アドリア海沿岸と中欧の旅 : 香港,ロンドン

※ 未編集の旅行記です

September 22, 2005 (Thursday)

今回は、香港に立ち寄り少しだけ観光してからヨーロッパに向かうルートを使う。関西空港から香港までは4時間弱。機内食を食べてちょっと休憩したら、すぐに香港に到着だ。

Alrline
関西空港(10:10発)→ 香港機場(13:05着)
CX 503, 日本−欧州 往復運賃+諸税 113,650円

Hong Kong - CHINA (香港 - 中国)

飛行機を降り、入国審査を短い時間で通り抜け、市内へ向かうバス乗り場にやってくる。ターミナルビルから屋外に出ると、最高気温34℃で高湿度のねっとりした空気が襲ってくる。ここで、交通ICカード(八達通)を家に忘れてきたことに気づく。まあ仕方ない。現金で乗車だ。

BUS
機場(13:33頃発)→ 旺角中心, 彌敦道(14:15頃着)
機場巴士 A21, 運賃 33HKD(495円)

バスは高速道路を通って香港市街地へ。深水埗あたりで一般道に出ると、渋滞に巻き込まれる。九龍半島側の繁華街、旺角で下車。道路沿いには10階建て前後の雑居ビルが並び、道路の真ん中まで突き出た看板が空を覆い尽くす。狭い歩道には人が溢れ、色んな種類の店が軒を連ねている。まさしく、猥雑な香港の下町の風景だ。

携帯電話ショップが集結する先達廣場という雑居ビルにまず向かう。ここで、持参した日本の携帯電話Sony Ericsson 802SEのSIMロック解除をしてもらおうと思う。エスカレーターで2階に登り、通路の脇の小さな店の店頭に「SIMロック解除できる機種の一覧」が掲示されている。日本の802SEも可能なようだ。解除作業に30分程かかり、100HKD(1,500円)払う。

次に、SIMロックを解除した携帯電話用に、プリペイドSIMカードを買いに行く。亞皆老街の通りを挟んだ向かい側に、SmarToneの店がある。プリペイドSIMのPayGoを1枚(100HKD)と、リチャージカード(100HKD)を購入。このプリペイドSIMカードが使えるのか試すため、西洋菜南街のマクドナルド(麥當勞)に入り、さっきSIMロック解除されたばかりの携帯電話802SEにセットしてみる。SmarToneのSIMカードは認識され、インターネットに接続された。これで、ヨーロッパでローミング利用出来るはずだ。ひと安心し、昼食にフィレオフィッシュとコーラを注文(18HKD, 270円)。

地鉄に乗り香港島の中環に向かう。

Metro
旺角(16:18頃発)→ 中環(16:34頃着)
地鐵 荃灣綫, 運賃 11HKD(165円)

高層ビル群の建ち並ぶ中環を散策し、香港郵政集郵組へ。ここは記念切手を専門的に扱う郵便ショップだ。香港郵政だけでなく、世界各国の郵便局が発行した記念切手シートを販売している。数枚の記念切手シートを購入(125HKD, 1,875円)。

そろそろ夕方なので、夜景鑑賞スポットの九龍半島先端の九龍公眾碼頭に向かう。

Ferry
天星渡輪碼頭 中環(17:20頃発)→ 天星渡輪碼頭 尖沙咀(17:30頃着)
天星渡輪, 運賃 1.7HKD(26円)

九龍半島先端部は、あらゆるところで地鉄西鉄線の掘削工事中だ。九龍公眾碼頭も例外ではなく、海峡の景色を眺められるところが少なくなっている。それでも、ここから見る日没時の夕景は素晴らしいものだ。

夕食は香港式のファストフード店「大家楽」で、燒味雙併晩餐という定食を食べる。36HKD(540円)。「焼味」はチャーシュー、「雙併」は2枚とか2倍というような意味で、「チャーシュー増量2枚!」というところか。

