欧州縦断旅日記 : ロンドン→パリ

September 23, 1995 (Saturday)

London - UK (ロンドン - イギリス)

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ヒースロー空港で見かけた英国航空のコンコルド
Concord (Product No 216 , G-BOAF), at Heathrow Airport

11時35分に関西空港を出たKL868便は、秋晴れのシベリア上空を通過し、16時45分アムステルダム・スキポール空港に到着。18時45分 KL129便に乗り換えてロンドンへ。夕焼けに染まるテムズ川沿いの田園をひとっとび、19時5分、ロンドン・ヒースロー空港に到着。先進国のターミナルビルとしては、かなり古びた部類の空港だ。

空港より地下鉄に乗り、21時30分ごろベーカー・ストリート駅に降り立つ。真っ暗な夜の街を、Prince Regent Hotel(日本で予約しておいた)を探す。通行人何人かに聞いて、Nottingham Pl. とNottingham St.が違う事がわかり、安ホテルが並ぶ通りを発見。やっと宿に到着。ここで落ち合うはずの寺岡氏はまだ到着していないようだ。

September 24, 1995 (Sunday)

London - UK (ロンドン - イギリス)

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ダウニング街 10 番地の 首相官邸 (右奥)
10 Downing Street

1階のソファーのある部屋で寺岡氏に会う。大韓航空が延着して遅れた模様だ。宿で朝食後、ベーカー・ストリート駅で1日乗車券を買い、ピカデリー広場へ。大雨が降ってくる。しばらく雨宿りした後、バスでウエスト・ミンスター(国会議事堂)へ。バッキンガム宮殿で衛兵の交代式を見ようと思って行ったのだが、隔日開催の模様で今日は行わないと貼り紙があった。(また明日出直そう)

首相官邸近くで、観光客から道を聞かれる。(普通は)相手を選んで聞くもんだろう!こっちも観光客なんだ!

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交通博物館の以前の地下鉄の機関車 さぞ煙たかっただろう !
London Transport Museum

再びバスに乗り、ピカデリー広場へ。バーガーキングで昼食後、交通博物館へ。世界初の地下鉄は、蒸気機関車だったそうで、乗客はさぞ煙かっただろう。そこから歩いて大英博物館へ。入場料は取らない。入り口に寄付金をいれるモニュメントがあるのみだ。ギリシャ文明(特にエルヴィン・マーブル)やエジプト文明の展示は「ココしかない!」といったものばかりで感動ものだ。ただ「ロゼッタ・ストーン」が貸し出し中で"不在"だったのが残念。話しは変わるが、特別展"日本展"は大行列だった。

リコンファームのためKLMに電話するが、移転したらしくつながらない。KLMのオフィスに行ってみると閉鎖されていた。この街でのリコンンファームはあきらめた。
ピカデリーの近くのステーキ・ハウスで夕食。23時ごろ地下鉄で宿に帰る。

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大英博物館のエジプト文明展示室
The British Museum, Room : Culture of Egypt

September 25, 1995 (Monday)

London - UK (ロンドン - イギリス)

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バッキンガム宮殿の衛兵の交代 Guards Change at Buckingham Palace

衛兵の交代式は、昨日の情報によれば11時30分からだ。それまでにタワー・ブリッジを見に行く。旧式の2階建てバスの、開け放しの後ろの入り口からの眺めは最高だ。バスに揺られてタワー・ブリッジへ。ごく普通の橋のようだが、観光地らしい。ロンドン塔(牢獄跡)の周りを一周してから、地下鉄に乗り St.James Parkまで行く。

早足で10分くらい行くと、たくさんの観衆が詰めかけているバッキンガム宮殿前に着く。騎馬警官が交通整理をしている。11時40分、音楽隊を伴った衛兵の一団が宮殿外部からやってきて、宮殿内部から出てきた衛兵と交代する。赤の制服の衛兵のほかに、全身真っ黒の制服の衛兵の部隊もいる。さすが、世界一有名な衛兵の交代式だ。大量の衛兵が行進し、見物客も皆満足な様子だ。

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サイエンス・ミュージアムのロケット号
First Steam Locomotion "ROCKET"

