マルタ、イタリア、サンマリノ 旅日記 : マルタ

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December 14, 2007 (Friday)

Amsterdam - Netherlands (アムステルダム - オランダ)

日本からのKLM機はほぼ定刻通り16時10分にアムステルダム スキポール空港に到着。ドイツのブレーメン行きの便に乗り継ぐまで、4時間ほどある。空港のバス停(Schiphol Plaza NS)より16時15分発の急行バス370系統に乗って、アムステルダム中心部のライツェ広場へ向かう。

Bus
Schiphol Plaza NS(16:15発) → Leidseplein(16:55着)
Connexxion 370系統 運賃 5 Strippen = 2.26ユーロ(370円)
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ダム広場、王宮とクリスマスツリー
Dam, Koninklijk Paleis and Christmas tree

アムステルダム市街の外周道路(Ring)から夕方のラッシュに引っかかり、それでも40分ほどでライツェ広場に到着。すでに、あたりは真っ暗。ライツェ広場周辺はクリスマス特設スケートリンクやお店のイルミネーションで明るく照らされている。トラム5系に乗り継ぎ、王宮前へ。

ここの巨大クリスマスツリーを見るためだけに、わざわざ市街地までやってきた。スケートリンクやクリスマスマーケットの屋台が出ている時期もあるが、今日は広いダム広場(Wikipedia記事)の中央にツリーだけが飾り付けられている。

中央駅へ向けて歩く。Smullersでコロッケ(1.2ユーロ)とチキン・バーガー(2ユーロ)を食べて、なんとなく夕食。ほんの数時間前に飛行機の中でエコノミー席の貧弱な朝食を食べたし、あんまりお腹減ってない。

Train
Amsterdam Centraal(18:33発) → Schiphol(18:50着)
運賃 3.6ユーロ(590円)
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スキポール空港、ブレーメン行きKL1761便
Schiphol airport, KL1761 for Bremen, Fokker 50

中央駅より列車でスキポール空港に戻る。20時40分にブレーメン行きの飛行機が出発する。近距離なので、小型のターボフロップ機 Fokker50。国際線なので、一応夕食が出る。巨大なサンドイッチ。一面の雲海のすぐ上を飛んで、21時50分ブレーメン着。

Air
アムステルダム スキポール空港(20:40発) → ブレーメン空港(21:50着)
KLM1761

Bremen - Germany (ブレーメン - ドイツ)

Tram
Flughafen(22:09発) → Hauptbahnhof(22:25着)
トラム6系統 運賃 2.1ユーロ(340円)
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中央駅前のクリスマスの飾り付け
Bremen Hbf, Christmas monument

内陸のブレーメンでは猛烈な寒さを予想していたが、あまり寒くない。この日の気象データでは最高気温4℃、最低気温0℃だ。空港前のトラム駅から6系統のトラムに乗って中央駅へ。中央駅前にはクリスマスマーケット会場があるが、さすがに夜中の22時過ぎとあってお店は全て閉まっている。会場中央のモニュメントだけが明るく照らされている。今日は、中央駅前のホテルを予約しているので、ホテルで寝るのみだ。

Hotel
City Hotel Bremen 102号室
35.1ユーロ(5750円)/1泊

 

December 15, 2007 (Saturday)

Bremen - Germany (ブレーメン - ドイツ)

昨晩、23時ごろチェックインしたホテルを、4時45分にチェックアウト。歩いて5分程度の所にある中央駅へ。
4時54分のトラムに乗り、空港へ向かおうとしたときに、車内にいたスリを警官が取り押さえるというイベントがあったため、出発が10分遅れる。それでも、チェックイン締め切りまで30分くらい余裕がある。

Tram
Hauptbahnhof(05:05発) → Flughafen(05:20着)
トラム6系統 運賃 2.1ユーロ(340円)
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ブレーメン空港、Ryanair FR3608 マルタ行き
Bremen airport, Ryanair FR3608 for Malta

