ハンガリー、フランス 旅日記 : トゥールーズ、カルカソンヌ、リヨン
October 03, 2010 (Sunday)
Toulouse - France (トゥールーズ - フランス)
サン・セルナン聖堂広場での露天市
Weekend Market at Basilique Saint Sernin
昨日と同じく、トゥールーズ駅のQuickで朝食。今日は1.95ユーロのクロワッサンとコーヒーのセットにする。外は快晴。珍しく天気がよいが、ものすごい強風。
昨日ガラクタ市をやっていた(11〜12世紀に建てられたという)サン・セルナン聖堂へ行ってみると、今日はさらにスケールアップしてガラクタ市と日用品の露天が、聖堂を二重、三重に取り巻いている。売るほうも、買う方もフランス"人種"ではない、中近東や北アフリカ系統の人が目立っている。古着が1ユーロとか、箱にも入らず、タグも付いていない靴が山積み状態で売っているのとか、どうみてもアフリカの民族衣装とか、もう北アフリカのバザールに来たような感じだ。
それとは全く対照的なのが、市庁舎広場で、こちらは昨日存在していたイベントのテントが全て撤去されて、朝市も出ていないすっきりした状態になっている。 広場の端っこに、唯一パン屋が出店しているのを除いては。
10時すぎにホテルをチェックアウト。(朝食無し)2泊で91ユーロほど。1泊で45ユーロというのは、まあ、この国では妥当な範囲だろう。
駅へ。10時40分にTGVが、10時44分にTeozがモンペリエ方面へ出発するが、カルカソンヌまでの所要時間はどちらも40分ほど。今回はTeozのほうに乗る。切符は昨日自販機で買ったのだが、10ユーロとTGVよりは安かった。
トゥールーズ・マタビオ駅(10:44発) → カルカソンヌ駅(11:30着)Corail Teoz 4655 運賃 10.5ユーロ(1200円)
トゥールーズ・マタビオ駅に到着するコライユ Teoz
Corail Teoz arrive at Toulouse-Matabiau
トゥールーズを出ると、しばらくミディ運河と併走し、そのうち平原の中を走るようになる。だんだん雲が多くなり、それも低いところを早く流れる雲が多くなる。相当風がきついのと、スペインとの国境のピレネー山脈も近いことだし、高度も高いのだろう。
完全に曇ってきた。11時30分、カルカソンヌ到着。マルセイユ行きだが、かなりの乗客が降りる模様。
Carcassonne - France (カルカソンヌ - フランス)
カルカソンヌ。Wikipediaによれば"街の名前は、カール大帝がこの都市の攻略をあきらめ退散するときに、当時街を治めていた女性カルカス (Carcas) が勝利の鐘を鳴らした (sonner) ことに由来する。"ということだが、丘の上にある城砦は"ローマ帝国時代の紀元前6世紀ごろに造られた城砦都市オッピドゥム"が起源であるということだ。今日は、この城砦に泊まることにする。
駅を出て、ミディ運河に架かる橋を渡ると、旧市街の端に出る。バス停があったので、時刻表を見てみると、11時57分、13時57分にシテ・メディイーバル行きのバスがあるようだ。シテ・メディイーバルは城砦の横にあるバス停で、今日泊まるユースホステルもそこにある。時刻表をよく見ると、月~金・土&休暇というのしかなく、日曜に走っているのかどうか不明。
バス停の前のマクドナルドで昼食を買い、食べながら待つが、バスは一向に来ない。日曜は、バスも休みなのか... 観光地なのに、そりゃ無いでしょう。
カルカソンヌ駅前(12:00ごろ) → 城砦 Cité(12:30ごろ)徒歩 2.3km
仕方なく、旧市街西側の丘にあるシテ(城砦)を目指す。旧市街の中心をまっすぐ横切って歩く。沿道の店は、全て休み。さすが日曜日というか、旧市街は観光地じゃないんでしょうね。ガンベッタ広場に出ると、目の前にオード川に架かる橋が見える。広場は自動車の展示販売会場になっているようで、値札をつけた新車がずらっと並んでいる。フランスでは、あまり日本車は見かけないが、ここではトヨタの車も何台か売っていた。
オード川の橋を渡る。遥か向こうにシテの城砦が見える。川の上は吹き飛ばされそうなくらいの強風が北から吹いている。空はものすごい速さで雲が流れているが、とにかく曇り。
橋をると、シテのふもとの村(ville basse)に入る。小さな教会(サン・ジュール教会)があるが、ここから急な坂道となって、5分ほど登ると城砦の門に到着。オード門というらしい。城砦の中は観光客でいっぱいで、店も結構開いているようだ。といっても、観光客向けのみやげ物ややら、レストランの類ばかりだが...。
