ウクライナ、ポーランド、ドイツ 旅日記  : ワルシャワ、クラクフ

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September 27, 2011 (Tuesday)

Train
Київ-Пасажирський/Kiev Central station(16:35頃発)→ Warszawa Centralna(09:25頃着)
67KJ列車 2号車35番席 運賃 478フリヴニャ(4780円) 2等寝台上段料金 226フリヴニャ(2260円)
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ヤゴディンの台車交換工場
gauge change facility

夜中の0時過ぎ、車掌が「パスポートを用意しろ」と各コンパートメントに伝えに来る。国境に差し掛かったようだ。入国審査官がやって来てパスポートを回収していく。その間に、列車は軌道間隔が変わるため台車を交換する工場に入っていく。1両ずつ客車を持ち上げて、台車を交換しているようだが、車両の下で何をやっているのかは乗客の身では何も分からない。もちろん、作業工場の中は「写真撮影禁止」と壁に大きなピクトグラムが描かれているので、写真撮影は出来ない。1時間ほどで台車交換も終わるころ、今度は税関の検査官がやってくる。珍しく若いお姉さんの検査官だ。本来なら部屋の中に密輸品(ここの国境ではタバコ)が隠されていないか、天井裏まで調べるところだが、乗客が満員では検査も省略しているようだ。

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ドロフスク駅(ポーランド側国境駅)
Dorohusk station, Poland

列車がゆっくりとポーランド側に移動して、さらにポーランドの入国審査官がやってくる。そんなこんなで、国境検査一式に費やされた時間は、約5時間。総乗車時間18時間のうち、5時間も国境で足止めとは、どうにかならんものですかね。

Warsaw - Poland (ワルシャワ - ポーランド)

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ワルシャワ中央駅に到着したキエフ発D67KJ列車
Warsaw Central station, D67KJ train from Kiev

朝起きると、早朝のもやの中を列車は走っている。ウクライナが延々と続く森だとすれば、ポーランドの車窓は延々と続く畑と牧草地だ。それだけ開発が進んでいるのだろう。キエフのスーパーで買ったフランスパンを食べて朝食。9時20分、定刻より10分程度遅れてワルシャワ中央駅に到着。

ポーランドのお金を得るためにATMを探す。真新しく巨大な中央駅コンコースにはATMは見当たらない。駅の横にある巨大なショッピングモールZłote TarasyにATMを見つけたが、壊れているのかカードを受け付けない。駅を挟んで反対側にある高層ビルの1階にATMを見つけてお金をゲット。

Tram
Dw.Centralny‎(09:40頃発)→ Nowowiejska‎(09:50頃着)
Tram 市内交通1日券 12ズロチ(290円)

ネットで予約したホステルへトラムで向かう。市内南側のはずれの位置にあるホステルは、すぐ前を市街地の環状道路が通っている。環状道路の向こうはグリーンベルトになっているように見える。でも、中央駅からトラムで2,3駅なので、感覚的には離れているとは感じない。ホステルに荷物を置いて外へ。中央駅までのんびりと歩いて戻り、明日以降に乗るクラクフまでと、さらにそこからヴロツワフまでの長距離列車の切符を買う。

Tram
Centrum‎‎(12:00頃発)→ Pl.Unii Lubelskiej‎‎(12:15頃着)
Tram 市内交通1日券 12ズロチ(290円)
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ワジェンキ公園、ワジェンキ宮殿
Łazienki Królewskie, Pałac na Wyspie

トラム中央駅地下のマクドナルドで昼食(ビッグマックセット 14.6ズロチ = 350円)を食べてから、ワジェンキ公園へ。池の畔に建つ白い宮殿(水上宮殿)が有名らしい。やたら広い公園には木々が生い茂っていて、これが大都会の真ん中にある公園とは思えない。木立の間に白い建物が点在している。

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ワジェンキ公園、ショパン像
Łazienki Królewskie, monument Chopin

学生の遠足だろうか、高校生から幼稚園くらいの小さい子供まで、たくさんの団体が来ている。日本で言えば、森と芝生、点在する展示施設がある新宿御苑のような感じというのだろうか。水上宮殿は入場料(17ズロチ=410円)。中は、なぜか中世のオランダ絵画で埋め尽くされている。

Tram
Nowowiejska‎ → Świętokrzyska‎(16:20頃着)
Tram 市内交通1日券 12ズロチ(290円)
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サスキ公園、自転車に乗る人
Ogród Saski

夕食、前回ワルシャワに来たときに利用した中華料理屋へ。料理(14ズロチ=330円)を注文して思い出した... ご飯とおかずがさらに山盛りになって出てくるところだ。ポーランド人って、ものすごい食欲やね。夕暮れ時、中華料理屋の斜め向かいにあるサスキ公園へ。散歩の人と通勤帰りの人がたくさん行き交っている。ずっと以前に来たときに金網に囲われていたロココ様式の彫刻の金網が外されていた。いたずらされないように対策でも取ったのかな...