夜になり、そろそろ空港に戻る。交通ICカードさえ持っていれば、同一日の空港バスの往復は、復路無料だ。今回、自宅にICカード忘れたことが再び悔やまれる。

Metro
尖沙咀(18:30頃発)→ 旺角(18:40頃着)
地鐵 荃灣綫, 運賃 5HKD(75円)
BUS
旺角街市, 亞皆老街(19:42頃発)→ 機場(20:10頃着)
機場巴士 A21, 運賃 33HKD(495円)

ロンドン行きの出発時刻に十分間に合うよう、空港に戻ってきた。

Alrline
香港機場(23:55発)→ London Heathrow(+05:30着)
CX 251, 日本−欧州 往復運賃+諸税 113,650円

September 23, 2005 (Friday)

London - United Kingdom (ロンドン - イギリス)

飛行機はほぼ満員で、あまり寝れなかった。隣の席の台湾人の女の子は、器用な格好で寝ていた。羨ましい限りだ。

ロンドン・ヒースロー空港に、ほぼ定時に到着。時間が掛かると言われる入国審査は、あっけなく通過。しかし、預け入れた荷物がターンテーブルに出てきたのが最後のほうで、結局空港を出るまで1時間ほど掛かる。

地下鉄に乗り、予約したユースホステルのあるオックスフォード・サーカスに向かう。

Metro
Heathrow Terminals 2 & 3(06:58頃発)→ Green Park → Oxford Circus(07:51頃着)
Piccadilly line → Victoria line, 運賃 3.8GBP(760円)

地下鉄と言っても、ヒースロー空港からロンドン市街地までの間は、地上を走る「通勤電車」だ。座席上の網棚に無料新聞のMetroが何枚か放置されている。1部取って、今日の天気予報を見ると晴れのち雨。車窓から昇ったばかりの太陽光が入ってくる。このまま天気がもってほしい…。

オックスフォード・サーカス駅で下車し、以前来たことのあるユースホステルに向かう。

チェックインすると、まだ朝なのに部屋の鍵を渡してくれた。部屋に行くと通りに面した4人部屋で、今晩泊まるはずのベッドは昨晩から空いていたようだ。ベッドの上に荷物を放置して、観光に出かける。

ロンドンで1泊したのは、グリニッジを訪問すること。早速行動に移る。

再びオックスフォード・サーカス駅に戻り、地下鉄に乗ってグリニッジを目指す。地下鉄と新交通DLRを乗り継いで40分ほど掛かる。

Metro
Oxford Circus(09:00頃発)→ Bank → Cutty Sark for Maritime Greenwich(09:40頃着)
Central line → DLT, 運賃 2.3GBP(460円)

新交通DLRは、東京の臨海副都心の新交通「ゆりかもめ」と同じような、小型の列車が無人で自動運転されている路線だ。国際金融センターのシティ・オブ・ロンドンにあるバンク駅を出た列車は、ロンドン塔付近を過ぎた辺りから高架軌道に出てノロノロと進んでいく。

西インド会社のドック跡地に再開発されたカナリー・ワーフの高層ビル街に差し掛かる。この再開発に伴って1980年代に開通したのが、今乗っている新交通DLR(ドックランド・ライトレール)だ。

列車はテムズ川をくぐるトンネルに入り、まもなくグリニッジのカティ・サーク=グリニッジに到着。ココで下車する。

Greenwich - United Kingdom (グリニッジ - イギリス)

駅前には、19世紀末に建造された高速帆船カティーサーク号が展示されている。この船は、これまで18ヶ月は掛かっていた中国からイギリスへの紅茶輸送を、たった3〜4ヶ月に短縮する最新技術を用いた船だ。ただ、この船が就航した直後にスエズ運河が開削され、蒸気船で中国へ航海できるようになったため、たった数年で「高速輸送」から引退することになったそうだ。

GPSマップにに従い、グリニッジ天文台を目指す。街の中の道を抜け、グリニッジ公園の丘陵地を登る。今回の旅行から使い始めた、PDA端末のmio168。GPSマップがこんなに便利なものだとは思わなかった。全く迷うこと無くグリニッジ天文台(王立天文台)に到着。入場料は無料だ。

