トルコと東欧 旅日記 : プラハ - アムステルダム

July 8, 2000 (Saturday)

Prague/Praha - Czech (プラハ - チェコ)

列車は定刻通り、7時30分プラハ中央駅(Praha Hlavní Nadrazí)に到着した。小雨がしとしと降っている。
列車から降りて、その編成長に驚く。10両以上の客車をつないでいる。ほとんどがワルシャワ(Warsaw)からの客車だ。そんなに客数が多いのだろうか。

駅構内で ATM を探すが見つからない。駅前に出ると、普通のアパートのような事務所のようなビルが立ち並んでいるだけで、銀行はおろか店の1件も見当たらない。
左方向に中央大通り(Václavské Námestí ヴァーツラフ広場)があるはずなので、そちらの方向にどんどん歩いてゆく。

やっと ATM を発見し、現金をゲットする。ムステク(Mustek)駅近くの McDonald's で朝食を食べる。店を出ると、ちょうど前に警官がいたのでバウチャーに書いてあるホテルの場所を聞いてみる。
2人の警官が散々悩んだ結果、District Number が書かれていないのでなんとも言えないが、おそらくプラハ(Praha)市内の住所ではないとの結論に達した。
えっ! それじゃあどうすればいいの?

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旧市街のツェレツゥナー通り
Celetna

列車は定刻通り、7時30分プラハ中央駅(Praha Hlavní Nadrazí)に到着した。小雨がしとしと降っている。
列車から降りて、その編成長に驚く。10両以上の客車をつないでいる。ほとんどがワルシャワ(Warsaw)からの客車だ。そんなに客数が多いのだろうか。

駅構内で ATM を探すが見つからない。駅前に出ると、普通のアパートのような事務所のようなビルが立ち並んでいるだけで、銀行はおろか店の1件も見当たらない。
左方向に中央大通り(Václavské Námestí ヴァーツラフ広場)があるはずなので、そちらの方向にどんどん歩いてゆく。

やっと ATM を発見し、現金をゲットする。ムステク(Mustek)駅近くの McDonald's で朝食を食べる。店を出ると、ちょうど前に警官がいたのでバウチャーに書いてあるホテルの場所を聞いてみる。
2人の警官が散々悩んだ結果、District Number が書かれていないのでなんとも言えないが、おそらくプラハ(Praha)市内の住所ではないとの結論に達した。
えっ! それじゃあどうすればいいの?

9時になって、PIS の Tourist Information が開くのを待つ。PISの職員は、ホテルのアドレスをコンピューターに入れて検索した結果、 6区の住所だということが分かる。Metro の A 線の終点ディビツカー(Dejvicka)駅から バス 119 系統に乗ってディボカ・サルカ(Divoka Salka)のバス停で降りたらいいと教えてくれる。
迷ったときの保険にと思い、地図を買っておく。最も広域の地図で、やっと載っている遠さである。

3日乗車券 200 CSK を購入し、早速ホテルへ向かう。まず、A線の終点ディビツカー(Dejvicka)で下車。バス停はすぐに発見できる。 119系統は、空港へ向かう急行バスの系統だったからだ。
バス停には、空港へ向かう客が長蛇の列を作っていた。11時10分ごろ連接車体のバスがやってくる。
119系統はトラムの20、26系統の走る道を猛スピードで走る。途中のほとんどの停留所は通過している。2駅目で降りる。私に続く形で、何人かの韓国人の女の子が降りていたが、大丈夫なのかねぇ。(たぶん空港と勘違いしたのかもしれないが、ここは空港まで半分の距離しか走っていない)

停留所 Divoka Salka のすぐ横は 郊外型 McDonald's で、その向うは渓谷地帯(美しい)。また、McDonald's の横は 20、26系統のトラムの転回地点(こちらのトラムは、一方向にしか走れないため)となっていた。(なんだ、トラムでも来られるんだ。)

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国立博物館
National Museum (of Natural Science)

雨が激しくなってくる中、住宅街の中の住所表示をたどってホテルに到着。周りにあるアパートと同じ建物を改造して、ホテルとしているようだ。私には、トリプルのベッドルーム2つと、バスルームにバルコニーのついた巨大な部屋が割り当てられる。通常のアパートに泊まっている感じだ。これで1泊 1600 CSK。
ちなみにホテルの名前は Hotel Radegast。住所 Radcina 11 Praha-6。ドイツ人がたくさん泊まっていた。

