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2005年9月〜10月 旅日記 ページ 1/3 (September - October 2003 Page 1/3)
為替レート FOREX : 1HKD = 14.8JPY, 1GBP = 202JPY
1SIT = 0.57JPY, 1HRK = 18.5JPY, 1SKK = 3.55JPY
1HUF = 0.55JPY, 1EUR = 137JPY

SEPTEMBER 22 (Thursday)

Hong Kong - CHINA (香港、中国)

キャセイパシフィック CX503便、ほとんど定刻どおりの13時05分に香港 赤鯔角機場(空港)に到着。今晩のロンドン行き飛行機に乗り継ぐまで10時間ほど時間がある。
13時33分、空港のバスターミナルからA21系統 紅磡火車站行きの空港バスに乗る。運賃33HKD(約500円)。外は湿度が高そうだが快晴。36℃くらいあるようだ。バスは1週間ほど前に出来たばかりの香港ディズニーランドとの分岐点を通過し、青馬大橋を渡って九龍半島の市街地へ。香港ディズニーランド、分岐点から遊園地方向をチラッと見たが、道路は閑散としていた。あまりはやってないのかな…。
14時15分、旺角交差点を通過したあたりでバスを降りる。平日の昼間なのに大学生くらいの年齢の人や、リーマンの年齢の人が沢山繁華街をぶらついている。暇なのか、サボっているのか…。

先達廣場(という名前の商業ビル)へ。ビルの地下1階〜地上3階に、携帯電話関連の店がごちゃごちゃと入居している。今回は、日本で買った3G携帯電話のロック(制限)を解除してもらうために来た。ネットの掲示板などで調べた情報では、ここの2階に目指す店があるはずだ。エスカレーターに乗って2階へ上がると、目指す店は目の前にあった。
日本のボーダフォンで入手したSonyEricssonのSE802のSIMロックとMP3制限を解除してもらう。若い店主は、持ち帰りのぶっ掛け飯を食べながら、パソコンに接続してなにやら設定を書き換えている。次から次へと客が来て、携帯電話のファームウエアの書き換えか何かを注文している。30分ほどで作業終了。料金は100HKD(約1500円)。

店頭にはいろいろな携帯電話の機種と、SIMロックなどの解除の料金が貼り出されている。最早、SIMロックを解除するのが当然ともいえるような香港の状況では、携帯電話会社とロック解除屋がマッチポンプの関係ではないのだろうか。いまさら、あらゆる機能制限を解除した携帯をタダ同然で売り出したら、ロック解除屋労働組合か何かが大規模なでもデモするのだろうか… (笑)。 所詮、人間が作ったソフトウエアで制限は、無名の人の趣味的努力や、当のソフト会社の社員の裏切りによって解除される運命にあるわけだから、無駄ですね。

亜皆老街をはさんで先達廣場の向かい側にあるSmarToneの店へ。携帯電話用のPayGo SIMカードを買う。多分、欧州でもローミングで使えるはず…。100HKのSIMカードと、100HKDのリチャージ用カードを買う。この会社、ボーダフォンに買収されてから店員のサービスレベルが下がった。世界各国で携帯電話会社を買収して、(日本も含めて)サービス低下を招いていたんではお先真っ暗じゃないのかな。

西洋菜街のマクドナルドで、フィレオフィッシュとコーラで休憩。18HKD(約270円)。ロック解除された携帯電話をチェックする。メモリースティックに入っているMP3ファイルは、何の制限もなく再生できるし着信音にも設定できる。MP3プレーヤー専用機に比べて使いにくいが、スピーカー付きのプレーヤーと思えば(音質も含めて)まあまあじゃないだろうか。T100に入れてあるオランダのVodafoneのSIMカードを、ロック解除されたSE802に差し込んで通話して見る。何の問題もなく通話可能。インターネット接続の設定が消えるといううわさはあるが、私は通話しかしないのでこれで満足。

16時30分、地下鉄に乗り香港島の中環へ。まずは中央郵便局へ行き集郵中心で記念切手を買う。昔は沢山の種類を売っていた(ように思う)が、ここ数年種類が減ってきているようだ。香港人の若い人は、切手収集の趣味がなくなったのかな…。

