2013年 キプロス、イタリア、ポルトガル旅行記 :
ベルガモ、ミラノ
December 22, 2013 (Sunday)
Bergamo - Italy (ベルガモ - イタリア)
昨日に引き続き、今日も霧雨です。7時30分からホステルの朝食。イタリアのホステルの朝食は期待してはならないけど、やはりその「期待」を裏切らない質素さ。以前泊まったナポリほどではないけど…。 パンと、シリアル、ヨーグルトが「取り放題」なのが進化している程度か。
チェックアウト制限時間は11時なので、部屋に荷物を放置して旧市街に出かける。ホステルのあるポルタ・ヌオーヴァ付近は、午前8時過てもほとんど人が歩いていない。休日だからなのだろう。道路に掛けられているクリスマスの電飾だけが寂しそうに光っている。昨日より霧が深くなっているようで、ほんの200mほど先にある戦没者記念塔の時計台すら霞んでしまっている。
Porta Nuova(08:45発)→ Colle Aperto(08:55着)Bus 1A, 運賃 1日券 5ユーロ(710円)
市バスに乗り、終点のチッタデッラ前(コッレ・アペルト広場)まで行く。霧が出て薄暗い早朝にも関わらず、この広場の辺りだけは、気合の入った競技用ユニフォームを着てスポーツ自転車に乗る一団や、ジョギングをしている人などで結構賑わっている。クリスマスのこんな時期に競技大会でもあるのだろうか…。
14世紀に建てられたというチッタデッラに入る。回廊状の建物の1階部分では、オーガニック食品や美術品を売る露天が並んでいる。旧市街側の出口は時計塔になっていて、ここから先は一般の自動車が入れないようになっているようだ。
チッタデッラから旧市街中心のヴェッキア広場を通り、ケーブルカーの丘の上の駅まで結んでいるのが、かつての僭主の名前を冠したバルトロメーオ・コッレオーニ通りだ。昨夕はたくさんの家族連れが歩いていたが、早朝は店も開いていないし人も歩いていない。昨夕訪れたサンタ・マリア・マッジョーレ教会や大聖堂も、開館しているが中には誰も居なかった。まるでゴーストタウン状態だ…。
昨日、時間切れで行けなかった城塞(ロッカ)を見に行く。ケーブルカーの「丘の上駅」から急な坂道を少しだけ登ると、霧にかすんだ塔が見えてくる。14世紀に建てられた城塞の内部は歴史博物館になっていた(入場料2.5ユーロ)。城塞が現在のような「塔を持った要塞」の姿になったのは、ヴェネツィア共和国がベルガモの旧市街を要塞化した15〜16世紀に掛けてのことだそうだ。博物館は、19世紀のイタリア統一運動(リソルジメント)の時代を中心に、様々な国の領土となった歴史を、当時の軍服や武器、歴史文書などで展示していた。
城の外周壁沿いの見晴らし台は「記念公園」という名前が付けられていて、陸軍や海軍の記念碑や、第二次大戦期に使われた中戦車M42を改造した突撃砲 セモヴェンテ da 75/18、榴弾砲などが展示されている。
榴弾砲が置かれている見晴台からは、霧が出ていなければ新市街の街並みが見下ろせるはずだが、今日はすぐ下にある駐車場の車さえ霞んで見えているような状態だ。傘をささずに撮影を続けたので、ずぶ濡れだ。ミラノに向けて出発する時間が迫ってきたため、ケーブルカーとバスを乗り継ぎ新市街に戻る。
stazione superiore/丘の上(10:16発)→ stazione inferiore/丘の下(10:18着)Funicolare alta, 運賃 1日券 5ユーロ(710円) Stazione Inferiore Funicolare(10:26発)→ Roma(10:30着)
Bus 1A, 運賃 1日券 5ユーロ(710円)
ヴィットリオ・ヴェネト広場にある戦没者記念塔前あたりのバス停で降りる。昨晩はたくさんの家族連れが乗っていた回転木馬も、この時間はまだ誰も乗っていない。しとしと降る雨の中、クリスマスの音楽だけが悲しげに鳴っている。すぐ横のダンテ広場を見てみると、こちらにはクリスマス市の露店が並んでいて、ちらほらとお客が来ている。
