2013年 キプロス、イタリア、ポルトガル旅行記 :
  リスボン、パルメラ、セトゥバル

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December 26, 2013 (Thursday)

Lisboa - Portugal (リスボン - ポルトガル)

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オリエンテ駅前, パルメラ行き565系統バス
TST bus line no.565 for Palmela

朝起きて外を見ると、快晴。天気予報では曇り時々晴れなので、よいほうに変化してくれたのはありがたい。パルメラセトゥーバルに行く予定で、パルメラ行きのバスは平日なら毎時0分発。休日なら8時、10時… の2時間に1本の0分発。クリスマス明けの今日26日が平日なのか休日なのかによって1日の計画が大きく変わってくる。

ちなみに、リスボン市営のバスや地下鉄は「祝日ダイヤ」だとホームページに告知されている。長距離バスも、もしかしたら休日ダイヤ…。とりあえず、「平日ダイヤ」を期待して9時のバスに乗るべくホテルを出発する。8時40分にサルダーニャ駅から地下鉄に乗り、オリエンテ駅へ。

Metro
Saldanha(08:40発)→ Oriente(08:51着)
Metro Linha Vermelha, 運賃 1日券 6ユーロ(846円)
Bus
Lisboa, Oriente(09:00発)→ Palmela(09:35着)
TST, Express Bus 565, 運賃 3.95ユーロ(556円)
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ヴァスコ・ダ・ガマ橋
Ponte Vasco da Gama

地下鉄駅のすぐ横にあるバスターミナルへ。以前、ここからスペインのマラガ行きの夜行バスに乗ったことがあるが、今回の長距離バスもここから出発するようだ。TST社のマークのバスはすぐ見つかり、車外で雑談している運転手に聞いてパルメラ行バスの列に並ぶ。

バスはオリエンテ駅前を出て高速道路に入り、テージョ川河口に架かる全長17.2kmのヴァスコ・ダ・ガマ橋を渡る。リスボン市街側に川を遡る航路を通すための斜張橋があるほかは、水面すれすれの高架道路が干潟のように浅い水深の川面を一直線に横切っている。そのまま高速道路を爆走すればパルメラまで15分も掛からないのだろうが、ピニャル・ノヴォ村に途中停車するために一般道に降り、そこから小さいバス停に停まりながら行くので終点のパルメラまで約30分ほど掛かった。

Palmela - Portugal (パルメラ - ポルトガル)

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パルメラ旧市街の坂道
Palmela, Rua Serpa Pinto

バス停はパルメラの丘の中腹にあり、そこからでも遥か遠くまで見渡すことができる。今この町の上は晴れているが、南の方にはのっぺりした雲が、西の方にはもくもくと沸き立った雲が広がっている。とにかく晴れているうちに丘の頂上にある城塞観光だ。パルメラは人口6万人弱の町で、街の中心はセトゥーバル郊外に隣接する高速道路沿いの平地だ。観光地でもある丘の上にある旧市街や城は8世紀から9世紀頃のウマイヤ朝時代に造られたものだそうだ。

バス停前より、普通の住宅が延々と続いている狭い路地の坂道を登っていく。土産物屋や飲食店も無く、地元の人向けの雑貨屋などが時折ある程度。観光地化はほとんど進んでいないようで、いい雰囲気だ。のんびり歩いても15分ほどで町の一番高いところにあるサン・ペドロ教会の前に到着。ここも別に観光地というわけでもなさそうで、入り口は閉められている。

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城塞の城門とキープ
entrance garden and torre del homenaje

