中国武漢・南京 旅日記 : 武漢(1日目)
March 06 (Tuesday)
Osaka - Japan (大阪 - 日本)
大阪は雨を降らせた寒冷前線が通り過ぎ、強風が吹く少し肌寒い朝になった。阿波座駅を5時29分の地下鉄に乗り、難波で南海に乗換えて関空に向かう。
難波発の空港急行は、早朝にも関わらず、海外旅行客と空港に通勤する人たちで満員だ。堺駅を過ぎたあたりで夜があけて、車窓の空は少しずつ明るくなってくる。
阿波座駅(05:29発)→ 難波駅(05:36着)地下鉄千日前線, 運賃 180円 なんば駅(05:45発)→ 関西空港駅(06:30着)
南海電車 空港急行, 運賃(回数券バラ売り) 860円 関西空港 第1ターミナル(06:32発)→ 第2ターミナル
シャトルバス, 運賃無料
春秋航空のチェックイン・カウンターには、すでに50~100人くらいの行列が出来上がっている。始発の電車で来たのか、空港バスなのか… 。いずれにしても早く来る人が多いようで、私の後ろにはもうあまり並んでいる人は居なかった。
関西空港 (07:48発)→ 武汉天河机场(10:25着)春秋航空 9C8788, 運賃+諸税 14,460円
出発予定の15分前に飛行機がが動き出し、駐機スポットを離れる。LCCは機内食がセットではないため、昨日の夜にスーパーで購入したパンを持ち込んで食べた。数時間のフライトなら、自分で好きなものを1食分持ち込めばよいのだから、こういう方式のほうが良いと思う。
満員の乗客を乗せた約4時間のフライト。着陸の1時間半前より、機内放送でひたすら免税品機内販売の宣伝をしている。そのうるさいこと…。安い価格で乗ってるんだから、騒音くらい我慢せよということなのだろう。
定刻の40分前に武漢天河空港に到着。窓の外は、雨。
Wǔhàn - China (武汉/武漢 黄陂区 - 中国)
地鉄站(地下鉄駅)の案内表示に従って歩いて行くと、まず高鉄(高速鉄道)の駅があり、それに隣接して地鉄2号線の駅がある。後で気づいたが、空港の高鉄駅でctripで予約した切符を取票(引き換え)することも出来たはずだ。
地鉄プラットホームに降りると、列車がちょうど出発したところだった。ネット情報では30分に1本などと書かれているものもあるが、実際は10分後に次の電車がやってきた。
天河机场(11:10発)→ 汉口火车站(11:44着)地鉄2号线, 運賃 5元(85円)
空港を出てから地上区間を走る数駅は駅間距離が極端に長いため、10駅先の漢口駅まで30分ほど掛かった。
Wǔhàn - China (武汉/武漢 江汉区 - 中国)
ctripで予約した切符を取票(引き換え)するため、国鉄 汉口站の售票处(切符売り場)に向かう。地下鉄の駅から一旦地上に出ると、案の定 雨が降っている。切符売り場の窓口は、予約取り消しや変更を扱う有人窓口2つを残して、何十台もの自動券売機に置き換わっている。居民身份证(市民ICカード)を所持していないガイジンは、この手の自動券売機や改札機は使えない。したがって、有人窓口に並んで取票(ネット購入した切符を引き換えてもらう)する必要がある。
無事切符を受け取り、地下鉄駅に戻る。地下鉄の券売機に信じられないくらいの行列ができている。多くの乗客が、現金支払ではなく支付宝や微信支付の「スマホ決済」して少しずつ時間がかかる積み重ねの結果がこれだ。
汉口火车站(12:10発)→ 江汉路(12:25着)地鉄2号线, 運賃 2元(34円)
小雨の降る中、江汉路歩行街(江漢路歩行街)を南へ数分歩くと、ネットで予約した低価格ビジネスホテルの锦江之星がある。チェックイン時に、VISAやMastercardなどの西側のクレジットカードは受け付けてくれなかったので、近隣の工商銀行でカード・キャッシングで現金をゲットする必要があった。3泊で570元(1泊は190元。3,230円相当)を支払う。
部屋に荷物を起き、事前に計画していた通りの「雨の日バージョンの」観光プランBを行うこととする。(プランAはレンタルサイクルに乗る必要のある黄鶴楼公園、プランBはバスだけで訪問可能な晴川閣と帰元禅寺を考えていた)
まずは近隣の店で、「中国の五大麺」の一つに数えられる武漢名物のぶっかけそば
百度地図(Baidu Map)で晴川阁の交通機関を調べると、江汉路歩行街の南端にあるバス停より30路と559路のバスが直通しているようだ。バス停に行くと、ほぼ待つこと無くバスがやってきた。
沿江大道武汉关(13:51発)→ 晴川大道晴川阁(14:05着)公交 30路, 運賃 2元(34円)
Wǔhàn - China (武汉/武漢 汉阳区 - 中国)
