2012年 スコットランド、イングランド、トルコ旅行記 :
        ロンドン、ホーリー、イズミル、ベルガマ

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September 28, 2012 (Friday)

Leeds - England, UK (リーズ - イングランド)

7時、朝食を買いに駅前付近の道路で店を捜すが、どこもまだ開いていない。中央駅の構内にあるコンビニWH Smithが開いていたので、そこでツナ&キュウリのサンドイッチを購入(2.8ポンド,352円)。

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高速列車intercity 125の車内
East Coast intercity 125 class 43 train cabin

7時40分、リーズ始発のロンドン行き列車に乗車。プラットホームの端に"HSTはここに停車"の標識があり、最高速度200km/h(125miles/h)のInterCity 125はぎりぎり高速列車の範疇に入るのだろう。

小雨のリーズを出発した列車は、南に下っていくとともに天気のよい地域を走るようになる。車内は座席の半分程度が埋まっている程度で、最高速度200km/hに達することは殆ど無く、のんびりとした速度で走っている。途中の複々線区間では、同一会社(EAST COAST)のエディンバラ発の列車にぶっちぎりで追い抜かれていた...。

Train
Leeds(7:40発)→ London, Kings Cross(10:07着)
EAST COAST, 2等車運賃 21.45 GBP(2702円)インターネット購入料金

London - England, UK (ロンドン - イングランド)

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キングス・クロス駅に到着した列車
arrive at King's Cross railway station

定刻より5分ほど遅れてロンドン キングス・クロス駅に到着。小説『ハリー・ポッター シリーズ』ではホグワーツ・エクスプレスはこの駅の9と3/4番線に発着する設定だが、今回乗ったリーズからの列車が到着したのは6番線だった。隣接した地下鉄駅に行き、1日乗車券を購入(7.0ポンド,880円)。1区の切符が確か4ポンド(504円)なので、2回乗れば元が取れるレベル。しかし交通ICカードを持たない場合、切符の価格高すぎる...。

Metro
King's Cross St.Pancras(10:24発)→ Victoria(10:33着)
London Underground, Victoria line, オフピーク1日乗車券 7.0 GBP(880円)

ヴィクトリア駅に行き荷物を預け(8.5ポンド,1070円)、身軽になったところで、17年前に訪れて以来久しぶりのバッキンガム宮殿に歩いて向かう。500mほど歩くと宮殿の端に到達し、閉鎖されている門の中に居る警官に入場券売り場を聞き、そちらの方向へ。VISITOR ENTRANCE/TICKETと書かれた所で入場券を買う。15.75ポンド(1980円)と高い。しかし、ここで買ったのは宮殿本体の見学ではないチケットだったと後で気づくことになる。

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バッキンガム宮殿, 衛兵交代式
Guard Changing

チケットに記された入場時間まで暫く時間があるので、まず衛兵交代式を見に行く。これは公道で行われるので、もちろん無料。すでに歩道にはあふれんばかりの人が集まっている。いったい、いつから待っているのだろうか...。11時30分少し前、軍楽隊の演奏とともに衛兵がやってくる。衛兵といえば"赤い服に黒いとんがり帽子"のバッキンガム宮殿衛兵の制服が有名だが、他国では黒系統の制服の場合が多い。やはり、真似したと言われたくないのだろうね。宮殿フェンスの中で式典をやっているが、最前列に陣取らない限り中を伺うことは出来ないので、多くの観客にとっては公園から道路を通って出入りする兵士を眺めるのが精一杯だ。20年位前に来たときにはもっと人の数も少なく、好きな所から見物できたのだが、最近はどこも混雑が激しい。

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クイーンズ・ギャラリー
Queen's Gallery

衛兵交代式を見終わって、先ほど購入したチケットで宮殿へ向かう。1枚目のチケットはクイーンズ・ギャラリーの入場券だ。宮殿西端の小さな展示室でレオナルド・ダ・ヴィンチのデッサンを展示していた。これのどこが宮殿と関係あるのか......。まあ、めったに見れるものではないので、ダ・ヴィンチの人体解剖のデッサンをじっくり見て、次のチケットのロイヤル・ミューズの入り口へ。

