中国江蘇省 旅日記 : 揚州(1日目)

全体地図

March 02 (Thursday)

Osaka - Japan (大阪 - 日本)

大阪は明け方雨が降っていたが、6時過ぎには曇り空に代わっていた。自宅から地下鉄駅に向かう途中、セブンイレブンで「のり弁当」(430円)を買う。今回乗る格安航空はもちろん機内食が出ないので、この弁当を食べる予定だ。

難波駅より南海電車に乗る。空港急行は中華系の旅行客で満員になるのは分かりきっているので、その1本前の和歌山行き急行に乗り、泉佐野駅で空港急行に乗り換えることにする。そのほうが、混雑する電車に乗る時間を最小限に済ませられる。

Train
なんば駅(07:02発)→ 泉佐野駅 → 関西空港駅(07:56着)
南海電車, 運賃(回数券バラ売り) 860円
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春秋航空 鄭州・揚州泰州行き A320

終点の関空駅で降り、第2ターミナル行きの無料シャトルバスに乗り換える。1ヶ月ほど前の1月28日に拡張新設された部分に、国際線のチェックインカウンターがある。春秋航空とピーチ航空の窓口が並んでいるが、並んでいる客は誰も居ない。揚州行きの便が出る1時間30分ほど前なのに、誰も並んでいないというのは変だと思いつつ、チェックインを完了する。

去年の夏、ピーチ航空の台湾高雄行きを利用した時は大行列を作っていたのに、春秋航空の乗客はどうしたのだろう…。誰も客が居ないセキュリティ・チェックと出国審査場を通過して、出発ロビーにたどりつくと、そこには大量の中国人観光客が居た。

おそらく彼らは団体客で、旅行会社の手配した貸切バスで相当早い時間にやってきて、チェックインを済ませたのだろう。

飛行機に乗り込む。機内は非常口のある1列を除いて全席満員。感覚的にだが、私以外の乗客は全て中国人の団体観光客のようだ。日本人で江蘇省に観光に行こうと思う人は居ないのだろうか…。「爆買失速」で大量の荷物を持ち込む旅行者が居なくなったため、搭乗はとてもスムースに済んだ。ありがたいことだ。

Air
関西空港(09:40発)→ 扬州泰州机场(11:45着)
春秋航空 9C8552便, 運賃・諸税等込 8,280円
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揚州泰州機場

機内では有料の飲み物やおつまみ類を買う人は見かけない。空港などで買ってきた食べ物を食べる人もいない。中国の人たちは何もせず、着陸を待っている。水筒に無料のお湯を入れてもらう人はたくさん居る。私はコンビニで買ってきた「のり弁当」を食べる。

着陸寸前に春秋航空体操を全員で実施。団体で体操とかするのが普通なのか…。江蘇省上空は快晴。空港のボーディングブリッジの隙間から吹き込んでくる風は、日本より生暖かい。

今回は、25リットルの登山用Ultra Lightザック1つが全ての荷物なので、到着時に預け入れ荷物を受け取る必要はない。中国人と外国人を分けていない入国審査場に到達したのは、機内後方から降りたにもかかわらず私が1番目。かつて、中国の入国審査は行列で時間も掛かったが、今回はサラッと1分以内で終了。飛行機の扉が開いてから、到着ロビーに出るまで10分も掛からなかった。

目の前に空港バス会社のカウンターがあったので、扬州ヤンジョウ(揚州)までの切符を購入する。バスが出発するまで30分以上あるため、5年前に出来たばかりの空港内を見て歩く。この空港から出発する便は1日に20便ほどなので、巨大な空港内には余り人が歩いていない。もちろん、軽食店や売店もあるにはあるが、照明も消して開店休業状態だ。まえの国家主席の胡錦濤が子供の頃過ごした泰州市、その前の国家主席の江沢民が生まれた揚州市のちょうど中間に造られ、「政治空港」と揶揄する向きもあるようだが、国際線を含めて1日20便が運行されているならばまずまずだろう。いっぽう、日本の「政治空港」には1日10便以下などひどいところも多い。