Tram
Hotel Bristol → Plac Trzech Krzyży, Dw.Centralny‎ → GUS(19:00頃着)
Bus+Tram 市内交通1日券 12ズロチ(290円)
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サスキ公園、無名戦士の墓
Grób Nieznanego Żołnierza

ポーランドには一週間滞在するので、ネット接続用のSIMカードを購入。7日間300メガバイトまで利用可能なものが9ズロチ(210円)と格安。ついでに、マウスを持ってくるのを忘れたので、携帯用の小型の物を買う(25ズロチ=600円)。

夜、滝のような雨が降る。BBCの天気予報では晴れ時々曇りなのに、ぜんぜん当たってないな。

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データ通信SIMカードとWifiルータ
Hotel
Warsaw Delights Hostel 4B号室
99ズロチ(2380円)/1泊

September 28, 2011 (Wednesday)

Warsaw - Poland (ワルシャワ - ポーランド)

昨晩の雨はやんで、朝は霧が出ているような天気。昨日よりだいぶ気温が下がっている。Booking.comの予約サイトでホステルは「朝食つき」と書いてあるが、単にスーパーで売っている保存用食パンを勝手に食えの状態。皿は自分で洗って使えでは、「朝食あり」とは言わんでしょう。湯は恵んでもらえるので、スーパーで買っておいたインスタントラーメンを作る。ワルシャワは国際会議だの見本市だの盛んに誘致しているが、宿泊する場所(ホテル、ホステルなど全て)の数が圧倒的に少なく、超レベルの低いサービスでも生き残れる市場だから仕方ないか。

Tram
NIK(09:05頃発)→ Centrum‎ → Pl.Bankowy‎(09:20頃着)
Tram 市内交通1日券 12ズロチ(290円)
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トラム セントラム停留所、霧中の文化科学宮殿
Centrum‎ tram station, Pałac Kultury i Nauki in fog

9時ちょっと前に観光に出かける。トラムで、とりあえずは中央駅付近へ。スターリン様式の文化科学宮殿の「ビル」の部分が完全に霧の中に隠れて見えない。これでは屋外の観光どころではない。もちろん写真撮影も無理そう。

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王宮
Royal Palace, Sala Rycerska

ということで、室内を見て回る王宮へ。22ズロチ(530円)の切符を買って、10時の開館と同時に中へ。いろいろな国で王宮なるものの見学をしたが、まあ、ここは平均的な「派手さ・華やかさ」ですね。ただ、第二次大戦で完全に破壊されたので、現在あるものは再建されたレプリカに過ぎないですけど。部屋に飾られている美術品だけが、戦時中は疎開して無事だったので、オリジナルのものなんだと思う。

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旧市街のバービカン
Barbican

旧市街には、地元の小学生から高校生くらいまで、さまざまな団体が歩いてます。そして、日本人の団体観光客も。旧市街といっても、1953年に復元されたレプリカだと、旧市街中心の広場にあるモニュメントに書かれている。レプリカでもこれだけの観光客が来るんだから、観光の目玉作りに悩んでいる他の町も真似してみてはどうだろう...。

Tram
Stare Miasto‎(12:00頃発)→ Królewska‎‎(12:10頃着),Hotel Bristol(13:10頃発)→ Foksal‎(13:20頃着)
Tram+Bus 市内交通1日券 12ズロチ(290円)
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ワルシャワ軍事博物館, MIG-29G #4111

昨日夕食を食べた、山盛りの定食が出てくる中華料理屋で昼食(18ズロチ=430円)を食べてから、国立博物館へ。行って見ると、工事中で休館だとフェンスに貼り出されている。旧市街の歴史博物館も、工事中で休館。そこらじゅうで休館ですね...。国立博物館の隣の軍事博物館は、さすがに開いている。こちらは入場料無料で、運営費は軍の広報費用か何かでまかなっているのだろう。前回来た時には無かったMIG-29フルクラム戦闘機アントノフ26輸送機が新たに展示に加わっていた。