ブレーメンからマルタへは格安航空のRyanairに乗る。運賃は0.01ユーロ(諸税別)と、本当に格安。
空港の普通の出発ホールの案内tvには、Ryanairの便は、掲載されてない。普通のターミナルビルの横の巨大な倉庫のような所をRyan専用ターミナルとして、空港使用料も下げているようだ。飛行機への搭乗も、ターミナルビルから徒歩で駐機スペースを歩いて、自分の行き先の看板が掲げられた飛行機に乗り込むという、ほとんど路線バス乗り場のような感覚だ。

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薄明のスイスアルプス上空を飛ぶ
over Switzerland Alps, twilight

マルタ行きの飛行機は定刻通り出発して、到着は30分以上早かった。定刻到着率をあげるための細工をしてるんだろうか。

Air
ブレーメン空港(06:30発) → マルタ ルア空港(09:05着)
FR3608 運賃・諸税 19ユーロ(3100円)

Valletta - Malta (バレッタ - マルタ)

Bus
Airport(09:40発) → Valletta(10:10着), Valletta(10:30頃発) → Sliema(10:50頃着)
8系統+?系統 運賃 0.2リラ + 0.1リラ(120円)
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中央の半島がバレッタ
around Valletta, Malta Island

空港ターミナルを出ると、目の前には高いビルも工場もなく、農村と小さな村が広がっている。バス停には南アジアや中近東で見かけるようなカラフルなミニバスが停車している。これが空港バス...。バスに乗りマルタの最大都市バレッタへ。運賃は0.2リラ(76円)なので5リラ札を出すと高額紙幣過ぎて受け取りを拒否される。仕方なしに0.5ユーロのコインで支払う。1900円相当で高額紙幣... 先進国なのに物価安いんだろうか。

空港からのバスはあちこちの小さな村を経由してバレッタへ。マルタに到着して、まず驚いたのが、ヨーロッパなのに、アジアの国のようなバスが走っていること。オンボロなバスが、扉を開けたまま、積みきれないくらいの乗客を満載して、うじゃうじゃと走っている。そして、マルタ騎士団の築いた、世界遺産の島とは思えないようなホコリっぽさ。それでも、あと2週間でユーロ通貨導入だというから、それなりに先進国なんだろう。

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バレッタ・バスターミナル
Valletta Main Bus Terminal

バレッタのバスターミナルで、湾を挟んだ対岸のスリーマ行きのバスに乗り換える。こちらは空港からの経路に比べ、もう少し都会らしい、いやアジアや中近東の雰囲気の埃っぽい建物の間を抜けて行く。地中海を挟んでたった350km向こう側は、チュニジアのスースだ。街の雰囲気が北アフリカっぽく見えるのも不思議ではない。

スリーマのバスターミナル、といっても道路の少し膨らんだところに2台程度バスが停まっているだけだが、で下車。外海の方へ半島を登っていった一番高い辺りに予約したホテル・プレヴナがあった。チェックインして荷物を部屋に置く。

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Valletta map

繁華街のカフェでフィッシュ・アンド・チップス(1.75リラ = 660円)とミネラル水(0.35リラ)で昼食。バス代が安い割に、食べ物の値段は欧州並みですね。今日はかろうじて晴れているが、明日からひたすら雨の天気予報。だから、マルタの最大の見所の首都バレッタの観光を今日のうちに済ませておこうと思う。再びバスに乗り、バレッタへ。

Bus
Sliema(12:30頃発) → Valletta(12:45頃着)
運賃 0.1リラ(38円)
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聖ヨハネ准司教座聖堂
St. John's Co-Cathedral

バレッタ到着。バスターミナルの正面にある旧市街の城門を入ると、地元の住民なのか観光客なのか分からないが、たくさんの人で混雑している。城門を入ったところを自由広場といい、まるでギリシア時代の神殿の列柱跡遺跡のようなオペラ劇場の遺跡がある。ギリシア時代の遺跡? ではなく、第二次大戦時の爆撃で破壊された残骸だそうである。

