2001年 旅遊中国 (絲綢之路) : 北京・香港

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July 9, 2001 (Monday)

Běijīng - China (北京 - 中国)

6時ごろ起床。どうも腹具合が悪い。まずい。下痢だ。お腹の具合が少しおさまった6時50分、チェックアウト。

Bus
米市大街 07:00頃発 → 东单路口北 07:01頃着
公交110路, 運賃 1元(15円)
Metro
东单 07:10頃発→ 军事博物馆 07:25頃着
地铁 1号线, 運賃 3元(45円)

米市大街にちょうどやってきたバスに乗り、1つ先の东单停留所で降りる。地铁1号线に乗り換え、およそ15分で军事博物馆站に到着。

军事博物馆站を出ると、そこは東西の大通りの复兴路だ。通りがかりの人に道順を聞き、南に向かう大通り羊坊店路を1.5kmほど歩く。こんな時に限って、ふたたび腹具合が悪くなる。列車の出発時刻まで、あと30分。ぐずぐずしていられない。

7時50分、冷や汗をかきながら北京西站の进站口(入口)に到着。コンコースにある巨大な出発案内表示に、これから乗るT15广州行きは「第7候车室」似ゆけば良いと分かる。列車出発まで、あと10分と少しだ。

巨大な駅構内を、猛ダッシュで第7候车室に向かう。检票口(改札口)は既に開いていて、いままさに乗客がプラットホームに降りてゆくところだ。どうやら間に合ったようだ。階段を降り、切符で指定された8号車に乗車する。コンパートメントに行く前に、まずトイレだ。

Train
北京西 08:00発→ 广州 08:45頃着
新空調特快 T15, 8车30号 软卧上铺, 運賃 675元(10,125円)
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特快T15软卧车の通路

列車は定刻通り北京西站を出発。T15特快の停車駅は大都市に限られる。广州までの間に、郑州・武昌・长沙・郴州・韶关の5駅にしか停車しない。2294kmを23時間58分で結ぶ表定速度100km/hの列車だ。

高い運賃を払って「快適な」软卧の切符を購入したのだが、同じコンパートメント内の乗客によっては最悪になる場合がある。今回が、最悪のパターンだった。

硬臥はコンパートメントの仕切りが無いため、乗客はある程度遠慮しあって乗っている。しかし、壁と扉で個室状態のコンパートメントでは他人の批判や乗務員による注意が行き届かず、公共心のない中国人の「傍若無人パワー」が全開になってしまう。

今回、同じコンパートメントの下铺の席の下品そうなおっさん2名は、車内禁煙にもかかわらずタバコを吸い続け、大声で携帯電話で話しまくっている。こちらの注意にも全く耳を貸す気配はなく、最早お手上げ状態だ。

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特快T15 郑州站

北京西站を出た列車は常に時速100km近くの速度を維持し、次の停車駅は14時30分頃に停車した郑州だ。689kmをノンストップで走っても、まだ終着駅の广州までの3分の1にも達していない。恐るべし中国の広大さ…。中国を流れる大河のひとつ黄河に架かる郑州黄河铁路大桥を、郑州站の少し手前で渡っている。

車窓の天気はずっと晴れ、気温は内陸になるにつれ上がり続け、いつしか40℃を突破している。(列車内に速度と車外温度の電光表示がある)

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武昌站のプラットホームにある看板
黄鹤楼と亀山電視塔のデザイン

18時半頃、長江に架かる長い鉄橋(武汉长江大桥)を渡って2つ目の停車駅、武汉(武漢)の武昌站に到着。黄河(鄭州)と長江(武漢)の間を4時間で走り抜けている。夕方なのに車外の気温が下がる気配はなく、42℃を指している。プラットホームの売店に何か買いに行こうと思ったが、列車の乗降扉を開けた瞬間、むわっと熱気が入ってきたので、慌てて扉を閉める。

結局、この日の食事は全て車内のワゴン販売を利用することとなった。朝食はお粥(5元, 75円)、昼食はぶっかけ飯(18元, 270円)、夕食はおかずとご飯(2人で41元, 615円)。

真夜中の0時頃、長江上流の湘江沿いにある長沙站に停車。列車が駅に停車したのをなんとなく覚えている程度だ。广州までの3分の2の距離を走り、あと残り3分の1(約700km)ほどだ。

July 10, 2001 (Tuesday)

Guǎngzhōu - China (广州 - 中国)

朝起きたらすでに广州郊外に近づいていた。雨が降ったようで、車窓から見える水田が水であふれているところもある。定刻より45分遅れの8時45分に广州站に到着。列車から降り、出站口に向かう地下道へ。出站口の手前に臨時の售票处があり、深圳行きの切符を販売している。直近の切符は10時25分発で、2時間近く先のものだ。

バスならすぐに乗れると思い、駅前の广州流花汽车站に向かう。以前は車が行き交う大通りを渡らないといけなかったが、何と駅とバスターミナルを結ぶ地下歩道ができている。

1階の售票处で切符を買う。運賃は60元で列車より15元安いが、時間が30分余分に掛かる。バスのりばに行くと、深圳行きのバスは今まさに出発しようとしているところだ。運転手が、「まだ乗れるのでぜひ乗れ」という。車内はどうみても満員だが、後ろのほうの席の子供を親の席に3人掛けで座らせて、私達の場所を作ってくれた。9時きっかり、バスが出発する。

