DECEMBER 21 | AMSTERDAM-NETHERLAND |
AMSTERDAM - NETHERLAND (アムステルダム、オランダ) |
スキポール空港を 19時45分
に定刻どおり出発しようとした KL553
に出だしからアクシデント。
牽引車(飛行機を後ろ向きに引っ張る、あの背の低い自動車)が故障して、飛行機から分離できなくなったようだ。 |
DECEMBER 22 | CAIRO-EGYPT ABU SIMBEL-EGYPT |
CAIRO - EGYPT (カイロ、エジプト) |
2時30分 カイロ空港(Terminal-2)に到着。滑走路に着陸した時、機内では大きな拍手が…。やはり、テロの影響は大きいようだ。それとも機体がB767(テロリストが操縦訓練していたのと同一機種)だったからか?
同じ日の夜に、パリからマイアミ行きのユナイテッド航空に、靴爆弾の男が乗っていたからか? もう2日もまともに寝ていないのと、欧州のバカンス地という先入観から、あっさりとだまされてしまった。
日本出発直前に買った、「歩き方」を少しは読んでおけば、こういう事は防げたのだと思うが、「歩き方」をはじめて読んだのが、Terminal-1の中なので、「後悔先に立たず」である。 で、この詐欺師から Terminal-1へのタクシーが来たので乗れという。バスはどうしたのだと聞いたら、この時間(午前3時)にバスは無いという。料金 5EGP という。(近いはずなのにそんなにするのか?)タクシーでなく、普通のワゴン車は猛スピードで立体交差の道路を通って、料金所を一箇所通って、10分弱で Terminal-1のHall-3に着く。ここで、10EGPと言ってくる。料金所が5EGPだと。何で空港内に料金所があるんだ? 運転手は一歩も譲らない。 X線検査を受けてターミナル内へ入る。うらびれた場末のターミナルといった感じだ。売店すら無く、チェックインカウンターらしきものはあるが、ひとつも開いていない。ちょこっとだけあるベンチには、ジュースがこぼれていたりするし…。ましそうなベンチに座って、「歩き方」を読んでみる。(「歩き方」を買ったのは、「Lonely
Planet」の新版が2002/01発行のため、買ってしまったのである。後悔してはいるが) Terminal-1の前にいる警官にTerminal-2はどっちの方向にあるのか聞く。すると、遠いのでTAXIでしか行けないと言ってくる。ガイドブックには2km程度と書いてあるといっても聞く耳を持たない。タクシーを呼び止めて私を乗せる。「幾らなんだ?」「10EGP」「高いので結構!」 タクシーを降りて再び警官にどっちの方向だと聞く。警官もあきらめたようで、方向を教えてくれる。 暗い道を(街灯も少ない)歩き出して、1kmほど言ったところに、検問。Terminal-2の位置を教えてもらう。(ガイドブックの方向とは90度方向が違うような気がするが…) しばらく行くと、料金所。係員が、エジプト航空の便ならTerminal-1へ行けと言ってくる。「理由」を説明して、通してほしいというと、5EGP払えといってくる。先ほどTerminal-2 -> Terminal-1へ行くときにすでに払っていると(KLMの搭乗券も見せて)納得させ、戻りも無料にすることを確約の上通過。 しばらく行くと再び検問。 歩いて30分〜40分はかかっただろうか。Terminal-2に到着。先ほどの場所に行くが、例の詐欺師は居ない。回りの人間に聞くと、Terminal-1に行っているという。さては雲隠れだな。やつの名前を教えろと迫ると、紙切れにアラビア語でなにやら書いている(警官に聞くとTerminal-1と書いてあるだけとの事)。仕方ない。Terminal-1に戻る。
で、7時までTerminal-1の中で時間をつぶして、やっとチェックインが始まる。 8時20分(出発10分前)、キャンセル待ち客(エジプト人ばかり)がカウンターに詰め寄る。当然私も加勢する。はじかれたチケットがカウンターに投げ返される。私のチケットも投げ返される。チケットをつかみあげ、横のカウンターの係員に何とかしろと詰め寄る。
「交渉とは如何に厚かましいか」である。何とか、搭乗券を手に入れる。が、Cairo
-> Abu Simbel だけ。Return
はどうなるのか問い詰めると、Abu Simbel
でキャンセル待ちに並べとの事。観光どころではないし、チケットが無かったらどうするんだ!