自由広場から岬の先端へ、北東に延びるメインストリートの共和国通りをしばらく歩くと、大聖堂(Wikipedia記事)がある。聖ヨハネ准司教座聖堂というのが正式名称で、主教座が無いけれど慣例的に(地球の歩き方では)大聖堂と呼んでるのだろうか。2.5リラ(960円)払って入る内部は、壁も天井も金箔で覆われた絢爛豪華な内装。16世紀にこの聖堂を造ったヨハネ騎士団は、それほど潤沢な資金力を誇っていたのだろうか。

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同じ形の出窓が並ぶ建物
same type balconies

大聖堂を出て、岬の先端の方向を目指して旧市街の中心部を歩いてみる。道路ギリギリまで張り出している建物の窓は、さらに出窓にして少しでも部屋の空間を広げている。道路から見ると、出窓の窓ばかりが目立つという建物もある。騎士団長の宮殿の辺りをすぎると、岬の先端にある要塞に向かって下り坂になる。

バレッタのある岬の先端は聖エルモ砦(Wikipedia記事)といって、現在は警察学校や軍の基地が入居しているので、観光での入場は出来ないようにみえる。ヨーロッパでは旧市街が半島に造られている場合、岬の先端は大抵の場合砦になっていて、そこは警察や軍隊の基地になっていることが多い。以前訪れたシチリア島のシラクーザもこんな感じだった。聖エルモ砦には戦争博物館もあるとガイドブックには書かれているが、修復中で閉っている。基地の入ロは警備兵がいないので、少しだけ中をのぞいてみると、ボロイ兵舎が並んでいるのが見える。今時、こんな所の要塞を軍が利用するよリ、観光地にしたほうがよさそうなものだ。

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第二次大戦 マルタ包囲戦記念鐘楼
The WW II Siege Bell Memorial

半島の南側を通って、バスターミナルの方向へ戻る。途中、ローアー・バラッカ・ガーデン(Wikipedia記事)にギリシア神殿のようなモニュメント(アレクサンダー・ボール総督記念神殿)や、海に突き出した岩山の上の鐘楼(第二次世界大戦 マルタ包囲戦記念鐘楼)がある。ガイドブックに載せるべき観光地がたくさんありすぎて、この手のちょっとしたモニュメントは全く記述されていなかったりするが、写真の被写体として丁度良いので撮影している人は多いんじゃないでしょうかね。

Bus
Valletta(15:20頃発) → Manoel Island(15:35頃着)
運賃 0.1リラ(38円)

Sliema - Malta (スリーマ - マルタ)

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スリーマから見た夕焼けに染まるバレッタ
Valletta, view from Sliema

そろそろ太陽が傾いてくる頃、スリーマに向けてバスに乗る。スリーマの少し手前、マノエル島の付け根のところで下車。マノエル島は入り口にDuck Villageという個人が作ったとみられる鶏の放し飼いスペースがあり、その先はヨットの陸上保管施設や廃墟になった砦(入場できそうにない)がある。観光客が沢山来るバレッタと違い、誰も来そうにないこの島は完全に放置されているというか、少なくとも観光客を呼ぼうという体制になっていないと見える。18世紀の砦だからそれなりの観光資源なんだろうけどねぇ...

島を出て、マルサムシェット湾(Wikipedia記事)沿いの幹線道路(バスの通る道)を北東に15分ほど歩くと、スリーマまでやって来る。見かけより案外近い。マルサムシェット湾を挟んで対岸にあるバレッタが夕日に染まっている。蜂蜜色の石で造られた旧市街の街並みが、夕日を反射して濃いオレンジ色に輝いている。

Hotel
Hotel Plevna 501号室
7.3リラ(2800円)/1泊

 

December 16, 2007 (Sunday)

Mdina - Malta (イムディーナ - マルタ)

昨晩は、冷やしすぎたヨーグルトやトマトを食ベて腹の調子がおかしかった。(今朝には直ったが...)