雨がどんどん強くなってくるなか、バスは漢江に掛かる晴川橋を渡り汉阳(漢陽)の街に入る。長江と漢江の合流点を望む位置に造られている要塞「铁门关」をくぐり抜けたところにバス停があり、そこで下車する。
さて、今日ひとつ目の観光スポット「
ここは、殷(BC17世紀〜BC1046年)より以前に存在したと言われる、伝説上の古代国家「夏」(BC21世紀〜BC17世紀)の初代帝「禹」を祀る施設があったところだと言われている。明代の16世紀中頃に、禹を祀る施設「禹稷行宫」を修復した時に記念として建てられたのが晴川阁だそうだ。
唐代の詩人 崔顥の詠んだ漢詩の中の『晴川歴歴漢陽樹』という一節より、晴川阁という名を付けたそうだ。禹稷行宫の手前に有る牌坊には『晴川歴歴』の扁額が架けられ、その脇には石刻の文字が見えないくらい風化した贔屓碑がある。
ただ、他の中国の史跡公園と同じく、こういう歴史的な薀蓄で紹介されているオリジナルの建物は現在では存在せず、この晴川阁史跡公園の殆どのモニュメント類は清代に再建されたものがほとんどだ。
長江の治水事業を行った禹の業績を称える石碑がある禹碑亭、巨大な禹の像を祀っている禹稷行宮、それに隣接して長江を望む晴川阁などを巡る。雨はだんだん強くなり、いよいよ吹き降りになってくる。すぐ横の亀山の山頂に立つ武漢電視塔も霞んでしまうくらいの雨と霧だ。铁门关の楼閣にも、禹碑亭横の階段から登ることが出来る。天気が良ければ、のんびりと見れる良い所なのだろうが…
晴川阁が建つ岩山の壁面に、長江堤防と漢江堤防の分界点の石碑がひっそりと取り付けられている。「第一山」という石刻もある。ここが2つの大河が交わる戦略的に重要な場所だというのがわかる。
さて、漢陽にある次の観光スポットである帰元禅寺を目指す。百度地図で検索すると559路か532路のバスに乗れば良いようだ。
晴川大道晴川阁(14:54発)→ 鹦鹉大道地铁钟家村站(15:07着)公交 532路, 運賃 2元(34円)
バス停に行くと、すぐに鉄門関の下をくぐってバスがやってきた。道路は渋滞気味で、10分ほどで地鉄钟家村站のバス停に到着。帰元禅寺までは、地図上では住宅団地の間の道をまっすぐ500m西へゆけばよいはず。現実は、住宅団地は全て撤去されて大規模な再開発工事中。むき出しになった地面から、雨水が大量に道路に流れこみ湖のようになっている。
通りに面した大山門から入場し、さらに山門をくぐり抜けると境内に出る。放生池があり、韋馱殿とその背後に大雄宝殿がある。コンパクトにまとまったお寺だなとこの時点では考えていた。雨にも関わらず、それなりの数の参拝客が居る。大雄宝殿の南隣には羅漢堂がある。境内に「羅漢堂 →」などの案内板が多数あったので、ここが見どころなのだろう。羅漢堂の中に入ると、「普通サイズ」の金色の仏像がガラスケースに収められて延々と並んでいる。500体の仏像が見れるようになってるんだ…。説明看板によれば、膨大な数の仏像は清代の1850年頃に9年間かけて「泥塑脱胎」の手法で制作されたらしい。泥塑脱胎って、粘土で作る塑像のことか?
羅漢堂の裏口から出て、敷地の西にある広大な駐車場のほうを見ると、駐車場のど真ん中に巨大な仏像が鎮座している。双面観音といって、高さ18.8mもあるらしい。駐車場の向こうには円通閣という2011年に建てられた7重の塔(百度百科によれば、三層四滴の水楼閣)がある。古いお寺なのに、まるで新興宗教のように巨大な仏像や塔を建ててるんだ…。
钟家村站まで戻り、地鉄に乗って泊まっているホテルのある江汉路に戻る。
钟家村(16:20発)→ 江汉路(16:33着)地鉄6号线, 運賃 2元(34円)
Wǔhàn - China (武汉/武漢 江汉区 - 中国)
地鉄站の北側は江汉路歩行街だが、南側は百貨店やデパートなどの商業ビルが建ち並んでいる再開発地区になっている。百貨店の地下は美食街(レストラン街)になっている。再開発地区の南は、古くからの飲食店が並ぶ小吃街になっている。
好きなおかずを量り売りで食べることが出来る自助快餐の店で夕食を食べる。武漢では、店員ではなく自分で勝手におかずを取り分けて良い方式の店が多いのには驚いた。白身魚の煮物、フライと、青菜のカイランなどを取り分け容器に入れ量り売りで購入となる。
食後、すぐ隣の熱干面のチェーン店 蔡林记で熱干面を食べる。昼に食べた個人店のは4元だったが、このチェーン店のものは倍の8元(136円)。トッピングのひき肉の量が少し多いのと、大根やネギなどの薬味を自由に追加できるあたりが高価格の利点だろうか。味は、どちらも似たようなものだった…
明日の朝食用に、コンビニでカップラーメン(5元)とパン(4元)を購入して帰る。
锦江之星酒店 江滩步行街店525号室 ダブル ルーム 190元(3,230円)/1泊