見どころは、町のある丘のひときわ高い岩山の頂上にあるパルメラ城なのだろう。誰も観光客を見かけないので、果たして開館しているのか…。心配だが、とりあえず行ってみることにする。昨日までの雨で、じっとりと湿った石畳の坂道をさらに登っていくと、城塞の門があった。城の歴史を簡単に記した看板があるが、入場時間や料金など書かれていない。門をくぐるとさらに坂道が続き、奥にホテルがある。ポルトガル語で「ポサーダ」と呼ばれる城塞や邸宅を再利用した高級リゾートホテルだ。Booking.comで調べると1泊150ユーロほどらしい。ホテルと反対側に折り返した坂道の頂上には城の塔(キープ)がある。塔を取り囲む建物の一部は、この地を発掘して出てきた古代ローマ時代や中世の遺物を展示する部屋がある。おや、入場料をぜんぜん払っていないし、そもそも博物館(資料館)を無料で見れるのは不思議だ。城の職員(?)らしきおっちゃんや掃除をしているおばちゃんを見かけるが、特に入場券を求められることもなかったので、多分無料公開なのだろう…。

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パルメラ城から見下ろした旧市街(北方向)
north view from Castelo de Palmela, old town area

城の塔の中はがらんどうで、屋上からの見晴しは格別だ。遥か南にはセトゥーバルの街と地中海が、眼下にはパルメラの丘の頂上に貼り付いた村の家々が手に取るように見える。イタリアやフランスの地中海沿いの地域では、小さな丘の上に作られた村(鷲ノ巣村)を列車やバスの車窓からよく見かけるが、これらはローマ帝国が滅んでサラセン人(イスラム教徒)の襲撃を恐れた住人が海岸沿いから丘の上に移住したのに起因する場合が多い。パルメラはイスラム帝国時代に造られたので、ここでは逆にキリスト教徒のゴート族フランク族に襲撃されるのを恐れたのだろうか。

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パルメラ城、領主館とサンティアゴ教会
Casa del Gobernador and Igreja de Santiago

パルメラ城塞に2つあるうちの、もう一つある小さな塔の中はポルトガル軍通信史博物館になっている。近代的な通信システムが導入される前には、この塔はヘリオグラフや無電通信の中継局として使われていたそうだ。

いつの間にか雲が広がってきて、先ほどまでの青空はどこかに行ってしまっている。塔とホテルの間にはサンティアゴ教会という教会の建物がある。中に入ってみると何もなく、この建物は教会としての機能は失っているようだ。内陣の祭壇があるはずのところには、建築資材が無造作に置かれている。

城を出て再び町を通り抜け、バス停へ戻る。バス停の横の事務所らしき建物の窓に時刻表が掲示されているが、リスボンやセトゥーバルなどの始発駅の時刻が表示されているだけで、このバス停の出発時刻が書いていないように思われる。しばらく待っていると、このバス停が始発と思われるセトゥーバル行きのバスがやって来た。

Bus
Palmela(11:25発)→ Setúbal(11:43着)
TST, Bus 768, 運賃 1.95ユーロ(274円)

Setúbal - Portugal (セトゥーバル - ポルトガル)

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セトゥーバル, ルイーサ・トーディ通り
Setúbal, Avenida Luísa Todi

バスはパルメラ旧市街の丘を下って南へ。すぐにセトゥーバルの街に入る。しばらくの間郊外住宅のようなアパートの立ち並ぶ横を走り、セトゥーバル駅を通り過ぎると市街地に入る。駅が市街地のはずれ… よほど鉄道が嫌われている時代に造られたんだろうか。

バスは街の中心にある小さなバスターミナルに到着。出発案内表示を見ると、毎時45分にリスボンのオリエンテ行き高速バスが出ているようだ。街から遠い鉄道駅まで歩いて行くより、帰りもバスにしよう。

Wikipediaによれば、セトゥーバルはポルトガル第4の都市で人口13万人。イスラム帝国時代から続く歴史のある街で、近代以前には漁業で栄えたとのことだ。20世紀初めに栄えた重化学工業は廃れてしまい、現在は自動車工場や製薬工場などの工業団地が街の東部の港沿いに並んでいるのがGoogle Mapsの航空写真でよく分かる。

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イエスの修道院、身廊
Igreja do antigo Mosteiro de Jesus

