モロッコとスペインの旅 : ケルン

※ 未編集の旅行記です

December 15, 2005 (Thursday)

関西空港のチェックイン・カウンターは長い行列ができていたが、ほぼすべてが団体客なので一気に順番が進み、ほとんど待ち時間はなかった。今回乗った飛行機はB777で、以前にKLM欧州線で使われていたB747より座席数が少ない。だから、機内は満員。私の隣の席に座ったのは、20人ほどの学生を連れてゼミ旅行する美術大学の先生だった。

Alrline
関西空港(10:50発)→ Amsterdam Airport Schiphol(14:45着)
KL 868, 日本−欧州 往復運賃+諸税 115,350円

飛行機は定刻通り関西空港を飛び立ち、ほぼ快晴の北陸、北アルプス、佐渡ヶ島の上空を通り日本海を縦断。日本海北部では冬の季節風で作られる雪雲の吹き出しの真上を通過。ロシアの沿海州は一面の雲に覆われていて、地上は見えなかった。

機内食は年々貧弱になり、朝食に至っては以前欧州の短距離路線で出されたランチボックスのような小さな弁当だけだった。

飛行機は極夜に突入するほど北極圏には近づかずに飛行し、バルト海上空へ。しばらくの間、ルフトハンザのA340が真横を並走している。

Amsterdam - Netherlands (アムステルダム - オランダ)

定刻より少し前、アムステルダム・スキポール空港に到着。殆どの乗客は他の欧州の都市に行く乗り継ぎ客なので、ここで降りるために荷物受け取りのターンテーブルに並んだ人はほんの数人だった。

空港内にあるスキポール駅の切符売り場に行き、アムステルダム発ケルン行きの高速列車ICEのチケットを購入。出発当日でも座席が空いていて運が良かった。

ICEが出発するアムステルダム中央駅にまず向かう。この路線は何度も乗ったことがあるので、全く迷うこと無く中央駅に到着。乗り継ぎの列車が出るまで、1時間半ある。夕食を食べに街へ。

Train
Schiphol Airport(15:18発)→ Amsterdam Centraal(15:35着)
Train, intercity, スキポール〜ケルン運賃 49.4ユーロ(6,718円)

中央駅前から繁華街のダムラック通りを南へ。曇り空だが、それほど寒くはない。気象webサイトでは、この日の気温は最高10℃,最低7℃。冬にしては温かい気温だ。

ダム広場には巨大クリスマスツリーやスケートリンクがあり、クリスマスマーケットも出店していて賑やかだ。ムント塔の近くにある中華バイキングの店へ。7.5ユーロ(1,020円)で食べ放題なので、物価の高いオランダでは穴場的存在だ。ただ、以前よりおかずの種類やグレードが落ちているのは、値上げしないこととトレードオフなのだろう。

17時少し前、中央駅に戻り、予約したICEに乗車。指定席の上にあるディスプレーには「Last Munute」と表示されていて、寸前に予約する人のための区画のようだ。

Train
Amsterdam Centraal(17:07発)→ Köln Hauptbahnhof(20:05着)
Train, ICE 221, スキポール〜ケルン運賃 49.4ユーロ(6,718円)

列車は在来線をのんびりと南に走っていく。高速専用軌道がないので、最高時速300kmのICE-3Mも能力を持て余している。アーネム駅を過ぎると国境を越えてドイツに入る。車内放送がドイツ鉄道のものに切り替わり、「20分遅延」の案内がある。のんびり走っていると思ったら、やはり遅延してたか…

Köln - Germany (ケルン - ドイツ)

20分ちょっと遅れてケルン中央駅に到着。

ライン川対岸にあるユースホステルに歩いて行くために、駅の外に出る。吹き降りの雨だ。駅に戻り、川の対岸まで列車に乗る。長さ409mのホーエンツォレルン橋を渡ったところにあるケルン・メッセ駅が次の駅だ。天気が良ければ、これくらいの距離を乗る人は居ないだろう…

Train
Köln Hauptbahnhof(20:20頃発)→ Köln Messe/Deutz
Train, 運賃 2.1ユーロ(286円)

インターネットで予約したユースホステルは駅前にある。受付のあるロビーには小学生や中学生くらいの子供がたくさんいる。今日は団体客が多いようだ。

Hotel
DJH Jugendherberge Köln-Deutz
718号室, シングルルーム 39.5ユーロ(5,372円)/1泊

December 16, 2005 (Friday)

koln-map.jpg

6時半気象。窓の外は夜明け前で真っ暗だ。7時に1階の食堂に行きバイキング形式の朝食を食べる。

この街にやって来た目的は、ケルン大聖堂ローマ・ゲルマン博物館を観るためだ。今日の午後にアムステルダムに戻る列車に乗るまでの間、この2箇所を見学する。

9時少し前、ユースホステルをチェックアウト。外に出ると、吹き降りの雨だ。最低気温は3℃。まるで、氷のような雨だ。目の前にある半地下のトラム停留所入口に向かう。途中で国鉄駅方向から歩いてきたビジネスウーマン風の女性に、(YHの建物を指差して)「この建物は何?」と聞かれた。おそらくケルン・メッセの会議棟を探していたのだろう。たしかに、YHの建物は最新のオフィスビルのような感じだ。

Tram
Köln, Deutz Deutzer Freiheit(09:15発)→ Heumarkt(09:17着)
Tram, Line 1, 運賃 1.3ユーロ(176円)