天星小輪(スターフェリー)で尖沙咀に戻る。九龍半島南端の尖沙咀公衆碼頭は、そこらじゅうが工事中で閉鎖されている。九廣鐵路(KCR)東線が延長して新しい駅が尖沙咀に出来たばかりなのに、再び工事? それとも、工程調整ミスで駅周辺の工事を忘れていたのかな。彌敦道へ向かう地下道も至るところで工事。天井を削る粉塵が地下道中に広がっていたりする。よく苦情来ないよな…。美麗都大厦の裏手にあった粥屋に行こうと思い、重慶大厦を通り抜けてみると、ここも大規模な再開発工事の真っ最中。古いビルが根こそぎ壊されて更地になっている。

雑多な、なんでもありの街並みの香港の良さが消えて、東京のようにスマートな都市になろうとしているのだろうか。観光の魅力がなくなっちゃうような気がしないでもないが…。廣東道の大快活で定食「焼味雙拼晩餐」を食べる。36HKD(約540円)。

19時40分、旺角よりA21系統の空港バスに乗り赤鯔角機場(空港)に戻る。

23時55分、キャセイパシフィック航空 CX251便のロンドン行きに乗る。12時間のフライト。隣の席の台湾人の若い女性は器用な格好で寝ていたが、私は一向に寝付けなかった。

SEPTEMBER 23 (Friday)

London - ENGLAND (ロンドン、イギリス)

映画を2本くらい見て、寝たか寝ていないのか分からないうちに、いつの間にかヨーロッパ上空に差し掛かっていた。機内食の朝食(ホット・ミール)を食べたころにドーバー海峡を通過し、定刻どおり5時30分ヒースロー空港到着。ほぼ満員の機内から降りて、いつ来ても工事中だらけのターミナルビルを延々と歩いて入国審査へ。イギリス人と学生は別レーンで、その他の外国人は長蛇の列に並ぶことになる。早朝のため客が少ないので、10分ほど並んだら順番がやって来た。来年から(虹彩や指紋などの)バイオメトリクスのパスポートが導入されたら、審査は早くなるのだろうか…。 G8の先進国から来るような人間が、まさか不法就労すると疑っているのだろうか。

バゲージ・クレームで私のバックパックが出てきたのは、ほとんど最後のほうだった。香港で荷物をピックアップしなかったので、コンテナへの積み込みの順番がものすごく早かったので、出てくるのが遅いのだろうか。以前BBCの番組で、「ヒースロー → スキポール」 で荷物の出てくる順番を実験していた番組があったような気がする。

延々と地下道を歩いて地下鉄駅へ。オクスフォード・サーカスまでの切符(3.8GBP、約760円)を買い、プラットホームへ。ほとんど乗客の乗っていないピカデリー線の列車が停まっている。7時にヒースロー空港を出た地下鉄は、30分ほど郊外を走る。各停の地下鉄なのでやたら遅い。座席に投げ捨てられていた無料新聞 Metro の天気欄を見ると、今日の天気は晴れのち雨らしい。昇ったばかりの太陽の光が車内に差し込んでいるが、急速に天気が悪化すると新聞は言っている。グリーン・パーク駅で乗り換えて、7時50分オクスフォード・サーカス駅に到着。インターネットで予約しておいたユースホステルへ。エレベーターが故障しているので、階段で3階のレセプションまで登る。ここのエレベーターはムチャクチャ速度が遅いので、出来れば修理と同時にスピードアップとか出来ないんだろうか…。チェックインして部屋のカード・キーをもらう。割り当てられた30号室へ。私と入れ替わりにチェックアウトする人が部屋の中に居て、ロッカーで南京錠が掛けられるところは彼の使っていたところしかないらしい。
1泊22.6GBP(約4500円)も取ってるんだから、ロッカーくらい修理しろよ > ユースホステル

軽くシャワーを浴びて、天気が悪くならないうちに出かけることとする。地下鉄駅へ行き、グリニッジまでの往復券を買う。4.6GBP(約920円)。2区乗って460円かぁ〜。値段高いよね。セントラル線でバンク駅まで行き、DLR(ドックランド・ライト・レールウェイ)と呼ばれる小さめの地下鉄車両に乗り換える。お台場を走るゆりかもめや、パリの地下鉄14号線のように無人運転の列車は、いろいろな方向へ分岐する路線を走ってゆく。単純な往復運転なら衝突の危険性も少ないが、さまざまな方向からの列車が合流する路線で無人運転とは…。民営化されたロンドン交通会社のコスト削減もすごいところまで来ましたね。