スマートフォンに格納しておいた地球の歩き方を見てみると、この街の見どころは15世紀に建てられたイエスの修道院と小ぢんまりした旧市街、郊外のサン・フィリペ城塞だそうだ。城塞はホテルに改装されているらしく、ついさっきパルメラ城を見てきたので、今日はパスで…。まず、イエスの修道院に向かう。バスターミナルの前の道を、しばらく西へ歩くと突き当りに地味な教会がある。側廊に入り口があり、ドアが開いていたので中に入ってみる。屋根を支える主柱が、三つ編みのようにねじれたデザインの柱だ。もっと細かいねじれのものは、どこかの教会で見たことがあるが、3本の太い紐がねじれたような柱は珍しい。屋根の力を受ける心棒部分が無く力学的に不安定に感じるのは、私だけだろうか…。側廊の壁は全面にアズレージョ(彩色タイル)で描かれた聖書の世界があり、側廊の突き当りには服飾店から借りてきたようなウエディングドレスを着た聖母像。

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ボカージェ広場
Praça de Bocage

イエスの修道院の内部の地味さは、教会の横のスケートボード場の壁の落書きの派手さで、中和されている。再びバスターミナルの方へ戻りつつ、小ぢんまりした旧市街へ。かつての街の中心と思われるボガージェ広場には、時計塔が付け加わっている地味な外観のサン・ジュリアン教会と、広場の中心に18世紀の詩人バルボサ・ボガージェ像の立つ円柱がある。

ふと、広場に面したピザ・ハットをみると「ビュッフェ 6.45ユーロ」との看板が出ている。ピザの食べ放題… 一度挑戦してみることにする。店に入ると、ビュッフェの時間は12時30分かららしく、15分ほど店内で座って待つ。出てきたメニューは、ピザが5種類くらい、パスタ、レタスのサラダだ。イタリアでピザ1枚が3~5ユーロだったのを思い出せば、まあ数枚食べれば元は取れるのだろう。

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セトゥーバル旧市街
Rua de Arronches Junqueiro

食後、旧市街の中をさらに歩く。ピザ・ハットのある広場より、かなり小さめなミゼリコルディア広場には、赤十字の建物の前に巨大なプレセピオが展示されている。赤「十字」だから、キリスト教の出し物をしているのは、まあ、ごく自然な雰囲気だ。

海の方を見に行ってみる。砂浜ではなくて、遊歩道になっているコンクリート岩壁だ。東の方には巨大な貨物船が停泊している岸壁がある。特に観光的に見るべきものはなさそうだ。そろそろリスボン行きのバスが出る時刻なので、旧市街を再び横切ってバスターミナルへ。13時45分発のリスボン オリエンテ駅行きの高速バスに乗る。

Bus
Setúbal(13:45発)→ Lisboa, Oriente(14:26着)
TST, Express Bus 562, 運賃 3.95ユーロ(557円)

Lisboa - Portugal (リスボン - ポルトガル)

バスは、途中セトゥバルの鉄道駅前に停車しただけで、ずっと高速道路を走った。ヴァスコ・ダ・ガマ橋を渡って、オリエンテ駅前には40分ほどで到着。列車より、おそらく短時間だ。

Metro
Oriente(14:40頃発)→ Saldanha → Picoas
Metro Linha Vermelha → Linha Amarela, 運賃 1日券 6ユーロ(846円)
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エッグタルト(マミーニャス)
egg tarte

ホテルのあるゴメス・フレイレ地区に戻る。カフェに入り、ポルトガル名物のエッグタルト(俗称 マミーニャ,maminha = 乳房)とコーヒーを注文(2.3ユーロ, 324円)。今日の昼頃から左目の調子がおかしく、目ヤニが大量に出て目が少しかすんでいるので、ホテルに戻り少し休憩。夕方、ホテル前の中華料理屋で鶏肉の炒め物と焼き飯を食べる(6ユーロ, 841円)。

Hotel
Pensão Residencial João XXI, 207号室
23ユーロ(3266円)

December 27, 2013 (Friday)

夜中より、ますます目の状況が悪くなる。目ヤニではなく膿が出てきて、それが目の周りで固まってしまい目が開けられなくなってしまった。これはヤバい状況です。洗面で目を水で洗い、やっと目が開いたと思ったら、かすんで何も見えない!!!

