングス・クロス駅に行くはずだが、代行バスはヨークまで。私の目的地はヨークなのでちょうど都合がいいが...。

Bus
Newcastle, railway station(13:10発)→ York, railway station(15:15着)
Bustitution (鉄道運休のため、代行バス)

York - England, UK (ヨーク - イングランド)

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ヨーク駅に到着した代行バス
Bustitution arrives at York railway station

道路が冠水するくらいの大雨の中、満員の客を乗せたバスは高速道路A1を南下。列車の所要時間の倍以上の時間を費やし、15時過ぎにヨーク駅前に到着した。インターネットで予約したホテルは中央駅から歩いて20分くらいの所だが、土砂降りの中を歩く気がしない。Google Mapで調べるとホテルの近くにバス停がある。駅前のバス乗り場には44系統"大学行き"がちょうど停車している。運転手に目的のバス停に停まるか聞いてから乗り込む。運賃1ポンド(126円)。旧市街の中を渋滞に巻き込まれながら、5分ほどでホテルの近くのバス停に到着。

Bus
Rail Station(15:58発)→ Fawcett Street(16:03着)
Transdev unibus 44系統 運賃
1.0 GBP(126円)
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水没したウーズ川付近の道路
Blue Bridge Ln, flood

チェックインして、部屋に荷物を置いて旧市街へ向かう。ホテルの近所に流れているウーズ川が増水しているようで、川沿いにある公園や道路が完全に水没している。このせいで鉄道が運休していたのか...。BBCのニュースでは30年前と同レベルの大洪水がイングランド北部とスコットランドで起こっているそうだ。道路も至る所で通行止めになり、北東部を走る鉄道はほとんど運休しているそうだ。「今日の切符は、明日も使えます」という風に伝えている。洪水だからといって騒ぎ立てないのは、さすが紳士の国イングランドだ。

道路も通行止めになっているという事は、私が代行バスに乗れたのは限りなく幸運だったということなのだろうか。

【鉄道会社のアナウンス】Poor weather conditions in some areas of northern England
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洪水に突っ込んだ列車のニュース映像
BBC NEWS、train in flood

Heavy rain and flooding is causing disruption in northern England.

Because of this, the following will apply until further notice, with extended journey times of up to 60 minutes on some routes:

You can follow this incident on Twitter using the hashtag: #ukrain

Doncaster - Edinburgh

Due to flooding caused by heavy rain in the North East, there is a very limited East Coast service operating between York and Newcastle. First TransPennine Express are running trains between York and Darlington.

An amended service is in operation between Newcastle and Edinburgh.

East Coast passengers may use CrossCountry, First TransPennine Express and Grand Central services on reasonable routes. First TransPennine Express and CrossCoutnry passengers may use East Coast services on any reasonable routes.

Tickets dated yesterday will be accepted today, Wednesday 26 September.

http://www.eastcoast.co.uk/travel-information/live-travel-information/

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旧市街中心部の繁華街は観光客もまばら
Stonegate (street)

今夜泊まるホテルはヨーク旧市街の城壁のすぐ南側。数分歩いたところにある。その城壁を貫通する道を通って旧市街へ。1980年代に建てられたショッピングモールがあり、その北側に古い町並みを利用した繁華街が広がっている。大学生くらい(?)と思われる集団が、雨なのに傘もささず歩いている。もちろん、観光客らしき人も...。時折強風が吹いてくるので傘など役立たないのだが、それでもイギリス人の傘嫌いなのはよくわかる。

ヨーク・ミンスター(大聖堂)まで行き、再びホテルの付近まで戻る。夕食はホテルの斜め向かいにある中華のテイクアウトで、6.1ポンド(768円)の牛肉と野菜の八宝菜とご飯メニューを購入。

Hotel
The Blue Bridge, 15号室
39ポンド(4914円)/1泊

September 26, 2012 (Wednesday)

昨日の夜から明け方まで土砂降りの雨が降っていたが、早朝にはほとんどやんでいる状態だ。BBCのニュースによれば、ニューカッスルとヨークシャーで大洪水ということだ。ヨーク郊外の町並みが水没しているところを中継している。大洪水の中心地に、図らずも旅行に来てしまったわけだ(笑)。

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旧市街の城壁
city wall (between Fishergate Bar and Walmgate Bar)

7時30分、ホテルの食堂で朝食。焼きベーコンが塩辛いイングリッシュ・ブレックファーストを食べて、8時過ぎに外へ。ホテルのすぐ隣にある小学校へ通学してくる親子を見つつ、旧市街を取り囲む城壁へ向かう。昨日少しだけ歩いた城壁の続き、14世紀に建てられたフィッシャーゲート・バー(城門)からスタート。大聖堂を目指して東へ歩く。城壁上の通路は観光客の安全より景観を優先しているらしく、手すりが取り付けられていない。日本ならこうはいかないだろう。