早朝より、時折り強い雨が降る。天気予報はよく当たるものだ。9時すぎに、スリーマにあるホテルを出て、バスでバレッタに向かう。ブリキのおもちゃのようなバスだが、頻繁に来るし、何よりも安いのがありがたい。バレッタで乗り換えて、マルタ島中央部にあるラバトに向う。

Bus
Sliema(09:05頃発) → Valletta(09:20頃着)、Valletta(10:30頃発)→ Rabat(11:00頃着)
67系統 + 81系統 運賃 0.1リラ(38円)+0.2リラ(76円)
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イムディーナのメインストリート
Triq IL Villegaignon, Mdina

バスを降りたら再び雨が降りだす。ラバトは昔の首都だった所だが、アラビア語の首都を意味する「ラバト」という言葉そのまま。今はさびれた小さい町だけど...。すぐ横の砦はイムディーナと言う名の町で、ペルシア語のメディナと同じ発音。マルタ人ってアラブ系なのかな?

ガイドブックには静かな町と書かれているが、単に小さすぎて住人が少ないだけ...(人口300人弱らしい)。そんな所にも日本人ツアー客が来ていた。クリスマス休暇の時に団体旅行って、どうなんですかね。今日は日曜なので、教会はどこもミサをやっていて入れない。さすが熱心なカトリックの国だ。蜂蜜色の石で出来た住宅の間を走る路地を通り、小さなイムディーナの町をぐるっと一周する。

今日は雨が降っているが、晴れていたらさぞ綺麗な場所なんだろうな。

イムディーナを出て、隣町のラバトへ。こちらは蜂蜜色でなく、イタリアなどでよく見かける灰色や薄茶色の石で出来た建物が並んでいる。町の中心部の聖ポール聖堂の横あたりからバレッタ行のバスに乗る。

Bus
Rabat(12:15頃発) → Valletta(12:45頃着)
80系統 運賃 0.2リラ(76円)

Valletta - Malta (バレッタ - マルタ)

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バレッタの街並み
Valletta, St. Lucia's Street

バレッタに戻り、共和国通りにあるレストランへ。本日の定食で肉のワイン煮を食ベる。あまりおいしくない...  名物にうまいものなしか。それでも2.25リラ(860円)もする。

昼からは晴れてくる。バレッタのある半島の南側の展望台 ローアー・バラッカ・ガーデンへ行ってみる。今日はネコがたくさん日なたぼっこしている。町の中にはネコはあまり見かけないが、公園にはたくさんいる。

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騎士団長の宮殿、騎士団の姿(再現)
Grandmaster's Palace, Knights

騎士団長の宮殿(Wikipedia記事)へ。入場料4リラ(1500円)と割高感がある。同じように中世の武器を展示しているロンドンのホワイトタワーの入場料は、ロンドン塔観光も併せて同額ぐらいだったと思う。
内部は甲冑や武器類が整然と飾られているが、当時の内装は全然残ってないように感じた。ギリシアのロドス島から、トルコ軍に負けて撤退して来たキリスト教国最強の軍隊の装備品はこういう感じなんですか...。丈夫そうな金属製の甲冑、大砲、刀剣、銃とフルセットで展示されている。この軍隊を打ち負かすとは、トルコはどれだけ強かったんだと思う。もちろん、この装備の軍隊が当時の日本、戦国時代に攻めて来たら一瞬で日本消滅かもしれない。

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共和国通り
Republic Str

タ方、共和国通りを中心として、主な通りにはクリスマス イルミネーションが点灯される。シチリア島のイルミネーションに似ている。地理的に近いから、似てしまうのか... ただ、他の街でよく見かけるような巨大なクリスマスツリーなどは設置されてないようだ。 イタリアの地方都市でよく見かけるレベルの一般的なイルミネーションなので、もうひとひねり欲しいところだ。

