アメリカ古今首都旅日記 : 写真集3

Washington DC

スミソニアン 航空宇宙博物館 National Air and Space Museum

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スミソニアン 航空宇宙博物館

ナショナル・モールで最も人気の高い航空宇宙博物館(National Air and Space Museum)。遠足の学生団体で、かなり混雑していました。

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アポロ・ソユーズテスト計画の実物大展示

1975年に行われた、アメリカのアポロ宇宙船18号と、ソビエト連邦のソユーズ宇宙船19号が共同飛行(アポロ・ソユーズテスト計画)した時を再現した展示。

全長11.03m・直径3.9mのアポロ司令・機械船は騒音・振動検査で使われた実物大模型(CSM105 : Block II Apollo Command and Service Module)、ドッキングモジュールは実際の実際の予備機(本物)、全長7.48m・直径2.72mのソユーズ7K-TM宇宙船は実物大モックアップだ。

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火星探査機ローバー キュリオシティ

2012年に火星に着陸し、2017年6月も現役で火星表面を探査中の火星探査機ローバー キュリオシティ(Mars rover Curiosity)。長さ2.9m・幅2.7m・高さ2.2m・各タイヤの直径は50cm・質量899kgと、軽自動車より大きく重い。燃料は原子力電池。これを火星に着陸させるアメリカの技術力はすごい。ちなみに、AIによる自動運転のローバーの移動速度は遅く、最高速度は1日に200m、5年に及ぶ探査で走破した距離はたったの16.5kmほどだ。SF映画のように、砂煙を上げて爆走することは無さそうだ。

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アポロ計画の月面車(LRV)

アポロ15号・16号・17号で使われた月探査車 LRV(Lunar Roving Vehicle)の地上試験用にボーイング社が製造した8台の試験車両のうちの1台。

全長3.1m・全幅2.3m・車高1.14m・質量210kgでの2人乗り車両で、バッテリー駆動で設計最高速度13km/hの車両。

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零式艦上戦闘機五二型 A6M5

1944年にサイパン島で米軍に鹵獲されたとされる零式艦上戦闘機五二型 A6M5(通称 ゼロ戦) 61-131。

Wikipediaによれば『日中戦争から太平洋戦争初期にかけて、2,200kmに達する長大な航続距離・20mm機関砲2門の重武装・優れた格闘性能を生かし、米英の戦闘機に対し優勢に戦った。太平洋戦争中期以降には、アメリカ陸海軍の対零戦戦法の確立やF4UコルセアやF6Fヘルキャットなど新鋭戦闘機の大量投入で劣勢となった』という。

ワシントン海軍工廠 海軍博物館 Washington Navy Yard, National Museum of the United States Navy

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ワシントン海軍工廠 9th Street 門

ワシントン郊外のアナコスティア川沿いにある、ワシントン海軍工廠(Washington Navy Yard)。1799年に開設され、米英戦争から第二次大戦までの全ての戦争において米海軍の技術開発と軍需工場として使われてきた基地。第二次大戦時は世界最大の軍需工場だったとされる。現在は軍需工場ではなく、研究開発と海軍各部門の事務所などがあるとされる。

一般人は入場できない軍事基地だが、許可を得れば敷地内に入り海軍の歴史を展示した施設を見学することも可能。

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艦上戦闘爆撃機 F4Uコルセア

1938年の開発当時、2000馬力のエンジンを搭載したF4U試作機は『海軍で一番大きなプロペラをつけた、海軍一重たい艦上戦闘機』だったそうだ。太平洋戦争でF4Uは64,051回出撃して、2,140機の日本軍機を撃墜しながら、F4U自体は189機を失ったのみであり、キルレシオは1:11.3とされる。

海軍博物館に展示されている機体はF4Uコルセア F4U-1D #92013 。

この写真の背後には日本軍の航空特攻兵器 桜花11型を復元したK-1型が天井から吊り下げられている。

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四連装型40mm対空機関砲

従来用いられていた12.7mmや28mmの対空機関砲では、航空攻撃に対抗できないと考えられたため、1939年にボフォース社の40mm機関砲のライセンスを得て、水上艦艇用に量産できる形にしたもの。1941年からサウスダコタ級戦艦に搭載されたのを皮切りに、1944年には全ての艦級の水上艦に搭載されたとされる。

1945年2月には、攻撃をかけてきた日本軍機の2分の1がこのタイプの対空機関砲で撃墜できたと、機関法の裏に貼り付けられた解説文で説明されている。

写真では、機関砲の上にジェットエンジンを積んだ特攻機桜花が写っているが、日本軍が高性能な対空機銃に対抗するために考えだしたのがジェットエンジン方式の特攻機というわけだ。

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太平洋戦争解説展示

日本国内では、これほどまとまった形で太平洋戦争の全容を解説する博物館は無い。日本国内で太平洋戦争を扱う博物館は、どれも「空襲を受けた被害者」という一面しか扱わないところばかりだと思う。

大臣が『観光マインドがない学芸員は全部首にしろ』と発言し、博物館を観光で金儲けする場所程度にしか見てない国と、過去の経験を学び未来につなげるため詳細な資料収集と展示のアップデートを繰り返すアメリカのような国、仮に次に戦争で激突したとしても結果は見えてるような気がする。

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原子力潜水艦SSN-674の潜望鏡とSSN-683の操舵室

1970年就役、2004年退役の原子力潜水艦SSN-683パーチーの潜望鏡と、1970年就役、1999年退役の原子力潜水艦SSN-674トレパンの操舵室。海軍博物館の分館、冷戦ギャラリー(Cold War Gallery)に展示されているもの。