フロントのお姉さんに、今日と明日の天気を聞いたら、どちらも雨だろうと言うことだ。(残念)

雨でも、観光はするので、再びプラハ市内に引き返す。

まず最初に旧市庁舎の天文時計(Gothic Astronomical Clock)を見に行く。毎正時にからくり人形が回ったりして、芸術的だとのうわさはかねがね聞いていた。さて、13時の鐘が折りしも鳴るところで、天文時計前に到着。たくさんの人が何が起こるか期待して待っている。
まず、広場の対岸にあるティン教会(Tyn Church)の鐘が広場中に鳴り響く。そして、天文時計は「カーン」と貧弱な音がなった後、上部に2つある1m四方くらいの小さな扉が開いたかと思うと、中で人形がくるくる回りだす。時計の横にある人や骸骨の人形も、腕が少しくらい動いている。30秒くらいで1工程終わり、扉が閉まり、すべての動きが止まる。
「な〜んだ、これだけ?」と言った感じで、多くの観光客からため息のようなどよめきのようなものが起こり、人々は散ってゆく。
私が思うに、この時計塔のいいのは、その凝った文字盤のつくりを褒め称えるべきであって、あの貧弱な毎正時のパフォーマンスは現代人には物足りないと思う。

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カレル橋 Charles Bridge

ムステク(Mustek)の McDonald's で昼食を食べた後、インターネットカフェへ。これがかなり遠かったが、静かで落ち着けるなかなかいいところだった(Stepansks 18, Praha-1)。30分程度で50 CSK。

ブルタヴァ(Vltava)川沿いの道に出る。雨にかすんで、プラハ城が対岸に見える。川沿いの建物のデザインが統一されており、とてもきれいな通りだ。レギ(Legií = 軍団)橋から北を見ると、あの有名なカレル橋(Charles Bridge / Karluv Most)が見える。小雨が降っているが、たくさんの人が歩いているようだ。

その、カレル橋(Charles Bridge)へ行って見る。歩行者専用橋のようだ。橋の入り口にゲート状になった塔が建っており、入場できるようだ。30 CSK。塔のてっぺんまで登り、屋根の上に出ると橋も含めて、プラハ市内がよく見える。

プラハ城は、明日の天候回復を期待し、明日登る事とする。ユダヤ人街へ行って見るが、今日は安息日のため、休みのようだ。

この日の締めくくりは、国立博物館(National Museum)だった。ヴァーツラフ広場(Vaclavske namesti)の突き当たりに鎮座している、宮殿のような建物だ。内部は自然史博物館となっていて、膨大な数の鉱物・化石・剥製が展示されている。一部その整理方法に疑問をもったものもあったが、その整然とした展示方法に感心した。(動物標本の好きな方は、ぜひどうぞ)

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トラム2系統の車内 Inside Tram

夕食は、パスタ(これまた、消化がいいものを選択した)を食べて、ホテルへ向かう。今回は20系統のトラムに乗るが、たくさんの停留所に停まるため、やはりバス119系統が早いことを再認識する。
終点の停留所の前にあるMcDonald'sで、サラダを食べる。下痢からの回復は、順調に進んでいるが、健康食は欠かせない。

マクドナルドの窓から眺める峡谷に光が差し始めた。西の空に少し青空が覗いている。明日晴れる事を願ってホテルに戻る。

July 9, 2000 (Sunday)

Prague/Praha - Czech (プラハ - チェコ)

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聖ヴィート大聖堂
St Vitus Cathedral

朝食後、バスと地下鉄を乗り継ぎ市内へ。地下鉄マロストランスカ(Malostranska)駅で降りて、トラム22系統に乗ってプラハ城へ。これなら、坂道を上らなくても城内に楽に入れる。
トラムの駅で、昨日のクラコフ(Krakow)からの列車で同じコンパートメントだったアメリカ人に会う。

さて、そのプラハ城だがものすごい人ごみで、行列ができていると Lonely Planetには書かれている。まあ、かなりの人は来ているが、チケット売り場に行列ができるほどではない。入場料 60 CSK。ゴシック建築の雄セント・ヴィート大聖堂(St. Vitus Cathedral)は12時以降しか入場できないようなので、まず最初に旧王宮(Old Ryal Palace)へ。内部には宝物とか華やかな装飾はまったく無く、いかにも砦と言った感じの城の雰囲気を出している。