Bus
Valletta(18:30頃発) → Sliema(18:45頃着)
64系統 運賃 0.1リラ(38円)
Hotel
Hotel Plevna 501号室
7.3リラ(2800円)/1泊

 

December 17, 2007 (Monday)

Hagar Qin & Mnajdra - Malta (ハジャー・イム遺跡とイムナイドラ遺跡 - マルタ)

天気予報では雨なのだが、雲が空の半分くらいを覆っているだけで、雨は降りそうにない天気だ。8時30分ごろ、ホテルを出て近くの郵便局へ。イギリスと同じく民営化して、コンビニ状態となっている。日本までの葉書の切手が0.37リラ(140円)もして、高く感じる。

Bus
Sliema(08:40頃発) → Valletta(09:00頃着), Valletta(09:15頃発)→ Hagar Qin(09:53頃着)
62系統+38系統 運賃 0.2リラ(74円)+0.5リラ(190円)
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ハジャー・イム神殿群
Ħaġar Qim temple complex

バスに乗りバレッタへ行き、そこでレンディ(Qrendi)行きに乗り換える。バレッタ行のバスは値段が0.1リラから0.2リラに倍額になっていた。週末は半額セールだったのかな...。レンディ行きのバスは空港の下を通るトンネルを抜けて、島の北岸へ。途中の町でほぼすべての乗客が降りてしまい、最後に残ったイタリア人学生の団体10人ほどは、ハジャー・イム手前の青い洞窟(Blue Grotto)で降りて行った。ハジャー・イム遺跡で降りたのは、たったの2名。まさか遺跡は休館日ではなかろうか... という予想は見事的中することになる。

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イムナイドラ神殿群
Mnajdra temple complex

海岸までなだらかに続く傾斜地に、BC3000年くらいに作られたストーンヘンジのようなハジャー・イム遺跡(Wikipedia参照)がある。工事しているようには見えないが、工事中で閉鎖と書かれている。写真撮影に配慮してだろうか、フェンスは一眼レフのレンズが"通る"くらい粗い間隔のものになっている。さすがよく考えられている...。
一直線にコンクリートで固められたスロープを500mほど海のほうへ下ったところにあるイムナイドラ遺跡(Wikipedia参照)へ行くと、こちらも閉鎖。おまけに、番犬に追いかけられる。観光客が皆無になる季節だから、管理も大変だし、工事という口実で閉鎖しているのだろうか。私としては写真さえ撮らせてくれれば満足なので、粗い間隔のフェンスならよしとするか。こちらもBC1000年代の古代ギリシアやBC800年頃建国のカルタゴよりずっと古くBC3000年くらいに作られたという。いまでは発展途上国臭のするこの国も、他の地中海文明の国々と同じくずっと以前から栄えていたということなのだろう。

30分程度遺跡の周囲をうろついたが、他に誰も観光客が来ない。バレッタの繁華街にはたくさんの観光客が来ていたが、ショッピングに興味がある人は遺跡には興味ないんだろうね。逆に、私はショッピングには全く興味がないけれども。

さて、バレッタに戻ることにする。バス停の方へ歩いて行くと、途中の農場で作業していたおじさんが遠くから私を呼び止めて、近くの町まで車に乗せてくれるという。この国に来てあらゆる遺跡が休館でがっくり来ていたが、「捨てる神あれば拾う神あり」ということだろうか。農家のおじさんの車は、くねくねと曲がる農地や荒地の間の狭い道を通って、レンディの町に到着。町の中心部にある聖マリア教区教会の前のバス停で降ろしてくれる。ありがとう...。

Bus
Qrendi(10:35頃発) → Floriana(11:00頃着)
35系統 運賃 0.2リラ(74円)
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Porte des Bombes

