DECEMBER 28 DEN HAAG-NETHERLAND
SCHIPHOL - NETHERLAND (スキポール、オランダ)
番外編 : オランダ

KL554便は定刻どおり、スキポール空港に着陸。機長からの放送では、気温は0度をかろうじて越えているくらいらしい。珍しく定刻に着くぞと思ったのもつかの間、機長、「当便の到着するはずのスポットに、他の機がまだ停まっています。このまま誘導路の横で待機します」とさ。しばらくして、機長「他の機に急いで立ち去るように行っています、あと暫くお待ちを!」だと。結局30分遅れの8時25分、ターミナルに到着。

すばやく入国審査を済ませ、クリスマスの飾り付けがまだ残っている、NSの駅へ。デン・ハーグ (Den Haag HS)駅までの切符を買い、ちょうどやってきた列車に飛び乗る。8時46分発の列車は、まだ日が昇る前の薄暗い田園の中を西へ。外は雨が降っているようだ。ライデン(Leiden)に9時05分停車し、デン・ハーグには9時15分到着。

【 The Pages About The Hague http://home-2.tiscali.nl/~aarde01/

DEN HAAG - NETHERLAND (デン・ハーグ、オランダ)

騎士の館 Hall of Knights , Den Haag

列車を降りる。かなり寒い。でも、氷点下でなくてよかった。

今回は、デン・ハーグのユース・ホステルに予約を取ってある。(近頃はインターネットで予約が取れるので便利である) 駅に掲示されている地図で場所を確認する。意外にも駅のすぐ横のようだ。傘(日本を出て以来一回も使っていない)をさして東へ。オランダ風(?)の煉瓦造りの建物は、ユース・ホステルとは思えない綺麗さだ。チェックイン。会員証の期限が切れていたので、テンポラリー・カード(6回泊まると正規会員になれる)を作ってもらう。日本で会員になるより安い(1回5NLG、6回で30NLG=1500円程度)ので、日本で会員料金を払おうと思っている方は、外国で試してみてはいかが?

磁気カードの鍵を借りて、地下の倉庫に荷物を置いて、外へ。フロントで地図と観光名所が書かれたパンフレットをもらう(無料)。まあ、パンフレットをもらわなくても、今回の訪問の目的である「マウリッツハイス美術館」と、「ハウス・テン・ボス」の行き方くらい走っているつもりだが…。

トラムの線路と運河に沿って(Pletterijkade通り、途中からはSpui 通りを)北へ。雨はかろうじてやんでいるが、鉛色の空からは今にも雨が降ってきそうな雰囲気だ。5分ほどで右手に新しく出来た Muziek Theater の複合ビルが見える。オランダの煉瓦色の町並みに、いきなり真っ白な芸術的な建物。素人目には唐突な感じもするが、有名な建築家の作品らしい。そういわれてみれば、芸術的だなぁと言う感じも…。

買い物客でにぎわう Venestr. , Den Haag
クリスマスの飾り付けが残っている

ほとんど人の歩いていない中心街をさらに北へ。ビネンホフ (Binnenhof) と呼ばれる首相官邸&国会議事堂が目の前に現れる。13世紀に建てられたものらしいが、今でもまだ国の中心として現役で使われている。池を回りこんで、ビネンホフの一角にある美術館へ。入場料20NLG。早朝だからか、観光の季節でないからかは知らないが、館内にはほとんど人が居ない。ここは、美術館と言うより、王宮の秘宝館と言うのがぴったりと来るところだ。エジプトで見た土埃っぽい遺跡とはまったく趣向の違う落ち着きがある。ちょうど、「冬のオランダ」を題材にした絵画展をしており、スケートをする市民の絵などがある。美術館の横にある池の半分ほどは、凍らされてスケートリンクになっている。人々の考えることは、昔も今も同じと言うことか。地下の土産物屋で、J.D.Heemの花の絵が入ったガラス文鎮(27.5NLG)を買い外へ。ビネンホフの中に入ってみる。中庭の真ん中には、いかにも重々しい騎士の館が建っている。しかし、ここが政府の中枢部とは、そういわれてみないと分からないようなところだ。一見、普通の古い家の集合体と見えなくもない(オランダ人は質素だから)。