ネットで予約しておいたユースホステルへ。チェックインは15時からということで、荷物だけとりあえず預ける。
カルカソンヌ城砦を歩く
Carcassonne Cité walkng
城砦の中と外を一通り歩き回ってみる。時折、雲の間から晴れ間が顔を覗かせて、そのときを狙って写真を撮影。城砦の外壁は二重、所によっては三重になっていて、(イスラムやスペインの攻撃からの)鉄壁の守りを誇ったのも分かる気がする。これほどの城壁を見たのは、ギリシアのロードス島以来だ。城壁の間は砂地や草地になっていて、折からの強風で、砂嵐状態となっている。壁の中は店があってたくさんの人が居る、もちろん砂嵐も吹いていないし、それほどの強風を感じることも無いけど、壁の外は(今日は特に天気が悪いこともあるが)ひどい状態だ。
明日、駅へ帰るときのバス停、シテ・メディイーバル停留所を見に行く。登ってきたときの城門とは反対側の城門のナルボンヌ門を出たところに、バス停がある。だいたい1時間に1本のバスがあるようだ。明日は12時過ぎの列車の切符をネットで買っているので、ゆっくりと城砦内を観光することができるだろう。
チェックインできる時間まで、城砦の中にあるサン・ナゼール聖堂の席に座って休憩する。と、内陣のところで5人の男性が美しいゴスペルの歌声を披露し始めた。この教会をベースに活動しているミュージシャンだろうか、一番前の席のところに特設のCD販売コーナーを作っている。
15時、ユースホステルにチェックイン。宿泊費20ユーロだが、ユースホステル会員証が無いので7ユーロ別途払う。日本で払うと2000円位するので、こっちで買った方が得だ。(どうせ、日本は天下り役人や議員の懐に消える金だしね... 日本のユースホステル協会はお役所の外郭団体)
日本語や中国語も流暢に話すフロントのおっちゃんに、13号室を割り当てられた。部屋にはすでにスウェーデンから来たと思われる自転車乗りが泊まっている。サイクリング用ユニフォームなどが部屋に干してある。
城砦内でのパレード
Parade at Cité
外へ出ると、なにやら仮装大会のような、祭りのようなものをやっている。なんだかよく分からないが、とにかく観光客向けのイベントのようだ。
夕食は、同じ部屋に泊まっている日本人の"サイクリスト"と、ユースホステルのキッチンでパスタを作って食べる。食料品店で購入した4.5ユーロのワインは、あっさりとして絶品だった。日本で飲んだら高いんだろうね...。
夜。昼間よりは雲の量が減ったように思える。夜景を撮りにオード川に架かる新橋(ポン・ヌフ)まで出かけるが、石でできた旧橋がライトアップされていないので、絵葉書にあるような写真にはならない。それに、城砦が遠すぎて、まともに写らない。
21時過ぎには、ジジババ主体の欧米人ツーリストがシテ(城砦地区)から引き上げて、シテの中がすっきりとする。誰も居ない城砦の景色もまたよいものだ。
カルカソンヌ : AJ Carcassonne(ユースホステル) 13号室
6人ドミトリー。21.76ユーロ(2500円)/1泊
October 04, 2010 (Monday)
Carcassonne - France (カルカソンヌ - フランス)
ユースホステルの朝食は7時30分から。(英語を話しているのでおそらく英国からの)女子高校生の団体客用に席があらかじめ割り付けられていて、その他の宿泊者は空いているところでという感じだった。同じテーブルで食べたカナダ人男性は、(熱心なキリスト教信者じゃないけど)コンポステーラを目指して1日に20kmずつ歩いている途中らしい。台湾系米国人の女性は、欧州をぐるっとひと回りする勢いで旅行しているようだ。
朝食後、列車に乗る時間(12時)までの間、城砦の写真を撮りに出かける。ユースの入り口で、ちょうど同室だったスウェーデン人のサイクリストが出発するところだったので、どれくらい走っているのか聞いてみたら、びっくりした。アテネからアテネへのツアー(200日間)の途中らしく、アテネを出てバルカン半島、東欧、スカンジナビアを回って、(なぜか)米国も縦横段して、再び飛行機で欧州に戻ってきてアテネまで戻る途中ということだ。順風ならば1日に 150~200kmくらい、逆風なら100km未満走るそうで、途中でアテネマラソン、ロンドンマラソン、ニューヨークマラソンにも出場したとのこと。参加者は数千人レベルらしい。すごいねぇ。
今日の天気予報は、明らかに「雨」なのだが、なぜか晴れ渡っている。低気圧がフランスのど真ん中にあるが、そこから伸びる雲の腕の隙間の快晴の領域に入っているらしい。運がいいというか...。 でも、すごい強風。
