公共料金はもっと安くなる

えっ、公営事業って割高なの?

公と民のコスト比較

公と民のコスト比較
「地方自治経営学会 公立と民間とのコストとサービス比較(2000年版)」

営利目的でない公営だから安価だと思ってませんか?

今や「国営、県営、市営」は割高の代名詞。現在の業務を民間委託するだけでこんなに安くなります(左図)。
民営化すればもっと割安に...

水道料金、地下鉄運賃、ごみ収集や公民館運営に支出されている市民税...
割高な公共料金とあわせ、税の二重取り状態です。

100円安い遠くの店に買い物に行くのなら、公共料金・税金の無駄についても考えてみましょう。

公営事業を民営化すべき本当の理由

建設事業も、民間主導ですぐに割安に!

公共事業の割高グラフ

公共事業って、割高なんです。

法律を作ったり・経済政策を行ったりする優秀な公務員でも、苦手なものがあります。

建物を作ったり、運営するのは苦手なんです...

民間主導で建設・運営するだけでこれだけ安くなります(右図)。

エライ人はどう考えてるの?

opinion-publiccompany-inefficient.pngWikipedia 「財政政策」より『穴を掘って埋めるだけで生産性ゼロの公共事業は、確かにGDPを増加させるものの、現在の消費も将来の消費も直接には増やさない。さらに、穴掘って埋めもしないような公共事業の場合、生産性を低下させてしまう。現実的には、生産性がほぼゼロの道路や箱物なのに、その維持に労力が必要となり、機会費用が発生してしまうからだ。』。経済評論家 大前研一氏はSAPIO2010年12月号で次のように言う『日本の水道事業を民営化すれば水道代は半分になる』『日本の「水」は上から下まで利権だらけ。もはや市町村が水道事業を抱えている必要はない。同じ公共インフラの電気は民営化しているのだから、行政の肥大化を避けるためにも、水も民営化して、水メジャーをはじめとする世界最強の会社に下水道や農業用水、工業用水も含めて運営を任せればよい。』。ノーベル経済学賞を受賞したフリードマン教授はその著書資本主義と自由で次のように言う『民間産業の独占が一番ましだと結論する』『技術的要件から競争市場が自ずと独占に収斂する場合には、民間企業が独占する、政府が独占する、あるいは政府が規制するという三通りのシナリオしか無い。変化の速い社会では、政府がいったん独占なり規制なりを始めると、民間企業に比べてどうしても変化への対応が鈍く、また排除しにくいと懸念される。 』。伊藤忠商事チーフエコノミスト中島精也氏は次のように言う『公共事業は政府による直接的な歳出増加策ですが、インフラがほぼ整備されてしまっている現在では、地方経済活性化事業としての役割がより強まっており、財政の呼び水効果は余り期待できません。積極的に採用すべき政策とは思われません。』

小さな政府へ

先進諸国のトレンドは、「小さな政府」。アメリカも欧州も限りある税収をうまく使うため、民間企業で出来る分野は積極的に民営化・委託化しています。

小泉元首相の「民間で出来ることは、民間で行う」の言葉のもとで、わたしたちの日本でも財政破綻を避けるための改革が始まろうとしました。

公的施設の運営管理を民間委託するための指定管理者制度(※1)の創設、水道の民間委託を可能にする水道法改正(※2)、全ての公営事業の民間委託化を検討する市場化テスト(※3)、公営事業の公設民営化(※4)など、民営化するための法律は出来ましたが、組織維持に必死な地方自治体は一向に民営化しようとはしません。

たとえば…

最近の報道によれば、商社や浄水装置を製造するメーカー等は、90兆円産業と言われる海外での上下水道事業の公設民営化案件(水ビジネス)への参入を目指しているそうです。そこは自国で公設民営化を行なって経験を積んだ欧米の水メジャー企業が圧倒的に強く、日本勢は事業経験すら無く参入の緒すらないのが現状だそうです。そこで日本の商社は、事業経験を積むために、海外の上下水事業を買収することにしたようです。その一方で、日本国内の上下水道事業は役所と企業の談合体制で料金を高止まりさせたまま、海外進出への資金源の捻出場所とする腹づもりのようです。

これには2つの大きな罪があり、一つは日本国内の公共料金が高止まりしてしまうこと、もう一つは、海外で安く自国で高く売るダンピングという行為であることです。まず、日本国内で公設民営の上下水企業を運営するのが、国際競争でのフェアプレーだと思いますが、いかがでしょうか。

(※1)指定管理者制度 (地方自治法改正)
2003年9月に制定された。地方公共団体により指定を受けた企業等(指定管理者)が、公の施設の管理を代行することを認めること。

これまでは、公営以外では役所の外郭団体などに限られていた。

 総務省 地方自治法改正の要旨 (PDF)
(※2) 水道法改正
2002年4月に改正された水道法により、水道事業の民間委託を可能にした。

 厚生労働省の水道民間委託化を説明する図

 厚生労働省の事務連絡 (水道事業民間委託)
(※3) 市場化テスト
2004年の内閣府 規制改革・民間開放推進会議により本格的に実施に移された民間委託化への手法。あらゆる分野の国や自治体の業務を民間と対等に競争させて、民間が安価な場合は民間に委託することを強制するシステム。
(※4) 公設民営化、コンセッション方式
2011年のPFI法改正では、国や自治体が公共施設の所有権を持ったまま、その運営権を民間に売却し、経営を委託できる「コンセッション方式」を規定した。空港や上下水道など、利用料金の発生するインフラへの活用が可能となった。

あとがき

財政破綻した北海道の夕張市では公共事業はほとんど停止し、ハコモノ公営施設はほとんど廃止されました。財政破綻は公共事業・公営事業にストップを掛ける唯一の手段なのかもしれません。最近は、TPPやFTAなどの国際交渉で「公営企業と民間企業の競争条件の平等化」も交渉の俎上に載せられています。“ガイアツ(外圧)”を理由に手が付けられなかった懸案を一気に解決するという、日本人の得意技を出すのも良いかもしれません。

アレックス・カー氏の著書「犬と鬼」によれば出展1994年のコンクリート使用量は、日本で合計9,160万トン、アメリカで7,790万トンであり、面積あたりで比較すると、日本のコンクリート使用量はアメリカの約30倍 ということです。その総費用は、なんとアメリカの軍事費総額より大きいらしいですね。 それだけでなく、資源とエネルギーを浪費しまくるのは『エコ』じゃあないでしょう。