結構気温は低いのだが紅葉はまだ始まっておらず、城壁の周囲の木々は緑色のままだ。紅葉していたらもう少し綺麗なのかもしれない。(それよりも、晴れていたら確実に綺麗な景色なのだろう)

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ウォームゲート・バー
Walmgate Bar

城壁は修復されたもののようで、それほど古くは見えない。城壁に隣接して建ち並んでいる2階建ての住宅群も、近年建てられた新しいものばかりだ。城壁に囲まれた旧市街も、東側半分は新興住宅街という趣だ。

フィッシャーゲート・バーから350mほど東へ行くと、路線バスが走る貫通穴が開けられたウォームゲート・バー(城門)に差し掛かる。ここでは城壁上の通路が途切れていて一旦地上に降りる必要がある。この城門は14世紀に建てられたもので、イングランドに現存する唯一のバービカン(二重城門)だそうだ。そこから城壁は北向に折れていて、300mほど北のレッド・タワーで城壁が途切れている。修復や復元で作られた城壁なら、昔のように街を一周するように復元してしまえばいいのに...。

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城壁内の新興住宅地
Adventure's Court at Hungate

Google Mapの航空写真では大規模開発工事中の工事現場となっているHungateと呼ばれていた地区の一部は完成しているようで、セント・ジョン大学の学生寮や高級アパートが建ち並んでいる。ネットで拾った情報によれば、高級アパート(luxury apartments)と謳ったAdventure's Courtの部屋(2DK・約50m2)の分譲価格は220,000ポンド(2772万円)とそれほど高くないようだ。ボロボロの低所得者住宅が建ち並んだ地区が、再開発で見事に高級アパートに変身したというところだろうか。

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ヨーク・ミンスター 身廊
York Minster, Nave

しばらく歩くと、ヨーク・ミンスター(大聖堂)の後陣側に出てくる。教会付属学校や石細工の修復工房が教会の裏手に集まっている。9ポンド(1134円)払って大聖堂に入場する。教会の見学だけで1000円を超えるとは、さすが物価高のイギリスだけはある。

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ヨーク・ミンスター 翼廊 背障
York Minster, Transept Reredos

オリジナルの建物は15世紀に建てられ、その後19世紀に火災で焼け落ちて修復されたゴシック様式の建物。西側入口から後陣(アプス)までの奥行き158m、天井までの高さ60mという北部欧州2番目の規模の大聖堂だ(最大のものはケルン大聖堂)。その巨大な空間の真ん中にあるかつての国王の彫刻が並ぶクワイヤの壁で奥まで見通せないが、それでもこの建物の巨大さは十分に伝わってくる。

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ヨーク城 クリフォーズ・タワー
York Castle, Clifford's Tower

大聖堂を出て旧市街の商業地区を横切り、南端にあるヨーク城跡へ。ショッピングセンターの駐車場のど真ん中にこんもりと盛り上がった芝生の丘があり、その上に城のキープ(クリフォーズ・タワー)が建っている。入場料4ポンド払って中に入る。

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ヨーク城 クリフォーズ・タワー
York Castle, Clifford's Tower

13世紀にヘンリー3世によって建てられた四葉のクローバー型をしたキープは、17世紀に火薬庫が爆発し屋根が焼け落ちてしまっている。

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ウーズ川の洪水で水没する旧市街
King's Staith along, river Ouse, flood

駅を挟んで旧市街と反対側に、鉄道の展示施設としては世界最大と言われている国立鉄道博物館があるので見に行ってみる。途中、ウーズ川に架かるウーズ橋に差し掛かると、歩道が大量の人で溢れている。橋のちょうど下辺りにあったリバーサイドのレストランなどが水没している。大聖堂や城郭より洪水のほうが多くの人の興味を引くようで、観客の数が全く違う。

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グレートホールに展示されている機関車
locomotives at Great Hall

鉄道博物館は入場料無料だった。入り口を入ると、実物大のユーロスターの切断模型と0系新幹線が置いてある。日本以外で新幹線を展示している施設があるとは知らなかった。展示物のほとんどは蒸気機関車だが、ユーロトンネルの工事用車両や、豪華客車なども少しだけ展示されている。

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A4型蒸気機関車 マラード号
LNER 4-6-2 class A4 No. 4468 'Mallard'

時速203kmという世界最速記録を持つ蒸気機関車マラード号や、定期点検中のフライング・スコッツマンも見ることができる。
鉄道部品保管庫(The Warehouse)には、鉄道ファン向けの即売会を開いたら高値が付くこと間違い無しの珍しい部品類が、綺麗に整理されて置かれている。