地面や建物にも「線」が描いてあり、建物には「PRIME MERIDIAN OF THE WORLD」と誇らしげな看板が掲げられている。建物内部には子午環(エアリー子午環)があり、かつてはここで「世界標準時」を決めていたのだろう。本来、子午環は経度を測るためのものだが、ココが経度0であると言う条件であれば、逆に時間が求められることになる。

天文台には、子午環のほかに普通の大型望遠鏡もある。巨大な観測ドームの中に、28インチ(70cm)屈折望遠鏡が設置されている。昔はこの辺りも天体観測が出来るほど、夜は暗かったのだろう。

GPSマップで緯度ゼロ度のところを探すと、天文台の少し東の公園の芝生のあたりにある。GPSが採用するWGS84座標系では、グリニッジ子午線ではなくIERS基準子午線が用いられているので、双方の間にはここでは100mほど差があるということだ。

グリニッジ公園の隣りにある国立海洋博物館に向かう。ここは科学・技術的な展示ではなく、「七つの海を支配」した大英帝国の栄光を伝える歴史博物館だ。16世紀に無敵艦隊を擁するスペインに打ち勝って世界帝国になった英・蘭の歴史、18世紀に太平洋の探検と公路開拓したキャプテン・クックや、19世紀初頭にナポレオン率いるフランスによる侵略を阻止したネルソン提督など、西洋史のハイライトを海戦や海上覇権の目線で振り返ることが出来る。

この博物館を見ていると、イギリス人はかつて世界の覇権国家だったことを、いまでも誇りにしているのだと感じた。

博物館の隣のクイーンズ・ハウスに行くと、敷地には入れるが館内は何かの行事の準備中で見学できないようだった。かつて王室の離宮として建てられた建物で、いまは英国史を描いた絵画が展示されているそうだ。

テムズ川方向に歩いて行くと、王立海軍学校がある。17世紀末に建てられた廃兵院グリニッジ病院)の建物を、19世紀末に海軍学校に造り変えたという。病院(養老院)にしては超豪華な建物だ。

新交通DLRと地下鉄を乗り継いで、オックスフォード・サーカスのユースホステルに戻る。

Metro
Cutty Sark for Maritime Greenwich(11:40頃発)→ Bank → Tottenham Court Road(12:15頃着)
DLT → Central line, 運賃 2.3GBP(460円)

London - United Kingdom (ロンドン - イギリス)

1駅手前のトッテナム・コート・ロード駅で下車し、スーパーのTESCOに立ち寄る。今日の昼食と夕食、明日の朝食用のチルド食品などを購入。総額7.52GBP(1,504円)。ユースホステルに戻り、キッチンの電子レンジで加熱。以前、このユースホステルのキッチンを使った時と違い、電子レンジが最新の強力タイプ(1,900W)に入れ替わっている。気付かずに通常通りの時間をセットしたら、食品が焦げかけになった…

食後、ナショナル・ギャラリーを観にゆく。地下鉄でチャリング・クロス駅まで行き、地上に出ると土砂降りの雨。走ってトラファルガー広場を横切り、美術館の入り口に駆け込む。

Metro
Oxford Circus(14:00頃発)→ Charing Cross(14:05頃着)
Bakerloo Line, 運賃 2.0GBP(400円)

ナショナル・ギャラリーも入場料は無料。19世紀、個人所蔵の絵画を中心としたコレクションで開館した国立美術館。ルーブルやエルミタージュのように「王室や貴族のコレクションを起源」としていない点で珍しいそうだ。

ルネサンスのティツィアーノやラファエロ、バロック期スペインのベラスケス、同じくフランドルのルーベンス、フランス印象派のルノワールなど名だたる画家の作品が並んでいる。さすが、イギリス屈指の美術館だ。それが入場料無料とは…

帰りは、徒歩で。ヘイマーケット通り、ソーホー地区を通って30分ほどでユースホステルに到着。2駅程度なら、地下鉄に乗らなくても良いくらいの距離だ。

香港の蒸し暑さで汗を吸収したシャツなどを手で洗い、地下の乾燥機に入れに行く。70分の乾燥で0.6GBP(120円)。

Hotel
YHA London Oxford Street Hostel
4人部屋 ドミトリー 24.6GBP(4,920円)/1泊