Greenwich - ENGLAND (グリニッジ、イギリス)

カナリー・ワーフの新しく開発されたビル群の間を走りぬけ、テームズ川トンネルを抜けるとグリニッジに到着。駅の名前はカティ・サーク駅。出口に改札機が無い。車内検札が無ければキセル乗車し放題なのだが、残念ながら行き帰り共にしっかりと車掌が検札をしていた。

川沿いの空き地に展示されているカティ・サーク号(19世紀に建造された、貿易用の高速帆船)の横まで行き、日本から持ってきたGPS(Mio168)を起動する。前回日本で使ったときの座標から欧州の座標へ移動しているので、衛星の認識に10分ほど掛かる。

北緯51度29分00.426秒。西経0度0分36.228秒。 (カティ・サーク号の横)

Mio168を買ったときに付いていたSuperMapple(市販のソフト)はユーザによる地図の差し替えは出来ないのだが、この機種はWindows Mobile 2003なので、「そういう目的」のフリーソフトを入れてしまえば世界中で地図表示できてしまう。一般の日本人は「メーカーから押し付けられたものを、押し付けられた範囲内で」使う人が多いのかもしれないが、そんなことしていたらコスト掛かるもんね…。
Multimapというオンライン地図(http://www.multimap.com)の地図画像を、画像処理ソフトで結合してカシミール3D(http://www.kashmir3d.com/)に読み込み、座標設定してから(マップカッター・プラグインを利用して)ファイルに落とせば、GPSソフト(GarmapCE http://www.catnet.ne.jp/fukuda/garmap/garmap.html)の地図として使える。 ソフトハウスがこの方法を自動化すると著作権上問題が起こるはずなので、ユーザが自己責任で別々のソフトを組み合わせてやるというのは一般人ではムリなんでしょうか…

何はともあれ、現在位置が画面上に表示された。今日、グリニッジに来た理由はただ一つ。子午線がグリニッジ天文台の上を通っているかどうかを実体験する。 暇人といわれればそれまでですが…。

ウィリアム・ウォーク通り(William Walk)をまっすぐ進んでゆくと、グリニッジ公園の入り口に差し掛かる。GPSが指し示す天文台方向へ、芝生を横切ってまっすぐ歩いてゆく。

北緯51度28分45.91秒。西経0度0分20.33秒。 (公園の入り口)

経度が徐々にゼロに近づいてゆく。公園の中央付近に小さな丘があり、スロープを登ってゆくとグリニッジ天文台の前に出た。団体観光客が沢山来ている。チケット売り場らしきところに行ってみると、入場料は無料だと言われる。イギリスはあらゆる物価が高いにもかかわらず、博物館類は無料が多い。不思議な国だ。天文台の敷地の東側でも、いまだに西経0度0分3.98秒。子午線は、天文台のすぐ東側の広場に立っているウォルフ将軍像より、さらに60mほど東の公園の中にある。

天文台の子午儀のある建物の前に、「国際子午線(Prime Meridian Line)」の表示がある。GPSをその上に置いて測定する。

北緯51度28分40.230秒。西経0度0分5.514秒。 (天文台の国際子午線表示の前で)

グリニッジ天文台は、子午線の上にあるというのは真っ赤なウソであることが確認された。
今回の旅行の目的は達成したので、これで帰国… なわけが無い。

グリニッジ天文台は、以前の測地系では子午線上にあった。19世紀末の国際会議でグリニッジ天文台を「経度=ゼロ」と定義したわけだから、ここがゼロ度であったことは確かだ。20世紀の中ごろまでの軍事技術では、各国で発行されている地図が数百メートルずれていたとしても問題なかった。21世紀を目前として、人工衛星を用いた測量(米軍のNAVSTARを用いたGPSなど)や、電波天文学による宇宙の中での測量(VLBIなど)が現実的になった。ミサイルなどの兵器の精度が何百メートルから何センチメートルのオーダーへ向上したことを受けて、もっと正確な座標系を作る必要性が生じたのかどうかは知らないが、1980年に人工衛星を用いて測量した測地系 GRS80 が国際的に決められ、1984年にGPSの運用をにらんで WGS84 測地系が国際的に決められたそうだ。その結果、グリニッジ天文台というレガシーな建物は論理的な測地系のゼロ点とは関係の無い、単なる過去のモニュメントになってしまった。