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輸送機 An-26 #1602, cockpit

アントノフ26輸送機は、2ズロチ払うと女性兵士の案内付きで内部見学させてくれる。2009年まで実際に飛んでいた輸送機を見れる機会はめったに無いはずだ。
「あなたも6ヶ月トレーニングすれば、このフルマニュアルで飛ばす輸送機を操縦できる」そうだが、ノーマル状態で飛ばせても、緊急時にロシア語の操作パネルがさっぱり理解できず、墜落させてしまいそうですね。

Tram
Powiśle(14:45頃発)→ Centrum‎‎‎ → Stare Miasto‎(15:20頃着)
Bus+Tram 市内交通1日券 12ズロチ(290円)
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旧市街市場広場
Rynek Starego Miasta

15時、晴れてきたので旧市街へ。旧市街の写真は、前回2006年に来たときに撮影しているので、今回は適当に何枚か撮影してみる程度。やはり、2回も同じ街に観光に来ると、やることがなくなりますね...。

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イエズス教会と聖ヨハネ大聖堂
Jesuit Church and
St. John's Archcathedral

それでも、夕方に再び旧市街に行き、夜景撮影するだけの気力は残っていました。

Tram
Stare Miasto(19:45頃発)→ Kino Femina‎‎‎‎ → Nowowiejska‎
Tram 市内交通1日券 12ズロチ(290円)
Hotel
Warsaw Delights Hostel 4B号室
99ズロチ(2380円)/1泊

September 29, 2011 (Thursday)

Warsaw - Poland (ワルシャワ - ポーランド)

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気象衛星 2012/09/29 07:45
ポーランドはちょうど渦を巻く雲の間

泊まっている郊外のホステル、一昨日はドイツの大学生の団体が、今日はポーランドの中学生か高校生の団体が泊まっている。やはり、大学生ともなるとホステル内では殆ど音も立てずに常識的に行動するようになるようだ。昨日の夜は、動物園のサルが隣の部屋に陣取ったかと思うような騒音だった(笑

Tram
Nowowiejska(09:10頃発)→ Centrum‎(09:20頃着)
Tram 市内交通1日券 12ズロチ(290円)
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ワルシャワ中央駅、クラクフ行きEIC
Warszawa Centralna, EIC train for Krakow

9時過ぎにトラムで中央駅に向かう。ワルシャワの天気は曇り。天気予報では晴れのはずなんだが...。中央駅はそこらじゅうで工事していて、プラットホームに降りる階段も閉鎖されている場所が多い。地下のコンコースに切符売り場を見つけたので、Kindleで時刻表検索して3日後のヴロツラフからポズナンへの切符を購入(1等車 65.65ズロチ=1570円)。昨日、地上階のコンコースにある切符売り場で購入しようとしたら、列車番号をインフォメーション窓口で聞いて来いと追い返されたので、今回はネットで列車番号もちゃんと調べた。だいたい、駅の切符売り場が、列車番号を調べる窓口と、切符の予約をする窓口に分かれていて、縦割り行政しているのはさすが共産主義国家の非効率さが抜けていない証拠だ。窓口の数だけ大量に並べても、客をたらいまわししているようでは...。ドイツやフランスのように、自販機を並べて人間の方を廃止すればいいのに。

Train
Warszawa Centralna(10:55発)→ Kraków Główny(14:10着)
Express Intercity 5306列車 2等運賃103ズロチ(2470円)座席指定16ズロチ(380円)
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ワルシャワからクラクフへの車窓。大平原を行く
view from EIC 5306 train

10時36分発のクラクフ行きEIC(エクスプレス・インターシティと読ませる)は20分以上遅れてやってきた。ドイツのICEをひっくり返した綴りのパクリをする割には、遅れてくるわ、最高速度は時速100km程度しか出ていないわで、名前倒れになっていると感じるのは私だけではないはず。列車はのんびりと、平原を南へ走っていく。だんだん雲が消えて晴れ間が出てくる。食堂車をつないでいるので、食べに行ってみる。ウエイトレスが「ブレックファーストセットがお勧め」ということなので、それを頼んでみる。巨大なソーセージを切ってチーズを乗せて焼いたものと、トマトサラダ、パン、コーヒーで23ズロチ(550円)。日本の新幹線では食堂車が消えて久しいが、東欧では食堂車がまだ健在だ。

Kraków - Poland (クラクフ - ポーランド)