中央駅まで戻り、構内のパン屋でビーフ・パイを購入(3.2ポンド、403円)。街の中の店なら2.5ポンド程度なので、少し高い。駅の出発案内表示には、ほとんど全ての列車が運休も無く運転しているようだ。明日は大丈夫かな...。

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中世の雰囲気を残すシャンブル地区
Shambles

一旦ホテルに戻る。途中、ヨーク城クリフォーズ・タワーの横を通りかかったとき、洪水の水位が旧市街の建物まで上がってきていた。消防車が来て、土嚢を積んで堤防の低いところを補強している。この場所だけ水密化しても、他から染み出してくるのでは意味無いかなとも思う。

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ヨークシャー博物館
墓石とローマ第9軍団のレンガ
Yorkshire Museum
grave stone and 9th Legion brick

夕方近く、ヨークシャー博物館へ。小中学生の校外学習用の展示館といった雰囲気のところで、見るべきものとしてはローマ帝国時代にエボラカムとこの町が呼ばれていたときの出土品が何十点か展示されている。あまり展示品が無いのに、入場料7.5ポンド(946円)は高すぎる。ボッタクリだ...

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旧市街の繁華街
Stonegate (street)

夕食。ホテルの前の中華テイクアウト屋で5.1ポンド(643円)の豚肉のXO醤炒めを買う。19時ごろ夜景を撮影に出かける。旧市街の店はほとんどが18時ごろに閉店するようで、レストランやバーを除いてほとんど閉まっている。歩く人も昼間と違ってほとんど居ない。

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ヨーク・ミンスター(大聖堂)
York Minster

大聖堂はライトアップされるかと思っていたが、尖塔の一部分がライトアップされただけで、ほとんどは真っ暗な状態。何もライトアップされないよりは、マシだが...。

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水没しつつある旧市街を消防車で排水中
flood at Tower St

ホテルに戻る途中に、ヨーク城の横を通りかかる。消防車のポンプで必死に排水しようとしているが、夕方に見たときより水位が少し上がっているようだ。旧市街のど真ん中を横切っているブローニー運河がウーズ川に流れ込むところに洪水排除用のポンプ場があり、市街地に水があふれてきてもある程度までは排水できるのかもしれない。でも、このままウーズ川の水位が上がり続ければ市街地水没の可能性も無きにしも非ずだ。

Hotel
The Blue Bridge, 15号室
39ポンド(4914円)/1泊

September 27, 2012 (Thursday)

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ウォームゲート・バー
Walmgate Bar

今朝は快晴。この街から出発する前に、歴史的建造物を一通り写真撮影に出かける。7時30分、手早く朝食を済ませて外へ。昨日大聖堂へ向かったのと同じコースで、旧市街の城壁沿いに歩く。雨や曇りの日でも、被写体やアングルを工夫すれば綺麗な写真は撮れるのだろうが、観光地の写真は晴天日に勝るものは無い。その上、最近どの観光地でも見かける中国人団体旅行客がこの時間帯にはほとんど見られないので好都合だ。

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ヨーク・ミンスター(大聖堂)
York Minster

大聖堂の横を通り過ぎてヨークシャー博物館の方へ。この辺りに残っている旧市街の城壁はローマ帝国皇帝コンスタンティウス・クロルス統治時代(AD300年前後)に造られたものだそうだ。ヨークシャー博物館の横のマルタンギュラー塔も4世紀のものだそうだが、上半分は中世に復元されたものとのことだ。

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洪水で水没したヨーク城前
flood in front of York Castle

ホテルの方に戻る途中、ヨーク城の横を通りかかると、昨日より洪水の水位が上がって池のようになっている。クリフォーズ・タワーにかつて堀があったときの姿を髣髴とさせる。昨日はあれほど必死になって洪水を抑えようと土嚢を積んだりポンプで排水していた消防の救助隊が、今日は誰一人見かけない。完全にあきらめて自然のなすがままにしているようだ。水没した建物の持ち主は不幸だが、これが自然の姿なら仕方ないのだと思う。

10時過ぎ、ホテルに戻り荷物をピックアップして駅に向かう。水没している道路を避けて、ウーズ川に掛かる橋を渡る。あと数メートル水位が上がればこの橋も通行止めになって、駅に行くすべが無くなるかもしれません。

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列車の車窓に広がる洪水の景色
floods

駅に着くと、10時40分発のリヴァプール行き列車にちょうど乗車することが出来た。リーズまで約30分。途中、川があふれて周囲の農場を巻き込んで広大な湖のようになっているところで列車が一旦停車。運転打ち切りか... と思ったが、5分ほどしてゆっくりと走り出したのでホッとした。

Train
York(10:48発)→ Leeds(11:22着)
First TransPennine Express, 2等車運賃 12.6 GBP(1587円)インターネット購入料金
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リーズ駅
Leeds railway station