WGS84測地系 → 北緯51度28分40.230秒。西経0度0分5.514秒。
GB1936測地系 → おおよそ北緯51度28分40秒。東経0度0分0秒。

こういう豆知識を仕入れるインターネットも、元はといえば米国の国防総省の研究機関(DARPA)が1990年代初めに作り始めたARPA ネットワークが基礎にあり、自動車などのGPSも米海軍のNAVSTAR計画が民間に開放されたものに他ならない。軍事技術向上の追求に国民的支持や認識が無い日本が、果たして21世紀にも技術立国が出来ているのか心もとないと感じる。

話を元に戻し、グリニッジ天文台内部を見学したところから旅日記を再開する。子午線の走っていた建物の内部には子午儀が鎮座している。昔はこういう望遠鏡で星や太陽を観察して基準時間を決めていたそうだ。曇りや雨の日が続くと、時間がだんだんずれていったりしたのだろうか…。 子午儀のある建物の隣には大きなドームがあり、中には巨大な屈折式望遠鏡(集光レンズの大きさは、28インチ=約80cm)が収められている。グリニッジ天文台の観測員も、毎日毎日太陽を見て正午の時間を出すだけでは「暇すぎて」、普通の星も見たいから天体望遠鏡も置いてみたというところだろうか…。

グリニッジ天文台を後にし、丘を下って海洋博物館へ。こちらも入場料無料。入り口に「傘ぽん」と「日本語で書かれた」傘にビニールを巻きつける機械が鎮座している。どこにも英語の説明が無い…。これを作ったメーカー、もっと考えろよ。普通のヨーロッパ人には、この最先端のテクノロジーが詰まった機械が何なのか分からんじゃないか。

で、この博物館の展示目的って何なのよ…。羅針盤やコンパスが並べられていると思ったら、おもむろに船の模型が置いてあったり、海の中の自然についての展示があったり。展示が多岐に渡りすぎて、正しい見学コースを示してもらわないと何を見ているのかさっぱり分からなくなってくる。

 

 

London - ENGLAND (ロンドン、イギリス)

グリニッジ大学を横切って、DLTの駅へ向かう。11時40分にカティ・サーク駅を出て、12時20分トッテナムコート・ロード駅に戻ってくる。ソーホー・スクエア近くのTESCO(スーパーマーケット)へ行き昼食・夕食・明朝の朝食の材料を買う。7.52GBP(約1500円)。たった3食分の「食材のみ」でも、物価の高いイギリスだけあって結構な値段だ。
ユースホステルに戻り、キッチンで昼食を作る。電子レンジが高出力(1900W)の新しい機種に変わっていて、昨年と同じような時間設定をしたら食材が温めを通り越して焦げそうになってしまった。何で普通の(安物の)電子レンジを入れてくれないんだろう…。

13時30分、地下鉄に乗りチャリング・クロス駅へ(運賃2GBP、約400円)。駅から地上へ出ると、外は土砂降りの雨に変わっていた。トラファルガー広場から、傘をさしていない観光客が地下鉄駅などの屋根のあるところに逃げ込んでくる。風もだいぶ出てきたようで、噴水の水が遠くまで吹き流されてくる。雨がやむまでの間、ナショナル・ギャラリーを見学する。ここも入場料無料だった。広い館内には、なぜかオランダの絵画が沢山飾られていた。

17時。のんびり歩いて、オクスフォード・サーカス近くのユースホステルに戻る。途中、ソーホーの中華スーパーでインスタント・ラーメンと緑茶のティーバックを買う。0.63GBP(約130円)。

SEPTEMBER 24 (Saturday)

London - ENGLAND (ロンドン、イギリス)