続いて、ロマネスク様式のセント・ジョージ聖堂(Basilica of St. George)へ。こちらはかなり小さな教会だ。主にフレスコ画を見物するところだろうか。

以前、テレビ番組でやっていたときには、お勧めの場所としてやっていた黄金小道(Golden Lane)は最悪だった。団体観光客がうじゃうじゃいたのは我慢できたとして、通り沿いの建物すべてが土産物屋とは恐れ入った。これは、最も行ってはならないリストの筆頭に上げるべきところだと思う。

火薬塔(Powder Gate)へ行ってみるが、休憩中のようだったので、少し手前にあるカフェで時間つぶしする。11時30分に火薬塔(Powder Gate)が開く。錬金術時代の遺構だろうか。

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カレル橋の上で Charles Bridge

12時、セント・ヴィート大聖堂(St. Vitus Cathedral)が信者以外の一般客を受け入れる。ここは、すごいの一言に尽きる。その美しいステンドグラスも、調度品も。プラハで最も感動した所だ。

城を出て、登城道(Castle Steps)を下ってマラー・ストラナ(Mala Strana)の旧市街に下りてゆく。急に土砂降りの雨が降り出す。観光客が逃げ惑っている。一部の観光客はあきらめて、平然とずぶぬれで歩いていたりするが...。

1時間ほどして、西から晴れ間がさしてくる。カレル橋(Charles Bridge)を渡る。橋の両側に彫刻が並んだ橋だ。橋上には安っぽいアクセサリーやみやげ物を売る露天や、ポートレートを描く絵描きが所狭しと陣取っている。
こういうのは無いほうが、雰囲気がいいのにねぇ。と思ったりするが、大概の団体観光客は、みやげ物を買うことが目的なので仕方ないか...。

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市役所の天文時計(からくり時計)Clock Tower

昼食後、ユダヤ人街(Jewish Quarter)へ。ドイツ政府の政策では、人種絶滅計画によってユダヤ人が絶滅した後、このプラハのユダヤ人街を「絶滅種の博物館」として公開することを計画していたと言う話を聞いたことがある。
したがって、これほど多くのユダヤ人関連の施設が残存している場所もめずらしい。

入場料は案外高く、200 CSK。まず、ピンカス・シナゴーグ(Pinkasova Synagogue)で第2次世界大戦で犠牲になったユダヤ人の名前をすべて書き込んだ壁を見る。生年月日と死亡年月日の両方が書かれているので、ありとあらゆる年代のユダヤ人が犠牲になったことがわかる。(まあ、アウシュビッツ:Auschwitzの捕虜のポートレート写真でも同様のことが言えるが...)
このシナゴーグの裏手には、墓場がある。用地が少ないために、何層にも死体が重なって埋められているらしいが、古い墓石は埋めずに地表面に引き上げるのでこんなに墓石まるけになっているそうだ。

さて、その後何軒かのシナゴーグを見る。いままでに、シナゴーグをこんなにまじまじと観察したことが無かったが、建物自体は教会とそんなに変わらないと思った。
違いは、マリア像かキリスト像のある場所にはダビデの星が描かれており、内装には人物や動物のフレスコやモザイク画が無く、モスク内部のような模様(こちらは、赤と黒が好きらしい)が一面に描かれているのが違いだろうか。

その日は、ホテルにドイツ人学生の団体が泊まっていた。結構うるさいかなと思っていたが、引率の指導者が優秀なのか、団体の個人毎にマナーが備わっていたのか知らないが、結構静かなのには驚いた。

July 10, 2000 (Monday)

Prague/Praha - Czech (プラハ - チェコ)

朝食を食べ、8時30分ごろチェックアウト。8時50分にディボカ・サルカ(Divoka Salka)バス停から 119系統のバスに乗る。ここからはすべての停留所に停まりながら走り、9時ちょうど、終点のルズィニェ(Ruzne)空港に到着。

11時25分発の KL1352 便に乗り、アムステルダムに向かう。国際線だから、結構豪華な食事を期待したが、ハム・サンド1つだった。たった1時間30分の乗車時間だからしょうがないか。

Amsterdam - Netherlands (アムステルダム - オランダ)

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アムステルダム国立博物館 National Museum

BBC Worldの天気予報では雨のはずだったアムステルダムだが、曇り時々晴れのいい天気だった。KLM1352 は定刻通り13時にアムステルダム・スキポール(Schipol)空港に到着。入国審査は、2週間前に比べてあっさりしていた。あの時はEURO 2000 のサッカーの試合のため、特別警戒中だったのだろうか。