バレッタの街(半島)を幹線道路が出ていくところにある大きな凱旋門のようなところで降りてみる。地図ではフロリアナというバレッタの隣町に当たる場所。凱旋門はPorte des Bombes(Wikipedia参照)といい、17世紀にバレッタ最外周の城壁に造られた門ということだ。この辺りは城壁もかなりいい状態で残っていて、城壁の内側は植物園になっている。狭い道路と石造りの古い建物がごちゃごちゃと建ち並ぶ大都会の、緑のオアシスといったところだろうか。

入場料無料の植物園を見学して、のんびりとバレッタ入り口にあるバスターミナルまで歩く。再びバスに乗り、タルシーン遺跡へ。

Bus
Valletta(12:00頃発) → Paola(12:15頃着)
11系統 運賃 0.2リラ(74円)

Paola - Malta (パオーラ - マルタ)

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タルシーン神殿跡。まるで瓦礫置き場
Tarxien Temples ruin

パオーラの中心部を通りすぎて幾つか行ったところのバス停で降りる。運転手に遺跡の位置を聞いて、住宅街の中を少し歩くと一角にタルシーン遺跡(Wikipedia記事)の入り口がある。ここは営業しているようだ。地球の歩き方には「マルタで最大級の遺跡」と書かれているが、今朝訪れたハジャー・イム遺跡より小さく感じるのは、私だけではないはず。この遺跡はBC2800年頃のものということで、渦巻き模様が描かれた建物の礎石状のものや、巨大な石像の下半身だけの残骸とかが、かつて寺院だったと思われる瓦礫の中に展示されている。今朝入場できなかった遺跡も、内部はこんな感じなんだろうと勝手に想像をふくらませる。

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パオーラ地区 中心部
Paola, central district

4000年前の巨石文明の遺跡と、400年前のローマ騎士団以降の建造物。この間の数千年間の遺跡はまだ見かけていないが、いわゆる中世以前にはどんな文明があったのか、Wikipediaによれば長らくイスラム帝国の一部であったと書かれているだけで、その時期の遺跡を積極的に展示しようという雰囲気はないように思える。

Bus
Paola(13:00頃発) → Valletta(13:15頃着), Valetta(13:25頃発)→ Birgu(13:45頃着)
29系統+4系統 運賃 0.2リラ(74円)+0.2リラ

Birgu - Malta (ビルグ - マルタ)

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St. Scholastic Church, Birgu

再びバスを乗り継いで、湾(グランド・ハーバー Wikipedia記事)を挟んだバレッタの対岸の町ビルグ(またはビットリオーサとも呼ばれる)へ。こちらも、かなりの規模の要塞の街だが、観光客用の店が少ないのか、観光客をほとんど見かけない。すいてて、私はこっちのほうが好きだけど。

バスを降りたすぐ前に要塞都市の城壁・空壕と街へ入る石橋がある。バレッタの周囲は、半島ごとに要塞都市を作って内陸から攻めこまれないように城壁で固めていたようだ。城壁の中の町は、蜂蜜色の石で造られた建物が狭い路地を挟んでぎっしりと建ち並んでいる。真冬だが強烈な太陽光は、路地の道路のところまでは届かず少し肌寒い。夏なら涼しくて気持ちいいという表現になるのかもしれない。

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カルカラの街並みと聖ジョセフ教会(ビルグより撮影)
Kalkara and St Joseph Church

要塞都市の最も高い位置にあるのが教会で、急な坂を下って北側の海沿いには海事博物館がある。博物館の前からは、対岸のセングレアとの間の入江に、ヨットが大量に係留されているのが見える。ビルグ側の岸壁にも、高級なクルーザーが何隻か係留されている。公共交通機関のバスはブリキの玩具のようにボロボロで、町並みも欧州というよりは中近東に近いボロさがあるのだが、ヨットだけ超高級というちぐはぐ感。北アフリカの"お金持ちのリゾート地"でよく見かける風景だ。

要塞都市の岬の先端は聖アンジェロ砦(Wikipedia記事)となっていて、本日休館。遺跡は休みばかり...。

Bus
Birgu(15:15頃発) → Valletta(15:30頃着)
3系統 運賃 0.2リラ(74円)
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考古学博物館に展示されている巨石文明の遺物
National Museum of Archaeology, relief stone