ユースのキッチンで、昨日TESCOで買った半調理のシチューを温め、焼き飯を作る。流し台の蛇口の上に ”Our water is .... perfectly safe to drink.” というシールが貼られている。イラストがMicrosoft Office アシスタンスの Genus (アインシュタインのパクリキャラ)なのが、ちょっと怪しい気もするが…。やはり水はポットで沸かしてから飲んだほうが安全だろう。空港へ向かう時間まで少し余裕があるので、近所を散歩する。週末の早朝でほとんど人影の無いソーホーを南へ、ピカデリー・サーカスのエロス像のところまで来る。像の下で野宿している人が居る。ブルーシートで簡易の建物を建てたり、ごみを集めまくったりして公共空間を不法占拠している日本の野宿者より遥かにマシだが、何の荷物も無く像の下に寝転んでいるのはあまりにも向こう見ずな雰囲気だ。

8時50分、ユースホステルをチェックアウト。オクスフォード・サーカス駅から地下鉄に乗り、リバプール・ストリート駅へ。直線距離で2km程度なのに運賃2GBP(約400円)。来年(2006年)からは3GBP(約600円)に値上げするという。(住民専用の)プリペイドICカードなら半額になるというのは、どうみても一見さんの観光客は来て欲しくないという意思表示なのだろうか。スタンステッド空港行きの列車も発着する長距離列車駅には、空港バスのバス停を案内する看板すら見かけない。列車が15GBP、空港バスが7GBPと値段の差が歴然としているので競争にならないからだろうか。
あらかじめインターネットで調べたバス停のある場所へ。

バス停にはバス会社(Terravision)の職員が立っていて、切符を売っている。ユーロでも料金を支払えるのは、バス会社がイタリアの会社だからだろうか。9時30分、リバプール・ストリートのバス停をたった5人の乗客を乗せて出発。値段半額なのに乗客が少ない…。宣伝不足なのか、駅に表示が無いからなのか。週末でガラガラの高速道路を快調に走り、10時20分スタンステッド空港着。

駐車場から鉄道駅のコンコースを通って、出発ターミナルへ。やたら大きなスーツケースを引きずった老人の団体が、エスカレーターの途中で雪崩を起こして糞詰まりになっている。人間とスーツケースがエスカレーターの隙間にぎっしりと詰まり、空港職員が引っ張り出すのに四苦八苦している横の階段を登る。老人って、どうして自分でハンドリングすら出来ないような荷物を持って旅行に行きたがるんだろうね…。金持ってるんだったら、手ぶらで行けよと思う。

easyjetのカウンターでチェックイン。座席指定は当然のごとく無く、搭乗券にはチェックイン順にA,B,Cの記号が振られている。この順番に搭乗するようだが、結局そんなことはお構い無しに乗客は機内に殺到していた。空港はどんどん拡張されているようで、タイヤで走る電車のようなものに乗って増設されたターミナルに向かった。

easyjet 3247 : London Stansted -> Ljubljana

12時過ぎ、A319-111へ搭乗が始まる。チェックイン時に決められたA,B,Cの順番は守られること無く、乗客が行列を作って飛行機のタラップに並ぶことになる。今年から開設されたリュブリャーナ線は満員の乗客を乗せて、12時30分スポットを離れる。まばらに雲が浮かんだ空を、南東へ。テームズ川の河口付近(Graysという街付近)を通り、ドーバー海峡を横切りフランス、ドイツ、オーストリア上空を通過する。機内で売りに来たサンドイッチは3GBP(約600円)、小型のミネラルウォーターは1GBP(約200円)。航空運賃(税金等全て込みで32.99GBP、約6590円)と比べると、食べ物の料金高すぎ… なんだけど。

アルプス山脈の東端のなだらかな山脈が見えて、飛行機が高度を下げだすとブレッド湖がはっきりと見えてくる。10年近く前に始めてブレッド湖に行った時は雨がちだったが、今日は気持ちのいいくらいの快晴。15時35分、リュブリャーナ空港着。

Ljubljana - SLOVENIA (リュブリャーナ、スロベニア)

ほとんど飛行機の駐機していないエプロンに降り立つ。飛行機からターミナルビルまで歩いて行くという、なんとものどかな空港だ。荷物をピックアップして、到着ロビーへ。やけに小さく小ぢんまりした到着ロビーの案内所で、ATMの場所を聞く。10000SIT(約5700円)を出金。以前から持っていた小銭の1710SITとあわせて、手持ち資金は約6600円ほど。2泊したらクロアチアに移動するから、この金額の中で行動する必要性がある。

