ハンガリー、フランス 旅日記 : ジュネーヴ、リヨン、トゥールーズ
October 01, 2010 (Friday)
Budapest - Hungary (ブダペスト - ハンガリー)
朝、曇っている。天気予報では晴れのはずだが...。空港まで傘を差さずに済むことを願うのみ。7時30分、朝食。今日は巨大なソーセージのボイルしたのが出ていた。8時、オフィスの横の部屋で朝食の用意をしていた女性スタッフに、鍵を返してチェックアウト。昨日、オフィスに人が居るときにクレジットカードで支払っておいてよかった...。
ペトゥーフィ橋 → フェレンク・ケルート駅 → ケーバーニャ・キシュペシュト駅 → フェリヘジ空港第一ターミナルトラム 6系統、地下鉄 M3、バス 200E系統
大学構内を抜けて、トラムのペトゥーフィ橋停留所へ。トラム4系統、地下鉄3号線と乗り継いで終点のケーバーニャ・キシュペシュト(Kőbánya-Kispest)駅まで。駅を出ると、5年前に来たときと大きく様変わりしている。駅の南側に大きな建物が建設中で、バス停が移動している。200系統のバスに乗り換えて、空港へ。市内交通の72時間チケットで乗れるかどうか分からないが、とりあえず検札がこなかったから、うまく切り抜けられたというべきか...。
ブダペスト(10:45発)→ ジュネーヴ(12:40着)Easyjet Swiss EZY1332 運賃 38.85ユーロ(4460円)20kg荷物1個預け料金込み
フェリヘジ空港(の格安専用)第一ターミナルは、リッチな大手航空会社が使う第二ターミナルと全く違うところにある。すぐ横に国鉄の線路があるが、最近駅ができたようだ。これから乗るEasyjetのチェックインカウンターは長い列ができているが、インターネットでチェックインしたので直接セキュリティチェックへ。小銭の残りでミネラル水を買う。500mlで350フォリントと、巷のスーパーの10倍するかという高価な水だ。小銭を余らせても、両替できないしね...。
10時45分、Easyjetでブダペストを後にして、ジュネーヴに向かう。
Genève - Switzerland (ジュネーヴ - スイス)
定刻どおり、12時40分にジュネーヴ空港着。格安の例に漏れず、駐機場に停車してタラップで下車。輸送バスに積載されてターミナルビルへ。安くするためにはしょうがないとは思うが、一部の空港ではターミナルビルまで客に歩かせてくれるところもあるので、その方がさっさと空港を後にできるのでありがたい。
荷物は全て機内持込したので、国鉄駅へまっすぐ向かう。バゲージクレームから到着ホールへ出る手前に、国鉄の中央駅までの「無料券」発行機がある。通貨高&物価高のスイス旅行を"取り止める"する人が多いと報道されているのをよく聞くが、空港連絡鉄道をタダにするというすばらしい心遣い。まあ、私のように、スイスで「ほぼ金を落とさない」客はお断りなんだろうけど(笑
ジュネーヴ空港駅(13:01発)→ ジュネーヴ・コルナヴァン駅(13:06着)IR2529 運賃 無料
13時1分発のルツェルン行きに乗り、5分でジュネーヴ中央駅(コルナヴァン駅)に到着。プラットホームの下の連絡通路にコインロッカー発見。小が5フラン(420円)と、ちょうど手持ちの小銭でうまい具合に預けられる。前回(8年前に)スイスに来たときの小銭で用が足りてしまい、今回は本当に何もスイスで消費しなかった...