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ロイヤル・ミューズ
Royal Mews, The Gold State Coach


ロイヤル・ミューズ
というのは、英国の伝統用語で"王室の厩舎"と言う意味だ。18世紀にチャリング・クロスから宮殿横のこの地に移ってきた王室厩舎には、パレードに使われる豪華な馬車や馬車を牽く馬が飼育されている。

で、宮殿本体の入場券を購入していないことに気づき、別の入場口のチケット売り場へ行くと、宮殿本体の入場券は売り切れてしまったそうだ。残念...。

Metro
Victoria(13:30頃発)→ Tottenham Court Road(13:40頃着)
London Underground, Victoria line + Central Line, オフピーク1日乗車券 7.0 GBP(880円)
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大英博物館, 古代ギリシャ 男の像
British Museumm, Greek, marble bust of man

ヴィクトリア駅に戻り、地下鉄に乗りトッテナム・コート・ロード駅へ。昔、この近くのユースホステルに泊まったことがあるから、かなり土地勘はある。駅を出たところのバーガーキングでハンバーガーを購入し、手早く昼食。その後、大英博物館へ行き、2時間ほど見学。

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大英博物館, リシアのネレイド神殿
British Museum, Nereid Monument

イギリスで入場した他の城や博物館類は、入場券がべらぼうに高いわりに見るべきものが少ないのだが、大英博物館は無料なのに見所が満載というのは、何たる皮肉。ここに来たのは3度目か4度目だが、見飽きることがない展示物の多さだ。明日から、トルコのエーゲ海沿岸のビザンティン時代の遺跡を見て歩くので、その予習も含めてギリシャ・ローマ時代の展示をじっくりと鑑賞してきた。

昨晩テレビで見たニュースによれば、ギリシャでは再びゼネスト&暴動が起こっているらしい。今回はトルコ側の遺跡見物で正解だったのだろう。

Metro
Tottenham Court Road(15:45頃発)→ Victoria(15:55頃着)
London Underground, Central Line + Victoria line, オフピーク1日乗車券 7.0 GBP(880円)

15時30分ごろ、博物館を出て小雨の中を地下鉄駅まで戻り、ヴィクトリア駅まで地下鉄に乗る。ガトウィック空港の一駅手前にあたるホーリー駅までの切符を購入(10.5ポンド, 1320円)。預けていた荷物をピックアップ。徴収された値段は8.5ポンド(1070円)。ボッタクリ価格がここまで徹底している国は、さすがだと思う。しかし、この国の人はかわいそうです。どこに行っても、何を見ても、何を食べてもボッタクリ価格ばかり。ヨーロッパ大陸側の国と個人年収はほとんど変わらないのに、物価が1.5倍くらいの感覚だ。

Train
London Victoria(16:02発)→ Horley(16:36着)
Southern, 運賃 10.5 GBP(1320円)

Horley - England, UK (ホーリー - イングランド)

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ホーリー駅、ヴィクトリア駅発ポーツマス行き列車
Horley station, train from Victoria to Portsmouth

ホーリー行きはガトウィック空港行き列車のプラットホームではなく、郊外列車が発着する14番線から出るようだ。プラットホームにたどり着くと、駅員が"目の前に居る列車にすぐ乗れ"と教えてくれる。発車ベルが鳴り止んだので、どこ行きか知らないが満員の列車に乗り込んで、空いている席に何とか座る。車内放送によれば列車はポーツマス行きで、4駅目にホーリーに停車するそうだ。ヴィクトリア駅を出発するとテムズ川の鉄橋を渡り、快速運転でほとんどの駅を通過して30分ほどでホーリー駅に停車。たくさんの人が下車する、郊外住宅の駅のようだ。駅の前には巨大なスーパーマーケットがあるが、すぐに住宅街が広がっている。小雨の中を500mくらい歩き、今日泊まるペンションにチェックイン。(空港を早朝に出発する旅行客専用のモーテルのようなところだ)