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クラクフ中央駅に到着したEIC 5306
EIC 5306 train arrives Kraków Główny

クラクフに近づくと、さらにのろのろ運転。どうも片側の線路を工事中で、単線運転になっているようだ。クラクフ中央駅にはさらに20分以上遅れて14時10分到着。11年前に来た時には小さな駅だったが、巨大なショッピングモールGaleria Krakowskaが出来て駅が巨大化している。が、駅舎だけ以前のものを使っているので、プラットホームから一旦駐車場の上を歩いて、再び駅舎に入るという、工事中にも程があると言わせるくらいむちゃくちゃな動線の駅。ポーランド政府は、これだけそこらじゅうで工事しまくって、まだ経済が発展するから元が取れると考えているのだろうか。多分無理だろうね。ギリシアがデフォルト起こして、EUもろとも撃沈するのは分かりきってるのに...。

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フロリアンスカ門
St. Florian's Gate

ネットで予約した、旧市街フロリアンスカ門の横にあるホステルへ。マクドナルドの上の階にあるので、いざ食事を食べそびれたときでも安心だ。デラックス・ダブルルームで1泊100ズロチ(2400円)。昨日まで泊まっていたワルシャワのホステルは、ツインルームで1泊99ズロチ。さすが、デラックスというだけあって、シャワーとトイレが室内にあり、テレビと冷蔵庫まで装備されている。これで値段が同じなのだから、いかにワルシャワがボッタクリ価格か...。

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中央市場広場、聖マリア教会
Main Market Square

晴れてるので、とりあえず旧市街観光へ。といっても、10年前にすでに見学済みなので、地図無しでもなんとなく観光地の場所は覚えているものだ。ホテルの前のフロリアンスカ通りをまっすぐ行くと、中央市場広場に出る。たくさんの観光客がいる。そういえば、さっきのワルシャワからの列車には、日本人の団体も乗っていたが、広場周辺で見かけないがどうしたんだろう。旧市街からやたら遠い場所にあるホテルに連行されてしまったのか...。

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ヴァヴェル大聖堂
Wawel Cathedral

前回、腹痛でまともに見ることが出来なかった王宮へ向かう。道すがら、Wikipediaで推奨観光場所として挙げられているヤギェウォ大学のコレギウム・マイウス聖ペテロ・聖パウロ教会をチラッと見て、王宮の丘を登る。坂道を登っていき、城門をくぐるとヴァヴェル大聖堂がある。身廊・内陣などは無料で見学できるが、クリプトと鐘楼に入りたいのなら12ズロチ(290円)の入場料が必要。せっかく来たんだから、まさか300円程度ケチるわけが無い。クリプトにはショパンの墓。確か、パリのペール・ラシェーズ墓地に豪華なショパンの墓があったはずだが...。国外で活躍した作曲家だが、一応祖国にも墓を作っておこうという程度のものだろうか。前ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世のチャペルもある。Wikipediaによれば、彼はクラクフ郊外の生まれで、クラクフ教区の大司教も務めたそうである。数年前に飛行機の墜落事故で死んだカチンスキ大統領の棺も特別室に埋葬されていた。なんで、大聖堂に政治家が埋葬されてるのか...。

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ヴァヴェル大聖堂とヴァヴェル城
Wawel Cathedral and Wawel Castle

と、城内の大聖堂は見たが、ヴァヴェル城の中は見学できるのだろうか...。歩き方には見学できると書いてあるが、切符売り場には「大聖堂12ズロチ」しか書かれていない。多分、何か見落としてるのだろう。17時、城が閉まるので今日はあきらめる。

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トラムのレトロ車両
historic tram, type SN1+PN3

クラクフ中央駅前のショッピングモールGaleria Krakowskaに行ってみる。2階にフードコート、地下にカルフールの食品売り場がある。夕食は、フードコートのトルコ料理。チキンに野菜やチーズを載せてオーブンで焼いたものと、野菜の炒め物類、サフランライスを山盛りさらに盛り付けて、レジで重さを計って値段を払う仕組み。取りすぎた、食べ切れんほどある...。20.65ズロチ(500円)。

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聖マリア教会と織物会館、観光馬車
St. Mary's Basilica, Cloth hall and touristic Fiaker

夜、中央広場で夜景撮影。カルフールで食品を買うのに手間取って、すでに空が暗くなってから到着。ワルシャワに比べたら、夜でも観光客が多いね...。

Hotel
Brama Hostel, 2C号室
100ズロチ(2400円)/1泊