13時58分発のリヨン行きTER(急行列車)まで、約50分間ある。駅を出て、まっすぐレマン湖の方を目指す。ウィーンの時と同じく、駅前付近の道路は至るところで工事中。土建病に掛かったか...。 モンブラン通りを下って行くと、レマン湖に架かるモンブラン橋まで一気に行くことができる。
今回は、レマン湖に高く上がる噴水(Jet d'Eau)を見ることができた。前回は早朝だったので、水が出ていなかった...。Wikipedia英語版の記事によれば、"上空1万mを飛ぶ飛行機からも視認できる、高さ140mで水量は1秒間に500リットルの世界最大の噴水。500KWのポンプ2台が使われていて、吹き出し口での速度は時速200kmである。初代は1886年に造られ、現在のものは1951年製"とのこと。(歩き方の説明文では1360馬力...。SI単位使えよ)
旧市街へ。トラムの走る通りを越えると、一気に急な坂道になる。遥か上に、サン・ピエール大聖堂の尖塔が見えている。残り30分。前回は列車の時刻に間に合わなくて見損なった大聖堂、今回は一目見ることには成功。ルソーの生家の前を通り過ぎて、コルナヴァン駅まで一気に帰る。
フランスの列車は、一番奥の(国際)プラットホームから出ていて、そこに行くまでの通路が長い、長い...。昔はここに国境検査とかあったらしい"跡"が、現在でも面影をとどめている。
ジュネーヴ・コルナヴァン駅(13:58発)→ リヨン パール・デュ駅(15:50着)TER96586 運賃 24.5ユーロ(2810円)
13時58分発のTERは3両編成でやって来た。それに対して、プラットホームには大量の客が待っている。ほぼ着席定員満員で出発。
ジュネーヴを出てしばらくすると、ローヌ・アルプスの険しい崖の間や、ブドウ畑の急斜面に囲まれた谷間といった絶景を走り抜ける。1時間50分でリヨン駅(リヨン・パール・デュ駅)に到着。この絶景が見れて20ユーロの電車賃は、値打ちだと思う。
Lyon - France (リヨン - フランス)
数日後に再びリヨンに戻って来る予定だが、快晴なので写真を撮りに出かけることにする。コインロッカーに荷物を預け(4ユーロ)、市内交通の2時間乗り放題券(2.4ユーロ)を買う。
パール・デュ駅 → サクセ・ガンベッタ駅 → ヴュー・リヨン駅地下鉄 B線、D線 運賃 2.4ユーロ(280円)2時間券
地下鉄で旧市街駅へ。駅を出ると、すぐ横に12世紀~15世紀に建てられたサン・ジャン大聖堂がある。中は今度でいいから、写真だけとりあえず撮影。
旧市街の細い路地をうろちょろとするが、これが世界遺産指定の『リヨン歴史地区』? と思うような普通のどこにでもあるような旧市街ですが...。目に見える景色から、全ての店と観光客の姿を自動消去したイメージを頭の中で想像するが、細い路地を挟んで建ち並ぶ5階建てくらいの古いアパート群でしかないように見える。
ヴュー・リヨン駅 → フルヴィエールケーブルカー
ケーブルカー(これも2時間券で乗れた)に乗って丘の上にある、真っ白な教会へ。ノートルダム大聖堂というのがその名前で、19世紀の建物だそうだ。どうりで、真っ白できれいな建物だと思った。尖塔のてっぺんにはキリストの金色の像が街の方向を見下ろしている。
フルヴィエール → ヴュー・リヨン駅、ベルクール駅 → サクセ・ガンベッタ駅 → パール・デュ駅地下鉄 B線、D線 運賃 2.4ユーロ(280円)2時間券
2時間券の期限も迫ってきたので、パール・デュ駅に戻る。駅前に巨大なショッピングモールがあるが、食堂が集まった区画というのが無いようで(見つけられなかった)、結局、マクドナルドで食物摂取。ハンガリーで1170フォリント(480円)だったビッグマックセットが、ここでは5.50ユーロ(630 円)と結構値上がりしている。日本では610円〜650円らしいが、日本で食べたこと無いんで感覚的にはよく分からない。
ビッグマックの価格で為替相場の高低を比較する、ビッグマック指数というのがあるそうだが、少なくとも「ビッグマックのセットメニュー」で比較すれば、全然円高じゃないですよ。単品の価格は圧倒的に日本が安いので、まだまだ円安かも。
リヨン パール・デュ駅(19:11発)→ トゥールーズ駅(23:11着)TGV5385 運賃 24ユーロ(2760円)インターネット購入