ライン川に架かるドイツ橋は吹き降りの雨では渡れないため、トラムに1駅間だけ乗車。そこからケルン中央駅まで800mほど歩く。

中央駅のコインロッカーに荷物を預け(3ユーロ, 408円)、ケルン大聖堂に向かう。ゴシック様式の大聖堂は、外から見ると真っ黒に汚れているように見える。これは砂岩で作られた建物が酸性雨で黒ずんでしまったそうだ。決して、第二次大戦の爆撃で焼け焦げたわけではないようだ。正面入口から中に入ると、身廊天井の高さ43m、内陣の向こうまでの距離144mの巨大な空間が広がっている。そこに、無数の観光客…。13世紀から建てられ始め、中断期間の後、19世紀になってやっと完成した中世のゴシック大聖堂。北ヨーロッパで最大の教会建築だそうだ。

内部をじっくり見たいと思っていたが、照明が殆ど点灯されておらず、参拝者の座る席付近以外はほぼ真っ暗だ。照明が点灯される時間帯とかあるのかな…

次に、大聖堂に隣接しているローマ・ゲルマン博物館へ。入場料は6ユーロ(816円)。こちらも内部は観光客で賑わっている。小学生の団体や、フランス語を話す学生の団体も居る。こちらでは、真冬に遠足があるのかな。

ケルンは、ローマ帝国のコロニア・アグリッピネンシスが街の名前の起源となっているように、古代ローマ時代から「皇帝クラウディウスの妻アグリッピナの名前を冠されるほど」有力な辺境都市だった。

博物館のチケットは、博物館本館と、少し南にあるプラエトルの官邸(Praetorium)の両方に入ることが出来る。まず、市庁舎の地下にあるプラエトルの官邸に向かう。プラエトルは属州に派遣された時は属州総督を務めるため、ここが古代ローマ時代にはコロニア・アグリッピネンシスの中心だったということだ。かなり広い官邸の基礎部分が遺跡として市庁舎の地下に残されていて、青やオレンジのカラフルな照明に照らされ展示されている。

雨の中、博物館本館に戻る。ここは、第二次大戦中に防空壕を建設するときに発見された、巨大なモザイクタイルの装飾床(ディオニュソスのモザイク)を現地保存するために建てられたところだ。地上階から吹き抜けになっている地下階を見下ろすと、たしかに巨大なモザイク床がある。この吹き抜けには、ルキウス・ポブリキウスの巨大な墓石も展示されている。

博物館を後にし、こんどは古代ローマ時代を起源とする城壁跡をめぐる。ケルン大聖堂前には、中央駅との間に古代の北門(Nordtor)の残骸が建っている。そこからBurgmauer通りを西へ。通りの名前が、城壁通り…。しばらく行くと、修復作業中のLysolphturmと呼ばれる塔があり、また古代ローマのシンボルである雌狼と双子の石像(Lupa Capitolina)がある。この石像は複製かな…。さらに進むと表面をレンガで装飾されたローマン・コンクリート製の壁が道路沿いに続いている。

城壁が南へ折れ曲がるところには、円筒形の砦のようなRömerturmがある。これは西暦50年頃に造られたものだという。ここから南へ続く城壁は、どこにあるのか見つけられなかった。かつての西門のところに、現在はノイマルクト広場がある。広場にはクリスマス市の屋台が並んでいる。昼食に、ホットドック(2.5ユーロ)とグリューワイン(1.5ユーロ)。寒いこの時期には、温かいグリューワインで体を温めるのが一番だ。

ケルン中央駅に戻り、14時18分発のアムステルダム行きICEを待つが、コンコースの出発案内板には、30分遅れと表示されている。昨日、この街に来た時のICEも遅延していたので、相当運が悪い巡り合わせのようだ。

Train
Köln Hauptbahnhof(15:15発)→ Amsterdam Centraal(18:10着)
Train, ICE 126, インターネット予約運賃 20.5ユーロ(2,788円)

プラットホームの出発案内表示では、遅れが30分から45分…と遅れが増えていく。結局、1時間遅れで列車はやって来た。

列車は日没が迫る曇り空の中、のんびりと北に向けて走っていく。車窓の景色がどんどん暗くなり、オランダに入る頃には完全に夜景になっている。2等コンパートメントの席に座り、暮れゆく景色を眺めながら単行本を読んでいると、外国旅行しているという感覚が薄れていく。

Amsterdam - Netherlands (アムステルダム - オランダ)

アムステルダムには1時間15分遅れで到着。列車は増速など全くせず、遅延は累積している。

アムステルダム駅前からトラムに乗り、フォンデル公園にあるユースホステルを目指す。

Tram
Centraal(18:10頃発)→ Leidseplein(18:30頃着)
Tram, Line 2, 運賃 2 strippen 0.86 ユーロ(117円)

インターネットで予約を入れておいたユースホステルに行き、チェックイン。今日の部屋はB棟の4人部屋だ。部屋に入ると煙草臭かった。

夕食を食べに、再びライツェ広場に出かける。以前、ここに中華バイキングの店があったのだが、閉店したようだ。仕方ないので、トラム通りにある中華ファストフード屋へ。小さな紙箱に入った焼きそばとスプライトで7.9ユーロ(1,074円)。べらぼうに高いな…。

Hotel
Stayokay Amsterdam Vondelpark
B2.02号室, 4人部屋ドミトリー 28ユーロ(3,808円)/1泊