係員「確率は、Fifty - Fifty
だろう?」とあたりまえの確率論を言ってくる。経験則を元にした確率を聞いてるのであって、「ある-なし」の2者択一の単純確率をを聞いているんじゃないぞ。 そのバスがテロの影響で「外国人乗車禁止」になってるんじゃないか! まあ、「なんとかなる」かもしれないので、行ってみる事にする。 |
ABU SIMBEL - EGYPT (アブ・シンベル、エジプト) |
MS247は定刻より5分遅れ(私のせいです!)の8時50分に出発。おんぼろのA320-200はまるで軍用機の離陸シーケンスのように、誘導路からメインエンジンをパワーアップして、滑走路に出たと同時にフルパワーで離陸。 空港ターミナルに入り、オフィスへ。帰りのAbu
Simbel -> Aswan
のキャンセル待ちはどうなっているのか聞いてみる。と、係員「Abu
Simbel -> Cairo
の予約が入っているぞ。それに、今日リコンファームしたとなっているぞ!」とこれまたすごいことを言ってくる。何でチケットより先までの予約が入っているんだ? |
エジプト航空の無料シャトルバス(バスは3台あったが、どれも満車)に乗る。11時45分、アブ・シンベル神殿
(Abu Simbel Temple)の入り口に到着。 |
外に出て、ナセル湖(アスワン・ハイ・ダムによって作られたダム湖)を眺める。兵士が暇そうにぶらぶらとしている。このあたりの沖合は、スーダンの領域のはずである。(スーダンと言えば、アメリカが巡航ミサイルを打ち込むほどの「テロ支援国家」としても有名である。) |
13時になってもバスは来ない。神殿に入っていった観光客も出てこない。ツアーでない個人客(ドイツ人夫婦2人、中国人家族4人と私)だけが交差点のところでバスを待つ。13時20分、バスがやっと到着する。ツアー客もぱらぱらと戻ってき始める。折り返しの飛行機の出発時刻は 13時30分のはずである。このバスが空港に戻るまでは出発しないので大丈夫だろうが、団体客の時間のルーズさにはあきれる。13時30分すぎ、バスはやっと出発し、13時50分空港到着。 空港のオフィスに行く。係員が、「OKだ、搭乗券を渡す」と。空港の建物のすぐ前に停まっている飛行機まで、形式的にバスに乗って行き、飛行機に乗り込む。(だだっ広い砂漠のような中に1機しか停まっていないのだから、歩いたほうがいいに決まっている。)
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ASWAN - EGYPT (アスワン、エジプト) |
小ぢんまりした空港の建物を出る。タクシーの客引きがまとわりついてくる。乗合マイクロバスもあるようだが、途中アスワン・ハイ・ダムも見てみたいので、(ぼったくりを覚悟で)タクシーを選択する。アスワンまで直行で31EGP。ダムによると41EGPらしい。中途半端なので40EGPにさせる。(地元住民なら10EGP以下が相場らしい) タクシーはほとんど車の走っていない道を北上する。しかしながらきれいに舗装された広い道だと思う。 ダムを出てさらに北上。10分ほどでアスワン・ダムの堤防の上を通過する。警官が等間隔に立ち並び、停車禁止のようだ。こちらのダムはイギリスの援助で作られた模様。左手にアギルキア島に移築されたイシス神殿が見える。ダムのすぐ横にある小さな村からボートか何かに乗っていくのだろう。(明日来る予定にしていたが、後に述べるように来られなくなってしまった。) |
幹線道路(といっても、片側1車線の道路だが…)を歩くのもつまらないので、1本東側の細い道を北上しようと思う。カイロ空港の(詐欺師)エージェントに注文したのは、Ramses
Hotel