11時少し前、ホステルに戻り制限時間ギリギリでチェックアウト。アルピーニ広場のクリスマス市で時間を潰して11時50分頃駅へ。列車は当駅始発のようで、すでにプラットホームに停車していた。イタリア鉄道の車両ではなく、スイス国鉄とロンバルディア地方の私鉄TRENORDの両方のマークが入った新型車両だ。国境付近でもないのに、何でスイス国鉄と提携してるのだろうか…。
Bergamo(12:02発)→ Milano Centrale(12:50着)RE2620, 運賃 5.3ユーロ(752円)
乗り込んだ快速列車は、WikipediaによればETR150型というスイス製の超低床車両だ。霧が立ち込める小麦畑が続く平原を、音もなく滑るように走っている。車内は結構満員で、立ち席の人が少し居る。途中3駅ほど停車して、定刻通りミラノ中央駅に到着。ほかのプラットホームには、高速列車のユーロスターや、去年から走り出した民間鉄道会社イタロのフェラーリ・レッドの高速列車などが停車している。
Milano - Italy (ミラノ - イタリア)
ミラノ、人口130万人でイタリア第二の都市。紀元前5世紀にケルト人が築いた町を起源とし、古代ローマ時代はメディオラヌムと呼ばれ、4世紀には西ローマ帝国の首都だったこともある。ローマ帝国がキリスト教化する「鍵」となる都市で、4世紀初めの「ミラノ勅令」や4世紀末にアンブロジウスが司教となった都市としても有名だ。
駅を出て、予約したホテルに向かう。駅の東口にはミラノ空港行きのバスが停車していて、10ユーロと値段が掲示されている。ほぼ同じ距離(40km)のベルガモ空港が5ユーロなのに、値段が倍も違うのか…。
駅を出ると不思議な角度で交わった道路ばかりだ。スマホのGPSナビゲーションで、どんなややこしい所でも迷うことなくたどり着けるのは、便利なことだ。ただ、以前のように海外旅行でのドキドキ感は全くなくなってしまったのは、寂しいことでもある。
インド人街にあるホテルにチェックインし、荷物を置いて観光に出かける。ホテル周辺のインドレストランは、インド人が座席をほぼ独占してくつろいでいるので、非インド人の私のような人間が入れるような雰囲気ではない。地下鉄ロレート駅前にあるチキン・ファストフード店でチキンバーガー(3.6ユーロ, 511円)を食べて昼食とする。物価高いわぁ…。ちなみに、ロレート広場は1945年にムッソリーニなどイタリア社会共和国の指導者が処刑された後に晒された場所でもある。いまは、単なる巨大なラウンドアバウトに過ぎないけど…
地下鉄駅の自販機で1日乗車券(4.5ユーロ)を買う。20ユーロ以上は高額紙幣として受け付けない、なんとも不親切な券売機だった。地下鉄1号線に乗り、ドゥオーモ駅で下車。
Loreto(14:07発)→ Duomo(14:14着)Metro M1, 運賃 1日券 4.5ユーロ(639円)
地下鉄駅の階段を上ると、目の前にゴシック様式の大聖堂。そしてクリスマス市の露店が出ている。観光客だろうか、ものすごくたくさんの人が大聖堂前の広場を歩いている。10年位前にこの街に来た時には、ワールドカップサッカーのパブリックビューをしていたが、こんなに混雑はしていなかった。大聖堂に入場する。入場料は取られない。
内部は、かなり大きな空間だ。こんな大きかったという記憶が全くない。身廊の天井までの高さは約45mと、世界一の記録を持っている。身廊の真ん中に巨大なテレビスクリーンを置いて、何かイベントの準備をしているようだ。地下のクリプトを見学する人が長い行列を作っている。中国人と思われる団体客が、とんでもなくゆっくりと見学しているようだ。キリスト教徒じゃないのに、聖人の骨をじっくり見てどうすんだと…。
古代ローマ時代、街の中心のフォルム横にバジリカがあった。その後、帝国がキリスト教を国教にした後には当時の欧州で一番大きな教会が建てられていた。その教会が11世紀に火災で焼けた後、14世紀末になって建てられ始めたのが現在見られるミラノ大聖堂だ。ガイドブック等には、135本あるという尖塔と、3200体あるという聖人像など建築物の外観が主な見所と書いてある。