ビネンホフの向かいにあるバーガー・キングに入り、昼食。ダブルチーズ・メニューが9.95NLG。カイロと比べて、高くはない。(カイロのファストフードのセットメニューは 350円〜400円程度、オランダでは 500円〜600円程度。その経済格差から考えても、エジプトのファストフードが如何に高いかが分かる。)

さて、昼食も済み、北海を見に行こうと思う。やはりクリスマスの飾り付けがなされているショッピング街を北上すると、ノールダインテ王宮(Paleis Noordeinde)の前を通る。女王のオフィスらしい。日本では考えられないことだが、通りに接して建っている。隣の建物とも接しており、その1階には普通の洋服屋が入っている。さらに北上すると、国際司法裁判所の前に出る。中国人らしき数人が、自動車で観光に来ていた。建物の半分ほどは、改修工事中のようだ。そこから北は、森のようになっている。森の中をトラムに沿って歩いてゆく。時折ジョギングをする人を見かけるくらいで、ほとんど人を見かけることがない。
バーガー・キングを出てから40分ほどで海沿いの住宅街に出る。12時30分。
住宅街の中を少し迷いながら北へ行き、小高い丘(おそらく堤防)を越えると、海が見える。北海(Nordsee)だ。

北海 Nordsee

砂浜に出てみる。たくさんの人や犬が、砂浜をあっち行ったりこっち行ったりして散歩している。海は波が荒く、北のほうの空には、所々晴れ間も見える。この海岸は、夏はオランダ随一の観光地なのだが、冬でもかなりの人が来るようだ。砂浜を北東に歩いてゆくと、新年のカウントダウンイベントの準備をしているようだ。昨日は大嵐だったようだが、今から用意して大丈夫なのだろうか。陸側には、レストランなどが並んでいる。はやっているのだろうか。
暫く海岸沿いを散歩した後、トラムに乗って市内中心部に戻る。中央駅(Den Haag CS)で降りて、東へ歩く。20分ほど歩くと、王宮らしき建物が公園に見える。通用門らしきところに兵士が立っていたので聞いてみる。「Huis ten Bosch の Best View はどのあたりからか?」と。公園を横切って、北面から見るといいらしい。
公園(Haags Bos)を横切って、北面に出る。途中、王宮が手に取るくらい近くに見えるところがある。北面に出ると、王宮の正面だ。白い建物が鉛色の空の下に建っている。日本の長崎にある「ハウステンボス」は、名前こそここと同じ名前を使っているが、デン・ハーグの本物を見てしまうと、日本のものは何なのだと思う。(長崎のハウステンボスは、どう見ても、ミニ・アムステルダムだが、その割に飾り窓やコーヒーショップをはじめとするアムステルダムの真髄を語らず、張りぼての表面だけを見せているようで安っぽい。)

急にあられが降ってくる。公園がすぐに真っ白になる。時折犬を散歩している人とすれ違うが、傘を持っていない人も多く、案外用意が悪いなと思う(それとも、傘を持たない主義なのか…)。
中央駅前を通り過ぎて、ユース・ホステルに戻る。15時。
暫くして、運河の対岸にあるネット・カフェへ。30分で4.1NLGとはえらく高いところだ。アムステルダムのEasy Everything (あの、格安航空会社 Easy Jet と同じ会社)は 90分で2NLGなのに。

夕食は、ユース・ホステルの1FのバーでToday's Menu (1 - chicken sate) を食べる。16.75NLG。オランダ人は外食をほとんどしないので、外に行っても安く食べられる所は少ない。それに、外は吹雪である。こんなときに外出はしたくない。
食後、地元の新聞を読むと、昨日の大嵐は結構強かったらしい。車が吹き飛んだとも書いてある。それで、街にあるクリスマスツリー(欄干などにくくりつけられた、本物の樅ノ木)が倒れているところが多いはずだ。