だったので、歩き方を信じてそちらの方向に歩いてゆく。道は狭く、時折ロバに牽かれた荷車が通り過ぎたりする。だんだん両側に露天の店が軒を連ねるようになってくる。市場(スーク)だ。アラブ諸国ではどこにでもあるような雰囲気のものだ。ただ、この町は団体観光客の宿泊拠点でもあるので、土産物を扱った店もちらほらある。なぜか、野菜屋とかスパイス屋とかが声をかけてくるが、観光客がそんなもの買うわけ無いだろうと思う。 スークを抜けて、学校のようなところを通り過ぎ、警察署の本署らしき小汚いビルの前を通り過ぎる。道に面して、コンクリート製の掩蔽壕のようなものがあり、手持ち無沙汰の警官が自動小銃を構えて(いや、地面に立てかけて)いる。そういえば、アスワン郊外でテロリストの活動が散発的にあると最近の情報で見たが、そのせいだろうか。(この後、どこの町でも警官が厳重な警戒態勢を敷いていた) 警察署を過ぎると、急に大勢の人がたむろしている地区に差し掛かる。一応、この辺りが町の中心部といっていいのだろうか。ガイドブックの地図上では、バスターミナルとなっているが、バスなんか停まっていない。(小汚いマイクロバスが何台か停まっているので、これがメインなのだろう) |
ついでに、旅行代理店の人間に、(切符をもらうので)連絡取りたいと頼んでみる。0.75EGPで電話を貸してもらう。(モバイルフォンへは0.75均一料金?) 18時30分にホテルのフロントに来るという。 中学生くらいの年齢のベルボーイに連れられて、5階の414号室へ。窓を開けると、ナイル川が見える。部屋に連れてきただけで「バクシーシ」を要求してくる。1EGP渡しておく。(しかしながら、観光地料金と言うか、高い料金設定だ。) バックパックを置いて外へ。今度は川沿いの道(幹線道路)を南下してゆく。対岸にあるエレファンタイン島(Elephantine
Island)に行こうと思う。先ほどタクシーを降りた
Thomas Cook
の前まで来る。「歩き方」にはこの辺りに Public
Ferry
(公共フェリー)があると書かれているが、看板すら出ていない。とうとう、キリスト教会のところ(幹線道路はここで90度曲がっている)まで来てしまった。向こうから歩いてきたエジプト人グループが私を見て何かからかっているような言葉を投げて通り過ぎてゆく。川のほうから別の男が歩いてきて、「Elephantine,
Boat, 10 Pound !」とか言ってくる。「Public Boat
を探しているんだ」と言うと、「そんなものは無い」と返してくる。 |
先ほどの男がやってきて、「ほら言っただろう、ボートは来ないぞ」と言うが、無視してそこで待ちつづける。10分ほどして、対岸から黒い小さなボートがやってくる。待合所には3人ほどの女性が待っているだけだ。船は、ゆっくり川を渡り、ほんの1分ほどで対岸の船着場へ。料金
1EGP。同じく乗っていた女性たちは料金を払わず(顔パス??)陸へ。地図では左手のほうに「アスワン博物館」があるはずだが、そちらのほうはごみ置き場のようにごみが散乱し、その向こうに柵に囲まれた領域が見える。島の上のほうから流れてくるドブで洗濯している女性に博物館はどっちへ行けばいいかと聞くと、やはりそのごみ置き場みたいなところを横切って行くそうだ。ついでに、この島の町は無料で見られる「ヌビア人住宅街
博物館」だよということだ。あとで、町なかをさまよってみよう。