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ホーリーの中心街, ハイ・ストリート
Horley central, High St

ペンションの主であるインド系のオヤジに教えてもらった通り、夕食は町の中心の店が集まっている場所にある中華のテイクアウト屋で購入(5.8ポンド,730円)。明日は、4時30分のバスに乗り、空港に行かなければならない。辺りは静寂そのもので、空港に近いが飛行機の音すら聞こえない。明朝、果たして起きれるのか...。

Hotel
Gainsborough Lodge, 14A号室
30ポンド(3780円)/1泊

 

September 29, 2012 (Saturday)

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ガトウィック空港 北ターミナル バス停
Gatwick Airport, North Terminal Bus Station

雨は夜中のうちに上がったようで、暖房が効いた室内から最低気温6℃の屋外に出るとやはり寒い。4時25分、ペンションの玄関のデスクの上に鍵を置いてチェックアウト。すぐ目の前にあるバス停から、4時37分にやって来た始発のバスに乗ってガトウィック空港へ。たった2分の乗車で2ポンド(250円)だが、空港周辺の道路は歩行者では横切れないので仕方ないだろう。

Bus
Horley, Massetts Road(04:40発)→ Gatwick Airport, North Terminal(04:43着)
Metrobus, Route 100 運賃 2.0 GBP(250円)
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ガトウィック空港 北ターミナル 104搭乗口のeasyJet
Gatwick Airport, North Terminal, easyJet EZY8723

長い列ができているチェックインカウンターを横目に、インターネットチェックインした紙を持って直接搭乗口へ向かう。荷物検査を受けたが、出国審査は無し。入国時にしつこく滞在目的などを尋問しておきながら、いつ出国したのか確認してないのでは片手落ちのような気がする。

6時台は格安航空easyJetの便が大量に出発するようで、出発案内のTVはeasyJetのオレンジ色一色に染まっている(笑)。荷物検査から搭乗口までは案外遠く、30分前に空港に到着したのでは到底間に合いそうにない。1時間以上前に来てよかった。飛行機はほぼ満員の客を乗せて、6時10分出発。ヨーロッパ上空はずっと曇り空で、バルカン半島辺りから快晴の領域に。

Air
London Gatwick Airport(06:10発)→ Izmir Airport(11:40着)
easyJet EZY8723 運賃(諸税込) 104.94 GBP(13220円)

Izmir - Turkey (イズミル - トルコ)

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アドナン・メンデレス空港駅、近郊列車
İZBAN, Adnan Menderes Airport Station

ガトウィックを出てから3時間30分で、トルコのイズミル空港に到着。イスタンブールに次いでトルコ第二の都市で、エーゲ海に面した人口260万人の港湾都市。イギリスとは時差が2時間なので、現在時間は11時40分だ。乗客のほとんどはリゾート観光のイギリス人のお年寄りばかりなので、荷物受け取りのところで足止めを食っている。私を含めて、トルコ人と思われる何人かが荷物を預けていなかったらしく、そのまま入国。到着ホールはがらんとしていて、定期便がほとんどないのだろうか。ATMの数がやたら目立つ。クレジットカードで400リラ(17600円)を出金して、国鉄駅へ。空港のすぐ目の前に線路があるのに、駅が500mくらい離れたところに作ってあるのは不思議だ。空港をさらに拡張することを想定しているのだろうか...。多分無理だろうね。

空港に降り立った瞬間に、イギリスとの気温の差が体にこたえる。イギリスは最低気温が5℃以下、トルコは最高気温が30℃以上と、まるで真夏の冷蔵庫の中と外の差くらいある。乾燥しているので、汗がすぐ蒸発して、日本の真夏のように不快感はないのだが...。

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ハルカプナル駅、Menemen行き近郊列車
İZBAN, Halkapınar station