ターミナルビルを出ると、いきなり駐車場。バスが1台停まっていて、「easyjet」と書かれた札がフロントガラスの内側に置かれている。リュブリャーナ駅まで1000SIT(約570円)。定員120人ほどの飛行機だったから、半分程度の60人が乗れるバス1台で十分間に合うということなのだろうか。16時、空港バス停を出発。空港から市街地へは高速道路とか幹線道路とか言うのがある雰囲気でもなく、農場地帯の間を曲がりくねって走る普通の道をのんびりと走ってゆく。15分ほどでリュブリャーナの郊外へ達し、市バスなどと併走。16時30分、リュブリャーナ駅前の長距離バスターミナル横に到着。

インターネットで予約したユースホステルへ行くためのバスを探さなくてはいけない。予約時に印刷したユースホステルのホームページでは、5 or 9 or 13 系統バスに乗り Emona で降りたらよいと書いてある。駅前には5,9系統が東西両向きに走っているため、どちら向きのバスに乗るか路線図でも見て考えたいところだ。長距離バスターミナルには市内バスの路線図は貼りだされていない。旧社会主義国なので、乗車前に切符かジェトンを買っておく必要性がありそうだが、それらしき売店すらない。鉄道駅から道路を挟んだ向こう側にあるバス停で待つ。何台かのバスを見送ると、No.9系統のバスがやって来た。Emonaへ行くことを確認して乗車。現金でも運賃を支払えるようだが、あいにく小銭を持ってない。持ち合わせていた小額の札200SITほどを運賃箱にねじ込む。投入口の下に受け皿があり、運転手が手動で反転させてジェトンなどを収納箱に落とす仕組みになっている。お札を詰め込んだものだから、受け皿を回してもお札が引っかかってしまい落ちない。運転手、だいぶあせって受け皿を回転させるノブを右に回したり左に回したりしていた…

結構満員だったバスも一人ふたりと乗客が降りて行き、どうみてもリュブリャーナ市街地から脱出して郊外を走り出す。駅前のバス停から20分程度でEmonaバス停に到着。巨大なアパートが立ち並んでいる、ニュータウンといった感じの所だ。土曜日だからか、バス停の前にあるスーパーマーケットなどは閉店している。運転手は BIT Center Hotel はさらにバスの進行方向へ歩いていったほうにあると言っていた。ユースホステルは有名で無いらしく、同じ住所にあると思われるホテルの名前なら知っているようだ。信号がある。先ほどのバスはこの信号を左折していた。向こうから人が来たので聞いてみると、BIT Center Hotelはバスが走っていった方向にあるようだ。左折してすぐ右手に、市営のスポーツセンターのような建物がある。付近にはだだっ広い草原が広がっているだけで、これ以外にユースホステルが入っていそうな建物は無い。スポーツセンターの入り口にユースホステルのマークがついている。BIT Center Hotel という大きな看板も掛かっている。市営のスポーツセンターに併設された宿泊施設・ユースホステルって感じのところなんでしょうか。インターネット予約の紙を見せてチェックイン。ユースホステルというものがあるというわけでなく、ホテルのドミトリーをあてがわれた。半地下のドミトリーの部屋へ。私があてがわれたCARPENTERという名前がついた部屋には10台くらいのベッドがあるが、住人が居る(荷物が置いてある)ベッドは1つだけ。観光の季節じゃないのか、街から遠すぎるのか、すいてるねぇ〜。

荷物を置いて外へ。バス停の傍らにある売店は休み。ジェトンを買おうにも、やっていなければ意味が無い。街まで歩いて行くこととする。ユースホステルのホームページでは街の中心まで2.5kmと書かれている(あとでGoogle Earthで距離を測ってみたら、旧市街中心のプレシェーレン広場まで3.5km、さらに中央駅まで行くと4.3kmある)。30分ちょっと歩いて、旧市街中心付近のヴォードニク広場に着く。ツーリスト・インフォメーションがあるので入ってみる。オフ・シーズンで観光客がほとんど来ないのか、案内所の中は照明もほとんど消灯されてひっそりとしている。街の地図をもらい、バス用のジェトン4枚(1枚190SIT、約110円)を買う。

18時、西の空が夕焼けに染まっている。リュブリャニツァ川に架かる竜の橋を渡って、向こう岸へ。観光客どころか、地元の人すらほとんど歩いていない閑散とした街。川沿いの道にネットカフェがあったので入ってみる。

 

 

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