ムスカ 曰く:「目が、目が!!!!!」

の世界に突入してしまいました。

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6時、旅行出発前日に契約した損保ジャパンの旅行保険の東京オフィスに電話する。電話に出たオペレーターのお姉さんは、電話代が高いならコールバックしようかと提案してきたが、Skypeで電話を掛けているので値段は一般回線の市内通話より安いのでそんな必要はない。

症状を簡単に説明すると、『救急か通常か』を聞かれたので「通常」と返答。『提携クリニックでのキャッシュレス受診か、大病院など好みの医療機関を受信して領収書で後日精算』のどちらがいいかも聞かれたので、もちろん手軽な「キャッシュレス希望」。『日本語が通じる医療機関や通訳のニーズ』については、「英語の日常会話が通じればどこでもよい」。これらの条件を元に、医療機関と調整して10時過ぎ(4時間後…)に折り返し電話をもらえるようだ。Skypeは電話番号では着信できないため、ホテルのフロントの電話を伝えておく。

ホテルの周囲は、ポルトガルでも有数の大病院が集結している地区なのだが、大病院でどれほど行列に並ばされるかわからないし、そもそも英語がちゃんと通じるのかもわからないので、救急じゃなければ「損保会社オススメの日本語か英語が通じる医療機関」に行ったほうが良いだろう。

目の状況がこれ以上悪化させないように、外に出るわけもいかず、ホテルの部屋を暗くして悶々として10時を待つ。10時15分になっても電話がかかってこない…。 忘れられたのかと思い、督促の電話を入れる。結局、10時45分ごろに損保会社から電話が掛かってくる。「日本人医師が居るクリニック」で「眼科も見てくれる」手配をしたそうで、予約時間は14時30分だそうだ。クリニックの名前と場所は『Clínica Tsuchiya, 15 Avenida Defensores de Chaves 1000-109で、大阪というレストランの上』だそうで、『病院までタクシーで行った場合は領収書を貰えば保険金が出る』そうだ。

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牛肉と野菜のいためものと焼き飯

GoogleMapで見たら、ホテルから歩いてすぐのサルダーニャ駅のすぐ横だ。一昨日、エントレカンポス駅近くの闘牛場を見に行くときに通ったところだ。現地に行くのは楽勝だ。

さて、診察時間まで4時間近くある。まず、ホテルの前にある中華料理屋で昼食。牛肉と野菜のいためものと焼き飯で6ユーロ(846円)。食後、ホテルの前から760系統のバスに乗る。運転手は英語を理解できなかったようで、[
one day pass」の「one」だけ解釈して1回券を売ってくれた…。

Bus
Gomes Freire(11:31発)→ Martim Moniz(11:35着)
BUS 760, 運賃 1.8ユーロ(253円)
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ルティン・モニス広場に停車するトラム
Largo Martim Moniz

ゴメス・フレイレの丘の頂上から一気に下ったマルティン・モニス広場で下車。マルティン・モニスはポルトガルでのレコンキスタで重要な戦いとされる1147年のリスボン攻防戦で活躍した騎士だ。実際は、サン・ジョルジェ城の城門に逃げこもうとしたムーア人を追いかけて、城門が閉まらないように自らの体でブロックして討ち死にしたという特攻隊のような活躍だったらしい。そういう物語を知った上で、トラムの始発駅でもある広場を眺めてみると… 出発を待つトラムの車体にはサムスン電機の文字を全面にペイントした下品な車両が停車している。地下鉄駅に直結している雑居ビルは「中国商城」となっていて、著作権軽視の雑貨をうず高く積み上げたテナントがひしめく廊下では、丸椅子に座った中国人店員がスマホいじりやインスタントラーメンをすすったりしている。所々に、浅黒いインド系の人が商うスマホや格安SIMカードを扱う店もあり、エコノミーな生活に欠かせないアイテムが何でも揃うような場所となっている。決して、英雄的な騎士を記念する広場とは思えないような場所だ (笑