イズミル市内中心部のバスマーネ駅の切符を購入。駅員が売ってくれたのは3回分の回数券Kent Kartで、値段が6.5リラ(280円)。15分おきに列車がやってくるようなので、結構便利な空港だ。冷房の効いた列車に乗り、30分で乗換駅のハルカプナル駅で降りる。同じ地下鉄なのに、改札口を一旦出る必要があるので、ここで1回分の回数券を余分に使うことになる。30分の乗車と、3分の乗車が同じ料金とは...。

Train
Adnan Menderes Airport(12:16発)→ Halkapınar(12:44着)→ Basmane(12:51着)
İZBAN + Metro, 運賃 4.3 リラ(189円)
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バスマーネ駅西側のホテル街
west of Basmane station, 1369. Sk

バスマーネ駅で降りて、Booking.comで予約したホテルを目指して歩く。駅前には長距離バス会社の事務所が固まっている。あとで、イスタンブール行きのバスの予約に来よう...。食堂や携帯電話屋、その他工具店などが集まった地区の、駅から一番遠いところに予約したホテルがあった。1泊29ユーロだが、同じ通りにあるホテルの中では最も高級そうな外観だ。

部屋に荷物を置き、近くの食堂でチキン・ケバブとコーラで昼食(7リラ,308円)。道行く人を見ながら、道路の上に置かれたテーブルでのんびりと食べる。その後、近くの適当な携帯電話屋に入りインターネット接続のプリペイドSIMを購入。イギリスと違いパスポートの提示を求められ、開通手続きが必要なようだ。約30分で開通。私の持っている携帯では、うまくAPNデータを取り込めなかったようで、私が手動で無理やり設定して通信可能になる。

購入したのはTurkcellのMuhabbet Kartで、カード本体が35リラ、1ギガバイトの料金が20リラの合計55リラ(2420円)。4ギガバイトなら、30リラらしいが、そんなに使わない。

とりあえず観光へ。地球の歩き方では特に観光地は無いようなことが書かれているが、紀元前1000年から続く歴史的都市の遺構である古代アゴラを見ないと始まらないだろう。GoogleMapを見ながら、細い路地を通って古代アゴラ入口を目指してゆくと、雑然とした市街地のすぐ横に広大な遺跡が姿を現す。入場口は街から遠い反対側にあり、日陰がない灼熱の道をぐるっと迂回していく。

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イズミル アゴラ遺跡 西側列柱の地下構造
İzmir Agora, basement of west portico

管理事務所でチケットを購入。5リラ(220円)と、イギリスと比べるのは不適当かもしれないが、ものすごく安い。管理事務所のおばさんの机の上には子猫、アゴラの入り口の木陰のところにも何匹もの猫が居て、女の子が猫の相手をしている。イズミルがスミルナと呼ばれていたローマ帝国時代に造られた柱廊が半地下状態で見事に残っている。貯水槽跡やビザンティン時代の聖堂基礎があった地下部分にも入ることが出来るが、発掘された石像などは博物館に移動されているようだ。

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グランド・バザール
Kemeraltı (grand bazaar), Anafartalar Cd

アゴラを出て海岸の方を目指す。オスマン1世大通りを渡ると迷路のようなグランド・バザール(Kemeraltı)が広がっていて、沢山の買い物客で大混雑している。ここの路地にはテント屋根が架かっているので、強い日差しを避けられるて涼しくてよい。グランド・バザールを通り抜けて海岸沿いに出る。

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コナック広場
Konak Square (Konak Meydanı)

市庁舎に面したコナック広場には、小さいモスクと1901年に建てられたオスマン様式時計塔がある。最高気温33℃という暑い日に、沢山の人が散歩しているのには驚かされる。日本なら、こんな暑い日に公園を散歩する人はほとんど居ないだろう。

再びホテルの近くまで戻り、バスマーネ駅の近くのバス会社の事務所でイスタンブール行きの切符を購入。以前トルコを旅行したときに、メトロとウルソイが2大会社だと聞いていたので、メトロのオフィスで切符を購入。料金は50リラ(2200円)で、乗車時間は9時間だそうだ。

