欧州縦断旅日記 : フランクフルト→ローマ→アムステルダム

October 4, 1995 (Wednesday)

Frankfurt - GERMANY (フランクフルト - ドイツ)

旧市街を見物してから、TCの現金化のためにアメリカン・エキスプレスの事務所に行く。換金後、事務所前で西氏に偶然出会う。しばらく立ち話した後、地下鉄に乗り中央駅へ。スイス行きのICE発車時刻まであとわずかで中央駅に到着。ドアの閉まる直前に列車に滑り込む。
ICE79号は10時2分発車。1等車のコンパートメントに空いている席を見つけて座る。

Basel - SWITZERLAND (バーセル - スイス)

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3国国境モニュメント
ドイツ(右)、フランス(左)、スイス(手前)の国境
Dreiland Ecke, Basel

マンハイム、カールスルーエ、フライブルクと田園地帯の中を走り、13時少し前ドイツ側のバーセル駅に停車。まもなく12時54分、SBBバーセル駅に到着。

スイスフランとフランスフランどちらでも使えるコインロッカーに荷物を預ける。駅を出て、トラムにそって歩きライン川沿いのツーリスト・インフォメーションへ。フランスとドイツと接している国境モニュメントへの行き方を仕入れる。国境はライン川のだいぶ下流にあるようで、歩いて1時間ほどかかるようだ。

市街地を通り抜け、化学工場のある地区を歩き、郊外の港の埠頭の先に国境モニュメントがあった。実際の国境は川の真ん中にあるそうだが、便宜上陸上の上に国境モニュメントを建てているようだ。ドイツから来た学生数人もモニュメントに来ていた。
対岸のフランスの方と、ドイツの方では家の造りがまったく違うように見え面白い。

帰りはトラムに乗り街の中心まで戻る。この街で印象的だったのが、ファストフードの価格がやたら高かった事と、従業員が中年以上の人がほとんどだった事だ。

20時2分のEN313に乗りローマに向かう。ベルサイユ駅で禁煙車を予約しておいたにもかかわらず、喫煙車にまわされ結構不快だった。

October 5, 1995 (Thursday)

Rome - ITALY (ローマ - イタリア)

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コロッセオ Colosseo

昨日の車内検札で、"にせもの"と疑われたユーレールパスも無事戻り、車内配布のパンとコーヒーの朝食を食べる。車窓の風景は、草ぼうぼうの荒れ地交じりの田園と、ぼろい農家の建物がちらほらという南欧的風景に変わっている。

9時23分、巨大なローマ・テルミニ駅に到着。駅構内のツーリスト・インフォメーションは人でごった返していて、とても宿の予約などという状況でない。
駅を出て、途中の銀行で両替し、国立博物館裏のツーリスト・インフォメーションで宿の予約をする。南欧は格安のペンションがあるので宿に困る事はない。

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コロッセオ内部 inside Colosseo

宿にチェックインし、荷物を置いて再びテルミニ駅へ。1日券を買い地下鉄でスパーニャ駅へ。スペイン階段は工事中で見る事もできなかった(残念)。再び地下鉄に乗り、コロッセオへ。2000年近く前の巨大ビルを前に言葉も出ない。

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カラカラ・テルメ 猫がたくさんいた
Terme di Caracalla, ancient sauna

その後、トラムに乗りカラカラ浴場跡へ。巨大吹き抜けの浴場跡は、破壊され尽くされているとはいえ当時の装飾なども残り見事な建築物だ。
ここには野良猫もたくさんいて、なかなか楽しいところだ。

イングランドより南下を続けて、ここまで来るといい陽気だ。太陽は眩しく、空気も暖かく、心も軽やかになる。(サングラスが急に必要になった)

夜、宿の隣の部屋のトルコ人観光客が夜中まで騒いでうるさかった。

October 6, 1995 (Friday)

Rome - ITALY (ローマ - イタリア)

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テルミニ駅近く モンテベッロ通りの朝市
Market, Via Montebello

泊まっている宿は、部屋にバルコニーも付いて快適そのものだ。やはり"南欧は最高!"の世界だ。宿の近くは、朝市が出る。朝市で果物やパンなどを買っておく。

朝食後、テルミニ駅より地下鉄に乗り、オッタビアーノ駅へ。駅からしばらく歩くと、ヴァチカン美術館の入り口があった。13000リラ(ここまで数字が大きくなると、高いのか安いのか分かりづらい)を払って中に入る。
ローマ帝国の勢力地図(時代変遷)が印象的だった。昔は、地球が地中海くらいの大きさで認識されていた事がよく分かる。中庭にある変わった球体も面白い。
ミケランジェロの最後の晩餐は修復中で半分くらいしか見れなかった。照明が暗いので、ボーっとしか見えないので、写真でみた時ほど感動しなかった。