Tram
Martim Moniz(12:15頃発)→ Rua Da Conceição(12:58頃着)
Tram 28E, 運賃 1日券 6ユーロ(846円)
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サン・ジョルジェ城塞の丘を登るトラム
Rua Cavaleiros, tram line no.28

トラムの始発駅に大量の欧米系観光客が並んでいる。すし詰めのトラムに乗って、何かいいことでもあるのだろうか。興味を惹かれたので行列に並んでトラムに乗ってみることにする。吹き降りの雨の中、トラムの窓が曇っていて景色などほとんど見えない。それよりも、定員オーバーじゃないかと思うほど詰め込みまくって、さらに各駅から無理矢理乗り込んでくるので、乗車という苦行じゃないかと思えるような路線だ。

あとで、地図を見てみると、28E系統トラムはサン・ジョルジェ城塞の丘とグラサ地区の周囲を大回りする路線で、城塞の周囲を小さく回る系統が12E系統。急坂を登り降りするトラムの乗車体験だけなら、12E系統でじゅうぶんだ。トラムは丘の細い路地を起用に登ったり降りたりしている。台車1台の小さい車両なので、急カーブを器用に曲がっていくことができるようだ。

Bus
Praça Figueira(13:15頃発)→ Gomes Freire(13:20着)
BUS 760, 運賃 1日券 6ユーロ(846円)
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日本料理屋 Osaka 「スカートが焼く」?
restaurant japonais OSAKA

そろそろ診察の予約時間が近づいてきた。泊まっているホテルのあるゴメス・フレイレ地区に戻り、カフェで予約時間ぎりぎりまで休憩。ポルトガル菓子とコーヒー(2.5ユーロ, 352円)。14時ごろ、サルダーニャ広場へ向かう。損保会社の場所案内で出てきた「OSAKAレストラン」のある建物はすぐに分かったが、ビルの入口の入居者一覧には「Clínica Tsuchiya」という看板は出ていない。どの呼び鈴を押せば中には入れるのか…。ちょうど郵便局の職員が配達にやってきたので、聞いてみる。やはり2階にあるようで、連れて行ってもらう。

診療所に入ると、院長の土屋先生がちょうど奥から出てきたところだ。ポルトガルで日本語が通じるというのも何だか不思議な感じがする。土屋先生は麻酔科が専門医で、同時に西洋医学としての「針治療」の権威でもあるらしい(と、Googleで検索すると出てくる)。先生曰く「西洋人の科学的価値観で納得できる針治療の実践と普及を、麻酔医として行っている」そうだ。確かに、日本や中国の鍼灸治療の現場では、「気」とか「流れ」とか科学的に説明がつかない解釈が主流で、やはりそれだけでは欧州では医療として認めてもらえないのだろう。

で、今回私が受診した件では、土屋先生は「家庭医」とし役割で、「専門医」の先生を同時に呼んでくださっているようだ。(日本のように患者がそれぞれの専門科を勝手に受診するのではなく、基本的には家庭医が診察して必要があれば専門医を紹介するのが欧米の方式)

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処方された薬

14時半になり、カスカイス先生(女医)がやってくる。土屋先生が私を問診した結果をポルトガル語でカスカイス先生に伝えている。カスカイス先生の診断では、『私は風邪をひいていて、目と鼻をつなぐ鼻涙管が閉塞している』とのこと。処方は、「抗ヒスタミン錠剤Claritineを1日2回1個ずつ、抗生物質錠剤Azitromicina1日1回1個、目の炎症の点眼薬Clorocilを6時間ごと2滴、鼻涙管閉塞の点眼薬Neo Siwedrnaを適宜」ということだ。昨日薬局で買った点眼薬は目を洗う機能があるので、まずそれを点眼してから今日処方した点眼薬を使うようにとのこと。薬は処方箋薬局で買うので、立て替え払いしてレシートを損保会社に送ればよいようだ。

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vitaminasのサラダ

日本も、欧米のような家庭医制度にすれば「症状ごとに医者を探す苦労」や「会社を休んで大病院の診察に並ぶ」というようなことを頻繁にする必要が無いのにと思う。厚生労働省は家庭医(総合診療医)制度(プライマリ・ケアの仕組みによるゲートキーパー制度)を日本にも導入したいような報告書を出していたが、軽症患者を大量に診ることで経営を成り立たせている大病院を中心に反対意見が強いらしい。果たしてどうなることやら。