夕食は、食堂でイスケンデル・ケバブと飲むヨーグルト“アイラン”(6.0リラ, 264円)。トルコ人がこのセットで食べているのをまねしたのだが、イスケンデル・ケバブにも山盛りのヨーグルトが付いてくるので、ヨーグルトだらけだ…。

Hotel
Üstün Otel Çankaya, 103号室
63 リラ(2770円)/1泊

 

September 30, 2012 (Sunday)

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オスマン1世大通りのバス停
Bus No.163 at Mezarlık Başı Durağı

6時30分起床。7時、ホテルの2階(こちらでは1階か...)の食堂で朝食。他に宿泊している人が居ないのか、もっと遅くに食べに来るのかは知らないが、私以外に誰も居ない。今日はベルガマ遺跡へ行こうと思う。

7時45分、グランド・バザール横のバス停(Mezarlık Başı Durağı)から163系統のバスに乗り、バスターミナルに向かう。この街のバス停には系統番号も時刻表も貼り出されていないので、あらかじめインターネットでバスの時刻を調べておかないと、長時間待つことになるかもしれない。(ちなみに、163系統は30分に1本くらいの運転)

Bus
Izmir, Mezarlık Başı Durağı(07:45発)→ Izmir Otogar(08:05着)
ESHOT City Bus, line 163 運賃 2.2 リラ(95円)
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長距離バスターミナル、ベルガマ行きのバス
Otogar, minibus for Bergama

バスはイズミル市街地中心を避けるようなコースを辿って、約30分で市街地の7km東にあるバスターミナルに到着。10年前にカッパドキアから乗ったバスを乗り継いだときには、こんなに大きな場所ではなかったような気がする。前回の旅行で使った1999年版のLonely Planetとは全く違う場所なので、恐らく新築移転したのだろう。ベルガマ行きのバス会社の切符売り場を探すが、見つからない。適当にその辺りの売り場の人に尋ねると、近場へのミニバスは上の階から出るとのこと。2時間の乗車距離で近場のバスとは、さすが長距離バス路線網が発達したトルコならではだ。

Metro Bergamaという会社の切符を購入。10リラ(440円)。8時30分に乗客2名を載せて出発。イズミル郊外や途中の小さな町からどんどん客が乗り込んできて満員になる。

Bus
Izmir Otogar(08:30発)→ Bergama(10:25着)
Metro Bus, 運賃 10 リラ(440円)

Bergama - Turkey (ベルガマ - トルコ)

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町からアクロポリスを見上げる
Kınık Cd and Acropolis

雲ひとつない改正の青空の下、乾ききって潅木がまばらに生えた低い山々や、エーゲ海を見ながら約2時間でベルガマに到着。現在は10万人が住む街で、ヘレニズム時代にはペルガモンと呼ばれた古都だ。バスはガイドブックで書かれている郊外のバスターミナルではなく、ペルガモン遺跡(アクロポリスの丘)の麓にあるMetro社の事務所前が終点だ。バスを降りた所から見るアクロポリスは“山”と形容するのが相応しい高さで、アテネのアクロポリス程度なら登ろうかという期待は裏切られた。GoogleMapによれば、バス停のある位置から丘の頂上までは標高差250mとのこと。

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クズル・アウル
Red Basilica / Kızıl Avlu

バス停の横にはクズル・アウルと呼ばれる“エジプト神の神殿”遺跡がある。占領地の宗教を容認したローマ帝国らしい遺跡だ。バス停から1km程、坂道を登ったところにアクロポリス行きのゴンドラの駅がある。駅前には団体ツアー客のバスが大量に並んでいる。私のほかに、バス停から歩いて登って来る個人旅行客は全く見かけない。

バス停からは距離1.3kmで標高差は40m程度、5年前にギリシャのミケーネ遺跡に行ったときには、バス停から遺跡まで4kmで標高差100mだったのに比べたらたいしたことはない。

ゴンドラの料金は10リラ(440円)で、標高差200mを一気に登ってくれる。ゴンドラを降りると、目の前に土産物屋と入場券売り場。入場券は20リラ(880円)と、この国にしては高価だが、ヘレニズム時代からローマ帝国時代アシア属州の首都だった古代都市遺跡を見れるのだから、安いものだ。(ただし、主な出土品はベルリンのペルガモン博物館に略奪されてしまっている。数年前にベルリンの方は見たので、今回はこちらの方を…)