バレッタに戻り考古学博物館(Wikipedia記事)へ。遺跡だらけの島なのに、展示物が少ない...。古代遺跡、ギリシア、カルタゴ、ローマ、マグレブとさまざまな文明に翻弄されてるのに、古代遺跡だけしか扱っていないように見えるのは、私の見学の仕方が悪かったのだろうか。

Bus
Valletta(16:10頃発) → Sliema(16:25頃着)
66系統 運賃 0.2リラ(74円)

スリーマのホテルに戻り、ホテル内のレストランで夕食(2.33リラ = 900円)。夜、スリーマのクリスマスの風景を見に行く。地区の中心部、車が行き交う繁華街の数百メートルの区間にイルミネーションがされているだけで、海岸沿いのリゾートホテルが建ち並んでいるような地域は特に何もされていないような感じだ。海沿いのTriq It通りの歩道は、街灯もなく、もちろん歩く人も皆無。真冬の"夏のリゾート"は寂しいものだ。

Hotel
Hotel Plevna 501号室
7.3リラ(2800円)/1泊

 

December 18, 2007 (Tuesday)

Sliema - Malta (スリーマ - マルタ)

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地中海と思索にふける人(スリーマ)
Man and Mediterranean Sea (Sliema)

ホテルの朝食はバイキング形式。滞在していた3日とも出ていたメニューは同じだった。トマトを丸ごと蒸した料理、大豆をトマトソースで煮込んだ料理、豆腐が入っているような感じのスクランブルエッグが特に美味しかった。食後、ホテルをチェックアウトして、フロントで荷物を預かってもらう。

Bus
Sliema(09:05頃発) → Msida(09:25頃着)
62系統 運賃 0.2リラ(74円)
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イムシーダの港と教区教会
Msida Marina and The Parish Church

スリーマとバレッタを結ぶバスが通る、ヨットがたくさん係留されている入江のイムシーダ(Msida)地区へ行ってみることにする。

入江の一番奥にあって地中海(外海)から遠いので、波が全く来ないため鏡面のようにまっ平らな海面。係留されているヨットや赤茶色の教区教会の建物が反転した形で海に映っていて、どちらが本物か分からないほど。

海岸線に沿って、バレッタの方へ歩いて行く。入江の奥のバレッタ側には海軍基地があり、パトロール船(Navy P61)を始め、沿岸警備隊の船も含め多数の船が係留されている。が、勝手に港に入っていって写真撮影できるのはなぜ...。まあ、それほど平和な国なんだろう。海軍基地からバレッタの城壁に沿って坂道を登って行くと、軍や警察の施設と思われる建物の間を抜けて昨日訪れたフロリアナの植物園の横に出る。

Valletta - Malta (バレッタ - マルタ)

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バレッタの市場
Market, at Valletta

植物園とバレッタの間は広大な警察本部施設になっているのが、GoogleMapで確認できるが、事務所入口前に停車しているパトカーのボンネットでネコが昼寝しているのは、平和な印なのだろう。

バレッタの市街地、聖ヨハネ准司教座聖堂の南側には露天市が開催されていて、衣料品や雑貨などが売られている。中央市場と思われる建物の中では農産物などが売られているが、こちらはあまりお客さんが来ていない。イギリス連邦のマルタは、料理に対する姿勢も、冷凍食品やインスタント食品を重用するイギリスの文化を真似てるのだろうか...。

Bus
Valletta(11:00頃発) → Sliema(11:20頃着)
64系統 運賃 0.2リラ(74円)
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地中海を望むプロムナード(スリーマ)
promenade Triq It - Torri, Sliema