内部は、昨日訪れたベルガモのサンタ・マリア・マッジョーレ教会がタペストリーと絵画が目立っていたのと対照的に、ミラノ大聖堂は墓所や記念碑などの彫刻が側廊の壁に所狭しと並んでいる。16世紀の傭兵隊長ジャン・ジャコモ・メディチの墓所や、ボディービルダーのように筋肉の筋が強調された聖バルトロマイ像などだ。皮剥ぎの刑で殉教したから、こういう気持ち悪い像になったのだろうか…。
大聖堂を出て、19世紀に建てられたガラス・アーケードの商店街ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガッレリアを通り抜ける。今は高級ファッションブランドのお店などばかりが入居しているが、2012年までは中央の十字路の所にマクドナルドがあった。高級さを売りにする商店街が、マクドナルドを追い出してプラダの店に差し替えたそうだ。中国人を呼びたいからと100均ショップやドラッグストアーばかりを入居させる日本の繁華街とは正反対の対応だが、街の雰囲気を守るにはミラノのやり方のほうが評価できる。
その中央の十字路の床には、中央にイタリア王国の赤地に白十字の紋章、4つの道路の方向にそれぞれミラノ(白地に赤の十字)、ローマ(SPQRのロゴ)、トリノ(牡牛)、フィレンツェ(アイリス)が配されている。Wikipediaによれば、トリノの牡牛の紋章の上で右足で立って3回まわると幸運が訪れるとのことだ。確かに、牡牛の股間が削れて地面のコンクリートがむき出しになっている…。いっそのこと、ローマのSPQR紋章の前で「元老院及びローマ市民諸君(Senatus Populusque Romanus)」と叫んでローマ式敬礼をすると幸運が訪れるとしてもいいんじゃないですかね。
ガッレリアを通り抜けてスカラ座前の広場へ。広場の中央には16世紀のマリノ宮をバックにしたレオナルド・ダ・ヴィンチの像。日が暮れる前に、800mほど北西にあるスフォルツェスコ城に向かう。途中のカイローリ広場の所で、エジプト政府に抗議するデモ隊にぶつかる。R4BIAと書かれた黄色い旗が翻っている。イスラム原理主義に近いとも言われているムスリム同胞団の支持者が掲げる旗印でもあることから、その場を避けるようにしてスフォルツェスコ城に向かう。
雨はとりあえず小降りになったが、霧が結構出ている。城塞の正面入口があるフィラレーテ塔のてっぺんが霧で霞んでいる。この塔は15世紀の建築家アントニオ・フィラレーテが建ててことから、彼の名前を冠している。16世紀に爆発事故で崩壊した後、20世紀初めに再建された高さ約70mの塔だ。
城の中のいくつかの博物館に入場できる共通入場券(3ユーロ, 426円)を購入して、まずは古代美術館に入場。古代と言っても、中世以降の展示物がほとんどという、看板に偽りありの博物館。14世紀のミラノ僭主ベルナボ・ヴィスコンティの騎馬像や、ミケランジェロの名作ロンダニーニのピエタが有名だという。
そのほか、中世の甲冑や武器類が展示されていたが、お客さんの数はそれほど多くなくのんびりと見物することができる。アンティーク家具博物館というのもあって、中世の細かく細工が施された家具が展示されている。絵画館まで来た所で閉館の時間となってしまった。
Cairoli(16:29発)→ Loreto(16:39着)Metro M1, 運賃 1日券 4.5ユーロ(639円)
いったんホテルまで戻る。途中でスーパーマーケットに寄り、明日の朝食の食材を買う。昼にチキンバーガーを食べたファストフード店で、チキン・ウィングのセットメニューを注文。フレンチフライの代わりに、タイ米を蒸したのに変更したもらった。5.4ユーロ(766円)。その後、夜景を撮影するために再び大聖堂広場にとんぼ返り。
Loreto(17:52発)→ Duomo(18:00着)Metro M1, 運賃 1日券 4.5ユーロ(639円)