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アクロポリス遺跡, ギリシヤ劇場
Hellenistic Theater

アクロポリスの丘には潅木程度しか生えておらず、強い太陽光を遮るものは殆ど無い。その中を薄着で肌露出度の高い欧米の年寄り団体客が何組もうろついている(元気でよろしいね)。その他には記念写真ばかり撮影している10人程度の中国人団体と、長袖に帽子・手袋までした場違いの日本人団体の20人くらいが居るくらいだろうか。
エーゲ海沿いの古代遺跡リゾートで、何で冬のような格好してきてるんだ…日本人。

と、人間観察はこのくらいにしておいて、遺跡の観察を。

ものすごく急な斜面に無理やり造った感のある1万人収容のギリシャ劇場。現存する古代劇場の中では世界一急傾斜らしいが、一番後ろの席から舞台まで遠いこと…。柱の下の部分がまばらに残っているだけのアテナ神殿跡を通り過ぎて丘の頂上に登ると、かなり原形をとどめているトラヤヌス神殿がある。

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アクロポリス遺跡, トラヤヌス神殿
Temple of Traianus

柱が崩壊して、ペディメントが綺麗に地面に落下しても原形をとどめているのは、不思議な感じがする。組み立てなおしたんですかね…。例の日本人団体のガイドの説明が耳に入ってきたが、「当時は奴隷がたくさん居たので、これほど立派な神殿を建てられた」というような説明をしているが、その説明ならスカイツリーも奴隷が居なければ建てられなかった事になる。要は奴隷の有無ではなく、アシア属州の財政の豊かさと、神殿を建てる権利を行使できる独立性が(ローマ帝国内の)アシア属州に与えられていたということだと思う。Wikipediaを見ながら現地を見学した方が、よほどマシだと思いますよ>日本の団体さん。

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トルコ風ピザ
turkish pide

山頂を越えた裏側には、観光客は誰も入ってこないようだが、巨大な貯水槽跡が広がっている。遥か山の麓には、巨大なダム湖が見えている。古代の貯水池と現代の貯水池が一望のもとに眺められ、その対比が見事だ。

再びゴンドラに乗って遺跡を後にし、旧市街へ降りてゆく。バス停の近くの店でトルコ風ミート・ピザを食べる(6リラ,270円)。こちらではミンチ肉をレアの状態で出すのが普通のようで、スパイスが効いた肉がおいしい。(レアのミンチ肉は食中毒の原因になり得るので、禁止されている国が多い)

Taxi
Town Centre, Mermer Direkler Cd(12:40頃発)→ Sanctuary of Asclepius(12:50着)
TAXI, 運賃 10 リラ(440円)
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聖なる道とアクロポリスの丘
Via Tecta and overlooking of Acropolis

ちょうど走ってきたタクシーを捕まえて、町を挟んで反対側の丘の中腹にあるアスクレピオスの聖域へ向かう。町の中心から1.5km程の所にあるので歩いて来れないことも無いだろうが、坂道を登るのが結構しんどそうだ。タクシー料金は10リラ(440円)。遺跡の入場券売り場は数人しか並んでいなかったが、学生証のよう身分証を出して券を購入する団体客が並んでいる。その1人ずつのデータをなにやら入力しているので、10人ほどの列なのに30分くらい掛かる。もう、この非効率さはアホなのかと…。たかが15リラ(660円)の入場料ケチるようなシステムやめろよと思う。

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アスクレピオスの聖域, 円形施術施設
Circular treatment center