19時11分、TGVのトゥールーズ行きに乗車。ほぼ満員の乗車で、夜でも結構はやってるんだ。私の座っている8号車22番席の切符を持った女性が来て、オーバーブッキングかと思ったが、その女性の持っている切符をよく見ると"11月8日"となっている。一体どういう買い方したらそうなるんだ...。
真っ暗な中、線路が悪いのか、車体がボロいのか知らないが、小刻みに揺れまくる。すぐ横が電気機関車なので、モーターの加速音がもろに伝わってくるなど、乗り心地は悪い。インターネットで20ユーロでゲットした格安券なので文句言えないけど...。
ニーム、モンペリエ、ナルボンヌ、...と何駅か停車して、23時10分ほぼ定刻どおりリヨン駅に到着。ほんの昨日まで、列車の時刻が結構いい加減なハンガリーに居たため、フランス国鉄の定時運行には驚かされる。まあ、日本では、定時どころか"秒"単位で正確なんだけどね...。
駅を出て、正面の通りにホテルが密集している。ネットで予約を入れた駅前のホテルへ。1泊45ユーロと高いが、駅から遠くに行く手段すらない(可能性がある)ので、仕方ないだろう。
トゥールーズ : Saint Severin(サン・セヴェリン) 206号室ダブルベッド部屋。45.7ユーロ(5250円)/1泊
October 02, 2010 (Saturday)
Toulouse - France (トゥールーズ - フランス)
朝起きると、曇っている。というか、うろこ雲のような、雨を降らせる可能性のなさそうな雲で覆われている。7時過ぎ、ホテルの周辺のカフェはまだ開いていないので、駅へ。ハンバーガーチェーンのQuickが駅構内に開いているので、そこで朝食。クロワッサンとコーヒーなら1.95ユーロ、クロワッサンをベーコン・エッグ・パニーニに変更すると3.8ユーロ。その2ユーロの差は...。と思ったが、高い方にした。
旧市街へ向かう。今日は土曜日だから、通勤の人があまり居ないのか、8時過ぎても殆ど人が歩いていない。雲のところどころが切れて青空が見えるが、なかなかうまく太陽が出てはくれない。
旧市街中心の市庁舎広場へ。イベントか何かあるらしく、白いテントが所狭しと建ち並んでいる。広場の半分から向こう側には、野菜などを売る朝市が出ている。
サン・セルナン聖堂へ向かう。聖堂の周囲では、粗大ゴミからかき集めてきたような"ガラクタ"を売る露天がひしめいている。骨董品ならその筋の趣味の人も居るだろうけど、日用品はゴミはゴミにしか見えないけど...。需要あるのだろうか。
大学構内を通り抜けて、ジェコパン修道院へ。天井の高い、えらく質素な建物。回廊は11時から無料開放ということで、また後で来ることにする。ガロンヌ川に架かるレンガでできた橋を見て、県庁横にあるサンティ・ティエンヌ大聖堂へ。広い場所に建てたにしては、身廊の途中で変形している変わった建物。聖堂の北側には、凱旋門もある。
太陽が雲の間から覗いたり、曇ったりと、なかなか写真撮影には適さない安定しない天気。ジャンヌ・ダルク広場近くの中華料理屋で昼食を食べてから、空港バス(運賃5ユーロ)に乗って、空港へ。
トゥールーズ駅前 バスターミナル(12:40発) → トゥールーズ・ブラニャック空港 ターミナル(13:00着)BUS FLYBUS 運賃 5ユーロ(570円)
Blagnac - France (ブラニャック - フランス)
トゥールーズ・ブラニャック空港 ターミナル(13:05ごろ)→ Airbus Jean-Luc Lagardère(13:40ごろ)徒歩
エアバスの工場見学の場所が、空港北端にあるジャン・リュック・ラギャルデール工場。近くにバス路線とかそういうのは無い。自動車文化の国フランスらしい...。ということで、GoogleマップとGPSを使って歩いてゆくこととする。空港のターミナルビルから、ぴったり4kmの道のり。後で気づいたが、 1.5kmのところにある空港駐車場P5/P6の無料シャトルバス乗り場までシャトルバスで行けば、歩く距離は2.5kmで済むことになる。