大聖堂広場には、昼間より沢山の人が繰り出している。広場の端にある巨大なクリスマスツリーは電飾で輝いていて、ガッレリアの入口アーチや大聖堂と共に光り輝くクリスマスの雰囲気を演出している。周辺の道路のイルミネーションが結構地味なのと対照的に、大聖堂広場に集中的に電飾が取り付けられているのだろう。
Duomo(18:52発)→ Lima(18:57着)Metro M1, 運賃 1日券 4.5ユーロ(639円)
今日泊まる安宿は、騒々しくドアを開け閉めしたり、地響きを立てて歩くような下品な客が多いようだ。壁が薄すぎて、騒音が響き渡っている。今回の旅行で今日まで泊まったホテルのうちで一番よかったのはラルナカのリゾートホテル。その次が、ベルガモのホステルだ。どちらもがっちりしたコンクリート製の建物を、最近リノベーションしたものだった。
Hotel Calypso, 16号室35ユーロ(4970円)
December 23, 2013 (Monday)
早朝、建物1階にあるレストランの資材庫からトラックに荷物を運ぶ台車の音がうるさく、よく眠れなかった。今朝は霧が出ているが、とりあえず雨は降っていないようだ。昨日、スーパーで買ったパンとモルタデッラ・ハム、ヨーグルトなどを部屋で食べて朝食。8時、ホテルに荷物を預けてチェックアウト。
前回ミラノに来た時に、じっくりと見れなかったブレラ美術館を見に行こうと思う。
Lima(08:23発)→ Duomo(08:30着)Metro M1, 運賃 1日券 4.5ユーロ(639円)
クリスマスの2日前でも働いている人が多いのか、通勤時間帯の地下鉄の車内は混雑している。ドゥオーモ駅で下車。大聖堂広場やガッレリアに観光客の姿は皆無で、がらんとしている。余計な人を画面に入れない写真が取り放題…。ガッレリアを通りぬけ、ブレラ・アカデミーを目指す。入口に美術館の看板があり、月曜が休館日のようだ。今日は月曜…。仕方ないね。誰も居ないアカデミーの中庭の回廊を眺めると、17世紀の数学者カヴァリエーリの像がある。手に持った球体に魔法を掛けているような姿をしているが、球の表面をよく見ると立体角180°とか120°という値が書かれていたりする。偉大な数学者は、何を証明しようとしているのだろうか…。
大学の構内に入る入口に、イタリア語で「天文台 開館中」との文字が見える。大学も休講日のため、照明が落されてがらんとした廊下を進んでゆく。中世とは言わないが、100年くらいは経っていそうな廊下に、これまた古い彫刻がもっさりと置いてある。夜に来たら、確実にお化け屋敷だ。「天文台」と書いてある矢印に沿っていくと、学校を抜けてしまい、植物園に出てきてしまう。18世紀に薬草の研究のために整備された植物園だそうだ。地元の人だろうか、無人の大学キャンパスを撮影している人がいるが、まあ、観光客が来るような場所ではないのだろう。
薄暗い廊下に戻り、「天文台」と書かれた古い石のプレートが掲げられた階段を3階まで登っていくと、そこが天文博物館だった。光学望遠鏡のほか子午環や分光器など、天体観測に必要だった100年から200年前の機材がきれいに磨かれて展示されている。顕微鏡や起電機など、物理の実験をするための装置も展示されていて、必ずしも望遠鏡専門の博物館ではないようだ。19世紀末に「火星の運河」と言われる模様を発見したジョヴァンニ・スキアパレッリが、ここの天文台長をしていたことでも有名だ。彼が使ったメルツ望遠鏡のスケール・モデルが飾られている。実物は、非公開の観測ドーム内にあるそうだ。
大学を出て、GPS地図を頼りにそのあたりをぶらぶらとする。郵便局のミニバンが、郵便配達をしている。建物の玄関ごとに停車して、助手席からどう見ても私服の若い女性が軽やかに降りてきて郵便物を配達。日本のように制服を着ろだのうるさいことは言わないのだろう。聖バビラ広場まで来る。広場には、体じゅうに野菜やクッキーなど地元食材を張り付けた、EXPO 2015のマスコットキャラクターが鎮座している。
広場と同じ名前の5世紀頃に創建された教会があり、教会前にはライオンが乗っかった17世紀の円柱が立っている。このあたりの地区のシンボルのライオンだと案内板に書かれている。5世紀といえば、ミラノ勅令の1世紀後で、西ローマ帝国が消滅した頃だ。中世に建て替えられずに、現在まで残っているのは珍しい。