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原子力潜水艦SSN-674のソナー制御盤

1970年就役、1999年退役の原子力潜水艦SSN-674トレパンのソナー制御盤。

スミソニアン 自然史博物館 National Museum of Natural History

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スミソニアン 自然史博物館

子供を連れた親子の客が、開館前から行列をしていました。自然史博物館(National Museum of Natural History)という命名の通り、植物や動物の化石がたくさん展示されているのですが、現代の自然界での食物連鎖を示すサファリパークのような場所を見立てて動物の剥製も展示されてたりします。

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建物中央のロトンダとアフリカ象

自然史博物館の入口、ロトンダに体重12ton・肩高4.2mのアフリカ象の模型が鎮座している。

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トリケラトプスの復元骨格

6600〜6800万年前に生息したとされる恐竜トリケラトプスの復元骨格。この標本には“Hatcher”というニックネームが付いているらしい。

スミソニアン アメリカ歴史博物館 National Museum of American History

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1898年に作られたワシントンの市電車両

20世紀初頭にワシントン市内を走っていた市電。市内中心部では架線ではなく暗渠集電式(underground electric power conduit)となっていたそうだ。軌道の下に小さな暗渠を造り、そこに第三軌条の電力レールを敷いて居るような方式(?)だそうで、今まで現物を見たこともないので想像すらつかない。

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フォード・モデルT

1908年から1927年まで製造されたフォード・モデルT(Ford Model T)。ニューヨーク ブルックリンの自動車修理工場で実際使われていたTurn-Auto点検台に載せられた形で展示されている。

史上初の大量生産方式を確立した自動車で、累計1500万台出荷されたそうだ。

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Skinner社のユニフロー蒸気エンジン

1926年に製造されたスキナー社のユニフロー蒸気エンジン“Universal Unaflow”。解説板では、製材所などで利用された蒸気エンジンで、展示されているものはイェール大学で実験用に1960年まで用いられていたものとのこと。

この写真にも父親が子供にエンジンの仕組みを解説している姿が写っているが、歴史遺産の機械の前で、こどもに専門的知識を開陳している親が多かった。こういう古い機械を見て解説できるほど知識があるアメリカ人、すごいなと感じた。

スミソニアン ナショナル・ギャラリー・オブ・アート National Gallery of Art

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ナショナル・ギャラリー・オブ・アート

すぐ横で、Pride Paradeやデモ行進が行われて交通規制が掛けられているからか、お客さんがほとんど来て無くて空いていた。

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西館のロトンダ

ロトンダ(Rotunda)は、ローマのパンテオンをモデルとした空間だそうだ。中央にはジャンボローニャ作のメルクリウス像。

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西館 Gallery 55 ロココ美術

18世期ロココ期の絵画が展示されている部屋Gallery 55。右側の大きな絵はFrançois-Hubert Drouais作“Family Portrait”。

キャピタル・プライド Capital Pride

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キャピタル・プライドのストリート・フェスティバル

6月11日は、ペンシルベニア・アベニューとナショナル・ギャラリー・オブ・アート付近のBストリートで、キャピタル・プライドの一環のストリート・フェスティバルが開かれていた。朝10時過ぎから、LGBTの人たちがパレードと呼ばれるものを行い、そのあと通りは協賛企業や各種LGBTサポート団体の露天が開くストリート・フェスティバルとなっていた。

このイベントが開かれるので、ワシントン中心部は早朝から交通規制が掛かり、車が全く走らない気持ちの良い日になっていた。

アメリカ・インディアン博物館 National Museum of the American Indian

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Allies in War, Partners in Peace

アメリカ独立戦争時のオナイダ族と13植民地の友好同盟を表す像。左後ろの人物が13植民地を代表するジョージ・ワシントン、右後ろの人物がオナイダ族の代表スケナンドア、手前の女性がオナイダ族の女性Polly Cooper。Polly Cooperは13植民地軍に食料補給したということらしいが、アメリカ人にとっては誰でも知っている歴史でも、外国人の私には全く初めて聞く話なので詳しくはわからない…。

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合衆国とインディアン各部族との条約の解説展示

合衆国の立場、インディアンの立場からの解説を並べて展示して、見る立場によりどう違うのか感じ取れるようになっている。

条約や契約など、法律で縛った約束を細かく積み上げていくことで、東海岸の利便性の高い場所に棲んでいたインディアンを、どんどん西部の不毛の地に追い出して絶滅させていく「インディアン除去(Indian removal)」が行われていったことが理解できた。

西部劇の影響か、インディアンって西部の砂漠や山岳地の人だと思っていた…。

Fairfax, Virginia

スミソニアン 航空宇宙博物館ウドヴァーヘイジー・センター National Air and Space Museum, Steven F. Udvar-Hazy Center

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ウドヴァーヘイジー・センター

ワシントン・ダレス国際空港(IAD)に隣接した場所にある、航空宇宙博物館 ウドヴァーヘイジー・センター(Steven F. Udvar-Hazy Center)。ワシントンの本館に収納しきれない宇宙船や航空機を展示している。

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スペースシャトル ディスカバリー OV-103

2011年に退役後、それまで展示されていたスペースシャトル エンタープライズ OV-101と交代し展示されることとなった。ディスカバリー OV-103は1984年に就役した3隻目のオービターで、スペースシャトル オービター5機の中で最も多くの回数飛行した機体だ。

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高高度偵察機 SR-71 ブラックバード

高高度偵察機 SR-71 ブラックバードは、高度25,000m以上の成層圏をマッハ3.2以上で飛行できると言われる偵察機。1966年から1999年まで使われた。