スマートフォン用のSIMカードは、今回も「中国聯通香港(China Unicom HK)」の「中港7日上網卡 2GB」を日本のAmazonで2,000円弱で購入し持参した。揚州泰州空港では電波を捕まえられることが出来ず、そのまま放っておいたら揚州市内に入ったところでひとりでにアクティベーションが完了していた。パッケージには「4G」と書いてあるが、実際は「3G」までしか接続許可されなかったので、4G接続をリトライ/エラーで切断されまくるため電波モードからLTEを外したほうが良い。

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中国聯通香港 中港7日上網卡 2GB
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アクティベート完了時SMS
Bus
扬州泰州机场(12:30発)→ 扬州市维扬路252号 城市候机楼(13:09着)
扬州泰州机场巴士, 運賃 30元(510円)

Yángzhōu - China (扬州/揚州 - 中国)

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城市候机楼

乗客が2名だったからなのか、バスではなく繁体字で「揚州泰州国際機場」との文字が書かれたワゴン車に乗車。定刻通り出発し、あまり車の走っていない高速道路を時速100kmをキープして揚州市を目指して走りだす。

扬州市内に入り、一般道を通って痩西湖・大明寺の横を通過し、市街地の西の外れにある城市候机楼チョンシー ホウジーロウへ。ワゴン車が停車した駐車場のあるビルには「中国辺検」と中央に書かれ、その左横に申し訳程度に「城市候机楼」という看板もある。もっと街の中心で乗降するようにならないものなのか…

スマホでBaidu地図を起動して現在地を確認すると、予約したホテルからは四望亭路スーワンティンルーを真西に2.4kmの位置だと検索される。20路バスが直通しているが、途中の景色や商店を見ながらのんびりと歩くことにする。

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揚州城遺址の西門

沿道はほとんど商店で埋め尽くされていて、途中には巨大なショッピングモールや、揚州大学などもある。揚州大学前には「家教」という宣伝看板が幾つか建っていて、中国でも大学生のアルバイトは家庭教師が人気なのだろう。痩西湖から流れ出す川(運河?)を渡るとすぐ右手に、扬州城遗址ヤンジョウチェン イーシー(揚州城遺址)の西门シーメン(西門)がある。門の横に資料館があるので見学する。揚州城(城壁で囲まれた旧市街)は、吴国ウーグォ呉国(春秋時代))の夫差の時代まで遡れると書かれている。いまから2500年も昔からここに街があったんだ…。四望亭路横にある西門は、800〜900年前の南宋時代のものだそうだ。

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淮海路と全季酒店扬州文昌阁店

城市候机楼を出発しておよそ30分、携帯電話ショップが並ぶ道路の真ん中に四望亭スーワンティンが見えてくる。アップルストアではないが、巨大なアップルマークを掲げた店がたくさんあり、いま売れ筋のOPPOやvivoの巨大な店もある。ただ、どの店もほとんど客は入っておらず、どういう商売手法なのだろうと思った。

「火车票代售点」と扉に書かれた旅行会社があったので、Ctripでネット購入した鉄道切符を取票(発券)できるか聞いてみたが、やはり火车站(鉄道駅)に行かないとダメなようだ。

ネット予約したホテル 全季酒店チュェンジー ジューディェンに行きチェックインする。ビジネスホテルを高級化したような感じのホテルだ。マスターカードで3泊分の宿泊費を払い、部屋の鍵のICカードを受け取って部屋へ。荷物を置いて、天気が良いので痩西湖ショウシーフーに向かう。

ホテルを出て北へ少し歩くと、痩西湖南端の運河沿いの遊歩道に出る。入場門がある場所までは誰でも歩けるので、近隣のお年寄りの憩いの場所になっている。大虹桥ダーホンキャオ(大虹橋)を渡ると入場口となる南大门ナンダーメン(南大門)。门票(入場券)は150元(2550円)とけっこう高い。南门を入ると、「2017瘦西湖梅花蜡梅展」の看板が立っているが、ホームページに拠ればこのイベントは2月末で終わっているはず。その辺りに咲いている梅の花も、かなり枯れかけの状態だ。大阪では満開少し前なので、季節は江蘇省のほうが少し早いようだ。ちなみに、大阪では全く咲いていない木蓮が、こちらでは今が満開。

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大虹桥(大虹橋)
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瘦西湖风景区 南大门
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小金山
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五亭桥(五亭橋)
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白塔
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熙春台
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二十四桥(二十四橋)
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扬派盆景博物馆(揚派盆景博物館)
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痩西湖の梳妆台と大明寺の栖灵塔(栖霊塔)
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品泉轩(品泉軒)