しばらく行くと、コンクリートの小道に出る。看板があり、この小道を降りていくとボート乗り場があると英語で書かれている。下を見ると、観光客専用のボートが停まっている。町で声をかけてきた10 EGP のボートとはこれのことなんだな。半分閉じかけたフェンスの通用門から中に入る。ナイロメーターを見たいのだが、おそらく博物館の入場券を買わないといけないのだろう。博物館らしき小さな建物の前に座っているおっさんから入場券を買い、中へ。う〜ん、これでも博物館かという貧弱なものだ。照明すらついておらず(つけておらず)、薄暗い中を無造作に並べられただけの出土品を一通り見る。博物館を出て、ナイル川上流の方へ。庭園と名づけられた小さな公園に入る。この地で花を咲かせつづけるのは大変だろうと思う。そこを抜けるとクヌム神殿 (Temple of Khnum) に出る。警官が暇そうにぶらぶら歩いている。ほとんど破壊され、数本の角柱がやっと建っているだけの遺跡だ。(「Lonely Planet」 によれば 紀元前4世紀のものらしい) ここで夕日に照らされるクヌム遺跡を撮影していると、カメラから変な音が。再びカメラの電源を入れると、ズームレンズが伸びたままがりがりと言う音がし、エラー。カメラが故障してしまった。残るは、ソフマップの(ヨドバシカメラ開店対抗セールの?)在庫処分で買ったFinePix 2500Z (19,000円) が残るのみとなった。デジカメは薄暗いところでの撮影を苦手としているので困ったことになったぞ。 さて、ナイロメーター (Nilometer)はどの辺りにあるのだろうか。「歩き方」ではどうも島の東の岸辺にあるようだ。下りてゆく道を見つけて高台から下りてみる。川に下りる階段か何かと思っていたら、その壁面に水位計測板のようなピッチが刻んであるのが見える。階段は下に行くほど崩壊しており滑りやすい。水面から5m以上上までピッチが刻まれており、アスワン・ダム完成前はこんな高さまで水位が上昇したのだと分かる。(アスワンの町やエレファンタイン島は川に面したところが崖になっており、水位が上昇しても水没することは無かったと思う。ルクソールの町もよく思い出してみればそうだった。)
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再び来た道を戻り、エレファンタイン島の住宅街なども散策しながら、ボート乗り場へ。ボートに乗ってアスワンの町に戻る。すぐ前のThomas
Cook で master カードから 400EGP
キャッシング。ホテルの前を17時30分ごろ通り過ぎ(まだ旅行代理店の人間が来るには早すぎる)、駅のほうに向かう。アスワン駅、コンクリート造りで(発展途上国にしては)それなりにきれいだ。列車の時刻表を見る。英語版は無し。すべてアラビア文字で書かれている。知っている限りの知識を駆使して読んでみるが、とても疲れる。カイロ方面に一日に十数本の列車が走っている。(なるほど、今この瞬間も何らかの列車の改札を行っているようだ。案外列車の便はよさそうである。切符を外国人に売ってくれれば…) ホテルに戻り、フロントの前でしばらく待っていると旅行代理店の人間がやってきた。開口一番、「外国人にはバスのチケットは売ってくれない。タクシーで途中観光しながらルクソールまで行くので200EGP払え。」と言ってくる。とんでもない詐欺師だ。(この後の調査で、外国人にもバスの切符は売ってくれるが、早朝と夕刻の2本しかルクソールを通るものは無いそうである。他のバスは、ルクソールの数キロ手前で分岐する国道2号線に入るので、分岐点またはルクソール空港へ行く道の交差点で降りてミニバスに乗り、自力でルクソールしないに到達する必要があるそうだ。これはルクソール市民から聞いた話である。) 部屋に戻り、久々ぶりにシャワーを浴びて、テレビを見てから再びロビーへ。1時間で詐欺師旅行代理店は帰ってこなかった。20時、やっとやってきて、切符を受け取る。ご丁寧に裏面にアルファベットで列車番号や車両番号、座席番号を書いている。(表面のアラビア語版と対比すると、こちらは正直に書いたようだ) 部屋に帰って、久々に寝る。 |