ヴェネツィア通りを北東へ。教区神学校の門前に、「私は共産主義者じゃない」と書いたA4のプレートを掲げたおっさんが立っている。何のデモンストレーションなのだろう。
公共庭園という名前の公園、自然史博物館とプラネタリウムがある。名前がないのを変だと思ったのか、2002年に著名なジャーナリストのインドロ・モンタネッリに因んで「インドロ・モンタネッリ公共庭園」と命名されたそうだが、街路の看板は今でも「公共庭園」のままだ。
その横を通り過ぎると、ヴェネツィア門という、門じゃなくて小さいギリシア神殿のようなものが道路の両側に建っている。昨日、ベルガモで見たポルタ・ヌオーヴァの門とそっくりの形だ。イタリアで門といえば「凱旋門」のようなアーチ状のものを期待するが、こういう形態のもあるんだと感じた。この門は古代ローマ時代の城門と同じ位置にあり、現在見られるネオクラシカル様式の建物は19世紀に建てられたもので、税関事務所として使われていたそうだ。
そのままヴェネツィア通りを進んで行くと、今朝、地下鉄に乗ったリマ駅に到着。駅前にバーガーキングがあり、11時でちょうど開店したばかりだが昼食を食べに入る。ワッパーのセットメニューが6.5ユーロ(923円)。11時30分ごろホテルに戻り、荷物を受け取ってミラノ中央駅へ。
切符売り場の自販機でマルペンサ空港までの切符の価格を調べると10ユーロ。バスも10ユーロらしいので、クリスマス休暇の交通渋滞に巻き込まれない鉄道にする。1等と2等が値段が同じ、不思議な価格設定だ。列車の出発まで、駅構内のバーでピザを食べる。地元名産のサルデナイラ・ピザで、厚めのピザ生地に、トマトソースとバジル、オリーブがのっかったものだ。3.0ユーロ(426円)。のんびり食べていると、いつの間にか列車の出発時間の5分前。あわてて列車を探す。出発案内にはマルペンサ行は2番線と出ている。17、16、… 5、4で途切れている。駅の端だ。プラットホームの先端のほうを見ると、短い列車専用のプラットホームがそこから始まっているようだ。全速力ダッシュで、出発30秒前にマルペンサ空港行き列車に駆け込む。
Milano Centrale(12:25発)→ Malpensa Aeroport(13:17着)Malpensa Express :MXP24934, 運賃 10ユーロ(1420円)
列車は霧の中をのんびりと走り出す。マルペンサ・エキスプレスといういかにも速そうな名前だが、実際は近隣の人が通勤通学に使う快速停車だ。ほぼ1時間かかって空港に到着。駅を出ると、右がT1,左がT2と書いてある。T2行きの無料シャトルバスが7分おきに出ていると書かれている。その無料シャトルバスに乗り、ほぼイージージェット専用のT2(ターミナル2)に到着。
私が予約した飛行機は16時40分発で、時間的な余裕はあるが、とりあえずセキュリティ・チェックを通過することにする。ものすごい行列だ。時間ぎりぎりに来たら、明らかに間に合わない。リスボン行きはゲートDと出ているだけで、何番か書かれていない。しばらくすれば番号が出るのだろう。とりあえず、スマホのWifiスキャナーを起動すると、セキュリティが掛けられていないWifiを発見。接続してみると、使えるようだ。Webで認証画面を出すと、512kbpsなら無料とのボタンが表示される。それで十分だ。
リスボンの天気予報は、明日から暴風雨、雨、曇り、雨、晴れという予報。リスボンを出発する日だけ晴れですか…
Milano Malpensa(16:40発)→ Lisbon Portela(18:40着)EasyJet EZY2715, 運賃 135.29ユーロ(19211円)