運河沿いの柳の並木道「长隄春柳チャンティチュンリュウ」、鎮江の名刹金山をマネて造られた「小金山シャオジンシャン」、運河の真ん中につきだした半島の先端に造られた「钓鱼台ディァオユータイ」、ここから湖を挟んだ向こうにある五亭桥や白塔の姿が絶景らしいが、残念ながら午後は逆光で黒いシルエットが見えるだけ。揚州の観光案内で必ずその写真が用いられる「五亭桥ウーティンキャオ」、乾隆帝が北京の北海にある塔をもして造らせた「白塔バイター」、長さ24mで欄干の数も24本など仕様に24が多い「二十四桥アーシースーキャオ」と運河を挟んでその隣にある「望春楼ワンチュンロウ」や「熙春台シーチュンタイ」など、名所を一筆書きで回れるよう、うまく園路が整備されている。

一級の観光地で、梅や木蓮が咲いてきれいな時期なのに、それほど満員でもない。海外の大阪城にはうじゃうじゃと中国の人がいるのに、地元の観光地は混雑していないのは不思議だ。入り組んだ運河や池に架けられた橋を行ったり来たりしながら、庭園の出口となる北門へ向かうコースを歩く。ごく最近改築されて歴史を感じさせないコンクリート製の東屋などが庭園の中にうまく配置され、風光明媚な中華庭園を形作っている。「静香书屋ジンシャンシューウー」、「扬派盆景ペンジン博物馆」を経てほぼ北門に近い「品泉轩ピンチュェンシュェン」付近まで来ると、遥か向こうに見えていた大明寺の栖灵塔チーリンター(棲霊塔)の姿も大きくなってくる。

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栖灵塔(栖霊塔)

南大门(南大門)から入場して1時間50分ほど(直線距離なら約2km)で庭園を縦断し、北大门ベイダーメン(北大門)から出る。そこから500mほど道路に沿って北へ行くと、奈良時代の754年に日本に渡来した鉴真ジェンチェン鑑真)ゆかりの寺である大明寺ダーミンスーがある。道路から小高い丘の上に上った所に入場口となっている天王殿がある。门票(入場券)は45元(765円)。Baidu百科によれば、南朝の大明年間に創建されたので「大明寺」だそうだ。隋の楊堅帝がブッタの骨を祀る塔を全国に30箇所造った時のうちの一つが、ここにある九層の栖灵塔チーリンター(栖霊塔)だそうだ。高い入場料を払っているのに、この塔に登るにはさらに20元を払わないといけない。境内には日本の唐招提寺にある鑑真像のレプリカが祀られている「鉴真纪念堂」や、茶道で名水とされる「天下第五泉ティンシャーディウーチュェン」などもある。

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天下第五泉

16時半すぎ、入場門は既に閉まっていたので通用路のような出口から大明寺をあとにしバス停へ。市街地の中心から離れているため、ここを通るバス路線は少ない。泊まっているホテルのある文昌阁ウェンチャングー(文昌閣)方向へは12分毎に走る旅游专线ルーヨウ チュァンシァン(旅游専線)に乗ればよいのだが、バスが来るまで20分近く待った。

Bus
大明寺站(17:05発)→ 瘦西湖(虹桥坊)站(17:15着)
旅游专线, 運賃 2元(34円)
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扬州炒饭と青椒肉丝

文昌阁のショッピングモール时代广场(時代広場)を見に行ったが、和食や西洋料理、食べ放題店(見かけた殆どの店は99元)など旅行飯としては地元感がなさすぎる。結局泊まっているホテルの近くの大东门街(大東門街)にある中国料理レストラン阿庆嫂酒楼に入り夕食。青椒肉丝チンチャオロースー(16元)・鱼香肉丝ユーシャンロースー(18元)と、当地の名物扬州炒饭ヤンジョウチャォファン(18元)を注文。それぞれ2人前ずつくらいの量が盛りつけられていて、必死になって完食。美味しかったです。揚州炒飯は、日本で言うところの「普通の五目焼き飯」だった。

Hotel
全季酒店(扬州文昌阁店), 大床房 523号室
203元(3,451円)