バスターミナルで 197 系統を待つが、出発時刻の13時35分を過ぎてもやってこない。道路事情が悪いのだろうか。(事故とか?) 仕方なく、NS (オランダ国鉄)の列車で中央駅へ向かう。6.5 NLG。ここからトラムの2系統に乗り換えて、Leidseplain で下車する。

今回の滞在で泊まるYHはフォンデル公園(Vondelpark) YHだ。かなり前から予約したので、ベッドを押さえる事ができた。フロントにはたくさんのチェックインの客が列をなしている。さすが巨大YHと言ったところだろうか。予約なしにいきなり参上した日本人が、ベッドの空きが無くて帰っていくのを見かける。(ここを予約せずに泊まろうとするのは、あまりにも無謀だと思うが)

部屋に荷物を置いて、国立博物館へ向かう。今日ここで Kさんと待ち合わせる予定だ。予定時間は17時なので、それまでの時間博物館を見学することとする。

日本では、オランダとの国交400周年を記念してフェルメールを展示しているが、オランダで日本の絵を展示しているのだろうか?(少なくとも、国立博物館では日本に関する特別展は開かれいなかった。)
絵画のフロアーが再編され、"The Glory of the Golden Age Dutch Art of the 17th Century"という催しに変わっていた。これは、国立博物館開館200周年記念のイベントだ。

レンブラントの「The Night Watch - 夜警」が一番奥の部屋に どーん と飾られていた。また、フェルメールの「The Kitchen Maid」という牛乳を注ぐ女性の"有名な"絵もある。
ミュージアムショップで、日本からインターネットで注文したら結構な値段になると思われる収蔵物カタログを購入する。

常設展に入るところで、偶然Kさんと出会う。

Kさんと夕食後、飾り窓地区(Red Light District)を見物に行く。Kさんはアムステルダムを訪れるのは始めてらしい。やはり、アムステルダムと言えば飾り窓(Rewd Light District)とコーヒー・ショップ(CoffeeShop)。もちろん、昼のアトラクションとしては、国立博物館やゴッホ美術館、アンネの家とかダイヤモンドセンターとかあるが...。

その夜は、遅くまでライツェプレィン(Leidseplain)あたりにいたので、YHに戻ったのが24時ごろとなっていた。同じ部屋の住人は(めずらしく)夜遊びをしない人が多かったらしく、早寝だった。そーっとシャワーを浴びて寝る。

July 11, 2000 (Tuesday)

Amsterdam - Netherlands (アムステルダム - オランダ)

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ザーンダムの風車 (遠いほうがOil Mill)
Windmill, Zaandam

あいにくの雨。というか吹き降りの雨。

気温は10℃くらいで、まるで冬のようだ。道行く人も、コートなんか着ている。

Kさんと一緒に、中央駅からアルクマール(Alkmaar)行きの各駅停車(Stoptrein)に乗る。往復運賃 9 NLG。数駅行ったところのクーフ・ザーンダィク(Koog-Zaandijk)で下車。駅を降りたら東に歩き、チョコレートの工場を通り越すと大きな橋がある。この向うがデ・ザーンセ・スカンス(De Zaanse Schans)公園だ。風車を中心として、数軒の土産物屋がある。

ほとんどの風車は、内部には入れてくれないが、一番北端にある風車は動態保存している博物館となっており、4 NLGで入場できる。
この風車は油挽き風車(Oil Mill)との説明の通り、Linseed(亜麻仁) や Rapeseed(あぶらな) をつぶしてオイルを採るために使用している。
今日はかなり強い風雨が吹き付けているので、風車は勢いよく回転している。その回転を伝える歯車機構が風車の中にあり、これらの歯車も間近に観察できるすばらしい場所だ。

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粉挽き風車の内部

ただし、英語版パンフレットには次のような但し書きが...
The visit to this mill is entirely at your own risk.
日本語版のパンフレットには、このような注意書きが(目立つところには)無いのだが...

ザーンセ・スカンス(De Zaanse Schans)にはカフェテリアがあって、軽食を食べることができる。ここで、チョコレート・コーティングしたシュークリームに生クリームを載せたものを食べたのだが、そのでっかい模型の看板が駅までの道沿いにある。駅前には、前述の通り巨大なチョコレート工場がある。ということは、このシュークリームは、この辺の名産品かもしれない。