昨日は夕日での撮影だったので、城砦の外周壁の西側(旧市街側)が照らされていたが、今日は外周壁の東側(郊外側)が照らされている。運良く両方とも撮影できた。
しかし、二重~三重の外周壁は高くがっしりと作られていて、さすがにローマ帝国以来名高い城塞都市だけはあると思う。
入場料8.5ユーロ払って城に入ってみる。欧州によくある、いわゆる宮殿的な城じゃなく、城壁の中にある部屋に入れるという程度だが、城壁の上を歩くことができて、そこが8.5ユーロの価値があるのだろう。とはいっても、旧市街(鉄道駅のある方向)方向の眺めは、城壁の上でも、下でも、(城砦の丘の高度がそれなりにあるので)それほど変わらないと感じるのは私だけじゃないはずだ。
カルカソンヌ シテ・メディイーバル(11:15発) → ジャン・ジャレス(11:20着)Bus 4系統 運賃 1.2ユーロ(140円)
11時少し前、ユースホステルに預けていた荷物を持って、門の外にあるバス停へ。ツアー客の観光バスが停まって、大量の"欧米のジジババ"が吐き出されてくるが、公共バスを待つ人は皆無。1時間に1本でも、観光客のために温情で走らせているという程度なのだろう。1.2ユーロ運転手に払って、ジャン・ジャレス(旧市街のところ)まで乗る。最後まで乗ると、どうも駅の前まで行くらしい。旧市街を少しだけ歩いてから、駅へ。旧市街は観光客も少なくて、すっきりしている。
駅の手前のミディ運河を渡る辺りで、空を見上げると、巨大な積乱雲が見える。たぶん、列車はあの雲の方向へ行くはずだ。
カルカソンヌ駅(12:09発) → モンペリエ駅(13:45着 13:56発)→ リヨン パール・デュ駅(15:50着)TER 76307, TGV 6866 運賃 42.2ユーロ(4850円)
12時9分、ニーム行きTER(急行列車)に乗る。朝食のとき同じテーブルで食べた台湾系米国人の人と会ったので、列車の中でお互いの写真を見せあいながら、私はモンペリエで下車、彼女は多分ニームまで(ニームでアヴィニヨン行きに乗り換え)乗るはずだ。
列車は晴れの地域と土砂降りの雨の地域を次々と通過していく。今朝、カルカソンヌが晴れていたのも、偶然で、運が悪ければ大雨だった可能性もあったわけだ。
13 時45分、モンペリエでジュネーブ行きTGVに乗り換える。切符はTERとあわせて40ユーロ。TGVがピーク時間帯で(ネットで買っても)高かった。アヴィニヨン(には停車しないが)のあたりから、専用軌道に入って、時速300kmで走るようになる。名実ともにTGVの価値があるというものだ。専用軌道に入った辺りからは、まっすぐパリに向かって北上していくので、ちょうど雨雲の南北の列のど真ん中を走る感じになる。つまり、ずっと土砂降りの雨の中を走っている。
列車内のアナウンスで、"今日は特別に税関の検査がある"と、フランス語があまり分からない私にもそういう風に聞こえた。しばらくして、モンペリエでプラットホームの先頭車両付近に居たラブラドール犬を連れた税関職員が、車両を巡回始めた。犬が、通路を行ったりきたりして、何かを探している。テレビニュースでやっているように、テロ予告があったようで、TGVが吹っ飛ばされないかチェック強化しているのだろう。
スペインのAVEのように、乗る前に、駅で荷物検査しろよ...
Lyon - France (リヨン - フランス)
パール・デュ駅 → サン・アンドレトラム 1系統 運賃 1.6ユーロ(180円)
15時50分、リヨン・パール・デュ駅に到着。乗客の半分以上がここで降りるようだ。外は大雨。ネットで予約した外国人街にあるホテルへは、トラム1系統が行くので、駅前のトラム停留所へ。雨が降っているからか、トラムは大混雑。サン・アンドレ停留所で降りる。目の前には同名の教会がある。土砂降りの雨をやり過ごすため、停留所のすぐ前の野菜屋の軒先で少しだけ雨宿り。
サン・アンドレ教会の裏手にあるホテルは1泊40ユーロ。これだけの大都市で、40ユーロでシャワー、トイレ、衛星テレビ付きの改装されたばかりの部屋に泊まれるのは安いだろうと思う。(ちなみに、ユースホステルは1泊25ユーロほどで、旧市街の丘の上にある。)
トラムの通り(マルセイユ通り)は、中近東料理・ケバブ屋、インド料理店、中国料理店などフランス以外系の人たちのための店が密集している雰囲気だ。まず、観光客が来るような場所じゃないのだろう。ホテルから歩いて数分以内に、これだけの飯屋の選択肢と、コインランドリーから各種スーパーまであるとは至れり尽くせりだ (笑
リヨン : Hotel Montesquieu(ホテル モンテスキュー) 28号室
ダブル ルーム。40.83ユーロ(4690円)/1泊