以前、easyJetは自由席だったが、今日の搭乗券を見たら座席番号が印刷されている。いつの間に座席指定になったのだろうか。ミラノを出発した飛行機はまっすぐ西へ。アルプス山脈の西端にあたるグライエアルプス上空、フランスのグルノーブル上空を通過する。標高3000m前後の山々が雲海から飛び出て、まさに沈もうとしている太陽の弱い光を受けている。フランス側は晴れていたが、ポルトガルに近づくと再び雲海に。リスボン空港到着時にはどしゃ降り。飛行機のタラップを降りて空港内のバスに乗るまでの間にずぶ濡れになる。
Lisboa - Portugal (リスボン - ポルトガル)
リスボン市内に出てから食事でもしようと思っていたが、この雨では辛いので、空港内のカフェテリアにあるマクドナルドでビッグマックセット(5.5ユーロ, 781円)を食べる。
予約したホテルまで、バスに乗るか、地下鉄にするか迷ったが、定時運行の地下鉄にした。5年前にこの街に来た時に空港に地下鉄は走っていなかったが、Wikipediaによれば2012年7月に開業したとのことだ。地下鉄の空港駅で切符を買う。紙のICカードが0.5ユーロ。運賃が1.4ユーロ。日本ならSuicaやICOCAが2000円もぼったくるのに比べたら、非常に良心的な価格設定だ。妙にハイスペックなSonyのFeliCaを使わずに、汎用品のオランダフィリップス製MIFAREを使っているから、安価にできるのだろう。
Aeroporto(19:25発)→ Saldanha(19:46) → Picoas(19:50着)Metro Linha Vermelha - Amarela, 運賃 1.4ユーロ(198円)
地下鉄は、以前終点だったオリエンテ駅から延伸してきたもので、2004年に宿泊したユースホステルがあるモスカビデにも駅ができていた。ショッピングモールのあるオリエンテ駅からたくさんの乗客が乗ってくるが、それでも席が満席になることはなかった。街の規模や乗客数に比べて、大きすぎるキャパシティの駅や車両を使っているのだろう。そうやって赤字を垂れ流しているから…
新たな緊縮策は財政赤字削減のため、公務員関係の支出を削り、675ユーロ(約9万5000円)超の月給を支給額に応じて2・5~12%引き下げ、公務員年金を10%削減するというもの。一部事務所の閉鎖も予定されています。
税務署・税関のストは23日まで続く予定。現地からの報道によると、19日のストで事務所の閉鎖や業務の大幅な遅れが各地で発生しました。
しんぶん赤旗 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-12-21/2013122107_01_1.html
9万5千円の月給というのは、この国の物価を考えても酷すぎるので「クリスマスのストライキ」も理解できる。ただ、観光客にとっては地下鉄が止まると困るなぁ…。とつぶやいてみたりする。
ピコアス駅で地上に出ると雨がやんでいる。熱帯性低気圧のように、スコールのような降り方をしているのだろうか。ミラノに比べて、温かいのは助かるが、雨はちょっと…。
スマホのGPSナビの地図を見ながらホテルを目指す。目立った特徴もない住宅街の道を、迷うことなくホテルに到着。ホテルのフロントでチェックインしたい旨伝えると、角を曲がった隣のホテルでチェックインしてほしいといわれる。提携してるのかな…。隣のホテルへ行き、そちらのほうが少し高級そうな外観をしているが値段は同じで、ダブルルームで5泊115ユーロ(1泊23ユーロ, 3266円)と格安だ。朝食は付かないが、バスタブのあるバスルームがあり、Wifiも無料。ホテルの1階は定食屋さんとカフェで、便利な所だ。
事前に調べておいたミニスーパーMinipreçoに向かう。営業時間は22時までなので、時間的な余裕はまだある。明日の朝食の食材を購入。パン、ハム、バナナ、ヨーグルト、ミネラル水などを買い込んでもたったの2.81ユーロ(399円)。日本なら、パンとハムで予算オーバーになる金額だ。
小腹がすいたので、ホテルの1階にあるカフェで切り売りのピザを買う。2.2ユーロ(312円)。明日はポルトガル最南端のファーロに行く予定だが、天気はどうなるかな…。
Pensão Residencial João XXI, 207号室23ユーロ(3266円)