診察後、サルダーニャ広場のショッピングモール“Atrium”や、ピコアスのショッピングモールの中を見て歩く。オリエンテのショッピングモールを少し小さくした感じの所で、地下にはフードコートもある。フードコートのvitaminasという店で、サラダとマルチビタミン飲料をおやつに食べる。7.75ユーロ(1092円)。ポルトガル最後の夕食は、再びホテルの前の中華料理屋で、鶏肉のカレーソース炒めと焼き飯。6ユーロ(846円)。

Hotel
Pensão Residencial João XXI, 207号室
23ユーロ(3266円)

December 28, 2013 (Saturday)

朝、5時30分に起床。朝食に昨日スーパーで購入したパンとバナナを食べる。一昨日に、旅行用コイルヒーターを空炊きして焼損してしまったので、温かい飲み物は無し。ホテルの前の道路にゴミ収集車が来て、大量にたまった家庭ごみを運び出している。テレビのニュースによれば、ごみ収集のストの「一部解除」となったらしい。空港のストの方は報道されていないので、おそらく中止になったのだろう。6時30分にホテルをチェックアウト。

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ピコアス駅のバス停
bus stop at Picoas station

ホテルの前にあるキオスクの店員が、店のシャッターを開けようとしている以外、この時間に周辺で開いている店は無い。真っ暗な道を地下鉄ピコアス駅に向かって歩く。地下鉄駅のすぐ上の道路にバス停があり、電光掲示板には空港行きの744系統があと13分で到着すると表示されている。最短コースで走るバスのほうが所要時間が断然短いため、バスを待ってみる。到着時間のカウントダウンが順調に進み、表示があと2分という時点で19分に増える。???

これは駄目だという事で、やはり地下鉄駅へ。まあ、ぎりぎりチェックイン時間の最終辺りに滑り込めるだろう…。

Metro
Picoas(07:00発)→ Saldanha(07:02乗継)→ Aeroport(07:20着)
Metro Linha Amarela → Linha Vermelha, 運賃 1日券 6ユーロ(846円)
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第2ターミナル 搭乗口付近
出発案内板はeasyJetとRyanairばかり
Terminal 2 near boarding gate

空港駅で下車。駅の階段を上がったところは第1ターミナル。これから乗る格安航空のトランサヴィアは第2ターミナルからだと、出発案内板に表示されている。5日前に格安航空のeasyJetで到着したのは第1ターミナルなので、第2とはどれほど格安の度合いが増しているのか…。

ターミナル間を結ぶ無料シャトルバスに乗る。小ぢんまりした第2ターミナルはリスボン市街地に隣接した位置にあり、地下鉄で大回りして来たのがアホらしくなるくらいだ。第2ターミナルの中に入ると、いかにも安っぽいチェックインカウンターの並ぶ部屋があり、easyJetのオレンジとRyanAirのブルーの「コーポレート・カラー」で着色された受付台が全体の3分の2ほどを占めている。その間の「緩衝地帯」のカウンターは無印で、今日乗るオランダの格安航空トランサヴィアはそこに店開きしている。

無事チェックインも終わり、セキュリティチェックを受けて待合室へ。シェンゲン内なのでパスポートコントロールは存在せず、身分証明カードなどをチラッと確認を受けるだけ。格安ターミナルでも、待合エリアにはちゃんと免税店がある。ポルト名産のワインを購入。

Air
Lisboa(10:00発)→ Amsterdam Schiphol(13:50着)
トランサヴィア航空 5952便
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トランサヴィア 5952便 アムステルダム行き
Transavia Boeing 737–800

出発時刻の9時30分になっても搭乗開始にならず、飛行機は30分も遅れて出発。それでも、アムステルダム到着は予定より10分遅れ程度。もとから余裕をもたせた時刻表になっているのだろう。オランダの天気は晴れ。