11時24分、リーズ駅に到着。改築され自動改札機がずらっと並ぶ駅舎は、イギリスの駅とは思えない歴史を感じない場所になってしまっている。インターネットで予約したホテルは駅の目の前。チェックインには少し早すぎるが、荷物を預かってもらうためにホテルに向かう。

再び駅に戻り、バーガーキングでハンバーガーを購入して(3.59ポンド、452円)、スキップトン行きの列車に乗り込む。オフピークの往復券で8.6ポンド。片道でも8ポンドなので、往復を買わないと損だ。列車は郊外の駅にぽつぽつと停車してゆく。途中のケイリー駅では保存鉄道の蒸気機関車が隣の線路に停車していた。この辺りは、小説「嵐が丘」の舞台となった場所で、それ関連で観光に来る人も居るそうだ。いまなら、児童虐待小説で問題になったろう...。

Train
Leeds(11:56発)→ Skipton(12:39着)
Northern Rail, 2等車往復運賃 8.6 GBP(1083円)駅の券売機で購入

Skipton - England, UK (スキップトン - イングランド)

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リーズ=リヴァプール運河、スキップトン港
Leeds and Liverpool Canal, Skipton basin

途中から学生が乗ってきたりしたが車内が満員になることは無く、約45分で終点のスキップトンに到着。タブレットパソコンのGoolgeMapで現在地表示しながら、1km離れたスキップトン城まで歩く。途中、リーズ=リヴァプール運河のスキップトン港に架かる橋を渡る。港にはナロウボートと呼ばれる胴の幅が狭くて全長が長い変わった形の船が何隻か停泊している。

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スキップトン城、ゲートハウス
Skipton Castle, gatehouse

町の中心部を通り過ぎて、トリニティー教会の敷地を横切ったところにスキップトン城のゲートハウス(城門)があった。ゲートハウスの屋上には、"DES OR MAIS"という中世のフランス語で書かれた城主のモットーがでかでかと掲げられている。日本語に訳すと、"次こそがんばるぞ"というような意味合いになるだろうか。よほど戦争に弱かったのか、賭け事に弱かったのか...。

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スキップトン城
Skipton Castle and residence

入場料6.7ポンド(844円)払って中に入る。キープの中は狭い部屋と、その間をつなぐ廊下や階段が迷路のように繋がっている。王の部屋や監視塔の部屋など、建物が使われていた当時の部屋の名前は説明されているが調度品などは一切置かれていない。今回の旅行で訪問したイギリスの城は、どこも調度品が一つも無い状態で統一されている。なぜなのだろう...。

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スキップトン城
Skipton Castle, Banqueting Hall

キープと棟続きになった東側部分は城主子孫(?)の個人住宅になっているようで、敷地内にロープが張られて私有地側には行けないようになっている。あちら側の住宅部分には豪華な調度品を入れているんだろうね。

空に少しだけ青空の部分があるので、太陽が出てくるまでしばらく待っていたが、一向にその気配が無いのであきらめて帰ることにする。14時48分の列車に乗り、リーズに戻る。

Train
Skipton(14:48発)→ Leeds(15:27着)
Northern Rail, 2等車往復運賃 8.6 GBP(1083円)駅の券売機で購入

Leeds - England, UK (リーズ - イングランド)

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聖ヨハネ福音教会
St John the Evangelist's Church

人口71万人でイングランドで3番目の人口のリーズ市街はこれといって見るべき観光地も無く、市街地中心部はショッピングモールや専門店の入ったビルがぎっしりと建ち並んでいる。それらの繁華街の中に、17世紀に建てられた聖ヨハネ福音教会や、18世紀に建てられた小ぢんまりした大聖堂があるが、地球の歩き方には地図上にその記載すらない。ショッピングモールの位置が書き連ねられているだけで、ガイドブックとしてはまったく役立たない。

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市街地中心の繁華街 ブリゲート
Briggate

大聖堂近くでPC Worldという家電量販店があったので入ってみる。日本では未発売のGoogle Nexus 7タブレットは199ポンド(25074円)と、米国価格の1.5倍くらいで売っている。最近シャープが倒産寸前になっているが、テレビ売り場はSamsungとLGばかりが売られていて、何台かSONYとPanasonicが置かれているに過ぎない。テレビを買うときには画面サイズと値段以外に比較検討対象が無いので、人件費の高い日本で作っている時点で負けていると思う。日本のメーカーも、人件費の安い国で最低限の機能のテレビを組み立てて売れば、それなりに売れるんではないでしょうかね。

夕食は、聖ヨハネ福音教会横のバス停付近にあったケバブ屋で、セットメニュー。2ポンド(252円)でフレンチフライとペプシ缶まで付くという激安価格だった。

Hotel
Discovery Inn, 1001号室
33ポンド(4158円)/1泊