こちらも団体観光客だらけ。アスクレピオスはギリシア神話の医術の神で、欧米の医療機関や救急車に描かれている杖に巻き付いた蛇のシンボルで有名だ。現在では150mほどしか残っていないが、建設当時は800mほどあったと言われる聖なる道を歩いて行ったところにある半地下式の円形施術施設跡では、妙な古代楽器風のものを観光ガイドが弾いている。欧米系の年寄り団体客を引き連れた旅行会社は、他の旅行客が居ることも、宗教観や歴史観が違う人が居ることも無視して自分たちの価値観の音楽を垂れ流してほしくない…。

いわゆる“アスクレピオスの聖域”はこの場所以外ではギリシャ本土のエピダウロスにもっと巨大なものがあり、ヒポクラテスの誓いで有名なコス島にもあるらしい。

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アスクレピオスの聖域, 劇場
Theater

3000人収容といわれるギリシャ劇場は、アクロポリスのものよりかなり小ぢんまりしている。演劇祭か何かを催す場所で使われるのか、座席はコンクリートで補修しまくっているので、原形をあまりとどめていない感じだ。

遺跡を後にし町へ戻る。聖なる道の遥か向こうにはアクロポリスの丘が見える。アクロポリスとアスクレピオスの聖域の施設が一直線上に並ぶように計画したのだろうか…。聖なる道は入場口あたりで破壊されて途切れていて、そこから現代の舗装道路がぐねぐねと曲がって市街地の方へ向かって続いている。ひたすら坂道を降りてバス停へ。14時20分発のバスに乗ってイズミルに向かう。

Bus
Bergama(14:20発)→ Izmir, Metro Bölge station(16:05着)
Metro Bus, 運賃 10 リラ(440円)
Metro
Bölge(16:14発)→ Konak(16:25着)
Metro, 運賃 2.2 リラ(95円)

Izmir - Turkey (イズミル - トルコ)

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コナック広場の共和国大通り
Cumhuriyet Blv

イズミルに近づくと、車掌が乗客一人ひとりにどこで降りるか聞きに来る。私は、バスターミナルではなくどこでもよいから地下鉄の駅で降ろしてくれと頼んだ。バスはイズミル市街地に入ってすぐの高速道路のようなところで停車し、私ともう一人の乗客が下車。すぐ近くのメトロのボルゲ駅から地下鉄に乗り、コナック広場まで行き下車。

17時に閉館する考古学博物館に20分前に滑り込む。バスターミナルまでバスに乗り続けていたら、17時にやっとバスターミナルに到着したくらいだろう。途中で降ろしてもらってよかった。

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考古学博物館、走る人の像
Archeology Museum, running athlete

考古学博物館には、昨日訪れた古代都市スミルナのアゴラ跡で出土した石像も展示してある。ガイドブックにも掲載されている紀元前50年頃の“走る人のブロンズ像”が一番奥の目立つ所に置かれている。それほど展示物は多くないので、20分あれば駆け足で全部見ることが出来る。

夕食はコナック広場に面したショッピングセンターのバーガーキングで。若い人がたくさん入っているが、街の中のレストランより価格設定は高めだ。ワッパーのセットメニューで10.25リラ(460円)と、日本よりは少しだけ安い。グランド・バザールを通り抜け、国鉄バスマーネ駅に向かう途中の旧市街でケバブを2リラで買い食いしながら歩き、駅で明日のセルチュク行き切符を購入。

Metro
Basmane(18:45発)→ Konak(18:50着)
Metro, 運賃 2.2 リラ(95円)
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時計塔
Clock Tower (Saat Kulesi)

夕刻、夜景を撮影するためコナック広場へ向かう。広場中央にある灯台や小さなモスクはライトアップされるはずだと、勝手に推測してひたすら日没を待つ。日が沈むと、昼間にも増して沢山の人が広場やその周辺に繰り出してきて散歩したり屋台のジャンクフードを買って食べていたりする。19時、予想通り灯台がライトアップされ、15分ほど遅れて小さなモスクもライトアップが始まる。雲ひとつ無い夕焼けの西の空と、ライトアップされた灯台やモスクがとても綺麗だ。広場に面したアパートの住人は、毎日この景色を堪能しているのだろう。

Hotel
Üstün Otel Çankaya, 103号室
63 リラ(2770円)/1泊