Bus
广州流花汽车站 09:00発 → 深圳罗湖汽车站 11:00着
深圳快车 天狗巴士, 運賃 60元(900円)

バスは广深高速公路を通り、ノンストップで深圳をめざす。つい数日前に通過した台風のために、車窓に見える大型看板が所々で吹き飛ばされている。

深圳宝安机场(深圳空港)の横を通り過ぎるとすぐ、バスは経済特区入口の同乐检查站(入国審査所のようなもの)に停車。乗り込んできた入国審査官が乗客の許可証・パスポートなどをチェックしていく。許可のない乗客1名が連行され下車させられていた。

深圳市街地の一般道に入り、いくつかの停留所に停車する。香港との間にある最大の検査所となっている皇岗口岸にも停車したが、下車する客はほとんど居ない。乗客の殆どは終点の罗湖商业城(罗湖汽车站)まで乗車している。

Shēnzhèn - China (深圳 - 中国)

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罗湖商业城2階の歩道橋より、深圳站方向の景色

11時、罗湖汽车站に到着する。バスターミナルと国境検査場の間にある罗湖商业城に行き、香港のファストフードチェーン大快活に入り昼食を食べる。適当な定食メニューを2人前注文(2人で64元, 960円)し、半分ずつ食べる。

食後、商业城2階の歩道橋より、深圳站や市街地の高層ビル群を眺める。2週間前にこの場所から中国旅行が始まり、いま全て終わろうとしている。

12時頃、罗湖口岸の出境検査場へ。窓口の行列に並び30分で中国本土から出国。

Hong Kong - China (香港特別行政区 - 中国)

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深圳河に架かる罗湖口岸の橋

深圳河に架かる橋を渡り香港側の境界検査場の建物に入る。こちらには長い行列ができていて、入境窓口を通過するまで約1時間掛かった。

境界検査場を出ると目の前は地鉄の羅湖駅だ。旺角までの切符を買い列車に乗る。

Metro
羅湖 13:20頃発→ 旺角 14:10頃着
九広東鉄(KCR), 運賃 33HKD(540円)

旺角站の西側は繁華街で、何度もこの辺りには来ているので土地勘はある。この辺りでホテルを探すことから始めるが、中国大陸から来た人たちの安宿は多く見つかるが、「外国人」向けのエコノミーホテルはなかなか見つからない。

歩いている途中、両替屋を見つけたので、張さんが中国元を香港ドルに両替していた。107.3人民元が100香港ドルという換算レートだ。多くの大陸からの旅行客が利用するからなのか、かなり良い交換レートだと思う。

このまま酷暑の繁華街を歩きまわっていても、ホテルは見つからないかもしれない。彌敦道(ネイザンロード)を走るバスに乗り、地鉄で2つ南のところにある佐敦まで行く。

Bus
旺角站 → 油麻地西貢街 14:20頃着
巴士 6路, 運賃 4.2HKD(69円)

油麻地南端のバス停を降りると、ネイザンロードの東側は高級ホテルが、西側は雑居ビルが建ち並んでいる。雑居ビル街を少し歩くと、豪境酒店というエコノミーホテルを発見。フロントで聞いてみると、シングルが280HKD・ツインが380HKDで、どちらも空室ありらしい。ツインなら1人あたりの値段も妥当なレベルなので、ここに決める。

部屋に入る前に、ホテルの隣りにあるセブンイレブンでアイスクリーム(5.5HKD, 90円)とミネラル水(4.2HKD, 69円)を購入して持ち込む。

中国大陸で宿泊したホテルに比べると、明らかに部屋の大きさも、ベッドの大きさも小ぶりだ。大陸なら熱湯の入ったポットや、無料のミネラル水などが無料提供されたが、先進国で物価の高い香港では無償提供は無理なのだろう。まあ、隣にコンビニがあるのだから文句も言えまい。

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尖沙咀公眾碼頭から見た香港島 灣仔付近の夜景

ホテルの部屋で休憩し、18時頃出かける。歩いて1.5kmほどのところにある九龍半島南端の尖沙咀まで行き、安宿街で有名な雑居ビル「重慶大廈」を見物。張さんによれば、韓国でも「重慶大廈」は有名らしい。その後、半島酒店(ペニンシュラ ホテル)1階の喫茶店で休憩。イギリスの植民地となった香港に、20世紀初めに建てられた「植民地の代表的リゾートホテル」。Wikipediaによれば、“植民地当時からロビー脇の「ザ・ロビー」で提供されるアフタヌーンティーが有名”だそうだ。今回入った喫茶店が、まさにザ・ロビーの喫茶店だ。値段も一流で、紅茶が65HKD(1,066円)だった。

日も落ちて暗くなると、対岸の香港島の夜景が綺麗に見える尖沙咀公眾碼頭へ。何度か香港に来た中で、この場所から観る夜景が一番きれいだ。

Bus
尖沙咀碼頭 → 油麻地南京街
巴士, 運賃 3HKD(49円)

冷房の無いバスで佐敦に戻る。運賃は、冷房ありのバスよりも少し安い3香港ドル。1香港ドルくらい高くても、全てのバスに冷房付けてもらえないかな…

夕食はホテルの向かいにある粥店でラーメンと粥を食べる(18HKD, 295円)。

Hotel
豪境酒店, 605号室
ツイン 380HKD(6,232円)