バッキンガム宮殿前をあとにする。宮殿横の道には黒塗りの"英国風"タクシーが"渋滞"している。バスに乗りピカデリーへ。
デリでサーモンがあふれそうな位入ったサンドウィッチを食べる。宿に戻り、まずコインランドリーへ。小銭がなかったので、近くの店でジュースを買い小銭を作る。
洗濯が済み、宿の部屋で絵葉書を書いた後、郵便局を経由してサイエンス・ミュージアムへ。エジソンの電球(シカゴとこちらと、どちらが最初の電球だろうか?)、ワットの蒸気機関(これは部品のみ)、蒸気機関車ロケット号など、科学技術史に輝く有名な品ばかりだ。16時から入場料無料というのもうれしい事だ。

帰り、地下鉄が故障か何かしたらしく、なかなかやってこない。夕食の待ち合わせに、30分遅れてホテルに戻る。(寺岡氏へ > ごめん)。夕食はオックスフォード通りの店でパスタを食べる。あまりの多さに食べきれず。

宿の部屋に戻ると、床一面に水が溜まっている。洗面所の配水管が破けているようだ。明朝までの我慢だ。

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ベイカー・ストリートにあるシャーロック・ホームズ博物館
Sherlock Homes Museum

September 26, 1995 (Tuesday)

London - UK (ロンドン - イギリス)

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ウォータールー駅に停車しているユーロスター パリ行き
Eurostar, Waterloo International Station

7時。昨日、フロントにあれほど言ったにもかかわらず、ホテルの従業員は誰もいなかった。部屋の鍵をポストにほうり込んで勝手に出て行く。
地下鉄でウオータールー駅へ。駅内のファストフードで朝食。隣の席からは、日本人添乗員2人が仕事の反省会をしている声が漏れ聞こえてくる。

ガラス張りの新しいウオータールー・インターナショナル駅でユーロスターに乗り込む。チェックイン手続きはまるで航空機に乗る時のようだ。9010列車は8時23分、定刻通り発車。
時速150km/h位でで、英国の丘陵に広がる田園を走り抜ける。車内放送はフランス語とへたくそな英語だ。車内販売は英国の会社がやっているようだ。車内には日本からのツアー客もかなりいる。
右手にフォークストンの"Le Shuttle"の駅を見てすぐ、ユーロトンネルに突入。ここから車内アナウンスがフランス語のみとなる。約20分でトンネルを抜けて、SNCFの軌道を走り出す。
列車はどんどんと加速し、300km/hに達したとアナウンスがある。11時17分、パリ・ノール駅(北駅)に到着。

Paris - FRANCE (パリ - フランス)

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凱旋門 Arc de triomphe

ノール駅構内のツーリスト・インフォメーションで宿を予約してもらい(ついでに地図10FFも買い)、ぶらぶら歩いて宿へ。目指す番地が見つからず、警官やその辺の人と道を聞きながらやっと宿に到着。宿屋はフランス語以外通じないようで、意志疎通に苦労する。荷物を置いて、再びノール駅へ。駅前では軍事警察が検問している。
SNCFの窓口でユーレールパスを入鋏してもらい、地下のRATP(交通局)窓口で1日乗車券を買い、地下鉄に乗り市役所前で降りる。ルーブル美術館へ行くと休館日だった。シャンゼリゼ通りを歩いて(結構遠い)凱旋門へ。凱旋門横のツーリスト・インフォメーション本部でKLMのオフィスの場所を聞く。バスでサン・アウグスティン教会まで行き、歩いてマドレーヌ広場へ。日本でよく見かけるフォーションの店(パンと食材の店)がある。しばらく探し回って、オフィスを見つけリコンファームを済ませる。

夕食後、シャルル・ドゴールのRER駅で駆け込み乗車しようとしたところ、ホームから転落。手前にみえていた列車は、向こう側に止まっていた列車だったのだ。落ちた時に列車が来ていたら、命を落とすとこだった。

September 27, 1995 (Wednesday)

Paris - FRANCE (パリ - フランス)

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ヴェルサイユ宮殿 Palais de Versailles