スリーマに戻り、バーガーキングで昼食。ワッパー・ミールが2.65リラ(1020円)。ファストフードの価格はイギリス並に高い。地中海に面したTriq It通りの歩道でしばらく時間を潰す。今回泊まったホテル・プレヴナのプライベート・ビーチと看板の出ている砂浜もある。真冬なので、泳いでいる人は誰もいないけど。地中海に突き出た岬にはスリーマ砦があって、この辺りも古くからの城塞都市の一部だと気付かされる。

Bus
Sliema(13:30頃発) → Valletta(13:50頃着), Velletta(13:50頃発)→ Airport(14:40頃着)
62系統+8系統 運賃 0.2リラ(74円)+0.2リラ(74円)
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空港横の農村地帯
Gudja village, next to airport

13時過ぎ、ホテルに預けておいた荷物を回収して、バスに乗って空港へ。今回乗るライアンエアーのピサ行きは、運賃・諸税が66ユーロと、ブレーメンからマルタまで来たときの3倍の価格。(航空券本体料金は、ブレーメンからの便が0.01ユーロ、ピサへの便が9.99ユーロと、どちらも市内交通並みの運賃)チェックインして荷物を預けて(諸税のうち6ユーロが荷物料金)身軽になる。

飛行機の出る時間までしばらくあるので、空港の横の小さな町 Gudja に行ってみることにする。空港前の駐車場と、道路を通り抜けると、すぐに町の端の住宅街となる。細い路地を入って行くと、町の中心の教区教会のある広場に出る。バレッタから空港へ来るバスも、この教会の前に停車していたので見覚えがある。教会横にカフェが1軒あるだけで、特に見所があるような感じには思えない。

手持ちのマルタ リラのお金を両替して、残ったお金で空港内のカフェでアランチーノ(チーズ入りのライスコロッケ 0.86リラ Wikipedia記事)を食べる。まさか、シチリアと同じ料理がここで食べられるとは思わなかった。

Air
マルタ ルア空港(17:15発) → ピサ ガリレイ空港(18:40着)
FR9993 運賃・諸税 66ユーロ(10800円)
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雨のマルタ空港に到着したライアンエアー FR9993便
Ryanair FR9993 arrives at Malta Luqa Airport, B737

先程まで快晴だった空が急に雨になる。折り返してピサ行きになるライアンエアーの飛行機が遅れて到着する。マルタを出発した飛行機は、シチリア島辺りに見えた巨大な積乱雲を避けてイタリアへ。機内では、スチュワーデスがフィレンツェへの空港バスのチケットを売っている。列車のチケットを売ってくれれば買うんだけどなぁ...。遅れて出発して、積乱雲を迂回して飛んでも、ピサ空港には定時に到着した。

Firenze - Italy (フィレンツェ - イタリア)

Train
ピサ空港駅(19:05発) → ピサ中央駅(19:10着),ピサ中央駅(19:29発)→ フィレンツェSMN駅(20:30着)
R23450, R3148 運賃 10.4ユーロ(1700円)
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フィレンツェS.M.N駅に到着した列車
Firenze S.M.N station, train 3148 from Pisa Centrale

空港を出て、すぐ横にある駅へ。切符売り場が見つからない、列車の発車時刻は迫っている。女性車掌が列車から降りてきたので、切符を車掌から直接買えるか聞いてみる。割増料金になるそうだが、ターミナルビルの切符売り場に戻っていたら列車が出発してしまうので、車掌から切符を買う。後日、フィレンツェからピサに戻ってくるときに買った切符と比較してみると、割増料金は5ユーロだったようだ。

ピサ中央駅で列車を乗り換えて、フィレンツェSMN駅まで乗車。列車を降りて、駅から歩いて10分程度のところにあるホテルへ向かう。まだ21時だというのに、町の中心部の通りを歩く人の数がかなり少ない。メディチ家礼拝堂付近には大量の露天が出ていて、予約したホテルはそのすぐ横だった。観光地の真ん前なのに、1泊35ユーロと割安感がある。

Hotel
Hotel Bellettini 43号室
35ユーロ(5740円)/1泊