空港駐車場の区域を過ぎると、郊外型の格安店がある大きなロータリー。そこを過ぎると土曜日なので、閑散としたエールフランスやエアバス社の工場群が草原の中にゆったりと建ち並んでいる。エアバス工場には、SUEZ社の巨大な水処理プラントがあるが、トゥールーズはVEOLIA社が水道事業をしているはずなので、こういう巨大工場はそれぞれ入札で水道会社を誘致しているのだろうか。社会主義国の日本では、水道は官業独占なので、井戸水汲んだら自社で処理しないといけないので、こういう専門は専門に任せるということはできないんでしょうねぇ。
工場の見学は、カメラ持込が一切禁止なので、入り口ゲートの手前までしか写真は撮影できない。外から見える限りでは、ルフトハンザ、大韓航空、ガルーダ航空の3機のA380が屋外施設でチェック中なのが分かる。屋内のは一切見えない(あたりまえか)。食品工場、製鉄工場、発電所などさまざまな工場に仕事でいったとこはあるが、世界最先端の航空機工場は初めてだったりする。
屋内施設も、土曜日のためか、ほとんど労働者は見かけない。二交代で組み立て・検査をやっていると聞いているのだが、休日はタイムライン上必要な最低限の人員だけになっているのだろうか。
しかし、A380の最終組立工場、大きいねぇ。機体の各部位は英国やドイツなどで作られて運ばれてくるのだが、生産計画・輸送計画が狂ったらそれこそ巨大な部材で工場が塞がってしまう、とんでもなくハイレベルな生産システムだというのはなんとなく分かった。
部位 | 生産工場 |
---|---|
主翼 | Broughton (United Kingdom) |
垂直尾翼 | Stade (Germany) |
水平尾翼 | Puerto Real (Spain) |
機首(ノーズ) | Saint Nazaire (France) |
胴体 | Hamburg (Germany) |
胴体、コックピット | Méaulte (France) |
輸送手法
- 各国の工場 →(フェリー輸送)→ ボルドー近郊のPauillac
- ボルドー近郊のPauillac →(ガロンヌ川の川船)→ Langon
- Langon →(道路輸送)→ トゥールーズ
製造過程が分かるビデオ
- A380 assembly (How to build an A-380 7 minutes) (YouTube)
- A380 From Dream To Reality : The Logistics (Airbus Official)
- A380 From Dream To Reality : Final Assembly (Airbus Official)
- A380 From Dream To Reality : First Flight (Airbus Official)
Airbus Jean-Luc Lagardère(16:05ごろ) → 空港駐車場 P5/P6(16:30ごろ)
徒歩 P5/P6(16:45発) → トゥールーズ・ブラニャック空港 ターミナル(16:55発)→ 地下鉄ジャンヌ・ダルク駅(17:10着)
Parking Shuttle BUS 運賃 無料, FLYBUS 運賃 5ユーロ(570円)
工場からの帰り、今度は途中で駐車場のシャトルバスに乗り、最後の1.5kmを歩かずに済んだ。空港からはトゥールーズ駅行きの空港バスに乗り、地下鉄ジャンヌ・ダルク駅で降りる。
Toulouse - France (トゥールーズ - フランス)
ジャンヌ・ダルク駅 → ミディ運河駅地下鉄 B線 運賃 1.5ユーロ(170円)
せっかくだから、ミディ運河を見に行ってみる。地下鉄駅に、その名もミディ運河という駅がある。1.5ユーロで地下鉄に乗り、そこに行ってみる。駅を出ると、確かに運河がある。運河といわれているから、そう思うだけで、川といわれればたぶんそう思ってしまうのだろう。殆ど流れがあるようには見えないので、運河なのだろうけど...。運河の両岸には木が植えられていて、ジョギングしたり散歩したりするにはちょうど日差しがさえぎられてよい雰囲気になっている。実際にこの運河が使われていたときには、運河を行船をロープで引っ張るときに使われていたというから、当時は実用性はあったのだろう。
トゥールーズ : Saint Severin(サン・セヴェリン) 206号室ダブルベッド部屋。45.7ユーロ(5250円)/1泊