地下鉄でサン・ミッシエル・ノートルダム駅へ。ここはつい最近爆弾テロで少なからぬ死者が出たところだ。駅は鉄板などで補強されており、爆発の痕跡は見られないようだ。
RERに乗り換え、ヴェルサイユ駅まで30分間1等車の旅を楽しむ。

駅を出て、前の人について行くとヴェルサイユ宮殿前に出る。宮殿前でも軍が対テロの警戒をしている。記念写真を撮らせてもらう。
青年(〜25歳)割引で入場券を買い、内部へ。まったく、なんて豪華な部屋なのだろう。外は雨降るどんよりとした天気だというのに、中はまったく別世界だ。庭に出る。雨なのでほとんど人がいない。水路まで歩いて行く。庭園というより森だ。

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エッフェル塔より見るパリの市街 from Tour Eiffel

宮殿を出て、駅前のバーガー・キングで昼食。RERに乗りパリ市内へ。地下線に入る手前のシャン・デ・マールで降りるとエッフェル塔はすぐ前だ。3階はやってないようなので、2階までの切符を買い登る。雨は止んで曇っている。モンマルトルの丘がひときわ高く見える。モンパルナス・タワー・ビル以外の高いビルは近くには見当たらない。日本を含む東アジアの街のように、無秩序に新しいビルが立ち並んでいないこんな景色が大好きだ。

宿に帰り、近くにある洗濯屋へ。クリーニング・仕立て直し・ランドリーとやっている店で、お金を払って洗濯機を使う。雨の日は洗濯に限る。

September 28, 1995 (Thursday)

Tour - FRANCE (トゥール - フランス)

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トゥール駅に停車しているTGV
TGV, Gare de Tour

地下鉄を乗り過ごし、少し遠回りしてモンパルナス駅へ。昨日ベルサイユ駅で予約したTGVの時間まであと5分も無い。地下通路を通り、モンパルナス1駅を走り抜け、モンパルナス2駅へ。TGVに乗り込んだのは、出発数秒前!
TGV8311列車は、9時ちょうどに発車。

列車は在来線の軌道を少し走った後、専用軌道に入る。速度がぐんぐん上がり、300km/hに達したようだ。田園地帯を切り開いて作られた軌道を、まっすぐ南西に走る。雲が切れ、晴れの地域に入る。
1時間でサン・ピエール駅に到着。隣のホームのローカル列車に乗り換え、トゥールに10時10分到着。

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昔は宮殿だったという、トゥールの市役所
City Hall, (former Palace), Tour

トゥール駅にはTGVアトランティックの車両が停車している。時刻表によれば、トゥール発パリ行きのTGVもあるようだ。オルレアン方面へのローカル列車の発車時刻10時56分まで街の中を歩く。

売店で絵葉書を買い、公園のベンチで手紙を書く。
郵便局もある街の中心は、王宮だった建物もあり、落ち着いていていい雰囲気だ。

10時56分、トゥール駅発の列車の1等車に乗り込む。2等車は混んでいるようだが、1等車はほとんどだれも乗っていない。ユーレールパスを持っているからこその贅沢だ。

Bloir - FRANCE (ブロワ - フランス)

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ロワール川にかかるジャックス・ガブリエル橋(1724年完成),ブロワ
Bridge on Loire River, Bloir

駅の近くに城があるという、ブロア駅で降りる。駅前は住宅地で、食堂が1件あるだけだ。道路標識に沿ってツーリスト・インフォメーションへ。街の観光経路図をもらう。石畳の古い町並みを歩いて行くと、ロワール川に出る。真ん中が盛り上がった石の橋が奇妙だ。
城や教会などを眺めて、公園のベンチで昼食を食べる。

駅に戻り、パリ方面行きのホームでしばらく待っていると、13時6分オルレアン行きのローカル列車が入ってくる。パリとは少し方向が違うが、乗り換え列車くらいあると思い、その列車に乗り込む。車窓に原子力発電所などを見て、13時45分オルレアンに到着。パリ行きの急行に乗り換え、15時すぎ、パリ・オーステリッツ駅に到着。

カルチェ・ラタンのフランス料理店で、ステーキを食べる。日本では馬鹿高いフランス料理も、130フランで味わえる。