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サン・ピエトロ寺院
Basilica di San Pietro

美術館を出ると、サン・ピエトロ寺院となっている。ここが世界のカトリック教会の総本山だ。やけに広い建物内には、数多くのチャペルがある。どの街で見た教会よりもでっかい教会だ。

バスに乗り、ナヴォーナ広場へ。ジェラートをなめながらトレビの泉へ。うようよ人がいる。日本では"トレビの"泉でなくてもコインがいっぱい投げ込まれているところも多いが、本家本元にはそんなにコインが投げ込まれていないようだ。

ローマで困ったのは、食事をするところを探すところだ。物価はそんなに高くないはずなのだが、食堂がほとんど見つからない。結局市場などで買い食いしたり、マクドナルドに入ったり。
ちなみに、共和国広場前のマクドドナルドは世界最大の座席数だそうだ。今まで、シカゴの"ロックンロール"マクドナルドが最大級だと思っていた。

October 7, 1995 (Saturday)

Rome - ITALY (ローマ - イタリア)

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フォロ・ロマーノの廃墟となった宮殿 Foro Romano

市場で買っておいたパンや果物、ジュースで朝食を摂った後、テルミニ駅へ。宿から駅へは歩いて10分くらいだ。

トラムに乗って、コロッセオの近くへ。おととい入りそびれたフォロ・ロマーノ遺跡へ入る。円柱が崩壊した大広間跡や、朽ち果てた巨大ビルの跡を見る。悲壮感は全くなく、この状態が本来の姿と思えるほど自然な感じだ。そこここにオリーブの木が実をつけていたのも地中海地方の雰囲気を一層盛り上げていた。

テルミニ駅のマクドナルドで昼食を食べ、宿で昼寝をする。

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リドの海岸 Beach, Lido

暇なので海岸を見に行こうと思う。地下鉄でピラミデ駅まで行き、COTRALに乗り換え20分くらい行ったリド・セントロ駅で降りる。
都会とはぜんぜん違う、南国の住宅街だ。駅から(たぶん海の方向と思われる方へ)適当に住宅街を歩いて行くと海沿いの道に出る。堤防のような壁を乗り越えると砂浜が広がり、ちらほらと日光浴を楽しむ人がいる。

海に突き出した桟橋の上で、じばし"ぼーっ"と地中海の景色を眺める。

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ローマにピラミッド Piramide
再び郊外電車でピラミデ駅へ。不思議な名前なので外へ出てみると、案の定ピラミッドがあった。5階建てくらいの小型ピラミッドだ。不思議なものがあるものだ。

October 8, 1995 (Sunday)

Amsterdam - NETHERLANDS (アムステルダム - オランダ)

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マヘレの跳ね橋 Amsterdam

10時過ぎのテルミニ駅発の空港特急に乗ってフィミチーノ空港へ。この列車は1等車しかなく、変わった列車だ。

KL266便は定刻通り12時25分に出発し、15時5分、アムステルダム・スキポール空港に到着。途中ジェノバの街が見え、アルプスの上を飛んだ。一度アルプスの氷河を"訪れて"みたいものだが、体力がないので登山は"×"だ。
スキポールは大好きな空港だ。私がよく利用するソファーは、うたた寝にぴったしで、こんな心地よい空港は他に無いと思っている。

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運河

スキポール駅から列車に乗り、20分で中央駅に到着した。

宿(この宿は日本で予約を入れておいた)にチェックインし、市内観光へ。アンネ・フランクの家に行く。閉館ぎりぎりに入り見学。隠し部屋へ通じる"本棚の扉"はあまりにも有名だが、家具が取り払われているのであまりにも"わざとらしく"見えるのは私だけだろうか。
中学校で読んだ本によれば、もっと狭い部屋の印象だったが、案外広いものだ。でも、ここで2世帯住むとなると...

夕食はコーヒー飲み放題のマクドナルドで食べ、飾り窓地区(よるはここが大混雑する)を通過してホテルへ戻る。翌日の帰国に備え、はやく寝る事とする。
※宿の窓は重く固く、まるでギロチンのようだった。日本から予約できる安宿はろくなとことがない。